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H23.10.23 平成23年度(社)香川県作業療法士 第2回学術研修会 平成23年度(社)香川県作業療法士 第2回学術研修会 日頃診る内部疾患の基礎の基礎 ~カルテ・検査の見方、危機管理も含めて~ 日時:平成23年10月23日(日)9:30~12:38 場所:穴吹リハビリテーションカレッジ 主催:(社)香川県作業療法士会 内容: 9:30~9:31 あいさつ 学術部長 香川県立中央病院 いけうち ○司会:穴吹 カレッジ うえの ○講師紹介: ・東京医科大学薬学部卒 ・香川大学医学部卒 ・広島 こうせい総合病院 ・香川大学医学部博士課程 ・日本医師会認定作業医 ・瀬戸内クリニックを開業 ・数年前に、沖縄の海の中で、お互いに手を握りあった関係で今回の講演に 9:03~12:38 テーマ 日頃診る内部疾患の基礎の基礎 -カルテ・検査の見方、危機管理も含めて- ○講師:瀬戸内クリニック院長 真鍋后輝 ○はじめに ・どんな話をすればいいかと思い、みなさまから要望を聞いた。 ①医師の立場からの作業療法へ向けての意見 ②医療チームの作業療法の役割、利用できる制度やシステム、生活指導など ③各疾患総論、リスク管理、カルテの見方等 ④カルテに記載されている医学英語について ⑤内部疾患患者のリハビリ時の注意事項 ○理学療法士及び作業療法士法 第2条 2 この法律で「作業療法士」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主として その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせ ることをいう。 ○リハビリテーション(以下、リハ)の位置づけ ・医師がリハに対してどう思っているのか 手術があり、薬物があり、その次にリハがある → 三本柱の一つ(今年の医学雑誌に書かれ ていた) ← 時代遅れのような気がしませんか

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H23.10.23

平成23年度(社)香川県作業療法士

第2回学術研修会

平成23年度(社)香川県作業療法士

第2回学術研修会

日頃診る内部疾患の基礎の基礎

~カルテ・検査の見方、危機管理も含めて~

日時:平成23年10月23日(日)9:30~12:38

場所:穴吹リハビリテーションカレッジ

主催:(社)香川県作業療法士会

内容:

9:30~9:31 あいさつ 学術部長 香川県立中央病院 いけうち

○司会:穴吹 カレッジ うえの

○講師紹介:

・東京医科大学薬学部卒

・香川大学医学部卒

・広島

こうせい総合病院

・香川大学医学部博士課程

・日本医師会認定作業医

・瀬戸内クリニックを開業

・数年前に、沖縄の海の中で、お互いに手を握りあった関係で今回の講演に

9:03~12:38 テーマ

日頃診る内部疾患の基礎の基礎

-カルテ・検査の見方、危機管理も含めて-

○講師:瀬戸内クリニック院長 真鍋后輝

○はじめに

・どんな話をすればいいかと思い、みなさまから要望を聞いた。

①医師の立場からの作業療法へ向けての意見

②医療チームの作業療法の役割、利用できる制度やシステム、生活指導など

③各疾患総論、リスク管理、カルテの見方等

④カルテ

に記載されている医学英語について

⑤内部疾患患者のリハビリ時の注意事項

○理学療法士及び作業療法士法

第2条 2

この法律で「作業療法士」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主として

その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業

を行わせ

ることをいう。

○リハビリテーション(以下、リハ)の位置づけ

・医師がリハに対してどう思っているのか

手術があり、薬物があり、その次にリハがある →

三本柱の一つ(今年の医学雑誌に書かれ

ていた) ←

時代遅れのような気がしませんか

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第2回学術研修会

医学部のリハ講座があるのは

私立は半分、国立になると6校/42校

・2004年・・循環器専門施設で

急性期リハの施工施設:49%

回復期リハの施工施設:20%

・リハは運動、認知、

リハは残っている機能を最大限に高め、障害機能を代替し、生活を豊かにするうえでの必須の

機能である。

・病院リハ:急性期、回復期 ←

患者にとっては本当に短い期間

在宅リハ:維持期(地域生活期)

