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平成 30年度青森県臨床検査技師会 精度管理調査 生理部門

生理機能検査部門長:逆井 久美子(八戸赤十字病院)

精度管理担当:武田 美香(弘前大学医学部附属病院)

【初めに】

参加施設は、38 施設。ここ数年の間は 12 誘導心電図のみの出題でしたが、ホルター心電図、運動負荷心電図、

心電図と心エコーのコラボ問題、ABIと血管エコーのコラボ問題、脳波、BLSを加えた 15問としました。内容に関し

ては、基本的な問題を中心にし、臨床の現場で活用できるような知識習得を目標に作成しました。

H30 年度設問別参加人数

設問内訳 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

参加施設数 38 33 33 25 24 16 27

・① 問1~6:心電図(12 誘導心電図) ・② 問7~8:心電図(ホルター心電図) ・③ 問9:心電図(運動負荷心

電図)・④ 問 10~11:心電図(心エコーコラボ) ・⑤ 問 12:ABI(血管エコーコラボ) ・⑥ 問 13~14:脳波 ・⑦

問 15:BLS

各年度参加施設状況

H30 H29 H28 H27 H26 H25

東青 9 10 10 11 8 8

中弘南黒 12 17 17 17 16 15

西北五 5 5 5 5 5 5

上十三 4 6 6 6 6 5

三八 5 7 6 7 7 6

下北 2 2 2 2 2 2

合計 38 47 46 48 44 41

【評価対象外の設定】

・問4、問8、問14については、「臨床検査精度管理調査フォトサーベイ評価法に関する日臨技指針」に基づき、正

解率が低いため評価対象外とします。

・問9については、適切な選択肢がないため正解なしとし、評価対象外とします。

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【設問別正答率】

正解: ④

正解: ③ 正解: ②

正解: ① 正解: ④

正解: ① 正解: ④

正解: ②

解なし

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正解: ④ 正解: ③

正解: ③ 正解: ①

正解: ④ 正解: ①

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【解説】

正解:④ B 型 WPW 症候群 正答率:97.4%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 0 0 37 1

心電図所見:HR 80・PR 0.10s・QRS 0.12s・QT 0.410s・QTc 0.472/0.449(QTc-B/QTc-F) 軸 正常

出題意図:WPW 症候群の分類と発作時の心電図波形、治療に関しての知識習得

解説:PR時間が短縮し、⊿波を認めます。QRSは延長。心房と心室を直接バイパスする伝導路(ケント束)が存在

するため WPW 症候群と診断できます。WPW 症候群は、V1 の QRS の極性から A 型、B 型、C 型に分類されます

【図1】。 V1 は、rS型なので B型と判断出来ます。A型は左室、B 型は右室、C 型は中隔に副伝導路を示す事が

多いとされます。今回提示した患者は、前医にて、【図2】の心電図から当院に紹介。【図2】の心電図は、心房細

動(AF)を合併。心房性の頻拍が、心房→ケント束→心室とケント束を介して心室に伝搬したため wide QRS

irregular tachycardia を呈し、偽性心室頻拍と診断されました。アブレーション目的で来院され、EPS(電気学的生

理検査)により、AVRT(房室回帰頻拍)【図3】も誘発されました。WPW症候群に房室回帰頻拍が生じた場合、心房

→房室結節→心室→ケント束→心房と刺激が伝搬し、narrow QRS regular tachycardia を呈します。CARTOによ

るマッピングに基づき三尖弁弁輪 9 時方向(右室側)にケント束を確認後、通電し離断【図4】。アブレーション後は、

【図5】のように PR時間は正常化し⊿波は消失しました。WPW症候群の中で特に B型は、エプスタイン奇形を伴う

事があります。B 型 WPW 症候群の患者に、心エコーを依頼された場合は、エプスタイン奇形を除外する必要もあ

ります。

【図1】 JAMT技術教本シリーズ 循環機能検査 技術教本から引用

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【図2】 偽性心室頻拍 (WPW+AF) 【図3】 AVRT

【図 4】 三尖弁弁輪(右室側)に通電 【図5】 治療後 ⊿波消失 QRS幅正常化

正解:③ 陳旧性心筋梗塞(前壁) 正答率:100%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 0 38 0 0

