文部科学省におけるライフサイエンス 研究支援の現状について ·...

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文部科学省におけるライフサイエンス 文部科学省におけるライフサイエンス 研究支援の現状について 研究支援の現状について 資料3

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Page 1: 文部科学省におけるライフサイエンス 研究支援の現状について · 統合データベースプロジェクト ライフサイエンスデータベース統合推進事業(JST)

文部科学省におけるライフサイエンス文部科学省におけるライフサイエンス研究支援の現状について研究支援の現状について

資料3

Page 2: 文部科学省におけるライフサイエンス 研究支援の現状について · 統合データベースプロジェクト ライフサイエンスデータベース統合推進事業(JST)

【ライフサイエンス分野の施策

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

脳科学研究戦略推進プログラム

現代社会が直面する様々な課題の克服に向けて、「社会に貢献する脳科学」の実現を目指し、脳科学研究を戦略的に推進する。

個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト(第2期)これまでに構築した世界最大規模のバイオバンクを活用して、疾患関連遺伝子研究や薬理遺伝学研究を実行し、個人に最適な医療の実現を目指す。

再生医療の実現化プロジェクト(第Ⅱ期)iPS細胞等幹細胞を用いた研究開発について、基礎研究の成果をもとに、関係省との連携により前臨床・臨床研究までの一貫した支援を実施し、早期の再生医療の実現化を図る。

次世代がん研究戦略推進プロジェクトがんについての革新的な基礎研究の成果を戦略的に育成し、臨床応用を目指した研究を加速することで、次世代がん医療の実現を目指す。

ナショナルバイオリソースプロジェクト実験動物等の研究材料について収集・保存・提供を行う拠点を整備するとともに、国内外の大学及び研究機関等に提供することにより、質の高いライフサイエンスの研究の推進に貢献する。

統合データベースプロジェクト ライフサイエンスデータベース統合推進事業(JST)

公的資金による研究成果として作成されたライフサイエンス分野のデータベースの利便性向上を図り、世界トップレベルの研究力を支える基盤を整備する。

次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発

ライフサイエンス分野における計算科学技術を駆使した新技術の適用などに道筋を付け、今後の我が国におけるライフサイエンス分野の進展に貢献することを目指す。

【ライフサイエンス分野】ライフ・イノベーション推進に向けた施策

新興・再興感染症研究拠点形成プログラム 感染症研究国際ネットワーク推進プログラムアジア・アフリカの8カ国12カ所に整備した海外研究拠点を活用し、感染症対策に資する基礎的知見の集積、人材育成等を推進する。

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分子イメージング研究プログラム 分子イメージング研究戦略推進プログラム分子イメージング技術を医療へ応用すべく、創薬候補物質探索拠点・PET疾患診断研究拠点と、大学・病院・企業等の連携により構成される研究体制を構築し、技術の実証に向けた共同研究開発を実施。

基礎研究の成果を臨床へとつなげるための橋渡し研究支援拠点の機能を実証するとともに、これら拠点を中核としたネットワークを形成し、成果の実用化に向けた取組の加速を図る。

は事前評価、 は中間評価、 は事後評価の実施時期

粒子線がん治療に係る人材育成プログラム

粒子線治療固有の知識・技術を有した専門人材を育成するため、既存粒子線治療施設を活用したOJTによる研修を実施し、中核的な役割を果たす人材を育成。

革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ創薬など医学・薬学への貢献が期待できる有用なタンパク質の解析を実施するとともに、次世代シーケンサーを駆使し、細胞・生命プログラムを解明する。

※ターゲットタンパク※セルイノベーション

※課題D 社会脳

橋渡し研究支援推進プログラム 橋渡し研究加速ネットワークプログラム

※橋渡し研究課題 ※橋渡し研究支援拠点

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文部科学省のライフサイエンス関係 H23年度予算案について

1,5602,027個人の遺伝情報に応じたオーダーメード医療の実現に向けた取組推進

オーダーメイド医療の実現プログラム

1,3251,338国として戦略的に整備する必要があるバイオリソースについて体系的に収集・保存・提供するための体制の整備

ナショナルバイオリソースプロジェクト

4,4125,170医学・薬学への貢献が期待できる有用なタンパクの解析を実施するともに、高速シーケンサーを活用し細胞・生命プログラムを解明

革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアチブ

放医学研究所運営費交付金

科学技術振興機構運営費交付金

理化学研究所運営費交付金 28,79929,310我が国における中核的研究組織として、国民生活の質の向上を目指した世界をリードする研究開発を実施

1,7601,756様々な研究機関等によって作成されたライフサイエンス分野データベースの統合化に向けた研究開発等を推進

運営費交付金

11,59612,070放射線の医学的利用のための研究、放射線安全・緊急被ばく医療研究、放射線科学領域における基盤技術開発等を実施

500530疾患の早期診断・治療薬開発に資する分子イメージング技術の高度化を実施

分子イメージング研究戦略推進プログラム

1,7221,900アジア・アフリカの8カ国に整備した海外研究拠点を活用し、感染症対策に関する基礎的知見の集積、人材育成等を実施

感染症研究国際ネットワーク戦略プログラム

3,0002,398有望な基礎研究の成果を実用化するための支援拠点の整備橋渡し研究加速ネットワークプログラム

3,6000次世代がん医療の確立に向け、がんについての革新的な基礎研究の成果を戦略的に育成、臨床研究を目指す

次世代がん研究戦略推進プロジェクト

3,5902,390「社会に貢献する脳科学」の実現を目指し、社会への応用を明確に見据えた脳科学研究を戦略的に推進

脳科学研究戦略推進プログラム

3,8002,370国際競争を勝ち抜くための、オールジャパン体制でのiPS細胞研究等を戦略的に推進

再生医療の実現化プロジェクト

内局事業

H23予算案(百万円)H22予算額(百万円)概 要施策名

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再生医療の実現化プロジェクトの経緯

○京都大学山中教授により平成19年11月にヒトiPS細胞を樹立。これは、再生医療・疾患

研究等に幅広く活用されることが期待される我が国初の画期的成果。

○この研究成果を総力を挙げ育てていくため、iPS細胞等の研究をオールジャパン体制のもと

戦略的に推進する必要性。

○「再生医療の実現化プロジェクト」は、「経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディングプロジェクト)」の1つとして、平成15年度から、10カ年計画(プロジェクト開始からの5カ年を第Ⅰ期とし、その後の5カ年を第Ⅱ期とする)で開始。

○細胞移植・組織移植によってこれまでの医療を根本的に変革する可能性を有する再生医療について、必要な幹細胞利用技術等を世界に先駆け確立し、その実用化を目指す研究開発として、①研究用幹細胞バンク整備事業、②幹細胞操作技術開発領域、③幹細胞治療開発領域を実施。

事業開始~第Ⅰ期

京都大学山中伸弥教授

iPS細胞

個別課題研究事業(第Ⅰ期の①~③)に加え、ヒトiPS細胞を中心とした幹細胞に関する、独創性の高い研究開発を推進するために、ヒトiPS細胞等研究拠点(京大・慶応・東大・理研)を整備し、iPS細胞を中心とした幹細胞研究を実施。

個別課題研究事業(第Ⅰ期の①~③)に加え、ヒトiPS細胞を中心とした幹細胞に関する、独創性の高い研究開発を推進するために、ヒトiPS細胞等研究拠点(京大・慶応・東大・理研)を整備し、iPS細胞を中心とした幹細胞研究を実施。