○例えば脳卒中を例に

・急性期、回復期:機能的作業療法、患側上肢、手指

・維持期(地域生活期):

再発予防

機能の維持

社会参加 →

リハの役割が重い

健康管理

健康管理

介護家族の支援 ←

特にこの部分に取り組んでほしい

・でも・・

単純な病態でも、例えば軽い転倒でも、寝たきりになり、寝たきりになれば肺疾患になり・・・

という危険性がある。

○いっぱい活躍の場がある

・回復期、維持期にこそこそ、多くの役割、関わりがある

・しかし、医師は忙しさに翻弄され、そこまでの認識、意識がない。

うまく体を動かしたり、困らないようにするためにはどのようにしたらいいか?

医師にはこの考えが乏しい。

本当は最後まで、関わるのが理想であるが、出来ない。

”生活リハビリテーション”という概念が必要!!

皆でこの概念を共有する

○積極的な関わりを

・まずは笑顔で。

・積極的な関わりを →

この患者さんは何が出来て、何が出来ないのか。この患者さんは何を

して欲しいのか医師に伝えられるよう、患者とも医師ともコミュニケーションをとる。

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○瀬戸内クリニック

・飯野山の西にある。

・6年目から「通所リハビリ」を開設。

・残念だが、医師もケアマネも、「デイケア」と「通所

リハ」の違いもわかっていない人がいる。

○実際にリハビリ依頼

・患者の情報収集

①医師の指示箋

②カルテ ←

書きなぐりで、英語か、日本語かも読めない

③看護記録線 ←

字がきれいで読みやすい。しっかりと読んで。

④家族

・カルテ情報(医師診療

○医師の指示の内容

・リハビリの目的、リハビリの内容、安静度、中止基準、禁忌事項 →

自分なりの考えを持つ

そのために知識を持ち、勉強を

・カルテ →

表紙には「こんな病気か」と思うようなことが書かれているので、あまり見なく

ていい。次ページ

からの診察内容をしっかり読む。

○カルテは何の為にあるのか? → みんなのものである

①診察の記録として、診察をアシストするツールとして、医師のためのカルテ・教育的カルテ

(研修医)

②診療報酬算出のため

医事課、病院運営

行政上の調査・監査、統計のため

③医療チームにおける情報の共有

医療スタッフのためのカルテ

④診療情報の提供ツールとして

患者・患者家族のためのカルテ

・2ページ目には、既往歴、現病歴が書かれており、まずはここをしっかり読む。

○カルテの中ではサマリーをまず読んで!

・サマリー

:入院時サマリー・中間サマリー

転院・退院時サマリー

・手術記録:カンファレンス記録・検査、手術の同意書 ←

同意書は患者さんに説明し、渡す

ものなので、分かりやすく書いてある

・ムンテラ記録(病状説明):患者・家族にどのようにどこまで説明をしているのか ←

同じく

患者さんに説明した内容なので、分かりやすく書いてある

○看護記録

・日々変化する情報である。

・患者の発言の生の声がそのまま記録されている。

・その訴えに対し、どのように対応しているか?

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日々の患者さんの状態がよくわかる。あわせて検温

板も見て。

○リハビリ患者によく使用される薬剤と副作用

・α遮断薬 →

起立性低血圧を起こしやすい

○主な血液検査

栄養状態:アルブミン

血糖:ヘモグロビンA1c(HbA1c)

過去数ヶ月の血糖値の影響を受ける値なので、血

液検査時の点の情報ではない

PT-INR:ワーファリン

心房細動・脳梗塞・深部血栓症など

BNP、Pro-BNP:心不全の異常が確認できる

○どんな情報が欲しい?

・血圧などのバイタルは安定しているか

・熱はなかったのか?

