Download - 高温超伝導体(Y Ba 2Cu 3O 7- の抵抗の温度変化 - …...(磁気浮上の実験) 高温超伝導 ピップエレキバン Y Ba Cu O 1 2 3 7ーδ 重力 T > T C で常伝導
高温超伝導体(Y Ba 2Cu 3O 7-δ)�の抵抗の温度変化�
YBCO系(Y2Ba4Cu6+nOy, n=0,1,2) の結晶構造
(磁気浮上の実験)
高温超伝導
ピップエレキバン
Y Ba Cu O 2 3 1 7ーδ
重力
T > TC で常伝導
T > TC T < TC
T < TC で超伝導
€
ρ = 0
€
dφdt
= 0
€
φ =
完全反磁性はR=0からは 出て来ない�
一定�
磁気力�
(磁束が追い出される)�
[2] 完全反磁性
デモ実験の写真 ー 磁気浮上 (2003. 6. 25.)�
YBCO �
<超伝導の簡単な考察①>
丸棒状の超伝導体があったとする(思考実験2).丸棒の長さ方向をz軸としてz軸に磁場Haをかける.超伝導体の十分内部には磁場は入らず,表面の厚さλ程度まで磁場が侵入しているとする(Londonの磁場侵入長λ).
丸棒の半径方向をx,それに垂直な方向をyとしてMaxwel方程式 を考えると,電流密度jは となる.
€
j =c4π
rotB
€
jy = −c4π
∂Bz∂x
今,x=-λからx=0(超伝導体の表面)までこの表面電流を積分する!
€
Iy = jy−λ
0
∫ dx = −c4π
Bz
−λ
0
=c4π
0− Ha[ ] = −c4π
Ha
z軸方向の単位長さ当たりの電流Iyはの磁気モーメントMを作るので
€
M = −πR2 ×Iyc/ πR2 ×1( ) = −
Ha
4π
€
B = H + 4πM だから超伝導体の内部では磁束密度Bはゼロになる.
€
χ = −1/ 4π <完全反磁性> Meissner-Ochsebfeld効果(1933)
<超伝導の簡単な考察②>
€
φ = πR2B
€
V = −1cdφdt
€
V = 2πRE
€
dpdt
= eE = F
€
dpdt
=−e2πRc
dφdt
€
p =−e2πRc
φ
€
p =2πλ
€
= k
€
Nλ = 2πR
€
p =
RN
€
φ =hc−e
N = φ0N
€
φ0 =hc−e
= 4 ×10−15Wb
€
φ0 =hc−2e
= 2×10−15Wb
超伝導線で半径Rのループが作られている場合の 半古典物理的思考実験.
このループに磁場をかけていきループを貫く磁束が, になったとする.このときループに
生じている(電子が感じている)起電力はファラデーの法則から,
ループに電子が一つ最初止まっている.(非現実的だが,半古典的思考実験)
一方,Vはループに沿って電場Eを積分したものだから, である. 電子の電荷を-eとして,ニュートン方程式は (=力).
ここで,t=0, φ=0で止まっていた電子の状態から出発しt=tまで積分すると,
従って,これらの関係から,
ここで,量子論的にde Broglie波を導入する.すなわち,
と量子化される⇨磁束量子
後に,電子はクーパー対という2つの電子対に対凝縮すること
また,Bohr条件から, も導入する. (超伝導が量子力学的な状態であると仮定).これらの関係から,
と量子化され,従って,磁束φは
であることが,理論的にも実験的にも明らかになる.
が明らかになり,磁束量子φ0は
<超伝導の簡単な考察③>�抵抗のない回路の思考実験:完全導体(電気抵抗ゼロ)のループを考える.ループの面積をAとする.このループを貫く磁束を増やしていくと,Lenzの法則から,起電力Vが生じ電流iが流れる(Rはループの抵抗(完全導体ではゼロ),Lはループのリアクタンスである).