疾患特異的iPS細胞を用いた研究基盤(iPS細胞技術プラットフォーム)の構築(iPS細胞バンクの整備等)。疾患特異的iPS細胞を用いた研究基盤(iPS細胞技術プラットフォーム)の構築(iPS細胞バンクの整備等)。

iPS細胞研究ネットワークを活用し、知的財産戦略や管理・活用体制の強化等に関する支援の実施。iPS細胞研究ネットワークを活用し、知的財産戦略や管理・活用体制の強化等に関する支援の実施。

第Ⅰ期:平成15~19年度

第Ⅱ期:平成20~24年度

第Ⅱ期の主な事業内容

○第Ⅰ期の成果及び再生医療に関する研究の現状を踏まえ、国民への効率的な成果還元のため、「ヒト幹細胞を用いた研究」を中心とした研究開発を実施。特に、ヒトiPS細胞の樹立を受け、同細胞を活用した再生医療の実現について、拠点整備事業等を含めた研究開

発を実施。

ヒトiPS細胞の樹立

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再生医療の実現化プロジェクト

○京都大学山中教授により樹立されたiPS細胞は、再生医療・疾患研究等に幅広く活用されることが期待される我が国

発の画期的成果。

○この研究成果を総力を挙げ育てていく

ため、iPS細胞等の研究をオール

ジャパン体制のもと戦略的に推進。

◆オバマ政権発足に伴う米国におけるES細胞研究への政府助成解禁(平成21年3月)◆米国ジェロン社による、ES細胞を用いた臨床試験の開始(平成21年1月)

◆研 究 費(※): 米 国 日 本FY2009 約9億6300万ドル FY2009 約 45億円

FY2010 約9億7700万ドル FY2010 約 58億円◆研 究 者 数:(国際幹細胞学会) 1,128人 118人

米国をはじめとした多くの諸外国でも強力に推進。国際的な競争が激化。

関係省の協働により、研究開発を支援・橋渡しする仕組み(再生医療の実現化ハイウェイ)で再生医療の実現化を目指す

関係省の協働により、研究開発を支援・橋渡しする仕組み(再生医療の実現化ハイウェイ)で再生医療の実現化を目指す

平成23年度予算案: 38.0億円平成22年度予算額: 23.7億円

政 策

概 要

京都大学山中伸弥教授iPS細胞

(※)研究費について、米国はNIH(National Institutes of Health)の幹細胞研究費、日本はiPS細胞関連研究費

今後の重要課題

・疾患研究の推進や創薬研究等の共通インフラや、知的財産の戦略的な確保に向けた支援など、研究を支える土台となる基盤づくりは引き続き推進

臨床応用に向けた研究開発

基盤技術開発・研究基盤整備

平成23年度の取組

・再生医療の実現の基盤となる知見を蓄積すべく、iPS細胞の安全性評価技術や幹細胞操作技術等の基盤研究を実施

iPS細胞等研究拠点(京大・慶応・東大・理研)、個別研究事業実施機関により、研究開発を引き続き推進

iPS細胞等研究拠点(京大・慶応・東大・理研)、個別研究事業実施機関により、研究開発を引き続き推進

iPS細胞バンクのiPS細胞リソース(疾患特異的iPS細胞等)の充実等により、iPS細胞技術プラットフォームを強化

iPS細胞バンクのiPS細胞リソース(疾患特異的iPS細胞等)の充実等により、iPS細胞技術プラットフォームを強化

iPS細胞研究ネットワークを活用し、知的財産戦略や管理・活用体制の強化等に関する支援の実施

iPS細胞研究ネットワークを活用し、知的財産戦略や管理・活用体制の強化等に関する支援の実施soilsoil

seedsseeds

budbud

innovationinnovation

・再生医療の実現化に向け、臨床研究を見据えた研究を一層加速・推進

再生医療の実現化プロジェクト

○ライフ・イノベーションによる健康大国戦略

・安全性が高く優れた日本発の革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発を推進する。

・新薬、再生医療等の先端医療技術…(中略)…等の研究開発・実用化を促進する。

○成長戦略実行計画(工程表) Ⅱ健康大国戦略

・再生医療の公的研究開発事業のファンディング及び

進捗管理の一元的実施。

・再生医療に関する前臨床-臨床研究事業の一元的な公募審査。

(再生医療の実現化ハイウェイ構想)

【新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)】

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厚生労働省・再生医療の臨床研究の推進

文部科学省・新たな再生医療技術に関する基礎研究の推進

「再生医療の実現化ハイウェイ」 の運営体制

再生医療の実現化ハイウェイ構想再生医療のいち早い実現化のため、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が連続的に支援を実施することが可能な仕組みを構築し、長期間(10~15年間)、研究開発を支援・橋渡しすることを目指す。

再生医療の実現化

課題A◆課題B、課題Cの採択は、文科省、厚労省が協働して実施

◆課題B、課題Cの採択は、文科省、厚労省が協働して実施 課題E

関係省庁が有機的に連携し、再生医療の実現に向けた取組を一体的に推進

臨床研究 治験

◆文科省、厚労省が協働して評価を実施し、結果が芳しくないものは非臨床研究段階から支援を打ち切り。◆PMDAの薬事相談窓口が可能となる仕組みの構築◆基礎研究から臨床研究への迅速かつシームレスな移行を可能とする仕組みの構築

◆文科省、厚労省が協働して評価を実施し、結果が芳しくないものは非臨床研究段階から支援を打ち切り。◆PMDAの薬事相談窓口が可能となる仕組みの構築◆基礎研究から臨床研究への迅速かつシームレスな移行を可能とする仕組みの構築

非臨床研究

ヒトiPS・ES細胞等幹細胞に係る研究

基礎研究

課題B

課題D

経済産業省・再生医療の実現化を支える産業基盤を構築

◆最先端の基礎研究成果を装置開発等に迅速に反映

◆治療用装置や医療機器などの開発

◆技術動向や安全性基準に関する情報を逐次共有しながら周辺機器を開発

再生医療の実現化ハイウェイ

再生医療の実現の高速化

RM

課題C

医療以外のヒトiPS/ES細胞研究での知見の医療研究への還元病態解明等への活用

◆課題の内容や進捗状況に応じた制度・課題A (厚労省)次年度には臨床研究実施のための効率的臨床研究基盤を探索・実証する研究を対象。・課題B (文科省)1~3年目までに臨床研究に到達することを目指す。体性幹細胞を用いた研究を想定。・課題C (文科省)5~7年目までに臨床研究に到達することを目指す。iPS/ES細胞を用いた研究を想定。・課題D、E(経産省)再生医療の基盤となる周辺機器(簡便で正確な細胞評価装置、培養装置等)を開発。・課題F (経産省)再生医療技術を活用し、生体内で自己組織の再生を促す再生デバイスを開発。

課題F

新規産業の創出

文部科学省

厚生労働省

経済産業省

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脳科学研究戦略推進プログラムに関する経緯脳科学研究戦略推進プログラム開始以前の動き

平成18年12月 「脳科学研究の推進に関する懇談会(座長:金澤一郎先生)」報告書「脳科学研究ルネッサンス」を取りまとめる(平成19年 5月 )

脳科学研究戦略推進プログラム

平成 9年 5月 科学技術会議ライフサイエンス部会脳科学委員会(委員長:伊藤正男先生)(当時)

報告書「脳に関する研究開発についての長期的な考え方」を取りまとめる

平成18年 7月 研究計画・評価分科会「10年が経過しようとしており、戦略的な研究推進方策を再検討する必要あり」

平成19年10月 文部科学大臣から科学技術・学術審議会に「長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策について」を諮問