心電図所見:HR 59・PR 0.15s・QRS 0.10s・QT 0.415s・QTc 0.408/0.408(QTc-B/QTc-F) 軸 正常

V1~V4 QSパターン+持続的な ST上昇。V1~V5 陰性 T波

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出題意図:持続的な ST上昇を認める前壁梗塞に伴う心尖部瘤の心電図波形の知識習得

解説:典型的な心尖部心室瘤を伴う陳旧性の前壁梗塞の心電図です。持続的な ST 上昇は心尖部心室瘤によく

認められます。【図1】は、問2の患者の心電図所見の経過波形になります。左から来院時(急性期)・翌日・14 日

後・1年後になります。今回提示したのは心筋梗塞発症1年後の波形になります。良好な再灌流が得られ、心室瘤

を呈さない前壁心筋梗塞の場合は【図2】のように急性期の前胸部の ST上昇は 1週間から 10日ほどで基線に戻

り異常 Q 波と陰性 T 波が残りますが、心筋障害が強く心室瘤を形成した前壁梗塞は急性期から慢性期にかけて

も ST 上昇が遷延し急性期の ST 上昇と判別が難しいことがあります。そのような場合は、過去の心電図波形・検

査時の症状・検査前の症状・病歴から発症時期を読みとる事が重要だと思われます。【図3】は、患者のエコー画

像(四腔像)です。エコーにても、心尖部が瘤状になっているのが確認出来ました。

【図1】 来院時(急性期)⇒翌日⇒14日後⇒1 年後 【図2】

【図3】 心尖部瘤

正解:② 洞不整脈 正答率:97.4%

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① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 37 0 0 1

心電図所見:HR 59・PR 0.13s・QRS 0.09s・QT 0.427s・QTc 0.422/0.424(QTc-B/QTc-F) 軸 正常

出題意図:洞不整脈の知識習得

解説:洞性 P 波(Ⅰ・Ⅱ・aVF誘導で上向き)を認める。PP 間隔が不正だが、PR 時間は一定である。P 波の形が全

て一定ですので、P 波の形が異なる移動性ペースメーカーではないことが確認出来ると思います。P-P の不整が

0.16 秒以上ですので、洞不整脈と判断出来ます。洞不整脈は、若い健常者でも認められます。呼吸性かどうかの

確認としては、深呼吸をさせる事で確認できます。呼気で徐脈、吸気で頻脈になります。この現象は、迷走神経の

関与によるものです。糖尿病や加齢に伴い、呼吸による変動は低下し、R-R 間隔変動係数(CVRR)の低下に繋が

ります。下部心房調律の場合、P波はⅡ、Ⅲ、aVFで下向き、Ⅰ、V5、V6 で陽性となります。

評価対象外 正解:① Ⅰのみ正常心電図 正答率: 78.9%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 30 7 0 1 0

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出題意図:小児と成人の基準範囲心電図の知識習得 胸部誘導の電極つけ間違い波形の確認

解説:

