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Page 1: 流れと漂砂の数値シミュレーション に関する調査研究...海洋科学技術センター試験研究報告 JAMSTEC R 23 ( 1990 Mar.) 流れと漂砂の数値シミュレーション

海洋科学技術センター試験研究報告 JAMSTEC R 23 ( 1990 Mar.)

流れと漂砂の数値シミュレーション

に関する調査研究

河 野 健*1

近年のめざましい大型計算機の発達によって長足の進歩を遂げた数値シミュレー

ション技術に関して,流体力学の分野を中心に調査を行った。

また,この数値シミュレーション技術を,沿岸開発上の重要な課題である漂砂の問

題に適用するべく,調査を行った。

そして,将来性,汎用性の面で優れたE 次元海浜変形モデルについて詳しく調査し,

今後の方針として,砂をある粘度をもつ流体として取り扱うことによって新たな三

次元海浜変形モデルを開発することを検討した。

キーワード:数値 シミュレーション,三次元海浜変形

Study about Numerical Simulation of Flow

and Drifting Sand

Takeshi KAWANO*2

The technique on the numerical Simulation about Hydrodynamics, which has

made remarkable progress with advance of computer, is investigated.

And in order to apply this technique to the problem of sand-drift, the literatures

on it are investigated.

And the model of three-dimensional seashore transformation, which has many

advantages about possibilities, is studied. Then the plan about the new model is

considered.