平成19年11月 脳科学委員会を設置○我が国における脳科学研究を戦略的に推進するため、その体制整備の在り方、人文・社会科学との融合、さらには大学等における研究体制等を含めた長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策を策定する。

「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の開発」研究開発拠点整備事業(課題A)「BMIの開発」個別研究事業(課題B)「独創的モデル動物の開発」研究開発拠点整備事業(課題C)「社会的行動を支える脳基盤の計測・支援技術の開発」研究開発拠点整備事業(課題D)「心身の健康を維持する脳の分子基盤と環境因子」研究開発拠点整備事業(課題E)

平成20年度

平成21年度

平成22年度

○脳科学に関する研究開発領域を「脳を知る」「脳を守る」「脳を創る」の3領域に分類○科学技術振興調整費、戦略的創造研究推進事業(CREST)等を活用した

政策課題対応型の脳科学総合研究のプログラムやプロジェクトを推進

○少子高齢化を迎える我が国の持続的な発展に資するため、脳科学研究を戦略的に推進し成果を社会に還元することを目指す。

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(主査 : 金澤 一郎 日本学術会議会長)平成19年10月、文部科学大臣から科学技術・学術審議会に対し、「長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策について」を諮問

これを受け、同審議会の下に「脳科学委員会」を設置、平成21年6月23日に第1次の答申

本答申では、重点的に推進すべき研究領域等を設定し、社会への明確な応用を見据えて対応が急務とされる課題について、戦略的に研究を推進することを提言

重点的に推進すべき研究領域等重点的に推進すべき研究領域等

①脳と①脳と社会・教育社会・教育(豊かな社会の実現に貢献する脳科学)

発達障害の予防と治療等への脳科学研究の確実な展開、脳

科学と人文社会科学との融合により社会へ貢献

②脳と心身の健康②脳と心身の健康(健やかな人生を支える脳科学)

睡眠障害の予防、ストレスの適切な処理、生活習慣病等及

び精神・神経疾患の発症予防・早期診断などに資する研究

③脳と③脳と情報・産業情報・産業(安全・安心・快適に役立つ脳科学)

脳型情報処理システムや脳型コンピューターの実現、脳内

情報機序の解明を通じた技術開発により社会へ貢献

○○基盤技術開発基盤技術開発他の研究分野にも革新をもたらす基盤技術の開発により、

我が国における科学技術全体の共通財産を構築

概要高齢化、多様化、複雑化が進む現代社会が直面する様々な課題の克服に向けて、脳科学に対する社会からの期待が高まっている。

このような状況を踏まえ、『社会に貢献する脳科学』の実現を目指し、社会への応用を明確に見据えた脳科学研究を戦略的に推進するため、脳科学委員会における議論を踏まえ、重点的に推進すべき政策課題を設定し、その課題解決に向けて、研究開発拠点(中核となる代表機関と参画機関で構成)等を整備する。

脳脳 科科 学学 委委 員員 会会 脳 科 学 研 究 戦 略 推 進 プ ロ グ ラ ム

社 会 脳社 会 脳

①豊かな社会の実現に①豊かな社会の実現に貢献するために貢献するために

社会性障害(自閉症、統合失調症等)の解明・診断等に資する先導的研究

精神・神経疾患の克服を目指す脳科学研究

情 報 脳情 報 脳

③安全・安心・快適な③安全・安心・快適な暮らしのために暮らしのために

ブレイン・マシン・インターフェースブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の開発(BMI)の開発

基盤技術開発:モデル動物開発基盤技術開発:モデル動物開発

独創性の高いモデル動物の開発独創性の高いモデル動物の開発遺伝子導入技術や発生工学的研究手法等を開発し、ヒトの脳研究等に必要な独創

性の高いモデル動物の開発等を推進

②健やかな人生を②健やかな人生を支えるために支えるために

精神・神経疾患の発生の仕組みを明らかにし、診断・治療・予防法の開発につなげる

社会的行動を支える脳社会的行動を支える脳基盤の計測・支援技術基盤の計測・支援技術

の開発の開発

脳の情報を計測し、脳機能をサポートすることで、身体機能を回復・補完する機械を開発

複雑かつ多階層な脳機能を解明するために、脳の多種類・多階層情報を集約化・体系化した技術基盤を構築

基盤技術開発:神経情報基盤基盤技術開発:神経情報基盤

健 康 脳健 康 脳

脳科学研究戦略推進プログラム 平成23年度予算案: 35.9億円平成22年度予算額: 23.9億円

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課題課題課題

脳科学研究を通じた精神・神経疾患の克服概要概要

精神・神経疾患(うつ病、認知症等)の発症の仕組みを明らかにし、早期診断、治療、予防法の開発に資する研究を実施。また、複雑かつ多階層な脳機能を解明するため、様々なモデル動物の多種類・多階層情報を集約化・体系化した情報・技術基盤を構築。

背景・現状背景・現状背景・現状

自殺やうつ病による経済的損失は2.7兆円に上り、また、

うつ病は年間自殺者3万人の主な要因となっている。

うつ病を含む気分障害とされる人は約104万人、認知症と

される人は約170万人に上り、さらに増加傾向。

脳科学委員会において、精神・神経疾患等の発症のメカ

ニズムを明らかにすることは非常に重要なテーマである

とともに、範囲や対象が膨大であり組織化・体系化して

研究を実施することが重要と指摘。

分子

細胞

神経回路

個体マクロマクロ

ミクロミクロ

①特定の疾患に着目した研究チームを構築①特定の疾患に着目した研究チームを構築 ②複雑な脳機能を解明するための情報・技術基盤を構築

精神・神経疾患の病態について、分子・細胞レベル、回路レベル、個体・システムレベルにおける基本的な機序の解明が必要。

動物種を超えても保存されている基本的な機能を見出すことが重要。

各階層を独立して解析したのみでは不十分であり、脳の機能を全体システムとして捉えることが必要。

様々なモデル動物の様々なモデル動物の多種類・多階層情報多種類・多階層情報

特定の疾患に着目した研究チーム(例)特定の疾患に着目した研究チーム(例)特定の疾患に着目した研究チーム(例)

うつ病うつ病

睡眠等の生体リズムの維持逸脱機構や過度なストレスを処理できなくなる脳内メカニズムを解明。

認知症認知症

遺伝的要因による脳の健康逸脱機構や異常な脳老化のメカニズムを解明。

特定の疾患(うつ病、認知症等)に着目し、これら発症のメカニズムを明らかにするための研究を実施する研究チームを構築。

特定の疾患(うつ病、認知症等)に着目し、これら発症

のメカニズムを明らかにすることにより、診断、治療、

予防法の開発を進めることが必要。

複雑かつ多階層な脳機能を解明するために、様々なモデ

ル動物から発生する多種類・多階層情報を集約化・体系

化することも必要。

厚生労働省と連携して推進厚生労働省と連携して推進

発達障害発達障害

乳児期から幼児期にかけて生じる発達遅延に関わる生物学的要因、発症メカニズムを解明。

平成23年度予算案: 18.0億円平成22年度予算額: 5億円

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9グループ・135機関・812人9グループ・135機関・812人(平成19年3月現在)・参加機関・人数

構造解析の終了したタンパク質等の構造数H14年度 360 H15年度 832 H16年度 998H17年度 1,078 H18年度 1,249 累計累計 4,5174,517

・実績

平成14年度 117.7億円 (この他に補正予算91.0億円)

平成15年度 95.1億円

平成16年度 90.5億円

平成17年度 97.7億円

平成18年度 86.0億円 H18H18までの投資額累計までの投資額累計 578.0578.0億円億円

・予算

タンパク質の構造機能解析は、その働きを制御することにつながり、創薬プロセスを大幅に短縮することが可能。そのため、重要タンパク質の解析に、戦略的に資源を投入し、世界に先駆けた成果を得て、適切な権利化・技術移転を図る。