問題文訂正:心電図は正常とは表記せずに、基準値、もしくは基準範囲と呼ぶそうです。基準範囲とは、健常者か

ら測定された 95%信頼区間を示すそうです。問題の記述が不適切であった事、お詫び申し上げます。

Ⅰ:心電図所見:HR 122・PR 0.10s・QRS 0.09s・QT 0.290s・QTc 0.41/0.367(QTc-B/QTc-F) 軸 正常

小児と成人とは心電図の基準範囲が異なります。小児の心拍数の基準値を【図1】に提示します。また、小児の場

合、V1のR波高が高いこと、右軸傾向、V1-2の T波は陰性の事が多いので、それだけでは異常とはなりません。

参考として、小児の右室肥大診断基準【図2】を掲載します。これらに準拠すると、頻脈・右室肥大の所見には至ら

ず、心電図は基準範囲となります。よって正解は、①になります。記録速度が 25mm/s の場合 300 の法則を用い

て簡易的に心拍を把握出来ます。心拍数=300/R-R 間隔内の大マス目分。ⅠとⅡの心電図は大きな正方形3マ

ス目分より、R-R間隔が短いため心拍数はどちらも 100 以上 150 以下と判断出来ます。

Ⅱ:HR 114・PR 0.14s・QRS 0.09s・QT 0.328s・QTc 0.452/0.406(QTc-B/QTc-F) 軸 正常

年齢は 30 代女性です。HR100 以上なので洞性頻脈と診断されます。年齢と心拍数から異常心電図の判断になり

ます。心電図の患者はバセドウ病を罹患しています。洞性頻脈は、甲状腺機能亢進症の他、発熱・脱水・出血性

ショックといった病的意義もあります。しかし、生理的にも急いで検査室に来室した直後に心電図を記録した場合

や緊張等でも心拍数は上昇します。その場合は、コメント等にその旨を記載するか、少し安静を保った後に記録し

たり等の配慮をし、臨床的意義を減らす必要もあると思います。

Ⅲ:HR 43・QRS 0.105s・QT 0.431s・QTc 0.389/0.402(QTc-B/QTc-F) 軸 正常

P 波は認めず、F 波(極性陰性)を認め、心房粗動(通常型反時計回転)の心電図波形になります。その伝導比が

遅いので完全房室ブロックを伴っているか、投薬による副作用が考えられます。

Ⅳ:HR 70・PR 0.16s・QRS 0.105s・QT 0/352s・QTc 0.379/0.369(QTc-B/QTc-F) 軸 正常 電極のつけ間違いが

ないか確認するのは、心電図を記録する際には必須です。胸部誘導では、R/S 比が V1 から段々と大きくなります。

提示した心電図では、V3 と V4 の R/S 比に連続性がありません。そこから、この部位での電極のつけ間違いがあ

る事が判断出来ると思います。四肢誘導のつけ間違いは、波形を確認してください等と心電計からメッセージが表

示される事もあります。しかし、胸部誘導では通常出ません。記録開始をする前に、正しく電極が装着されている

かの波形確認後、記録開始をすることが重要だと思います。

【図1】 日本未熟児新生児学会雑誌 第 22 巻 2 号より引用

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【図 2】 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドラインから引用

正解:④ 変行伝導を伴う上室期外収縮2連発 正答率:92.1 %

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 0 3 35 0

心電図所見:HR 72・PR 0.19s・QRS 0.119s・QT 0.402s・QTc 0.440/0.427(QTc-B/QTc-F) 軸 左軸偏位

出題意図:変行伝導を伴う上室期外収縮判読の知識習得

解説:V1誘導にて 2 拍目の T 波付近に波形の異なる異所性 P 波を認めます【図1】。V2誘導にても T 波の波形

が1拍目と異なる事が確認できます。この異所性 P 波は、1-2拍目の P-P 間隔よりも早期に出現している事より、

上室期外収縮が疑われます。心室の不応期が完全に脱した直後に、心室が興奮すれば通常の QRS と同様な波

形が記録されます。右脚は不応期が左脚と比べて長いため、右脚がまだ不応期の際に心室に興奮が届くと、心室

の興奮は右脚ブロック様の波形を呈します。変行伝導の多くが右脚ブロックを呈するのはこのためです。(ただ、左

脚ブロックパターン、左前枝・後枝ブロックのパターンもあります) また、房室結節・ヒス束が不応期の場合は心室

への伝導はブロックされます。この場合は、非伝導性期外収縮(blocked PAC)となり、P 波は認めますが、心室に

は伝わらず QRS 波形は認めません。上室期外収縮の変行伝導か心室期外収縮かの鑑別は直前の P 波の存在

の有無や【図2】のような鑑別があります。Ashman 現象とは、不応期が先行する R-R 間隔に依存する現象です。

心房細動の患者さんのホルター解析でよく見られると思います。比較的長い周期の後に、短い周期が続くとき、

Ashman 現象により右脚ブロック型の変行伝導を呈するとされていますので、この現象に対しての知識がある人と

ない人がホルター解析した場合、心室期外収縮の頻度が異なる事になりますので、ホルター解析をしている施設

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では注意してください。

【図1】 V1の拡大波形

【図2】 JAMT技術教本シリーズ 循環機能検査 技術教本から引用

正解:① 右室心尖部ペーシング 正答率: 92.1%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 35 1 2 0 0

心電図所見:HR70 ・PR 0.20s・QRS 0.177s・QT 0.508s・QTc 0.548/0.534 (QTc-B/QTc-F)