・朝食は食べられたのか?

・看護師への訴えは何かあっ

たのか?

・何か処置はあったのか?

・昨日のリハビリは問題なくできたのか?

自分なりの考えを持つ!

○老年病の特徴

①1人で多くの疾患を有する

②疾患の徴候が非典型的

・重篤な疾患があるのに明確な症状を欠く。

・急性心筋梗塞・・呼吸困難、何となく元気がない、食欲低下 ←

若い人のように発熱す

るだけの反応がでない

・胸痛(50歳代以下75%、60歳代50%、70歳代26%、80歳代9%)

③疾病構造、疾患の病態が異なる

・高齢者の肺炎は、誤嚥性肺炎が多い。

④治療、薬剤に対する反応が異なる

・子供用の量で十分な効果が出ることもある。

⑤侵襲的な検査を行いがたい

⑥検査の基準が若年者と異なる場合がある

・空腹事血糖値は加齢とともに変化しないが、食後2時間値は、0.6mg/mL/年の割

合で上昇する。

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⑦本来の疾患と直接関係のない合併症を起こしやすい

・心筋梗塞で入院して肺炎を起こし、それが死因となる。

⑧なるべく早期の離床、自立を図るように配慮が必要

⑨個人差が大きい

⑩予後が、社会的要因により大きく影響される

・疾病の治療効果、予後が家族構成、家族関係、経済状況などの社会的要因により、大きく

影響を受けることが多く、疾病の完全な治療は望めないことが多く、いかに社会復帰させ

るかが問題となることが多い。

10:30~10:40 休憩

<ここからは内部疾患の話>

○脳卒中

・毎年20~30万人の発症、有病者数:約200万人

①脳梗塞

CTで黒く見える

②脳出血

CTで白く見える

③クモ膜下出血

CTで白く見える

○脳梗塞

①アテローム血栓性梗塞

主幹動脈の狭窄や閉塞による梗塞 →

時間がかかっての病態形成

脳梗塞を免がれた領域は血流低下あり、血圧依存性に血流が保たれている場合あり。

特に、急性期には脳血流の自動調節能が破綻していることがあり。

体位変化による起立性低血圧に注意。

②心原性梗塞

急激に発症。心不全の有無の確認、以外と梗塞巣が広範囲、出欠性梗塞、脳浮腫が起こりやす

い。

・心房細動が原因の脳梗塞

心房細動では、心臓が不規則に動くため、心臓の中に血液のよどみ(静脈血栓の性格)ができ

る。

心房細動が3日間続けば、血栓が出来ていると思えばいい。 →

ワーファリンが効く。

心房細動による脳梗塞の発症頻度は2.3~6.9倍

・ラクナ梗塞

主幹動脈は異常なし

通枝領域

多発性能梗塞

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○脳梗塞の危険因子

・高血圧

発症リスク:収縮期血圧:160mmHg

以上で、3.46倍

拡張期血圧: 95mmHg

以上で、3.18倍

140/90未満が2009年ガイドラインで推奨

・糖尿病

発症リスク:2~3倍

女性が高い

・脂質異常

スタチン系で、30%低下

・喫煙

欧米の研究で、男性喫煙車のリスクは、非喫煙車の2.5~4.2倍、女性は1.9倍

本邦の研究で、

○脳梗塞

・原因

高血圧、動静脈奇形、海部状血管腫、

・合併症

急性水頭症:急性期に

発症しやすい

痙攣(けいれん):7~15%の高率で合併しやすい。皮質下出欠では、5~23%。遅発性け

いれん(2週間以降)・・疾患性てんかん・・3%程度

・血圧は、低めのコントロールが必要。

○くも膜下出血

①脳動脈瘤の再破裂

発症から6時間以内あるいは24時間以内に起こりやすい。

②脳血管けいれん

脳血管けいれん期には意図的に高血圧にする。血圧低下が、脳血流低下を招く危険性あり。