€
V = −A dBdt
= Ri+ L didt だが,今,電気抵抗R=0(完全導体)なので,
€
A dBdt
+ L didt
= 0 となる.
これを積分し,
€
AB+ Li = constant となる. これがループ回路を貫く全磁束なのだから,したがって,この完全導体を貫く全磁束は時間変化できないことを示している.もし,完全導体に最初に全く磁束が入っていなかったら,磁場を加えてもループに磁束は入らない. すなわち,この思考実験は完全導体に磁場をかけたときの超伝導体との類似点を示しているが,超伝導体と全く異なるのは,完全導体では
€
φ = AB+ Li = constant の条件さえ満たせば良いということである.
これは超伝導体との決定的な違いである.なぜなら,完全導体と超伝導体が,高温の電気抵抗がある状態にあったとし,その状態で磁場を加えて試料内に磁束を導入し,そのままの状態で温度を下げ,完全導体状態(R=0)と超伝導状態になった場合を考えると,完全導体では,磁束は入ったまま(磁束が変化しないだけで磁束が入ったままでもいっこうに不都合はない)であるのに対し,超伝導体では必ず磁束を排除しMeissner効果を生じることが実験的に認められているのである! この思考実験は,超伝導体が単なる完全導体(R=0)ではなく,それ以上の何者か(量子力学的状態)であることを明確に示している.
’57 BCS理論
1911年 Hgの超伝導発見 1957年 BCS 理論 1972年 3Heの超流動
1979年 CeCu2Si2の超伝導 1987年 銅酸化物高温超伝導
BCS理論
J. Bardeen,
L.N. Cooper
J.R.Schrieffer Phys. Rev. 108 (57)1175
(赤: ノーベル賞受賞)
超伝導転移温度の歴史�
BCS理論�
オーダー パラメータ
Bardeen Cooper Schrieffer
Landau大先生�
Ginzburg-Landau理論�
出所 http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/1962/
出所 http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/1972/
超伝導のGinzburg-Landau理論 ~1950年
€
Fs − Fn = dr∫ −aψ 2+12bψ 4
+18π
rotA( )2 +14m
− i∂ψ∂r
−2ecAψ
2
€
p ⇒ p +ecA
€
∇ ⇒ ∇+eic
A
€
B = rotA
€
H = dr ψσ+
σ
∑∫ r( ) −2
2m
∇−
iecA r( )
2
ψσ r( ) +H int
<ゲージ変換,ゲージ不変性>
€
A'= A+∂χ∂r
€
ψ ⇒ψσ ' r( ) = ψσ r( ) exp2iec
χ r( )
€
θ =2ecχ r( )
€
ψ ' r( ) = ψ r( ) exp iθ( )
€
−2
4m∂∂r−2iecA
2
ψ = aψ − bψ 2ψ
€
2κ <1⇒ Hc2 < Hc
€
2κ >1⇒ Hc2 > Hc
€
Hc =4πa2
b
:第1種超伝導体
:第2種超伝導体
自由エネルギーのLandau展開�
€
Hc2 =2mca e
=φ02πξ 2
= 2κHc
:GL方程式�
€
2π 2Hcξλ = φ0 ≡πce
:ベクトルポテンシャルのゲージ変換
€
κ = λ /ξ =m2c2b2π2e2
超伝導(BCS理論)の概念
常伝導状態 超伝導状態
2電子|k ↑, -k ↓ 〉 間
の引力
電子は基底状態からフェルミ統計に従い状態を占めていく
k↑と-k↓がボーズ粒子となる対を組み基底状態に落ち込む
k↑
k↑+q
-k↓
-k↓-q V(q)
2電子間に働く引力の概念図
量子化された格子振動(フォノン)
超伝導(BCS理論)の概念�
電子対(クーパー対)凝縮:電子のもつ波動性がマクロなスケールで出現することが本質�
<Bose粒子系の量子力学>
€
bk ,bk '+[ ] = δkk '
bk ,bk '[ ] = bk+ ,bk '
+[ ] = 0
€
HB = ωkbk+bk
k∑
€
ℑ= H − µN (N:粒子数を表す演算子,μ:化学ポテンシャル)
電子と同じようにBose粒子を量子化された波と見なし,空間の各点rで定義された演算子で記述する
€
ψ r( ) =1V
eik ⋅rbkk∑
<位相表示>N*: 平均,n:ゆらぎ
€
φθ b0φθ = ΔN( )−1 φ N * + n −1( ) b0φ N * + n( )n∑ ≈ N0