出題意図:ペースメーカー心電図の知識習得

解説:完全房室ブロックを認めペースメーカー植込み術を施行した患者の心電図波形です。ペースメーカーモード

は、DDD。P 波の前にはスパイク波形を認めず、QRS の波形に前にスパイク波形を認めますので、心房センシン

グ+心室ペーシング(AsVp)をしている事が推測されます。これまで、心室 leadは、留置手技が簡便な右室心尖部

留置が選択されてきました。しかし、この場合は故意に左脚ブロック様の伝導を呈することになります。左脚ブロッ

クでは、左室内同期不全・心室間同期不全による心機能低下からの心不全を発症する事があります。そのため、

最近では積極的に心室中隔に心室 lead を留置する事を前提とするペースメーカー植込み術が行われるようにな

りました。その場合は【図1】のような波形になります。心室 lead の留置位置推定には、aVF(足側からみてる心電

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図波形)にて、完全な下向きの波形の場合、興奮が遠ざかっていく方向に伝わっていると判読でき、心尖部から興

奮しているのが推測されます。また胸部レントゲン写真にても判断出来ると思います。出題された患者が心不全を

繰りかえし同期不全を伴う場合、ペースメーカーから、CRT(心臓再同期療法)への up-grade が必要になります。

同期不全をなくす事で、心不全の発症をおさえる事が出来ます。逆に、心尖部留置による同期不全を故意に作り、

薬剤抵抗性の閉塞肥大型心筋症の治療に用いられる事もあります。しかし、ペースメーカーを植込み後の重度の

三尖弁逆流は中隔留置によるものが多いという報告もあります。

【図1】 KEIJI NARA ハートリズム研究会から引用

正解:④ Rubenstein 分類 SSSⅡ型である 正答率:93.9 %

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 1 0 31 1

出題意図:ホルター解析にて医師に連絡すべき徐脈波形の確認。洞不全症候群(SSS)分類の知識習得

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解説:ポーズは約 10 秒。ポーズ後の波形は narrow QRS で、ポーズ前の波形と変化は認めません。QRS が wide

になる心室由来の補充収縮ではなく、P 波を認めない事より房室接合部からの補充調律と思われます。洞不全症

候群(SSS)の分類は、Rubenstein 分類が用いられており、SSS I 型は、洞徐脈。SSS Ⅱ型は洞房ブロック、洞停

止。SSS Ⅲ型は、徐脈頻脈症候群ともいわれ、上室性頻拍+洞房ブロック、洞停止となります。Ⅲ型は、必ずしも

頻脈と徐脈が同時に見られる必要はありませんが、頻脈時の波形は提示した心電図においては認めないのでⅢ

型とは判断できないと思います。今回の症例は洞停止(P-P 間隔が整数倍でない)によるポーズを認めており、こ

の心電図からはⅡ型と判断出来ると思います。このようなポーズを認めたら、速やかに医師に報告すべきです。

評価対象外 正解:②非持続性心室頻拍 正答率:51.5%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 17 0 0 16