・研究の趣旨、必要性

NMR、大型放射光施設を駆使して、我が国発のゲノム創薬の

実現等を目指し、生命を司るのに重要なタンパク質のうち約生命を司るのに重要なタンパク質のうち約30003000種以上の基本構造及びその機能を解明。種以上の基本構造及びその機能を解明。成果の特許化

までを視野に入れた研究開発を推進。

・研究目的

平成14年度~平成18年度・プロジェクト実施期間

革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブの経緯の経緯 ①①【タンパク3000について】

9

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・生物の生理機能の中心を担う物質は100,000種以上のタンパク質。

・その構造・機能を解析することは生命現象を解明するためには不可欠。

・疾病の原因因子の究明。創薬ターゲットの発見。

・特許取得による国際競争力の強化。

・タンパク質の基本構造の理解による生命研究の加速。(タンパク質は基本構造の

組み合わせからなる)

<目標達成に向けて>①具体的な目標を掲げて重点的

に予算配分②我が国の研究能力の結集

目標・生命を司るのに重要なタンパク質のうち約3000種以上の基本構造・機能解析を

行う。・タンパク質発現、解析等の関連技術の高度化、成果の適切な特許化を図る。

SPring-8遺伝子(cDNA)

タンパク質生命活動を営む上で重要な役割を果たす物質

②疾患等に関連するタンパク質を解析

疾患等に関連する重要な3000種のタンパク質基本構造・機能データ

高いポテンシャルを有する大学等研究機関の能力を結集

期待される経済効果・創薬に関する研究費の

低コスト化・新薬開発期間の短縮・医薬品市場規模の拡大

期待される経済効果・創薬に関する研究費の

低コスト化・新薬開発期間の短縮・医薬品市場規模の拡大

タンパク3000プロジェクトタンパク3000プロジェクトタンパク3000プロジェクト

③タンパク質基本構造解析

①タンパク質になる遺伝子を取り出す

X線構造解析↑

結晶化

水溶液→ NMR解析

④タンパク質機能解析

⑤成果の権利化

ゲノム創薬の実現

ゲノム創薬の実現

創薬候補物質の同定

(3)

ゲノム創薬の推進

活き活きとした高齢化社会の実現

平成19年3月末までに構造解析数 4,517特許出願数 404論文掲載数 4,130

タンパク質構造・機能解析の推進(平成14年度~)

革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブの経緯の経緯 ②②

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革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ

これまで得られた成果や基盤(機器・設備、人材、構造データ等)を活用しつつ、学術研究や産業振興に重要なタンパク質をターゲットとし、それらの構造・機能解析に必要な技術開発と研究を行う。

これまで得られた成果や基盤(機器・設備、人材、構造データ等)を活用しつつ、学術研究や産業振興に重要なタンパク質をターゲットとし、それらの構造・機能解析に必要な技術開発と研究を行う。

ターゲットタンパク研究プログラム

これまで得られた成果や基盤(機器・設備、人材、ネットワークデータ等)を活用しつつ、従来なしえなかった大規模・多面的な遺伝情報解析やリアルタイム細胞解析等の手法を駆使し、細胞・生命プログラム解読に挑む。

これまで得られた成果や基盤(機器・設備、人材、ネットワークデータ等)を活用しつつ、従来なしえなかった大規模・多面的な遺伝情報解析やリアルタイム細胞解析等の手法を駆使し、細胞・生命プログラム解読に挑む。

革新的細胞解析研究プログラム(セルイノベーション)

期待される成果

・ヒトやモデル生物等の遺伝子の働きの変化、細胞内の情報の伝わり方等の解明・医学・薬学等の産業への貢献(具体例)・がん、発生・分化、免疫、遺伝子疾患等の仕組みの解明、診断・治療への応用

●生産拠点・高難度タンパク質生産技術開発

●解析拠点・ビームライン開発

●制御拠点・化合物ライブラリ整備・スクリーニング技術開発

●情報拠点

ターゲットタンパク研究〈個別研究課題〉

・基本的な生命の解明・医学・薬学等への貢献・食品・環境等の産業応用

生命現象の理解生命現象の理解ライフサイエンス研究基盤ライフサイエンス研究基盤

データ解析拠点●大量情報の一元管理

●データ解析技術の開発●データ共有・公開

・タンパク質ネットワークの作用機序の解明・診断・治療法の開発への貢献・機能性食品、有用酵素等の産業利用(具体例)・メタボリックシンドロームや糖尿病の治療薬の開発に貢献・食糧増産などへの貢献

生命現象の統合的理解には、生命の基本単位である遺伝子、タンパク質、細胞の理解が重要

シーケンス拠点●最先端の次世代シーケンサーを

整備、先導研究との連携●研究コミュニティー等に開かれた

拠点

先導研究●次世代シーケンサーの特性を生かし、細胞・

生命プログラム解読に資する細胞機能の研究●がん、発生・分化、神経等に関わる細胞の機

能の基本原理や高次生命活動の機構解明

事業内容

(平成21~25年度)

(平成19~23年度)

創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業

拠点の積極的な外部開放と計画的な基盤整備を進めるため、平成23年度からの補助金化

拠点

平成23年度予算案: 44.1億円 (51.7億円)

革新的細胞解析研究プログラム(セルイノベーション): 8.8億円 ( 8.9 億円)

ターゲットタンパク研究プログラム: 35.3億円 ( 42.8 億円)

11

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革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ(ターゲットタンパク研究プログラム)

○ターゲットタンパク研究(個別課題)・基本的な生命の解明、医学・薬学等への貢献、食品・環境等の産業利用の3分野について、現在の技術水準では解明が困難なタンパク質の構造・機能研究を行うターゲットタンパク研究を展開

○技術開発拠点・タンパク質の試料を作る「生産」、タンパク質の構造を解く「解析」、タンパク質の機能を知る「制御」、情報を共有化させる「情報プラットフォーム(情報PF)」の4領域について、タンパク質の構造・機能解析のための技術開発を展開

事業概要

これまで得られた成果や基盤等を活用しつつ、学術研究や産業振興に重要なタンパク質をターゲットとし、それらの構造・機能解析に必要な技術開発と研究を行う。これにより、生命現象の統合的理解、医学・薬学等の産業への貢献、並びに構築した基盤のより様々な分野の研究、産業へ波及効果を与えることを目指す。

事業目的

平成23年度予算案: 35.3億円 (42.8億円)【うち、補助金化部分 22.7億円 】

情報プラットフォーム

化合物ライブラリー

技術開発(拠点)

X線解析装置(マイクロビームビームライン)

理化学研究所横浜研究所

高エネルギー加速器研究機構理化学研究所播磨研究所

解析拠点

東京大学生物機能制御化合物ライブラリー機構

オールジャパンのチーム体制の構築

生産拠点

制御拠点

医学・薬学等への貢献

食品・環境等の産業応用

基本的な生命の解明

ターゲットタンパク研究

① プログラム最終年度に向けて、タンパク質研究を加速

・病気の診断、治療法の開発、劣悪な環境でも育成可能な植物や高機能性の食用作物の開発、環境修復に役立つ高機能化酵素の開発等、ライフサイエンス研究にブレークスルーをもたらすタンパク質研究を加速。

② 整備された拠点から積極的な技術支援等を実施

平成23年度の取組平成23年度から補助金化

(技術開発を行う委託事業から外部開放を本来業務とする補助事業へ)