③正常圧水頭症

遅発性症状(10~37%で、2週間~数ヶ月頃)認知症・歩行障害・尿失禁

④全身合併症

中枢性肺水腫・

心電図異常(虚血・不整脈)・低Na血症

○脳卒中の一般的な合併症

①心臓血管系疾患

②深部静脈血栓症 →

これらの症状が発症すると思っていてください

③感染症

④消化管出血

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○循環器疾患

・急性冠症候群(ACS)<心筋梗塞

狭心症>

1.心筋梗塞のサイズが大きいほど予後不良

2.心筋梗塞のサイズはCK,CK-MBから推測できる

3.高齢、血圧低下、頻脈、Killip

分類2以上

4.心筋梗塞は、発症1週間前後に心破裂の危険性が高まる

5心不全患者では突然死を生じることがある

こう

いうことが起きうることを認識し、リハにあたってほしい。.

○治療

・経皮的冠動脈形成術(PCI)

ステントによる血管形成術

○不整脈

・弁膜症

心筋症の場合には、不整脈に注意を。

・心筋症

拡張型、肥大型

○心房細動

・発作性、持続性、永続性

・心房細動が3日間続いたら血栓が出来ていると思え。

・年齢階層別にみた

・単純な心房細動(孤立性心房細動)を1とした場合の塞栓症(主に脳梗塞)の頻度(倍率)

○心不全

・心不全の指標 BNP

200fmol/ml以上

NT-proBNP

1,0

00pg/ml以上

・心不全診断の進め方

・NYHA心機能分類

Ⅰ度

日常労作では自覚症状なし

Ⅱ度

強い労作によって自覚症状あり

Ⅲ度

軽労作により自覚症状あり

Ⅳ度

安静時あるいは身の回りの労作で自覚症状あり

○呼吸不全

・COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDとは、たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することで生じた肺の炎症性疾

患である。呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す。気流閉塞は末梢気道病変と

気腫性病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。臨

床的には徐々

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に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とする。

・慢性気管支炎

慢性または反復的に喀出される気道分泌物の増加状態で、2年以上連続し、3ヶ月以上大部分

の日に認められる。

・肺気腫

終末気管支より末梢の気腔が異常に拡大

し、肺胞壁の破壊を伴うが、繊維化は認

めない状況。

○糖尿病受療率

(2008年)

香川県が全国1位

男性の死亡率が高い

・野菜の摂取量が少ない

うどん文化 →

血糖値が上がりやすく、

なかなか下がらない

噛まない文化 →

胃の中に噛んでいない

うどんが滞留し、長時間に

わたって血糖

値を上げたままにする

○肥満率

・日本やインドの肥満率は少ないのに、糖

尿病が多い →

経済発展と相関が高い

経済の発展で、しっかりと食べられ

るようになった、が、そのことに遺伝

子が追従できていない。

・赤ちゃんは、そのときのお母さんの状

態に応じて生まれてくる。しかし、そ

れに遺伝子はついてこられない。

・肥満と糖尿病が関係ないわけではない。

特に日本においては。

○糖尿病

1.糖尿病とは?

・日本の患者数:約700万人(20

05年)

