虐待
複雑性トラウマ
被虐待者
愛着障害の予防法や治療法の開発虐待関連性発達障害の予防や治療が急務
薬物療法(オキシトシン点鼻)・カウンセリング(認知行動療法)
子育て困難を支援する「愛着障害の診断法と治療薬」の開発脳機能脳形態
乳児コホート
養育行動機能的MRI
これまでの経緯
愛着障害(DSM-IV-TR 313.89)は、小児期の虐待・母子間の愛着形成の歪みであるネグレクトにより引き起こされる。
愛着障害に関する確定診断は、専門医の行動観察と患児の問題行動に対する聞き取り調査により行っているのが通例で、同疾患の早期発見や鑑別診断は非常に困難な状況にある。
従来技術とその問題点
国内外で愛着障害患者に対する脳科学的な
解析は未確立。
医療現場では、確実なスクリーニング法、即ち個別症例の違いを予測でき、治療の効果を最大限に引き出すことができるツールが切望されている。
新技術の特徴・従来技術との比較
• fMRIによる健常被験者と未治療愛着障害患者との脳画像比較データをベースに子育て困難のための予防法開発に応用可能。
• 従来治療困難であった愛着障害の早期発見や鑑別診断評価の新たなツールとして期待可能。
• 特に言語化するのが困難な低年齢児に対して、オキシトシン点鼻薬で治療可能。
想定される用途
• 児童養護施設の子どもたちの診断・治療に有用と考えられる。
• 子育て困難な家庭の支援法として期待される。
• また、社会適応困難な子どもたちのモニタリングとして役立つことも可能と思われる。
• 青少年による凶悪犯罪が後を断たない日本の最大の社会的課題を解決する可能性。
実用化に向けた課題
• 現在、愛着障害患者に対する治療効果や安全性は確認済み。しかし、プラセボ効果の有無の確認が未解決である。
• 今後、脳機能への効果についてfMRI実験データを取得し、治療法の効果判定に適応していく。
• 子どもにも安全なオキシトシン投与量や投与方法の条件設定を行っていく。
企業への期待
• 未解決のオキシトシン投与量や投与方法については、fMRIの技術により克服できると考えている。
• オキシトシン点鼻薬の開発が可能な企業との共同研究を希望。
• また、オキシトシン製剤に類似した薬品を開発中の企業には、本技術の導入が有効と思われる。
お問い合わせ先
福井大学
産学官連携本部 知的財産部 漆崎 行乃利
(総合戦略部門 研究推進課)
TEL 0776-27-9725
FAX 0776-27-9727
e-mail [email protected]