Key word : Drifting Sand, Numerical Simulation Three-dimensional seashore

transformation

3 7 1

*1  海洋開発研究部

*2  Marine Research and Development Department

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1 はじめに

これまで機械工学の分野においては船の抵抗軽

減のための船型改良や空力特性の良い自動車や飛

行機の設計など,海洋工学・海洋土木工学の分野

では波や流れによる海浜地形の変化の予測や構造

物に働く流体力の予測など,流れや波と物体の間

の相互干渉にかかわるさまざまな問題は,主とし

て経験則や模型実験に頼ってきた。しかし,近年

の大型計算機の発達によって,数値シミュレーショ

ンの技術は飛躍的に進歩し,これらの問題へのア

プローチも可能となった。数値シミュレーション

の結果と実際の現象や実測値とが定量的に良好な

一致をするという段階にはいまだに至っておらず,

結果の信頼性という点では,経験則や模型実験に

一歩譲る場合もあるが,数値シミュレーションに

はそれに代わる利点もある。

船舶や自動車,飛行機などの模型実験を行う場

合,一般的には相似則によって縮尺模型を作り,

それに合わせて条件を設定し,実験を行う。しか

し,相似則によって全ての要因が妥当に縮尺され

るとは限らない。実験の対象となるものによって

は,相似則が確立していない場合もある。しかし,

数値シミュレーションによれば,相似則を用いず

に実際と同じ条件で計算することも可能である。

さらに,模型実験には,大規模な実験施設と模型

作成のための多大な労力が必要であるが,数値シ

ミュレーションの場合,一旦プログラム・コード

ができてしまえば,計算条件を変える(即ぢ; 模

型実験において実験条件や供試模型を変えること

に相当する)ことは比較的容易である。また,数

値シミュレーションによれば,得られるデータの

量は模型実験に比べて大変多い。従って,模型実

験と数値シミュレーションとを相補的に用いるこ

とによって,従来よりも効率良く,信頼できる予

測が可能となる。

以上のような数値シミュレーションの可能性を

踏まえて,沿岸開発の上での重要な問題の一つで

ある漂砂の問題について,数値シミュレーション

によるアプローチを試みるべく調査を行った。漂

砂の計測法に関しては,文献1)に詳しいが,こ

のなかで数値シミュレーションに関しては,海岸

線の変化のみに注目した汀線変化モデルにしか触

れられていない。国土の狭い日本においては,沿

372

岸域の開発が今後ますます重要度を増して行くと

考えられ,沿岸域に構造物を設置する機会も増加

することが予想される。こういった場合,海岸線

の変化の予測が重要であることは言うまでもない

が,それ以外にも,構造物の脚部の洗堀や構造物

の近傍海域での海底地形の変形の予測もまた重要

な課題である。汀線変化モデルが概して2次元モ

デルであり,既に実績のある手法であるのに対し,

海底地形変形3次元モデルは,まだ開発の端につ

いたばかりであるが,その応用範囲は広いと思わ

れる。以下,第2章において,主として支配方程

式としてナビエ・ストークス方程式を用いて,こ

れを差分法によってtime ―marching しながら解

くという汎用性の高い数値シミュレーション技術

を中心に,その利点や問題点について漂砂以外の

分野における数値計算例を調査した結果を述ぺる。

また,第3章において,海底地形変形を中心とし

た漂砂の数値シミュレーションの現状についての

調査結果を,最後に第4章において,今後の研究

の方針について述べる。

2 漂砂以外の分野における数値シミュレー

ションの例

数値シミュレーションはいろいろな分野に適用

されている。特に流体力学の分野においては,ナ

ビエ 。ストークスの方程式と連続の式をいろいろ

な境界条件の下で解くことによって,一つには,

流力特性に優れた船舶や‘自動車,航空機を設計す

るための道具として,もう一つには,海況や構造

物に働く力,波の変形などの予測手段として,さ

らには,学術的な用い方として,流体力学上の基

礎的な問題に適用し,実験とは違った方向から問

題の解決を図る手段として,といった大別して3

つの用いられ方をしている。これらの3種の適用

方法について,いくつかの例を挙げながらその利

点と問題点について述べる。

2.1 設計上の道具としての利用

船舶や自動車,航空機の場合,形状によってそ

の流体力学的性能が異なる。即ち,流線形に代表

されるようなできる限り滑らかな形状にすること

で,抵抗値を軽減できるからである。従って,設

計の際に,少しずつ形状を変えた何種類もの模型

を製作し,これらを比較するという必要が生じる。

JAMSTEC  R 23 (1990)

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こういった場合には,数値シミュレーションは

大変有利である。シミュレーションの場合には,

対象となる物体の形状を変えることは,計算条件

を変えることにすぎず,容易にできる場合が多い。

模型をいくつも作ることを考えれば,時間的にも

経済的にも効率が良い。

まず,船舶に関する数値シミュレーションの例

である。船が進行する時,船首部には,非線形性

の強い自由表面衝撃波が形成され2〉,従来の線形

理論のみでは説明しきれないケースがある。そこ

で、Miyataet. a1.3)メ〉は,MAC法をベースに, 自

由表面と物体表面の取り扱い方に独自の改良を加

えたTUMMAC法を考え,船体造波シミュレー

ション用のプログラム ・コードTUMMAC-N

を開発した。図 1は, このプログラム ・コードに

よって船首部の造波シミュレーションを行う際の

計算領域である。物体として,船舶の船首部の片

側を考えている。この計算領域を格子(セル)に

分割して,各子点において速度と圧力を計算し,

さらに自由表面の変形を時間を追って求めていく。

図2は,この数値シミュレーションによって得ら

れた波高の等高線図を実験結果と比較したもので

ある O 上側が計算結果,下側が実験結果である。

深さ方向の格子間隔を船長の 1%以下としており,

実験結果と良好な一致を示している。図3は,船

首部での造波の様子を鳥敵図で示したものである。

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上側がパラスト状態,下側が満載状態である。

この数値シミュレーションによ って得られた波

の形状や,船体表面圧力の積分値から造波抵抗値

を推測し,それによ って船首形状の優劣を比較す

ることができるので,実際の設計の為の道具とし

て利用することが可能である。

この方法では粘性流はシミュレートできないが,

波と粘性流の両方が混在し,お互いに影響を及ぼ

し合っているのが実際の現象である。そこで,

Miyata et. a1.5)は, さらにWISDAM法を開

発し,波と粘性流の相互干渉をシミ ュレートして

いる。 WISDAM法では,自由表面と物体表面

の両方に格子系を引きつけた境界適合座標系を用

い,支配方程式として運動量と運動エネルギーの

両方を保存する回転形のナビエ・ストークス方程

式を用いている。図 4はレイノルズ数 (Re =

U.L/ν U:流速 L:代表長さ ν:動

車占性係数) R e =10000におけるシミュレーショ

ン結果であるO 船の長さ方向に軸を持つ剥離渦が

船体の回りで生じている様子が良くとらえられて

いる。図 5は,同じ方法でシミュレートされた船

首近くの断面での圧力の等高線図であるが,自由

表面が無い場合(左側うと,自由表面がある場合

(右側)とで著しい相異があり,波と粘性流の相

互干渉が重要であることを示している。

一方, 自動車の場合でも,空力特性の向上のた

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図 1

Fig.l

船首造波シミュレーション:計算領域の例3)

Examlpe of Computational Region of Wave-Making Simulation3)

JAMSTEC A 23 (1990) 373

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図 2 船首造波シミュレーション:波高等高線図4)

計算結果(上)と実験結果(下〉

Fig.2 Comparison of Computed Calove) and Measured Cbelow)

Bow-W ave Contour maps 4)

め,車体回りの流れ場の解析が重要となる。谷口

ら6)は,

①車体後部の剥離域が大きな圧力抗力を生じる。

②特に Fast -Back Typeではリア ・ウイ ンド

ウの傾斜角によって,車体回りの流れの構造

が不連続に変化し,揚抗力も大きく変わる。

③地面境界は剥離域に大きな影響を与えるO

④流れは乱流で, レイノルズ数の影響は小さい。

という事実から 3次元乱流計算が必要であるとし

ており,図6のような自動車の回りの流れの数値

シミュレーションを行った。

これら,船舶や自動車の数値シミュレーション

を設計に応用する場合には,何種類かの物体の計

算を行い,それらの相異あるいは優劣が定性的に

判断できることが重要であるO

374 JAMSTEC R 23 (1990)

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図 3 船首造波シミュレーション:計算結果の鳥敵図4)