出題意図:ホルター解析にて医師に連絡すべき頻脈波形の確認。非持続性心室頻拍の知識習得

解説:6拍目から、MAX HR135程度の wide QRS頻拍を認めます。その波形は同じ波形を呈しています。問5の問

題では、P 波を認めるため上室性の期外収縮を疑いますが、この wide QRS の前には問5のような先行 P 波は認

めません。この wide QRSは心室由来だと判断出来ると思います。また、頻拍直前の T波は完結しており、心室の

不応期は脱していると考えられ、P 波が隠れていたとしても変行伝導は来しにくいと考えらえます。心室頻拍とは、

心室を起源とするリエントリー・異常自動能・撃発活動を機序とする、QRS 幅 0.12 秒以上で 3 連発以上、心拍数

100 以上の頻拍の事をいいます。その持続時間が 30 秒以内を非持続性心室頻拍、30 秒以上を持続性心室頻拍

といいます。非持続性心室頻拍は、基礎疾患の有無にもよりますが、医師に速やかに報告すべき心電図波形とさ

れています。典型的な心室頻拍を【図1】に提示します。心室頻拍を強く疑う所見としては、①房室解離 ②wide

QRS ③regular tachycardia を認める事とされています。今回のホルター心電図では、規則的な wide QRS波形で

はありません。これは、心筋梗塞後のリエントリー経路が不安定な事によると思われます。もしくは、リエントリーは

起こしておらず突発活動が連続して起きた可能性も考えられます。ホルター解析を自施設で行っている検査室で

は、regular tachycardia を示さない wide QRS の非持続性心室頻拍(NSVT)に、遭遇する事も多いと思います。上

室性の変行伝導か、非持続性心室頻拍が判断に迷う場合は、安易に軽症とせず重症な場合もありますので、速

やかに医師に報告すべきと思います。

【図1】に典型的な心室頻拍を示します。

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【図1】 RBBB 型のリエントリーによる VT

評価対象外 解なし

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 0 2 19 12

出題意図:ST低下の種類と負荷後 ST低下誘導からは責任病変は判断出来ないという知識習得

解説:負荷前の心電図では、I、aVL、V5、V6に軽微な ST低下を認めます。負荷直後、I、Ⅱ、aVL、V2~V6にかけ

て 0.1mV 以上の水平型・下行型の ST 低下を認めます。ST 低下を認める誘導からは、責任病変は判断出来ない

とされています。責任病変を判断できるのは、ST上昇の場合です。よって正解は、⑤になります。ST変化は【図1】

のような分類があり、水平型・下降型のパターンが、虚血性変化を示していると言われています。 虚血陽性例で

は、責任血管を問わず、心内膜下の虚血が広範囲に及ぶ事で、Ⅱ、Ⅲ、aVF、V5、V6 誘導での ST 低下がよく認

められます。それらの誘導にて ST 低下を認める事が多い理由は、虚血の程度とともに R 波高が ST 低下の程度

に依存するためと言われています。左室肥大の心電図所見を有する患者で、冠動脈に有意狭窄がなくとも負荷後

ST 低下を認めるのはこのためです。そのような偽陽性は、負荷後速やかに ST が基線に戻ります。貫壁性(心外

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膜まで虚血が生じる事)で ST が上昇し、この誘導から責任病変診断できます。貫壁性でない場合=心内膜下虚

血=ST 低下では部位診断は、できません。ただ、回答の内訳をみる限り、ST 部位ではなく、U 波・aVR の ST 上

昇・QRS幅の変化の所見から回答を導いた施設があったのではないかと考えました。【表1】に運動負荷後の T波

と U 波の臨床的意義を示します。また、【図2】【図3】に責任病変が判断可能であった症例を提示します。今回の

心電図では、V1から V2に陰性 U 波、V3 から V4 に二相性 U 波は認めます。しかし、負荷前と比較して、T 波の

明らかな増高や減高は認めません。安静時の陰性 U波は虚血の部位診断には有用だと言われていますが、負荷

後に認める場合は T 波の変化も考慮する事が重要ですので U 波の存在だけでは診断までには至らないと思いま

す。しかし、負荷後の心電図にて、広範囲な ST低下と aVR の ST上昇、QRS幅がやや wide になっている所見か

ら、左冠動脈主幹部(LMT)の病変や多枝病変を疑った施設があったかと思いました。そこから、「解なし」と致しま

した。提示した患者の実際の冠動脈造影を【図4】に示します。右冠動脈(RCA) #3のみに、全長6mm 程度の狭

窄を認めました。回答者の皆様には大変ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。

【図1】 病気がみえる 循環器より引用

【表1】

LAD の虚血 V3~V6 誘導における T波増高を伴う陰性 U波

RCA、LCXの虚血 V2~V3 誘導における T波減高を伴う陽性 U波

【図1】 T波増高を伴い、陰性 U波を V3~V5 に認め、LAD#6に狭窄を認めた例

運動負荷試験 Q&A 改訂第 2版より引用

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【図2】 T波減高を伴い、陽性 U波を V2~V3 に認め、RCA#4PD に狭窄を認めた例

運動負荷試験 Q&A 改訂第 2版より引用

【図3】 RCA #3 90%狭窄 LAD LCX

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正解:④ Ⅳ 正答率: 100%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 0 0 25 0