技術開発(拠点)については、本プログラム内外に広く外部開放を図るとともに、計画的な基盤整備を進めるため、平成23年度から補助金化。

創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業の構築(補助金化)

極微量タンパク質の大量生産技術開発

【新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)】○成長戦略実行計画(工程表)

Ⅴ科学・技術・情報通信立国戦略 3基礎研究の強化とイノベーション創出の加速

・新技術開発や新分野開拓を創出する基盤の整備

(・・・中略・・・創薬・医療技術支援基盤・・・中略・・・)

政 策

・タンパク質の生産、X線等による解析、化合物による制御の技術開発拠点において、タンパク質研究を引き続き支援。

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革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ(革新的細胞解析研究プログラム(セルイノベーション))

シーケンス拠点 理化学研究所

・最先端の次世代シーケンサーを整備・研究コミュニティー等に開かれた拠点

○シーケンス拠点、データ解析拠点整備・大量かつ多面的なゲノム情報の統合解析により細胞・生命プログラムを解明するために、革新的な解析能力を持つ次世代シーケンサーを整備したシーケンス拠点と大量データを扱うデータ解析拠点を構築。

○先導研究・遺伝子の働きの変化、細胞内の情報の伝わり方等について、従来なしえなかった多種多様な大量遺伝子情報解析を行うとともに、細胞情報の経時・連続計測やシステムバイオロジー研究等の手法を駆使し、がん等の細胞・生命プログラム解読に向けた先導研究を推進する。

事業概要

近年急速に性能が向上している高速のシーケンサー等を活用して、従来なしえなかった大規模・多面的な遺伝情報解析や細胞情報の経時・連続計測等の手法を駆使し、細胞・生命プログラム解読に挑む。これにより、生命現象の統合的理解、医学・薬学等の産業への貢献することを目指す。

事業目的

データ解析拠点・大量情報の一元管理・データ解析技術の開発・データ共有、データ公開

情報・システム研究機構

オールジャパンのチーム体制の構築

○ プログラム3年目に向けて、拠点と先導研究の積極的な連携を加速・がん細胞等を対象とした先導研究の現場から創出されるシーケンスデータの解析研究により、ブレークスルーをもたらす先導研究を加速。

○本プログラムで開発された先進的な遺伝子解析技術及び大容量データ解析技術を関係省と連携し、オールジャパン体制で取り組む.

平成23年度の取組

平成23年度予算案: 8.8億円 (8.9億円)

拠点と先導研究の積極的な連携を加速

平成22年度から整備した拠点をより多くの研究グループが活用できる「協力機関」の仕組みを導入。実費負担により拠点のサポートを受けつつ利用可能な機関を公募し、優れた提案を採択予定。

先導研究 大学等

・がん等に関わる細胞の機能の基本原理や高次生命活動機構の解明・次世代シーケンサーを活用した細胞機能解析

協力機関

13

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バイオリソースの整備に関する経緯

~第Ⅰ期

平成13年 第2期科学技術基本計画

分野別推進戦略

新世紀重点研究創生プラン(RR2002)

生物遺伝資源を含む知的基盤の整備の重要性

多様な生物遺伝資源の収集・確保・維持・管理・供給機能の長期継続、必要性

ナショナルバイオリソースプロジェクト【平成14年度~平成18年度】①24リソースの収集・保存・提供体制の整備

②リソースの所在情報や遺伝情報等を集約・提供する情報センターの整備

第3期科学技術基本計画

分野別推進戦略

生物遺伝資源等の研究用材料を含む知的基盤について、量的観点のみならず、利用者ニーズへの対応や利用頻度といった質的l観点を指標とした整備を進める。2010年までに世界最高水準を目指して重点整備を進める。

世界最高水準のライフサイエンス基盤整備。研究開発の動向やリソースの質と量の科学的評価を踏まえた生物遺伝資源等の保全・確保

ナショナルバイオリソースプロジェクト【平成19年度~平成23年度】

①27リソースの収集・保存・提供体制の整備

②リソースの所在情報や遺伝情報等を集約・提供する情報センターの整備・強化③リソースの系統、特性情報等の付加による高価値化④リソースの保存技術等の技術開発

平成14年

平成18年

第Ⅱ期~

平成21年

平成19年

研究開発施設共用等促進費補助金(ナショナルバイオリソースプロジェクト)として実施

14

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ナショナルバイオリソースプロジェクト

■生物遺伝資源(バイオリソース)は、ライフサイエンス研究の実施に必要不可欠な研究材料。バイオリソースなくして、ライフサイエンス研究は成し得ない。

■日本全国に散在するバイオリソースを中核的拠点へ集約することにより、効率的かつ適正な品質管理が可能。また、バイオリソース利用の効率的なアクセスが可能。

■厳格な品質管理のもと、取り違えや微生物汚染のない標準バイオリソースを整備し(※)、実験の再現性を確保した世界最高水準のバイオリソースを提供することで、我が国のライフサイエンス研究の発展に貢献。

(※)寄託リソースのうち、細胞の約10%は取り違え、約30%はマイコプラズマによる汚染、マウスの約20%は病原微生物の汚染が認められている(理研BRC)。

【事業内容】

◆バイオリソースの収集・保存・提供等を行う中核機関を国が支援。◆世界最高水準のバイオリソースを整備し、国内外のライフサイエンス研究者に提供

文部科学省では、ライフサイエンス研究の推進を図る観点から、国が戦略的に整備することが重要なバイオリソース(27種)について、体系的な収集・保存・提供等を行うための体制を整備

(参考:バイオリソースの現状)

630,000系統以上実験植物

58,000系統以上実験動物

バイオリソースの保有数

世界第2位

世界3大拠点(理研BRC含む)

27種のバイオリソースについて収集・保存・提供体制の整備

ヒト細胞から植物まで世界最大規模の

プロジェクト

平成23年度予算案: 13.3億円平成22年度予算額: 13.4億円

ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)

理化学研究所BRCが担当

(運営費交付金により実施)

大学、研究機関等が担当

(研究開発施設共用等促進費補助金により実施)

哺乳類(ラット、ニホンザル、ヒトES細胞)

小動物(ショウジョウバエ、線虫、ネッタイツメガエ

ル、カイコ、メダカ、ゼブラフィッシュ、

カタユウレイボヤ・ニッポンウミシダ)

植 物(イネ、コムギ、オオムギ、藻類、広義キク属、

アサガオ、ミヤコグサ・ダイズ、トマト)

微生物等(細胞性粘菌、病原微生物、原核生物、酵母)

マウス、

シロイヌナズナ、

一般微生物、

遺伝子材料、

ヒト・動物細胞

連携

協力

ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)

理化学研究所BRCが担当

(運営費交付金により実施)

大学、研究機関等が担当

(研究開発施設共用等促進費補助金により実施)

哺乳類(ラット、ニホンザル、ヒトES細胞)

小動物(ショウジョウバエ、線虫、ネッタイツメガエ

ル、カイコ、メダカ、ゼブラフィッシュ、

カタユウレイボヤ・ニッポンウミシダ)

植 物(イネ、コムギ、オオムギ、藻類、広義キク属、

アサガオ、ミヤコグサ・ダイズ、トマト)

微生物等(細胞性粘菌、病原微生物、原核生物、酵母)