パラスト状態(上)と満載状態(下)

Fig.3 Perstective Views of Computed Bow-Wave : Ballast Condition Calove) and Full-Load Condition Cbelow) 4)

図 4 船舶回りの波と粘性流のシミュレーション:流れ方向に軸をもっ渦度の等

高線図5)

Fig.4 Contour Map of Compted Vorticity around a ship5)

JAMSTEC A 23 (1990) 37ラ

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図 5 船舶回りの波と粘性流のシミュレーション:船首近くの断面での圧力の等

高線図5)

Fig.5 Contour Maps of Computed Pressure : Double-Model-Flow (left) and

with Free-Surface (right) 5)

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図 6 自動車回りの流れのシミュレーション:速度ベクトル図6)

Fig.6 Computed Velocity Vector Field around an Auto-Mobile6)

2.2波浪等の予測のための利用

次に海況や波浪,構造物に働く流体力をあらか

じめ予測するための数値シミュレーションである。

漂砂に関するシミュレーションも,このカテゴリ ー

に含まれるが,これに関しては第3章で述べるO

る波(図 7)や浅水流中の半円状突起によって誘

起される波(図8),没水柱体に規則波があたる

場合の波の変形(図9)について,砕波を含めた

数値シミュレーションを行っている。波に関する

問題も砕波を供なう現象は大変複雑であり,実験

も難しい。図7""図9は,先に 2-1で述べた船

体造波シミュレーションに用いたTUMMAC法まず,波の変形や波浪によって物体に働く流体

力に関する数値シミュレーションである。 Miyata

et. al.ηは,深水域を進行する浮体の前面にでき

376

の2次元パージョンで,砕波シミュレーション用

JAMSTEC R 23 (1990)

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に改造されたものである。自由表面に segment-

in-. cell法といった手法を用い,砕波後の自由表

面の複雑な運動をシミュレートできるように工夫

されている。

さらにMiyataet. a1.8)は, この方法に,特に

差分展開時の精度の向上と乱流モデルの導入といっ

た改良を加え,没水円柱に規則波が作用する場合

と,平らな海底から盛り上がったバンプに規則波

が作用する場合について,波の変形の数値シミュ

レーションを行い,実験と比較している。図 10

は没水円柱に作用する規則波の変形の計算結果で

ある。砕波後の渦の形成など実験と一致する点も

多いが,円柱に作用する力が,実験結果と定量的

に一致するというまでには至っていない(図11)。

図 12は,海底地形が規則波をどのように変化さ

せるかの数値シミュレーション結果である。規則

波が変形し,序々に急峻となって砕波する過程が

良くとらえられている。

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また,差分法ではなく有限要素法での数値シミュ

レーションであるが,高梨らは,の.ω 摩波のシミュ

レーションを行っている。これは,地震の発生地

点と大きさを設定することによって,津波の海岸

への到達時間や高さなどが数値データとして得ら

れるというものである。高梨はこれを 1983年 5

月26日の日本海中部地震に適用し, 250km四方

の解析領域の数値シミュレーションから,津波が

岸に向かつて伝播して,地震発生から約 10分後

に第 1波が深浦に到達していることを明らかにし

た。(図 13,14)

以上のような波や構造物に働く流体力の予測の

ために数値シミュレーションを行う場合には,実

験結果や実測結果と数値シミュレーション結果と

が,定性的のみならず定量的にも一致する必要が

ある。しかし,数値シミュレーションの場合,差

分展開時に生じる誤差などから,定量的な一致を

みるのは難しい場合もある。

-0.40 -0.20 -0.10

図 7 深水域を進行する浮体前面に生じる波と流れのシミュレーション:波形と

速度ベクトル図7)

Fig.7 Computed Wave Profile and Velocpty Vector Field by advancing floating body7)

JAMSTEC R 23 (1990) 377

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速度ベクトル図7)

8 図

the ln Field by Iump Computed Wave-Profile and Velocity Vector Fig.8

23 (1990) R JAMSTEC

Stream 7)

378

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(m)

-0.10 -0.20 -0.30

波形と速度ベク規則波中の没水柱体による波と流れのシ9 図 • • ンヨレーシコ.

、、、ノレ図7)ト

Field by Submergible in Computed Wave-Profile and Velocity Vector Fig.9

379

Wave7)

( 1990) 23 R IAMSTEC

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R 23 (1990)

規則波中の没水柱体による波と流れのシミュレーション

:波形と速度ベクトル図8)

Computed Wave-Profile and Velocity Vector Field by

Submergible in Wave8)

JAMSTEC

図 10

Fig.10

380

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波上

upwave

下方向

downward

没水深度

d/b depth

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0.05 波下

down-wave

J 0.2

上方向

:upward

図 11' 没水円柱に働く流体力:水平方向 (上)と鉛直方向(下)8)

Fig. 11 Mean Horizontal (above) and Vertical (below) Forces on

a SubmergedCircular Cylinder8)