出題意図:心電図と聴診から疑うべき疾患の知識習得

解説:Ⅰ:動脈管開存(PDA) 連続性雑音を聴取する事が多い。 Ⅱ:心室中隔欠損症(VSD) 通常全収縮期雑

音を聴取する Ⅲ:心室中隔穿孔(VSP) 心尖部付近に短絡血流を認め、急性心筋梗塞に合併。全収縮期雑音

を認める 正解は④の心房中隔欠損症(ASD)になります。心房中隔欠損症では左房から右房への短絡血流のた

め、相対的な肺動脈弁狭窄による収縮期駆出性雑音を生じ、短絡量が多くなることで肺動脈弁閉鎖が大動脈弁

に比べて遅れ、Ⅱ音の分裂が生じます。心電図所見では、右心系への負荷増大のため心電図は右軸偏移や不

完全右脚ブロックを呈する事が多いとされています。心電図と聴診を確認してから行えば、心エコーにて所見の見

落としは少なくなります。聴診は、技師には少し敷居が高いかもしれませんが、分からなくてもとりあえず聞いてみ

て、後付けで覚えていければいいと思います。そして、心房中隔欠損症は、短絡血流が心室中隔欠損症に比べて

遅いためモザイク血流にならないので目に飛び込んでこず、エコーで見落とししやすい疾患です。心エコー初心者

ではよく見落としがあり、発作性心房細動・心房細動の PVI(肺静脈隔離術)前に、当院に来院した患者の中にも、

前医の心エコーにて指摘されていないケースも過去数例ありました。疑うべき心電図、聴診、エコーにて右心系の

拡大を認めた場合、ASD を何としても見つけてやると思って心エコーの検査をすることが重要です。探しにいかず、

ただプローブを当てるだけでは、ASD を見逃す可能性は高いです。

正解:③ Ⅲ 正答率:92 %

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① ② ③ ④ ⑤

回答数 1 0 23 0 1

出題意図:弁膜症・心筋症等の心電図所見の知識習得

解説: 心サルコイドーシスは、超音波認定試験にもよく出題される疾患で、心電図・心エコーで診断しやすい心筋

症のひとつになります。サルコイドーシスは全身の慢性肉芽腫性炎症性疾患ですが、心臓に病変が波及している

かどうかで予後が異なります。完全房室ブロックおよび高度房室ブロックは、中隔部の刺激伝導系の障害により引

き起こされ、心臓サルコイドーシスの初発症状の 23~ 77.4% と、高頻度に認められる所見とされています。特発

性完全房室ブロックによりペースメーカー植込みを受けた症例の 11.2~20% が心筋生検にて心臓サルコイドーシ

スと診断されたとの報告もあり、実際には 本症と診断されず経過する例も多いと推測されています。心臓サルコ

イドーシスの治療にはステロイド剤が導入されますので、治療方針が異なり、疑わなければ、ステロイド介入が遅

れます。心エコー所見にて最も有用なのは、冠動脈疾患では説明出来ない心室中隔基部の壁菲薄化です。心臓

サルコイドーシスの診断において特異度が高いとされています。左室長軸像において、 大動脈弁輪から心尖部

寄り 10 mm の位置にある中隔の壁厚が 4 mm 以下であれば特異度 100%,感度 12.6%,同部 の壁厚と健常中

隔厚との比が 0.6 以下であれば特異度 99%,感度 35.4% と報告されています。冠動脈疾患では説明出来ないよ

うな壁運動異常や、心室瘤所見、壁肥厚は心サルコイドーシスを疑うエコー所見となります。

表1 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き 2015 より引用

簡単なエコー所見と疾患に伴う心電図所見のまとめになります。

Ⅰ:僧帽弁弁尖がドーミングを呈し、左房が拡大しています。今では、なかなか遭遇しないリウマチ性僧帽弁狭窄

症です。洞調律を保っている場合、Ⅱ誘導にて幅広く(0.12s以上)二峰性⦅結節性⦆の僧帽性 P波や、V1誘導で P

波が幅 0.04s 以上、深さ1㎜以上の大きな下向きの振れを伴う左房性 P 波を示す事が多いとされています。V1 の

P波の陰性相の幅(s)×振幅(mm)の積を、P terminal force と呼びます。P terminal force が 0.04 以上の場合や

P 波の幅が 0.12sの場合、左房負荷と診断できます。しかし、臨床では心不全症状を呈してから発見される事が多

く、ほとんどの例では心房細動を合併している場合が多いと思われます。

Ⅱ:左室後壁に心嚢液貯留を認めます。急性心膜炎の場合、aVR、V1 を除く全ての誘導で上に凹型の ST 上昇を

認めます。

Ⅳ:心室中隔基部に限局的な肥厚を認め、肥大型心筋症を疑います。心電図では、左室高電位、陰性 T 波、左房

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負荷等の所見を認めます。仮に心エコーにて左室肥大を認めるにも関わらず、心電図が低電位を示した場合は、