1/ 2eiθ
€
ψ r( ) = φθ ψ r( )φθ ≈N0
V
1/ 2
eiθ = ρ1/ 2eiθ
<電子対> ↑↑triplet ↑↓singlet 重心が静止し逆向きのスピンをもった電子対の消滅・生成
€
Bk = ak↑a−k↓ , Bk+ = a−k↓
+ ak↑+
超伝導のBCS (Bardeen, Cooper, Schrieffer) 理論:1957年
€
ℑm = ξkakσ+ akσ −
'Δ∗ak↑a−k↓+ Δa−k↓
+ ak↑+( )
k∑
k,σ∑ +
VgΔ2
BCSハミルトニアン �€
φθ = Πk uk + exp iθ( )vkBk+( )φvBCS状態�
€
uk2 + vk
2 = 1
€
uk =0 k <<kF( )1 k >>kF( )
vk =
1 k <<kF( )0 k >>kF( )
通常の超伝導体における超伝導と磁性の関係
BCS超伝導体: 磁性不純物はTcを大きく減少 e.g. (La1-nCen)Al2 : Tc = 3.4 K (n = 0), Tc = 1.6 K (n=0.0055)
c.f. 非磁性不純物はTcへの影響は小さい (アンダーソンの定理)
周期律表: 低温で磁気秩序を示すものは超伝導を示さない。
なぜか?
磁性スピン(S ) と伝導電子スピン(σ )の交換相互作用 ( A S σ )はクーパー対を壊す。
|↑, ↓ 〉 磁性スピン クーパー対
超伝導と磁気秩序は相容れない現象と考えられていた。
強相関電子系超伝導の相図�
• 異方的超伝導体である。 ��超伝導対の対称性(性質)が従来の
BCS超伝導体と性質を異にする
• 磁気相と超伝導が競合(共存)している。
��磁性と超伝導が密接に関係
共通点
磁性 磁性
磁性
磁性
超伝導
超伝導
超伝導
超伝導
高温超伝導体
キャリアードープ 重い電子
超伝導 有機超伝導体
強相関電子系物質 電子間のクーロン相互作用が強い系 磁気転移、モット転移(金属-絶縁体転移)近傍の電子状態
Moriya et al. 圧力
’57 BCS理論
1911年 Hgの超伝導発見 1957年 BCS 理論 1972年 3Heの超流動
1979年 CeCu2Si2の超伝導 1987年 銅酸化物高温超伝導
BCS理論
J. Bardeen,
L.N. Cooper
J.R.Schrieffer Phys. Rev. 108 (57)1175
(赤: ノーベル賞受賞)
超伝導転移温度の歴史�
高温超伝導体の電子状態の相図�La2-xSrxCuO4 Nd2-xCexCuO4
x (Ce) x (Sr)
AFM
SC SC
M
M
Y系�Tl系�
NMR/NQR • Incoherent in Space • Real Space (Site Information)
• Coherent in Space • Momentum Space
XRD, Neutron�µSR
TEM, STM, �ARPES�
(real space, momentum space)
• Local Spin Correlation • Local Spin Dynamics • Bulk
• Local Density of States (LDOS) • Surface sensitive
核磁化
cmep
N 2
=µ proton: gN = 5.59 neutron: gN = ‐3.82
HΝΝ = γωI = 1/2
Cufor MHz/T11.29
Hfor MHz/T58.422
63
1
=
=Ν
πγ
磁気共鳴
外部磁場 H0
振動磁場 tH ωcos1
== Ν 02/1
2/10cos1 xx ItIH ωγH'
2/12/1 −↔+=zI の遷移を引き起こす。
Zeeman energy
€
µ = gNµΝ
I = γ n
I
€
E = γ n
I • H
固体の中では周囲の電子系と相互作用する核
€
ωres = γΝ (1+A Sωref
)H = γΝ (1+ Ks)H
静的情報
ナイトシフト
€
E = γ n
I • Aδ
S (q,t) + QIz
2 ⋅ e Vzzc
i,el∑
I = 1/2
超微細結合 (hyperfine coupling)
核四重極結合 (quadrupole coupling)
動的情報
€
Ks =A
NAµB
χ s
µH
核スピン格子緩和 核スピンスピン緩和 1
z0z
TMM
dtdM −
=
核スピンと電子スピンの相互作用 超微細相互作用
核スピン( I )は電子スピン ( S )と強く相互作用をしている.