JAMSTE.C R 23 (1990) 381

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図 12 規則波中のバンプの上の波と流れのシミュレーション:波形図8)

Fig.12 Computed Wave Profill on a Bump in Wave8)

382 JAMSTEC R 23 (1990)

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E (NOSHIRO)

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図 13 津波のシミュレーションの計算領域:メッシュ(上)と海底地形(下)ω

Fig. 13" Computational Region of Simulation of Tsunami-Wave : Mesh Idealzation and Topography of Sea-Bed助

JAMSTEC R 23 (19"90) 383

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Jf ? ?干珂蝿鰭誇議議議符After 1σMinutes

???芦田崎留弱齢磁i多芸議長安芸議雰警雲蓉?J'-一叫Z ち長?呈=出主皇室孟雇通話E6語

After 15 Minutes

図 14

Fig, 14

津波の伝播の計算結果ω

Propagation Profile of the Tsunami Wavesゆ

2.3 学術的な利用

数値シ ミュ レーションの利点の一つに,得られ

るデータ の多さがある。模型実験をする際には,

例えばセンサの数や,センサの大きさなどの制約

から充分な情報を得られない場合がある。図 15

はBaba et. al.ll)によ る振動流中におかれた円柱

からの剥離渦のシミュレーションである。図 15

は速度ベクトルを示したものでるが,実験では,

これほどの多点の流速を同時に計測することは不

可能であるし,また,このような円柱の近傍で流

速を計測することも難しいと言える。

しかし,数値シミュレーションの場合,得られ

るデータは確かに多いが,その結果がどの程度信

頼できるかどうかを,何らかの方法で判定する必

要がある。というのは,支配方程式を差分展開す

384

る際に生じる誤差や物体表面の取り扱い方から生

じる誤差などが計算結果に悪い影響を与え,計算

結果が現象を忠実にシミュレートしていない場合

があるからである。 Baba et. al.による例(文

献 11),は,この誤差をできる限り小さくするた

め,物体に適合した座標系を生成するなどさま

ざまな工夫をし,精度の向上に努めている。速度

ベクトル図と実験とを比較することは困難なので,

同ーの手法によって一様流中の円柱の回りの圧力

分布を計算し, これを実験と比較している (図

16)。レイノルズ数が実験と計算とで多少異なる

ことを考慮すれば,比較的よく 一致していると考

えられる。図 17は渦度の等高線図であるが,回

転の方向が異なる渦どうしの複雑な運動が明らか

になっているO

JAMSTEC R 23 (1990)

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j 、;- 一

図 15

Fig. 15

振動流中の円柱の回りの流れのシミュレーション:速度ベクトル図ω

Computed Velocity Vector Field..:c:tround the Circular Cylider in an

Oscilla tory Flowll)

3

Cp

2

図 16 円柱回りの圧カ分布u

R凡8= 1000の計算結果

R氏e= 10∞0の計算結果

Re = 2000の計算結果 (Kawamuraet. al.)

口 実験結果九=2800 (Goldstein)

Pressure Distribution on a Circular Cylinder

Advancing Steadlyl1)

Computed at Re . 1000

Computed at Re = 100

Com,puted at Re = 2000 (Kawamura et. al.)

口 Computedat Re = 2800 (Goldstein)

。90 。

o o

m

Fig. 16

、、、.、、

、、,

t

w

l

d

、到、.

-・2

-3

JAMSTEC R 23 (1990) 385

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a

b

ι:q.! 'ー.. -

妙。J

c

,俗、

、~参

: t・0

図 17 振動流中の円柱の回りの流れのシミュレーション:渦度の等高線図ω

Fig. 17 Contour Maps of Vorticity around the Circular Cylinder in an Oscilla tory Flowll

)

図 18はMiyataet. al.ゅによって行われた平板

上の流れのシミュレーション結果である。この計

算は,平板の上の流れに急激な勇断が生じた場合,

流れがその後どのように変化していくかを,普通

の平板と流れ方向に極微小の溝(リブレットと呼

ばれている)をもっ平板とで,比較したものであ

る。リブレットは,摩擦抵抗を軽減させる(即ち

普通の平板よりリブレットのある平板の方が摩擦

抵抗が少ない)手法として知られているが,なぜ

386

摩擦抵抗が減るかについては明かではない。リブ

レットの大きさが 1mm以下と小さいこともあっ

て,実験が非常に困難であるからである。図 18

は,流れ方向に軸を持つ渦度の等高線図で、ある。

この数値シミュレーションの結果, リブレットの

存在によって,流れの 3次元的な構造が規則的で

強固なものとなって,そのため乱れが成長しにく

くなるのではないかという推測がなされているが,

この文献では実験との比較がなされていない。

JAMSTEC R 23 (1990)

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‘ Lλ,

こ令

」》

'hω4mの3Mω(-@@O)

+ Z

150

• !

!