心アミロイドーシスが疑われます。

正解:① 右鎖骨下動脈起始部狭窄・閉塞疑い 正答率: 100%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 24 0 0 0 0

出題意図:鎖骨下動脈盗血症候群・現象の知識習得

解説:右上腕の肢収縮期血圧が 41mmHg 低く、エコー上も右上腕動脈血流が弱い。右の椎骨動脈血流には逆行

(鎖骨下動脈盗血現象)が認められる。以上より、右上腕動脈の中枢側(設問では右鎖骨下動脈)での高度狭窄

や閉塞が示唆される。鎖骨下動脈盗血現象は対側の椎骨動脈から脳底動脈を介して逆行性に椎骨動脈に血流

が流入する現象で、上肢運動によりめまいや失神を生じる場合には鎖骨下動脈盗血症候群と呼ばれる。

頻度としては左鎖骨下動脈病変が多く、次いで右鎖骨下動脈、腕頭動脈病変の順となる。

(文責:佐々木 史穂:弘前大学医学部附属病院)

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正解:③ 左前側頭葉から左後側頭葉 正答率:93.8%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 0 15 0 1

出題意図:基準電極導出法において認める耳朶の活性化についての知識習得

解説:図 13-Ⅰの基準電極導出法では左半球広汎に下向きの陽性棘波が出現しているようにみえるが、23ch の

A1-A2 誘導(双極誘導)で上向きの陰性棘波を認めることより左耳朶電極が電位を持つことによる見かけ上の陽

性棘波と推測できる(左耳朶電極の活性化)。図 13-Ⅱの平均電位導出法で同じ波形を見ると、F7-T3-T5-T1

に限局して上向きの棘波が出現している。また図 13-Ⅲの双極電極導出法では、F7、T3、T5 で位相の逆転が見ら

れる事より左前側頭葉から左後側頭葉が焦点の棘波であると推測される。電位の高い棘波などが耳朶付近の側

頭部に出現すると耳朶電極も電位をもつことになり、耳朶付近の電極との電位差が低い(記録されない)、または

極性が反転した波形が得られてしまう。このような場合には必ず平均電位基準法や双極導出法で波形の分布を

対比することが必要である。基準電極の活性化は突発性異常波だけでなく、局在性の徐波活動に関しても見られ

るので注意が必要である。(文責:佐藤 めぐみ:弘前大学医学部附属病院)

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評価対象外 正解:④ a、c、e 正答率:50%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 0 2 6 8 0

出題意図:脳波検査で見られるアーチファクトへの対処法の知識習得、デジタル脳波計とアナログ脳波計の違い

解説:不規則で高振幅な基線の動揺が記録されている。これは発汗によるアーチファクトが考えられ、対処法 とし

ては、室温の調整(冷房を入れる)や薄着にして発汗を抑えること、またどうしても見づらい場合は時定数を 0.3 秒

から 0.1 秒に変更すると基線の動揺が軽減される。また、規則的に低振幅の棘波様の波形が見られ、心電図波形

と同期していることより心電図によるアーチファクトが考えられる。対処法としては頭部を右に傾けることで目立た

なくなることもある。どうしても見づらい場合は、両耳朶平均電極「Aav」を基準電位として耳朶基準導出記録を行う

と効果的に除去できる。両耳朶平均電極は左右の両耳朶(A1、A2)の電位を別々に計測しておいて、その平均電

位((A1+A2)/2)を計算によって求めている。そのため、リモンタージュによってそれぞれの電位を取り出すことが

できる。一方、選択肢 d の両耳朶連結電極「A1+A2」は左右の両耳朶(A1、A2)を導線で物理的に短絡した電極で

あり、従来からアナログ脳波計で用いられてきた。しかし物理的に A1 と A2 が同じ電位となるため、判読時にリモ

ンタージュを行って A1 と A2 の電位を別々に取り出すことが出来ない。そのため、デジタル脳波計で心電図が多

量に混入する際には、両耳朶平均電極を用いることが推奨されている。(文責:佐藤 めぐみ)