マウス、

シロイヌナズナ、

一般微生物、

遺伝子材料、

ヒト・動物細胞

連携

協力

【22年度における改正点】

◆行政刷新会議の評決結果を踏まえ、学術研究

以外(民間)のリソース手数料の見直しを実施。

◆利用者負担の明確化を図り、価格を改定。

◆学術研究以外には、学術研究向け価格の2倍

程度の金額を徴収。

15

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概要・実施体制概要・実施体制

○ 限られた資源を社会的なニーズの高い、膵がん・肺がん・肝がんをはじめとする難治がんに集約し、世界をリードする研究領域・研究者へ戦略的に重点配分

○ 革新的な基礎研究の成果(有望シーズ)を厳選、戦略的に育成し、臨床研究へと研究を加速。

対応対応

次世代がん研究戦略推進プロジェクト

○ がんは日本国民の最大の死亡原因。現在では3人に1人、近い将来国民の半数が、がんにより死亡すると予測。

○ 国内の基礎的がん研究の優れた成果が、バイオベンチャーの不在等により、次世代がん医療の開発に生かされないため、①日本発の医薬品が上市されず欧米企業の医薬品が世界市場を席巻し、②日米の基礎研究に対する公的投資の格差が拡大しており、研究開発の失速、研究人材の散逸、国際競争力の低下、がん克服に向けた展望の途絶などが懸念。

背景・課題背景・課題

革新的がん医療シーズ育成チームex.革新的な新規分子標的→分子標的としての有用性の確認、これに対

する阻害剤等の化合物の探索、実験動物の機能解析系における検証等の一連のプロセスを一体的に推進する複数のチームを結成

革新的がん医療シーズ育成チームex.革新的な新規分子標的→分子標的としての有用性の確認、これに対

する阻害剤等の化合物の探索、実験動物の機能解析系における検証等の一連のプロセスを一体的に推進する複数のチームを結成

がん臨床シーズ育成チームex.新規バイオマーカー→ヒトがん発生・進展の分子機構に対する深

い洞察に基づき設定される幾つかの研究テーマの下に、国内の臨床研究者を結集した複数のチームが、リバースTR研究を推進

がん臨床シーズ育成チームex.新規バイオマーカー→ヒトがん発生・進展の分子機構に対する深

い洞察に基づき設定される幾つかの研究テーマの下に、国内の臨床研究者を結集した複数のチームが、リバースTR研究を推進

外部の研究基盤医療抗体作成 構造解析化合物

ライブラリー化合物合成

革新的がん医療シーズ育成チーム

オミックス研究基盤

モデル動物外部の研究基盤

次世代がん医療創生研究HQ・研究方針の決定・プログラム全体のマネジメント・国内外のがん研究動向調査・ステークホルダーを含めた会議の開催・各チームが共有する研究支援基盤の整備

等を実施

次世代がん医療創生研究HQ・研究方針の決定・プログラム全体のマネジメント・国内外のがん研究動向調査・ステークホルダーを含めた会議の開催・各チームが共有する研究支援基盤の整備

等を実施

有望なシーズの厳選

有望なシーズの厳選

がんへの影響評価系

機能を阻害する化合物の探索系

化合物のがんに対する薬効評価系

共有化 共有化

関連する外部の研究基盤と協力・連携

関連する外部の研究基盤と協力・連携

後天的ゲノム装飾創薬基盤

がん薬物療法の個別適正化プログラムファーマコゲノミクスの成果の臨床応用に向

けた取組を推進

がん薬物療法の個別適正化プログラムファーマコゲノミクスの成果の臨床応用に向

けた取組を推進

関連する外部の研究基盤と協力・連携

関連する外部の研究基盤と協力・連携

次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム

がん臨床シーズ育成チーム

患者試料の収集・調整・提供

患者検体によるプロテオーム解析、全ゲノムシーケンス、網羅的遺伝子発現解析系

データの数理統計解析系

共有化 共有化

リバースTR研究

バイオバンク

倫理問題への対応

患者検体・臨床情

報のフィードバック

患者検体・臨床情

報のフィードバック

・先

簡便、高精度かつ非侵襲な早期診断法の開発再発・転移を抑える画期的な治療法の開発革新的ながん根治療法の開発

次世代がん次世代がん医療の実現医療の実現

平成23年度予算案:3,600百万円【新規】

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橋渡し研究拠点(アカデミア)における出口の明確化橋渡し研究拠点(アカデミア)における出口の明確化

橋渡し研究加速ネットワークプログラム立ち上げの経緯

:橋渡し研究支援拠点

研究・医療機関

橋渡し研究ネットワークの形成

基礎研究

非臨床試験

保険医療化先進医療

医師主導治験

市販化(医薬品等)

治験外の臨床試験

治験外の臨床試験

企業主導治験

企業主導治験

臨床研究(試験)臨床研究倫理指針適用

治験 GCP*適用

薬事法により、承認申請の際に求められる臨床試験の成績に関する資料の収集を目的として実施。

*GCP(Good Clinical Practice):医薬品の治験実施における安全性や信頼性等の基準。 平成9年3月厚生労働省省令として施行。日米欧により合意されたICH-GCPに基づく。

平成23年度末までに各拠点で2件のシーズを治験段階まで移行

橋渡し研究支援推進プログラム(平成19年~)

臨床研究と治験について臨床研究と治験について

治験 5件ライセンスアウト10件

先進医療・高度医療5件

(平成22年10月現在)

平成14年薬事法改正により、医薬品の適用の拡大や細胞治療、再生医療等の先進的なものの実用化について、医師が主体となって治験を届け出ることが可能となった。

保健併用が可能と判断された先進的な医療技術。

シーズ管理、目利き、知財権の評価、優先順位付け、知財権の強化

プロトコル開発、文書化、研究倫理、標準作業手順書、規制当局対応

試験物管理、文書管理、データ管理、モニタリング、被験者保護

開発戦略策定、進捗管理、出口戦略、情報集約、契約管理

仕様決定、製造施設、非臨床試験、院内製剤化

※1年遅れて採択した九州大学を含めた平均値

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0①シーズ評価

②試験物製造

③臨床試験計画④臨床試験実施

⑤プロジェクト管理

①シーズ評価

プロジェクト管理 ②試験物製造

③臨床試験計画④臨床試験実施

開始時点

2010年10月

17

Page 19: 文部科学省におけるライフサイエンス 研究支援の現状について · 統合データベースプロジェクト ライフサイエンスデータベース統合推進事業(JST)

橋渡し研究ネットワーク

○がんや認知症、生活習慣病等の国民を悩ます病に対する創薬や医療技術などについて、有望な基礎研究の成果を実用化につなげる「橋渡し研究」の支援体制を整備。

○橋渡し研究を加速するため、全国7箇所の支援拠点を中核として、地域性や開発シーズの特性を基本とした、大学等から構成される橋渡し研究ネットワークを形成。

○平成23年度までに、各拠点2件の研究シーズを治験の段階まで移行させ、拠点の支援能力について一定の確立を図るとともに、各拠点の自立した橋渡し研究支援を促進。

企業へのライセンスアウト・

先進医療・治験 ※

(厚労省・経産省が支援)

橋渡し研究支援拠点(7拠点)シーズ

波及効果と成果の例波及効果と成果の例

■がんのウイルス療法

がん細胞だけで増殖できるように人工的に造ったウイルスにより、がん細胞だけを壊滅させる。

■脳梗塞に対する細胞治療

自己の骨髄細胞を用いた新治療法。麻痺していた身体が動くようになるなど、これまで12例で顕著な臨床効果を確認。

がん総患者数:142万人※、国民医療費:2.9兆円※※

脳血管疾患総患者数:137万人※、国民医療費:1.6兆円※※

がん細胞ウィルス

支援人材支援設備

概要・実施体制概要・実施体制

橋渡し研究

概要概要

橋渡し研究加速ネットワークプログラム

:橋渡し研究支援拠点 地域の特性に応じたネットワーク

開発シーズの特性に応じたネットワーク

空白地帯の解消

研究・医療機関

医療として実用化

平成23年度予算案:3,000百万円平成22年度予算額:2,398百万円

※シーズの進捗状況(H22.10現在)治験へ移行 5件企業へのライセンスアウト 10件先進医療 4件

橋渡し研究ネットワークの形成国家としての基礎研究成果の実用化パイプラインを構築

【 目 標 】

※平成19年我が国の保健統計(厚生労働省) ※※平成20年度国民医療費の概況(厚生労働省)