100

50

2000 1500

平板上の流れのシミュレーション i流れ方向に軸を持つ渦度の等高線図:

リプレットなし(上〉とリブレットあり(下)ω

Comparison of Contour Map of Streamwise Vorticity12

+ x 1000 500 。

図 18

Fig. 18

凶∞U『

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2.4 差分法の問題点

以上のような例の他にも,田村らゆによるビル

の回りの風を予測するための計算や, Kubota et.

al.叫によるキャビテーションの発生をも含めた

計算例などもあり,差分法を中心とする数値シミュ

レーションの適用範囲はたいへん広いが, この数

値シミュレーション技術に全く問題がないわけで

はない。それは,数値計算の精度と安定性,汎用

性,経済性にかかわる問題である。精度の良い計

算を行おうとすると,プログラムが敏感となり,

少しの計算条件の変更でも計算が発散する(正常

に計算出来ない)ことがあるO また,物体に適合

した格子間隔のたいへん小さい格子系を成生して

計算を行えば,確かに精度のよい計算ができる。

しかし,その代償として,格子系の成生には多大

な労力が必要で,さらに格子点数が多いので,長

い計算時間を必要とする。学術的には,この方向

が望ましいが,設計に応用するとなると,汎用性,

経済性の面で好ましいとは言えない。確かに精度

の面では劣るが,格子系の生成に労力が不要な矩

形格子による計算でも,計算が安定で, しかも物

体形状の入力のみで計:算できるという単純さがあ

り,設計など定性的な比較が重要となる分野にお

いては有力な方法である。このように,精度と安

定性,汎用性,経済性は同時には満足させること

は出来ない。どのような対象物で, どの程度の精

度,どの程度の汎用性・経済性が必要とされるか

は,その計算によってどのようなことをしたいか

により,それらのパラシスを充分見極めて格子系

の選択や差分展開法を考慮することが重要である。

また,未解決の問題の一つに乱流モデルがある。

現実の流体現象は多くの場合乱流である。しかし,

乱流のような微細な 3次元構造を持つ現象を, 差

分による数値シミュレーションによって解析する

ためには,たいへん細い格子によらなければなら

ず,非常に長時間の計算時間を要する。乱流の構

造を解明するという学術的目的から,約 40万セ

ルの格子系で、チャンネルフローを解いた例同もあ

るが,設計に応用するなどの観点に立てば, この

ように大量のセルに分割することは実際的ではな

い。そこで,このように細かいメッシュに分割せ

ず,乱流による効果をモデノレ化して計算を行う方

法が用いられている。しかし,乱流モデルには,

388

0方式モデル, 2方程式モデル, SGSモデルな

どいろいろなものが提案されているが, これらの

モデルには前提条件や経験定数が含まれており ,

まだ完全に確立されたモデルとは言えない。16)

, . ‘

3 漂砂の数値シミュレーション

近年の沿岸海域の開発の活発化に供い,設置さ

れる各種構造物も大型化してきた。そして,周辺

海域への影響もより広域に及ぶようになり,その

深刻さを増してきている。このため,より精度の

高い予測手段が必要とされるようになってきてい

る。そこで, 近年進歩のめざましいコ ンビューター

による数値シミュレーションを用いた予測が試み

られつつあるが,その概要について調査した。

3. 1 数値予測モデルの種類

漂砂による海浜地形変形の数値シミュレーショ

ンは,大別して,汀線変化モデルと 3次元海浜変

形モデルに分けられる問。

( 1 )汀線変化モデル

汀線変化モデルは,海岸線の位置の変化を求

めるものである。基本的には沿岸漂砂量の海岸線

に沿った分布を求め, これをもとに海岸線の変形

を予測する方法である。従って,漂砂量計算の前

段階として必要となる波浪場を計算する際にも,

海岸線に沿った砕波波高や波向に重点がおかれる。

汀線変化モデルは,実現象をかなり単純化して

おり,短時間のうちに計算結果を得ることができ,

従って,長期間にわたる現象をシミュレートでき

るが,一般的に,計算の対象となる海域に設置さ

れた構造物が複雑な場合などでは信頼性がうすい。

なお, この汀線変化モデルに関しては,文献1)

でも紹介されている。

(2) 3次元海浜変形モデル

対象海域全域にわたって、波浪場や流場を計算し,

それにもとづいた各計算点における局所的な漂砂

量と移動方向を算定し,底質の保存式から海底地

形の変形を予測するのが3次元海浜変形モデルで

ある。この方法は原理的には, (1) の汀線変化

モデルより汎用性が広いと言えるが,計算領域全

体にわたって波浪場と流れ場を計算する必要もあ

り,計算に要する時間が汀線変化モデルに比べて

たいへん長い。従って長期にわたる現象をシミュ

レートするには,現在の所不向きであるO

JAMSTEC R 23 (1990)

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3次元海浜変形モデルは,大きく分けて「波浪

場の計算J,I海浜流の計算J,I海底地形変形の計

算」の 3つのパートから成り,図 19に示すよう

なフローチャートに従って進められる問。

Start

地形.情造物配置の入力

潮位,入射波の入力

波の場の計算

一一一一一一-1

海浜流,水位の計算 J!