正解:① 正答率:88.9%

① ② ③ ④ ⑤

回答数 24 2 0 1 0

解説:心停止とは、心臓の機能が停止した状態をさします。その中には、心室細動、心室頻拍、心静止、無脈性電

気活動(PEA)が含まれます。この中で、心静止と無脈性電気活動には AEDは作動しません。この場合、AEDから

はショックの必要がありませんとアナウンスが流れます。そのような場合は、胸骨圧迫をし続ける事が重要です。

胸骨圧迫をしているうちに、仮に心静止から心室細動に移行さえすれば AEDは作動します。心停止全ての場合に

AED が作動するわけではないので、誤っているのは①になります。JRC ガイドライン 2010 対応機器より1歳未満

の乳児に対しても AED を使用できるようになりました。未就学児には小児用パットを使用するように推奨されてい

ます。小児用パッドがない場合は、体表面積が小さいのなら、胸と背中につけるなどして、パッド同士が触れ合わ

ないようにして下さい。②~⑤は全て正解です。

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【アンケート結果】

★問題数が多かったです。

⇒出題者も、後々、多かったと反省しています。次年度は 10 問以内の出題を考えています。

★難しかったです。もっと簡単な問題(参加施設の正答率が 80%以上になるような問題)をお願いします。

⇒簡単な問題ばかりでは知識向上には繋がらず、現状維持になってしまいますし、全国と比較して青森県のレベ

ルが低下してしまうのを個人的には懸念します。次年度は評価対象問題と教育問題とをわけて提示する事も考え

ています。精度管理の問題は、回答率 8 割を目標に出題すべきなのは理解はしていましたが、今回正答率 8 割を

下回った4問に関しては、意図を回答者に理解してもらえるような文章・意図が伝わる典型的な波形にすべきだっ

たと反省しています。

★多くの施設で行われている肺機能検査の出題もお願いします。

⇒次年度取り入れたいと思います。

★ルーチン業務に結び付く項目が多く、知識を深めることが出来、大変有意義な問題でした。

⇒心電図を例にすると、ただ記録するだけでなく、その患者背景に繋がるような問題を提示する事が出来たのなら

大変嬉しく思います。

★送信前に確認する画面とか、送信した解答を印刷する画面とかよくわからなかったので、もしできたのであれば

説明文が欲しかったです。

⇒今回、初めてグーグルフォームを用いて精度管理調査を行った部門ではその件は問題になりました。今後もこ

のシステムを活用する際には、今回のような事がないように努めたいと思います。

★自施設で行っていない検査はやらなくてもよくしてほしい

⇒問題の選択は申し込みの時点で出来たと思います。

【解説内容問い合わせ先】

弘前大学医学部附属病院 検査部 武田 美香

メールアドレス:[email protected]

電話番号:0172-33-5111(内線 7215)

【参考書籍・文献】

1) JAMT技術教本シリーズ 循環機能検査 技術教本 監修 日本臨床検査技師会 2013

2) JAMT技術教本シリーズ 循環機能検査 症例集 監修 日本臨床検査技師会 2018

3) 認定心電技師のための心電図の読み方 監修 日本臨床検査技師会 2009

4) 実力心電図 ―読めるその先へー 監修 日本不整脈学会 2018

3) 奥村 謙 ほか 病気が見える 循環器 第 3 班 2013,メィックメディア

4) KEN GRAUER,MD ほか ACLS 不整脈判読トレーニング 訳 高尾 信廣 2001,医学書院

5)内藤 雅起 右室ペーシング部位による心機能への影響 KEIJI NARA ハートリズム研究会 不整脈ニュース

Vol5 1-2

6) Hayes JJ et al. J Am Coll Cardiol 2006; 48: 1628-1633

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7) 小林さゆき ほか 永久ペースメーカー植え込み後の三尖弁逆流の発生 日本超音波医学会誌 2011 Vol38-2

8)上島 健治 運動負荷試験 Q&A 改訂第 2 版 2017,南江堂

9)日本未熟児新生児学会雑誌 2010,第 22 巻 2 号,73-75 頁

10)日本循環器学会 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン

10)日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き 2015

11)日本循環器学会 心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン

12)超音波による頸動脈病変標準的評価法(日本超音波医学会用語・診断基準委員会) 2017

13)デジタル脳波の記録・判読の手引き(日本臨床神経生理学会)18~22 頁

14)デジタル脳波の記録・判読の手引き(日本臨床神経生理学会)6~7頁

15)JRC 蘇生ガイドライン 2015


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