60歳を越えると男性の20%、女性の12%程度

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・糖尿病型

空腹時血糖:126mg/dl以上

OGTT

2時間:200mg/dl以上 →

もう血管に異常が発生し始めていると思って

随時血糖:200mg/dl以上

HbA1

c:6.1%以上

2.糖尿病の合併症

a.虚血性心疾患

g.腎症・腎不全

b.脳血管障害

h.末梢神経障害

c.網膜症

i.自律神経障害

d.糖尿病性昏睡

j.閉塞性動脈硬化症

e.低血糖昏睡

k.壊痕

f.感染症

3.血糖コントロールの指標

4.糖尿病の特徴

a.糖尿病が重度であるほど、羅病期間が長いほど合併症が多い

b.インスリン・SU剤の使用の場合は、低血糖による意識障害が多い

c.糖尿病性網膜症は、注意する必要がある →

見えているようで、見えていないことが

ある

d.心筋梗塞などを生じていても典型的な症状を呈さないことがある →

痛みを訴えるこ

となく心筋梗塞になっていることがある

5.糖尿病患者の注意する病体

a.糖尿病性昏睡 低血糖昏睡

血糖:60以下 高血糖昏睡

意識障害・発汗・振戦・動機・不安感・ など

食後2時間程度で、最高値となる。食前

に低血糖となることが多い。

リハビリの時間を食後に割り振る・・低血糖を起こしているか否かは、看護記録や本人

から食事量を聞き取る

b.糖尿病性網膜症 →

失明の可能性あり

羅病期間10年で50%、20年で80%

眼底出血・・血圧コントロールの必要

血圧コントロール不良な例は注意!

・・カルテより情報収集を

c.虚血性心疾患

虚血性心疾患の場合、胸痛などの症状は乏しい

意識障害・・低血糖発作と決めつけない・・脳梗塞の可能性もあり

d.末梢神経障害

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四肢末梢の感覚障害もあり

場合によっては、疹痛も伴う

○腎不全

・慢性腎臓病(CKD)

・全体で30万人、毎年3万7千人ぐらいの新たな透析患者さんが増えている。

・2009年12月時点で、国内で透析療法を受けている患者数は29万675人。

○高血圧症

・ガイドライン2009

・仮面高血圧 ←

治療の対象

・白衣高血圧 ←

今は治療対象ではないが、将来治療対象となる予備群である

○パーキンソン病

・60~70歳代に多い。人工10万人あたり150人。

・黒質・青班核等の変形・脱落

Lewy小体の出現

・Hoehn-Yahrの重症度分類

ステージ分類があることを

知っておいてほしい ← 会

話をするときの共通のツールとなる

・パーキンソン病は緩徐進行性の疾患

心身の障害を生じる・・完治や進行を抑えることが出来ない ←

全人間的な尊厳の回復を目

指す。機能回復だけでなく、患者のQOLの向上を目指す

○認知症

・アルツハイマー病

・脳血管性認知症

・その他

神経性疾患:ビック病、ハンチントン病、レビー小体型、パーキンソン病など

感染症:クロイツフェルト・ヤコブ病、ヘルペス脳炎など

内分泌・代謝・栄養疾患:甲状腺疾患、副甲状腺疾患、クッシング症候群肝不

全、

ビタミン欠乏(ウイルニッケ脳症など)、アルミニウム脳症、ウイルソン脳症

薬物中毒:睡眠薬等

その他:正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫

○うつ病

・高齢者の特長:身体的訴えが多い・・仮面うつ病

・心気症状・・脱力感、倦怠感、易疲労、胃部不快感、胸部圧迫感、頻尿、便秘など

・身体疾患がうつ病と合併する頻度

冠動脈疾患:16~23%、糖尿病:20%、がん:20~38%、脳血管障害:27%

高齢者ではさらに高くなる

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○各疾患に応じたリスク管理

・カルテ情報(医師診療録・看護記録)を詳

細に確認。病状やバイタルの経時的推移を把握し、

主治医、看護師との情報交換を綿密に行う。

・訓練中のモニタリングを経時的に実施

マンツーマンで対応し観察を徹底

・急変時の迅速な対応(医師・看護師への連絡)

①リハビリテーションの中止基準は?

各施設(部署

)で

事前にアクシデント対策(中止基準

)を

検討。

独自の

マニュアルを

作成す

ると

よい。

②リスクに応じたリハビリテーションとは?

体調の悪い日は

本人の

訴えや訓練中止

基準を

考慮し、

主治医と適宜

対策を決定(

訓練の

可否、

中止

及び

再開の

検討)。

体調が

悪くても

本人の

同意が

得られれば

訓練を実施。

訓練を

行う際は

運動

負荷量を

軽減し、

病棟でできる

範囲の

訓練に

留める(ベッド上訓練。短時間)

事前に病状

バイタルの経時的

推移を

把握。

訓練中は前全身状態の

適切な

観察、マンツーマン

対応。

③訓練の際に気をつけることは?