/1M¥』 NJ〈迂夜、流れの干渉〉二トJ

司』‘、、、,,,,,,,,.

Yes

j票砂量の計算

地形変化の計算

N。

Stop

図 19 3次元海浜変形モデルのフロー・

チャート的

Fig.19 Flow Chart of 3 D-Seashore-Transformation Model1

1)

①波浪場の計算

地形,構造物の配置を入力し,潮位,入射波

を入力する。これらから,波浪場を計算する。

この波浪場の計算には,屈折,浅水変形,構造

物による反射や回折,砕波変形などを考慮する

必要がある。

またここで,海浜流計算に必要な Radiation

Stressと,底面波動流速を計算する。

JAMSTEC R 23 (1990)

②海浜流場の計算

①で求めたRadiation Stressを条件として,

平均流と平均水位に関する運動量方程式と連続

の式を解き,流速と平均水位を求める。

ここで,海浜流場と波浪場は,相互に影響を

及ぼし合っているので, この 2つの計算を交互

に繰り返して反復計算を行う必要がある。

③海底地形変形の計算

求められた波浪場と海浜流場,及び与えられ

た底質の条件などから,漂砂量算定式を通じて

漂砂量分布を求め,底質量の保存則から地形変

化を求める。

ここで,波浪場及び海浜流場と, この海底地形

もまた相互に干渉しあ っているので,①,②とこ

の海底地形変形の計算を交互に反復計算する必要

がある。

以上が一般的な計算のながれである。

3.2 3次元海浜変形モデルの例

渡辺らは附,19〉,波浪場の支配方程式として非定

常緩勾配方程式紛

22+C2VC+ん Q= 0 θt _.ooT "lJ

a( . 1 一一一+一一V・(nQ).= 0 at

ここで,

v=(θ/δ久 θ/θy) (:水面変位 C:波速

Q=(Qゎ Qy):線流量ベクトノレ

Qx=心dz,Qy=JJudz

n=す(1+siよし)k :波数 h;静水深

fD=αD tan sJ(g/k)(。/Qr-1)

。=JQ~ +匂, Qy =r'jih3 αD, T':定数

(1)

(2 )

389

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また,海浜流場の支配方程式として,平均流に

関する連続の式Mx =会(4)+£(ε39

(7)

θ( . aU (h + ()θV(h+ご)= 0 (3)

8 t θ z θ y

My =会(ε芸)+去(ε39

t:平均水位の上昇量ε:定数

Rx, RyはRadiationStress項で,θU . P. 8 U θU 一一 +U一一 +V一一 +F...-Mγ+Rγ θ fθzθy. ... X .J.r....x ......x

δご+g万=0

R-r= /.1 , (θSxx ,θSzyv -- ・岨園田胴剛--祖国'‘ー・喝回・.圃E・E・--・E・- I

zρCh+,) ¥ 8x θy J (8)

(4) Ry = ρムy(袋三+守)。VθVθV

一一+U一一 +V一一 +F旬 - M1J + R旬。tθz θy y y y

θc +g一一 =0

θy

ここで,Fx, Fyは摩擦項で,

(Sxx, Syy等については文献20)参照〉

さらに,漂砂量算定式として,流れによる漂砂

量 qcと波による漂砂量qω の和を考え,

Fx =-=ff仁 [(ω+5州 )U .q = qc + qω (9)

+与ωωvJ ここで,

(5 ) (τ-1:cグ )U

qc = Ac い

し ρg21 IU2

y - _ (L. 一、ト-=-sin () cos () U - {ふム,I!"} I ω (10)

+ (ω+与sin2() ) V ]

(1:-1:cr)Ub qw..-:-. F D Aω?一一一f., r' V

ρg

W = U cos () + V sin (), U = 2 U /π

u=ωo H /2 si凶lk(h+ご〉

(6l

Ac,Aω:定数 τ:波 ・流れ共存下

での底面摩擦応力

τcr:底質の移動限界摩擦応力

U:海浜流速 Ub :軌道流速振幅

FD:漂砂移動方向関数

ω=Vu2+ V2+長2+2Wu

+J U2+ V2+長2 - 2Wu)/2

また,底面高変化の算定式として,海底勾配の

影響も考慮した

。:波向角 ωo :入射波の角周波ヌ

H:波高

噌EE--

U

また,Mx, Myは水平拡散項で,

390 JAMSTEC R 23 (1990)

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を解き, 3次元海浜変形の計算を行った。

図 20はその結果であり, 5時間 5分後に相当

する時間における砕波線の数値シミュレーション

結果と実験結果との比較である。さらに,図 21

は6時間 55分後の等深線図である。シミュレー

ション結果と実験値が比較的よく一致しており,

本手法が有効であることを示していると思われる。

3次元海浜変形の計算例としては, この他に,

山口ら21)によるものがあるが(図 22)全体とし

てはまだまだ少なく,その手法の開発は端につい

たばかりである。

yh)|iLJUs.14.A1

2

0 0

23(m) (a) 実験値 Measured

2

after5 H 5 M 5時間5分後

Measured 実験値

Computed 計算値

、・.、Y {m}

y tm)

3

' , ",

1_ーー'

亡令 、、‘

¥...‘

1ト 入射波

Wave

離岸提

Em bankments

。。 2 3 4

2

S

......'