H0
µn = γn I
µe = γe S 核スピンのハミルトニアン
HZ = -γn I H0 + A I S = -γn I HLoc
A:超微細結合定数
H
K=0 K ≠ 0
γn HLoc = H0 -
A S = H0 - γn A {〈S〉 + δS }
av. static dynamics 静的な電子スピンの効果で共鳴線はシフト
€
K =H0 − HLoc
H0
=Aγ n
⋅SH0
=A
NAγ eγ n2 χ
€
χ =MH0
=NAγ e SH0
超伝導状態のスピン帯磁率の測定に有効
ナイトシフト: Knight Shift
€
€
€
€
€
€
Dynamical component of hyperfine coupling
€
W =2π
i |Η | f2δ(Ei − E j )
€
Η = −γ nI ⋅ δS = −γ IzδSz +12I+δS− + I−δS+( )
€
1T1
=γ n
2kBT(γ e)
2 AqA−qq∑ χ ' '⊥ (q,ω0)
ω0
Nuclear spin-lattice relaxation rate: 1 /T1
€
=πA2 N(ε)N(ε') f (ε) 1− f (ε)( )δ(ε −ε')dεdε'
0
∞
∫
=πA2 N(EF )[ ]2kBT ∝T
Metallic state
Dynamical susceptibility
nuclear spins relax
T1T = const. Korringa relation
SC state Exp(-Δ/T)
T3
isotropic gap ( s-wave)
line-node gap
€
1T1
=
€
1T1
=T
T −θ( )nMagnetic fluctuations
2D FM n=3/2, AFM n=1
3D FM n= 1, AFM n=1/2 Moriya et al.
BCS-Type
€
T << Tc : 1/T1∝exp −2Δ 0 0( )kBT
2Δ 0 0( ) ≅ 3.5kBTc
Y. Masuda and A. Redfield, Phys. Rev. 133 A944 (‘64)
Uniform gap formation Isotropic gap
→ s-wave super-conductor
銅酸化物高温超伝導体の核磁気緩和�1/T1: 63Cu NQR
(Phys. Rev. Lett. 70 (1993) 1002; 71 (1993) 1254.)
銅酸化物高温超伝導体の�核磁気緩和�
1/T1: 63Cu NQR
T. Imai, C. P. Slichter, K. Yoshimura et al., Phys. Rev. Lett. 70 (1993) 1002; 71 (1993) 1254.
€
1T1
= 2 γ nAhf( )2kBT
πχ q,0( )Γqq
∑
≈ 2 γ nA( )2kBTπχ 0,0( )Γ
T>>1 → ∝ γ nAhf( )2 1Γ
= γ nAhf( )2τ
€
1T1
= 2 γ nAhf( )2kT
Imχ q,ω0( )ω0q
∑
€
Imχ q,ω( )ω
= χ q,0( ) fq ω( )
€
fq ω( ) =πΓq
Γq2 +ω 2
€
Imχ q,ω0( )ω0
=πχ q,0( )Γq
強磁性体におけるスピン-格子緩和率, 1/ T1
高温超伝導相図