なお、脳血管疾患には脳梗塞、脳出血等を含む。 18

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▽個人情報保護とセキュリティに配慮したシステム構築▽47疾患・約30万症例の血清・DNA試料・臨床情報の収集し、世界最大規模のバイオバンクを構築▽約43億データポイントのSNP解析データ(HPで公開)

▽国際HapMapプロジェクトへの貢献(全体の約4分の1のデータを産出、単一の施設としては世界最大の貢献)

・疾患関連遺伝子研究、ファーマ

コゲノミクス研究成果の医療応用

(薬剤副作用の予測、疾患リスク

の診断、等)

・ゲノム・コホート研究(予防等)

・疾患関連遺伝子の応用研究(創薬等)

(バイオバンクは連結不可能

匿名化してリソース化)

オーダーメイド医療の実現プログラム これまでの経緯

生活習慣病等の47疾患について、30万症例を収集し、ゲノムワイドなSNP(一塩基多型)の

相関解析研究を大規模に行うことにより、疾患関連遺伝子研究等によるオーダーメイド医療を実現する。

プロジェクトの概要

取組▽疾患関連遺伝子研究の推進・国民の健康に影響の大きい疾患に重点化※・公募による国内の研究機関との共同研究(オールジャパン体制の研究体制)

▽バイオバンクの維持・充実・生活習慣病ライフスタイル情報の収集・外部研究機関へ試料配布(継続)

第1期(H15~H19)<バイオバンクの構築>

第2期(H20~H24)<疾患関連遺伝子研究等の推進>

将来へ展開

プロジェクトの流れ

バンク/臨床情報・SNPデータベースの維持・運営

DNA・血清・臨床情報の収集

【※重点対象疾患】

○がん関連疾患 肺がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、前立腺がん、乳がん

○メタボリック・シンドローム関連疾患 高脂血症、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、安定・不安定狭心症

○その他の重点疾患 B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、肝硬変、肝がん、子宮筋腫、子宮内膜症、骨粗鬆症、筋萎縮性側索硬化症、関節リウマチ

▲重点化した主要疾患の疾患関連遺伝子の特定▲抗がん剤などの薬剤の効果や副作用に関連する遺伝子の特定

全ゲノムSNP解析SNPタイピング

共同研究機関(大学・研究機関等)

国際HapMapプロジェクト

疾患関連遺伝子・ファーマコゲノミクス研究の基盤構築

疾患関連遺伝子研究・遺伝子機能解析

ファーマコゲノミクス研究

バイオバンク情報の充実

成果

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○これまでの経験則を基にした医療ではなく、エビデンスに基づいた医療が求められている。

○オーダーメイド医療の実現による疾患の予防、副作用の回避、効果的な薬剤投与等により、我が国の急増する国民医療費の削減が期待される。

例)現在日本国内で500億円の市場がある乳がん治療薬のタモキシフェンは、日本人の2割には効果が無く、無駄な投薬を行っているが、投薬前の遺伝子診断で薬剤効果の予測を行うことで、効果がない患者への投薬を回避し、年間100億円の医療費削減が可能となる。

がん・生活習慣病等の予防・治療の改善副作用の少ない効率的な治療の実現

オーダーメイド医療の実現へ

背景・必要性背景・必要性

■HIV治療薬ネビラピンの副作用予測

HIV治療薬ネビラピンの副作用(薬疹)の発症を高確率で予測できる遺伝子を発見。

HIV患者数:日本:約1,000人 世界:約250万人

ネビラピン売上高:400億円/年

波及効果と成果の例波及効果と成果の例

協力医療機関

大学等研究機関

外部研究機関

試料の申請

試料の配布

機能解析

共同研究

バイオバンクジャパン(東大医科研)

試料( DNA ・血清)等

協力医療機関(12機関57病院)

臨床情報・ライフスタイル情報(追跡収集)

血清(追跡収集)

研究成果の創出

研究機関研究機関(理研)

解析結果

試料等

全ゲノムSNP解析

実施体制実施体制

疾患関連遺伝子研究 ファーマコゲノミクス研究

オーダーメイド医療の実現プログラム(平成20~24年度)

平成23年度予算案:1,560百万円平成22年度予算額:2,027百万円

○事業内容をがん以外の研究に重点化し、遺伝子研究の規模縮小等により予算縮減

平成23年度の取組平成23年度の取組

全国57病院から約30万症例の血液サンプル、DNA、臨床情報等を収集し、世界最大規模のバイオバンクを構築。これを活用し、個人の遺伝情報に応じたオーダーメイド医療の実現に向けた以下の取組を実施。

○生活習慣病、肝炎などの発症リスクに関連する遺伝子の特定や副作用の個人差に関する研究を推進し、予防・診断・治療への展開に繋げる

○倫理的・法的問題に関する取り組みとして、社会的問題全般についての調査及び助言等を行う

概要概要

理研CGM

東大医科研

20

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○新型インフルエンザやSARSなどの新興・再興感染症について、これまでにアジア・アフリカ8ヶ国に整備した海外研究拠点を活用し、感染症対策に資する研究開発を実施し、基礎的知見の集積や人材育成等を図る。

○これまでの感染症研究ネットワーク支援センターを感染症研究推進センターとして改組し、国内外の感染症研究に関する情報の集約・展開を図る。

○新型を含むインフルエンザについては、拠点間の共同研究体制を確立する。

○国内外関係機関(厚生労働省、国立感染症研究所、WHO、パスツール研究所等)との連携を強化する。

○これら取組を通じ、アジア・アフリカ各国に対して科学技術を通じた国際貢献等に資する(科学技術外交)。

概要概要

感染症研究国際ネットワーク推進プログラム(平成22~26年度)

Japan Initiative for Global Research Network on Infectious Diseases (J-GRID)

5

ベトナム

《長崎大学》国立衛生疫学研究所

《国立国際医療センター 拠点》バックマイ病院

インド

《東京医科歯科大学》ガーナ大学野口記念医学研究所

ガーナ

《岡山大学》国立コレラおよび腸管感染症研究所

《北海道大学》ザンビア大学

サモラ・マシェル獣医学部

ザンビア

《神戸大学》アイルランガ大学熱帯病センター

インドネシア

タイ

《大阪大学》国立予防衛生研究所

《動物衛生研究所 拠点》国立家畜衛生研究所

フィリピン

《東北大学》フィリピン熱帯医学研究所

《東京大学》中国科学院 生物物理研究所

中国科学院 微生物研究所

中国農業科学院 ハルビン獣医研究所

中国

拠点間の連携を強化

国内外関係機関

新興・再興感染症研究ネットワーク推進センター・拠点間ネットワークの強化・疾病ごとの拠点間共

同研究の推進 等

厚生労働省国立感染症研究所

外務省

連携

連携

平成23年度予算案:1,722百万円平成22年度予算額:1,900百万円

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分子イメージング研究戦略推進プログラムJapan Advanced Molecular Imaging Program (J-AMP) (平成22~26年度)