。、

3X(m) 4 (b) 計算値 Computed

3次元海浜変形モデルによるシミュ

レーシ ョン:等深線図の比較紛

Fig. 21 Comparison of Contour Map of

Measured depth Cabove) and

computed depth . Cbelow)紛

図 21

x (m)

図 20 3次元海浜変形モデルによるシミュ

レーション :砕波線の比較紛

Fig.20 Comparison of Computed and Me

asured Wave-Brearing line20)

, =0.04

T.: 3.5s

H',F 1m

GMZ70. m

m

8

0

1

5

・・x

円Menus

h

D

OM

υ・・、、.‘

o

uv ・1' c," 0

, "60min h.: 4,"

3.6 一 一Z.2

一~・一

nMn句'・£vヲら

RMA

『、J

22;11001

. 一一・ I m/s 一唱 10m

駄図 223次元海浜変形モデルによるシミュレーション:二本の突提による流れと

地形の変イピ1)

Fig.22 Contour Map of Computed Depth and Velocity Vector Field by Two

Em bankments21)

JAMSTEC R 23 (1990) 391

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4 今後の研究の方針

3次元海浜変形モデルの手法を確立するために

重要な要素は,波浪場,海浜流場の解析手法の検

討もさることながら,適切な漂砂量算定法を確立

することである。

一般に,砂の移動は,図 23に示される様な形

で行われるの。振動流水槽などで,底面の流速を

大きくし,底面の摩擦応力を徐々に大きくしてゆ

くと,

a)底面は平坦で,底質は掃流状態で移動する。

b)底面に砂れんが形成され,砂れん近傍に発生

する渦の作用によって底質が浮遊状態で移動

.... ‘4・・‘・

咽噌・ーー一ーー一一

l' 1111 ¥ 1"'" 111' I Imn l' ¥ ¥ l' 1

_.....

する。

c)底面摩擦力が大きい状態で砂れんが崩壊し,

砂は層状態で表面から数層にわたって移動す

る。

というようにな移動形態をとる。

このように複雑な移動形態を示すため,漂砂量

を適切かっ単純に算定するモデルを作ることは大

変難しい。

従来の任意方向の漂砂量算定法をまとめると表

1の様になる的。

今後の研究の方針として,この漂砂の移動に関

する新しいモデルを考え, これを 3次元海浜変形

a) 掃流移動

sand drift in bed load

選移状態

transition

b) 浮遊移動

sand drift in suspension

c) シート・フロー

sheet flow

図 23 底質の移動機構m

Fig. 23 Pattern of sand-driftl1)

392 JAMSTEC R 23 (1990)

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表 1 波と流れの共存場における任意方向の漂砂量算定式的

Table 1 Expressions of the mass of driftiing sand on flow and wave fieldl7)

」》玄

ω吋mの

考備適用峨タデ証.検係数値

{潔砂置の単位) 粒径(mm)

被のエネルギー

または波高

底面付近の流通あるいは底面ぜん断応力

底面せん断応力 底面地形外力の大きさ比重底面付近の漉連提案者

Ackers • White (1973]が一

方向流に闘して示した式(ll. (3)を海岸の漂砂現象に適用

するために.砂の動き易さを

示すF,rの表現を工夫した.

波と流れの計算結果から容易

に地形変化が計算でき安定f1.

解を与える源砂J!式を提案し

fこ.

流れによる漂砂と技の軌道運

動による漂砂を分躍して扱う

ことにより現象が単純化され.

従来の研究成果を取り組むζ

とが容易である.

室内実験

(移動限界に関する実験から係数慨を決定したが.

源砂量については倹証されてし?はい.)

利穂ら [1981J.の実験結果を参考にして.海浜変形モ

デル[渡辺.1981]において漂砂賞式の係数を便宜的

に決定した.

Wc --yo.6

A"'" 1

B=ー5(cm'(cm/s)

q=p,VX x=三三v・'x(~:-1γ(1)

n 、Uoi I 、n , FLJ ur":uJE---租敏子,,'=-0 --...ιE ,. . ysdo '細柱子,,'=.1

~兵+w..'ムdc .. ~ . "C 4

租誼砂のとき1111

(i掴 c) c.昌弘751086'd--1 細粒砂のとき t (3)

1111 .1 (i田/) C. ....5. 751o~γl

流れによる源砂量

q31= Fe yx q,坦尽v,fミ...A(fe VJ+f,.z -U.~lI,

肢の軌道運動に伴う漂砂景 。

q31=凡u.ωsa

q,:s F.,u.sina 凡 -B(".z-u.!)(1+a1r!>/,

Willis [1978]

渡辺 [1981J

M

ω

{

“@@O)

漂砂;厩を波の進行方向と.そ

れと直角は方向に分けて表現

した.底面せん断応力 rは,

田中・首藤[l981}の理論を

用いて計算した.