自覚、他覚

症状、バイタル

サインを

確認し全身

状態の

変動に

注意。観察力(

気づき力)を高

める!

④リハビリテーシンは本質的にハイリスクの分野である

対象者の

殆どは運動器

障害を

有し、全身

的な

合併症のある

方も

少なくない。

認知症や高次脳機能障害を

呈する

場合、

本人によるリスク

管理が

困難。

・しかし

転倒や

合併症の

リスクを

恐れて

リハビリテーションを

躊躇すると廃用症候群の危険性

高まる。

適切なリスク

管理を

行い、

早期より

可能な

限り

身体・精神

機能を

維持し、

向上。ADL、Q

OLの

向上に

努める。

12:13~12:38 質疑

中央病院

医療療養師Q:しゃっくりの症状は

真鍋

A:横隔膜に関した神経障害の可能性が考えられる。

Q:心房細動

ペースメーカー細胞が死滅することで症状がでる。これは遺伝性があるとか、プロ

メアとの関係性についてどうか?

真鍋

A:僕も調べたが、遺伝性はなかった。加齢により低下していくのだろう。どうけつせつ 心

動を起こさせる発電所がたくさんあると思ってください。

男性Q:認知症

患者の在宅

看護や

リハビリに

ついて、

家族への

接し方、

ケアとして

重要なこと、気

をつけるべき

事は

何か。

真鍋

A:家族の人に肩の力を抜いてもらう

。抱え込まないで

、みんな仲間だと思ってもらう。ケア

マネや

僕らは仲間であるとの思いで接している。

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四国医療専門学校4年男性Q:ファシリテーション

早い発見のためのtpaとあったが、これは?

真鍋

A:血栓溶解剤のこと、早い対応であれば、後遺症を残すことなく治療できる。

うえの

A:ファシリテーションとは、筋活動を促していくこと。

回生

病院男性Q:動脈瘤破裂のリスクについて。肝硬変の患者さんで、黄疸がひどいが、どう対処、

評価すればいいか?

真鍋

A:浮腫もあり、血小板も少なく出血しやすい状態と思う。食道動脈瘤になっている

可能性も

あり、本人や家族がどこまでのリハビリを望んでいるかを聞くのが仕事。どこまでしたいのか、

医師に相談し、どこまでしていいのか、それを調整するのも仕事。家族と本人で意見が違う場

合もあるが、それはよく話し合って。

リハビリテーション病院女性Q:高血圧の患者さん

薬の飲み忘れた場合にはどう対処すればいい

か。

真鍋

A:血圧だけなら、飲み忘れに気がついたところで薬を飲んでもらう。しかし糖尿病の患者さ

んの場合には、食事との関係があるので、1回薬を抜いてもらうなど、ケースバイケースであ

る。

司会Q:糖尿病の治療法で、

インスリン療法と投薬療法について簡単に説明を。

真鍋

A:糖尿病治療にひとつ武器が増えた。インスリンを出させる、あるいは、インスリンをうま

く使わせる薬ができた。

インスリンを早く使い、膵臓を休めてあげることが効果的。インスリ

ンを出させるのにSU剤がある。ただ、長く使うとインスリンが出せなくなってくる。

一昨年、

インクレジンが認可された。

インスリンをうまく働かせないようにする成分を脂肪細胞が出す

ので、それを止める薬もある。

低血糖や体重増加などの副作用が少ない。β細胞の増殖という

特徴もある。

司会:

今日の話に共通するのは「代謝」、「炎症」だったかな。我々がサービスするに当たって大事

なことは、医学は薬物についても進歩しており、作業療法師も勉強し、患者さんや家族の笑顔

を生み出せること、そんな話だった。

― 以上 ―