欧米諸国でも分子イメージング研究を強力に推進

◆欧州では多数の研究施設をネッワーク化する施設を構築し、分子イメージング研究を加速

(NIH09年度予算資料,単位:億円)

NIHロードマップ予算(495億円)NIHNIHロードマップ予算ロードマップ予算((495495億円)億円)

平成23年度予算案:500百万円平成22年度予算額:530百万円

生体内分子の機能や投与薬物の動態などを生物が生きたままの状態で画像化する技術。この技術を活用し、がんなどの疾病について、病気の診断や解明だけでなく、創薬候補物質のスクリーニングや安全性・有効性の確認へ応用可能。

分子イメージング技術とは分子イメージング技術とは

○研究拠点が行う業務との更なる連携により、共用可能な物品の効率的な使用等を行い縮減

平成23年度の取組

71

44

128 150

102

High-RiskResearch

その他

Re-engineering the ClinicalResearch Enterprise

InterdisciplinaryResearch

分子ライブラリと分子イメージング解析約20%、102億円

分子ライブラリと分子イメージング解析約20%、102億円

創 薬 候 補 物 質 探 索 拠 点 P E T 疾 患 診 断 研 究 拠 点連携

共同研究

共同研究

共同研究

共同研究難治がん等診断・治療分野難治がん等診断・治療分野

認知症診断・治療分野認知症診断・治療分野大学大学

病院病院

企業企業 大学大学

病院病院

企業企業

大学大学

病院病院

企業企業大学大学

病院病院

企業企業

基盤技術の提供基盤技術の提供 基盤技術の提供基盤技術の提供

概要概要

分子イメージング技術を医療へ応用すべく、創薬候補物質探索拠点創薬候補物質探索拠点・PEPET疾患診断研究拠点T疾患診断研究拠点と、大学・病院・企業等の連携により構成される研究体制を構築し、技術の実証に向けた共同研究開発を実施。

体制図体制図

◆米国立衛生研究所(NIH)は、2003年に策定した「NIHロードマップ」において、戦略分野のひとつとして位置づけ、分子イメージング研究を推進。

健常者 認知症患者

22

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統合データベース整備のロードマップ

文部科学省統合データベースプロジェクト

平成20年度

助言・

進捗確認

JST ・ BIRD

統合データベースセンター(仮称)(第一段階)JST

CSTP

一体化

• 統合DBセンターの設置に向けた進捗管理

• 運営費の拠出の手法の検討

現在 5年後

統合DBの恒久化のあり方の検討 具体的な実施に向けた助言等

検討の取りまとめ

平成23年4月1日

平成22年度 平成25年度

新たな統合データベースセンター

(第二段階)

準備段階 第一段階 第二段階

統合DBタスク

フォース

満たすべき必要条件(1) 継続性(2) 情報の創出と利用の双方

の意見を反映できる運営(3) 実際の業務等を通しての人

財育成機能(4) 関係省庁の支援

各省等のデータベース

統合DBプロジェクト

統合DBプロジェクト

統合DBプロジェクト

個別機関のデータベース

DB

DB

DB

DBDB

統合DBプロジェクト

統合DBプロジェクト

統合DBプロジェクト

DB

統合データベース推進本部(仮称)

【準備段階: 平成20年度~平成22年度】・ 総合科学技術会議に統合データベースの司令塔機能として「統合データベース推進本部(仮称)」を設置。・ 本部で策定した方針の下、文部科学省統合DBプロジェクトとJSTのバイオインフォマティクス推進センター事業とを一本化して、JSTの

新たな組織として「統合データベースセンター(仮称)」を整備。【第一段階: 平成23年度~平成25年度】・ 「統合データベース推進本部(仮称)」において、「統合データベースセンター(仮称)」の運営等について指導・助言及び平成26年度

以降の恒久的な統合DBのあり方について検討。・ 設置した「統合データベースセンター(仮称)」を着実に運営。・ センターの企画・運営のため、「統合データベース運営委員会(仮称)」を設置。・ 各省や研究機関(事業)、企業等で取り組んできたDB(既存の各省の統合DBを含む)についても、引き続き整備・充実。【第二段階: 平成26年度~ 】・ 第一段階における「統合データベースセンター(仮称)」の事業実施状況を踏まえた上で、恒久的な統合データベースとして最終的に

移行。・ 体制としては①JST内の組織として強化 ②分野的に近い組織に移行 ③新組織として設置、という可能性。

• 統合DBセンターのあり方の検討• 統合DBセンターの運営についての指導・助言

総合科学技術会議ライフサイエンスPT統合DBタスクフォース(H21年4月)資料より抜粋

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Page 25: 文部科学省におけるライフサイエンス 研究支援の現状について · 統合データベースプロジェクト ライフサイエンスデータベース統合推進事業(JST)

ライフサイエンスデータベース統合推進事業 平成23年度予算案 :1,699百万円(新規)(科学技術振興機構運営費交付金)

背景:「統合データベースタスクフォース報告書」(H21.4総合科学技術会議)

・我が国のライフサイエンス分野のデータベース統合にかかる実務や研究開発の中核機能を担うものとして「統合データベースセンター(仮称)」を整備・産出されたデータを利用者の視点に立って統合化し、効率よく研究者、産業界、さらには国民に還元していく、統合データベースの構築が必要

目的:我が国におけるライフサイエンス研究の成果が、広く研究者コミュニティに共有かつ活用されることにより、基礎研究や産業応用研究につながる研究開発を含むライフサイエンス研究全体が活性化されることを目指す。

背景・目的背景・目的

概 要概 要 CSTPCSTP ライフサイエンスPT 統合DB推進タスクフォース 統合DB評価委員会(仮称)

DBs DBs

DB

DBs

DB DBDB DB DB企業等大学・公的機関 その他個別

DB DB DBDB DB DB

DB DB基盤的

各省統合DB対象DB対象DB

戦略の立案戦略の立案・データベース整備、統合化の戦略企画・有効なデータ、必要な技術のコーディネート・データベース統合化ガイドラインの策定・国内外との連携構築

ユーザーユーザー

研究開発の推進研究開発の推進・基盤的データベースの高度化、データベース統合化の促進・目的・用途ごとの統合化、高品質なアノテーション等による分野別統合データベース構築・高度な専門性を備えた人材の育成等へのファンディングを実施

・一元化されたポータルへのアクセス・効率的な情報収集の実現

(想定されるユーザー)・研究者、企業関係者、教育機関関係者等

利用登録・提供ガイドラインの提示

成果を活用

JST統合データベースセンター(仮称)JST統合データベースセンター(仮称)

(1)ポータル構築連携

センターがポータルサイトを構築。連携機関のデータベースに関する情報を記載・登録し、データベースに対してリンクが行われる状態を実現。

(2)横断検索連携

連携機関における適切なサイトに、横断検索サーバーを設置するとともに検索インデックスを統一化。連携機関のデータベースに対して、相互に一括横断検索が可能となる状態を実現。

データベース統合に必要な研究開発を実施するとともに、システムの構築・維持・管理等を行うデータベース統合に必要な研究開発を実施するとともに、システムの構築・維持・管理等を行う

助言

(3)アーカイブ構築連携

センターのポータルサイトに、連携機関のデータベースをガイドラインに沿ってアーカイブ化して収載。連携機関のデータベースに対して、統一形式でのデータダウンロードが可能となる状態を実現。

(4)データベース再構築連携

センターのポータルサイトに、連携機関から譲り受けたデータベースを再編して収容。連携機関のデータベースに対して、統一化したフォーマットで再構築された状態を実現。

データベース統合化の推進データベース統合化の推進

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