内.外室内実験

Sawaragi • Deguchi [1978]、の室内実験ヂータを利

用した.A冨 1or-l

B= 0.3 (cm3/cm/s)

r :海底扇縦断プロフ T イルの波向き方向 2~に微係歓<<,t : 定~

0'1rlはプロフ 7イル中の凹凸の極度信用大を紡ぐ

T :.it爾.途変動 uの周期

'. : l.aJDJ内で"I}'畿の巡行方向である待問

IZ : 多 量Eの巡行方向に直角であるIIIllm' 添字。置:J単向き減速隊

添字。fr:沖向念.i!時

波の進行方向成分

鳥居 A(qゐll-q~,la)/Tq'... FUw

F坦 B(T.-'cc )/,ρ1'1

畿の進行方向と直角低成分

q~. == (尽.ll+ゐ,z)u;./T".; : m純子tこ対する~織速度 A:』CUm'ittf量の岡鉱 (Ackers• Wltile. 1973J

d:細鈴子 ・ Eぜ :舗正保敏(..0.6) .. :波の鉄道運動 φ ・ . i:底貨の銚筏

U-e Z移動限界 φ I : ・水中比lIi:

F,r :.II貨のIJJtJ}さを示す係数 ,': ・空中比.

/c : )t'ltMl鴻に対する原繍係数 , : 111:カ加速度

ん :量産の軌道減速 。 η:砂れんの高さ

C~ :熊次元Ch.hy係数

A.B:係It

清水ら [1983J

f :源砂買Ey:定常派遣

" : ttの'"辺派遣

A :水深

0' :波向

添字z.y:水平孤内のa仔E箆"の

各方向成分傘型買わす

凶喝

ω

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ころの自由表面と似た取り扱いができ,底地形の

変形を自由表面の変形としてとらえられる可能性

がある。

Miyata et. a1.2のは,進行する角柱によって生

じる波を,空気と水の二層流の中を角柱が進行す

るととらえて数値計算を行い, 3次元の砕波のシ

ミュレーションに成功している。(図24) このな

かで, Miyata et. al.は,砂層をレイノルズ数

100の流体と仮定し,静止した砂の上を0.5m/s

の水が流れる場合の角柱のまわりの洗掘をシミュ

レートしている。(図25)この手法に,砂の粘度

や,あるいは砂の移動限界摩擦速度など,砂の物

性に関する考察を加えることで,新たな海浜変形

モデルと開発することが可能と思われる。

まず,第 1段階として,振動流中の砂の移動を

考える。図22において掃流状態 (a)から砂れ

に導入することを目標とする。その指針としては,

砂層をある粘度をもっ流体と仮定し,砂と流れの

関係を多層流としてとらえていくという方向で検

討している。砂をある粘度をもっニュートン流体

と見なして解析する手法は,格木らm,灘岡ら幼

にある。実際の現象からはかなりの簡略化となる

が,底質粒子が底質の濃度によって動きやすくな

るという現象をシンフ。ルな形で、取り込んだものと

なっている幼。砂の運動を,

①海底砂層はμsという仮想的な粘性係数をも

つニュートン流体とする。

②砂層はその上部の流体運動による境界努断力

及び圧力勾配によって移動する。

と仮定し,砂と水を多層流としてとらえて計算す

ることにより,砂と水の境界が水波問題で言うと

r:STEF・lfCCJ・ 22

I . 0 !:u 31 .

進行する角柱によって生じる波と流れのシミュレーション:波形とベクト

ル図紛

Computed Wave Profile and Velocity Vector Field 'by Advancing

Rectangular Cy linder紛

一主

l' ,-'" , I

• •••

.

JAMSTEC R ,23 (199:0)

図 24

Fig.,24

394

Page 25: 流れと漂砂の数値シミュレーション に関する調査研究...海洋科学技術センター試験研究報告 JAMSTEC R 23 ( 1990 Mar.) 流れと漂砂の数値シミュレーション

単に漂砂の問題のみにとどこの方法は,また,トまでをモシミ消滅 (c)んの形成、(b),

シルトなどの底泥の運らず,懸濁物の拡散や,ま

レー

新たな漂砂の

これにより,することを検討した。

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動と流れの関係などの数値シミュレーションにも

拡張が可能で,環境問題への応用も可能であると

考えられることから,将来性もあると恩われる。

移動・地形変形モデルを考える。その後,波浪場,

海浜流場のシミュレーションを行い,これに新た

なモデルを応用して局所洗掘や,比較的広い範囲

の海底地形への適用を検討した。

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ン:境界の形状と速度ベ粘性の異なる 2つの流体の流れのシミ

クトル図ω

Interface Profile and Velocity Vector Field of 'Two-Layer Flow24)

レーショニL図 25

Fig.25

395

4 ・.

R 23・(.1.990)

. ,

JAMSTE'C

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