分担研究報告書...

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分担研究報告書 若い女性及び妊産婦の栄養食生活に関する国外の基準デ分担研究者 吉池 信男 研究協力者 草間かおる 福岡 猿倉 野末 村嶋 金田 秀興 薫子 みほ 芙美 独立行政法人国立健康栄養研究所健康栄養調査研究部長 独立行政法人国立健康研究所流動研究員 (こども家庭総合研究推進事業リサチレジデント) 東京大学大学院医学系研究科発達医学教助教授 独立行政法人国立健康研究所健康調査研究部 独立行政法人国立健康栄養研究所健康栄養調査研究部 独立行政法人国立健康研究所健康調査研究部 独立行政法人国立健康研究所健康栄養調査研究部 研究要旨 若い女性及び妊産婦における栄養学上の課題を抽出し、妊産婦等を対象とした「食生活指針」の策定 のための基礎的な資料を得るために以下の検討を行った。 ①栄養学的なエビデンスの集積である「食事摂取基準」に関して、妊産婦に対する推奨値がどのよう に設定されているかを、わが国(「日本人の食事摂取基準(2005年版)3〉及び諸外国の状況につい て要約した。 若い女性の「ボディーイメージ3と摂食行動に関して、そのゆがみの社会的な背景因子と考えられ るメディアの影響を考察した資料(英国)を要約した。 医療機関等での妊娠期における栄養ケア及び体重管理等の実態について、全国調査を行うための準 備を進めた。実際の調査は平成17年度に実施予定である。 A.研究目的 若い女性及び妊娠及び授乳期における栄養・ 食生活上の諸問題に対して、適切な対策や支援 を行うためには、それらの時期におけるエネル ギー及び栄養素摂取の推奨量(必要量〉を基盤 として、栄養学のみならず行動科学的な観点か らのアプローチが重要である。そこで、栄養学 的な基礎としては「食事摂取基準」を、社会的 な側面からは「ボディーイメージ」の間題を、 さらに医療的な側面からは「妊娠期における栄 養ケアや体重管理」の問題をとりあげ検討する ことを初年度の課題とした。 B.研究方法 ①わが国及び諸外国の妊産婦に対するr食事摂 取基準」の現状とその背景 &) 「目本人の食事摂取基準(2005年版)」におけ る妊産婦及び授乳婦に対する付加量の設定及び その策定根拠(論文)に関して、平成16年に厚 生労働省から発表された資料を基に、エネルギ ー及び栄養素に関して横断的な整理を行った。 b)MEDL∫NEにインデックスされている論文及 びインターネット上で公開されている資料を出 来るだけ網羅的に収集し、諸外国における食事 摂取基準のうち、妊産婦・授乳婦に関する基準 値等を要約した。 ②若い女性の「ボディーイメージ」及び摂食行 動と社会的背景について 若い女性の「ボディーイメージ」と摂食行動 に関して、そのゆがみの社会的な背景因子と考 えられるメディアの影響を積極的に論じたケー スとして、英国医学協会における報告書が代表 一6一

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分担研究報告書

若い女性及び妊産婦の栄養・食生活に関する国内外の基準データ

分担研究者 吉池 信男

研究協力者 草間かおる

福岡

猿倉

野末

村嶋

金田

秀興

薫子

みほ

芙美

独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部長

独立行政法人国立健康・栄養研究所流動研究員

(こども家庭総合研究推進事業リサーチレジデント)

東京大学大学院医学系研究科発達医学教室助教授

独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部

独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部

独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部

独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部

 研究要旨

 若い女性及び妊産婦における栄養学上の課題を抽出し、妊産婦等を対象とした「食生活指針」の策定

のための基礎的な資料を得るために以下の検討を行った。

①栄養学的なエビデンスの集積である「食事摂取基準」に関して、妊産婦に対する推奨値がどのよう

  に設定されているかを、わが国(「日本人の食事摂取基準(2005年版)3〉及び諸外国の状況につい

  て要約した。

② 若い女性の「ボディーイメージ3と摂食行動に関して、そのゆがみの社会的な背景因子と考えられ

  るメディアの影響を考察した資料(英国)を要約した。

③ 医療機関等での妊娠期における栄養ケア及び体重管理等の実態について、全国調査を行うための準

  備を進めた。実際の調査は平成17年度に実施予定である。

A.研究目的

 若い女性及び妊娠及び授乳期における栄養・

食生活上の諸問題に対して、適切な対策や支援

を行うためには、それらの時期におけるエネル

ギー及び栄養素摂取の推奨量(必要量〉を基盤

として、栄養学のみならず行動科学的な観点か

らのアプローチが重要である。そこで、栄養学

的な基礎としては「食事摂取基準」を、社会的

な側面からは「ボディーイメージ」の間題を、

さらに医療的な側面からは「妊娠期における栄

養ケアや体重管理」の問題をとりあげ検討する

ことを初年度の課題とした。

B.研究方法

①わが国及び諸外国の妊産婦に対するr食事摂

取基準」の現状とその背景

&) 「目本人の食事摂取基準(2005年版)」におけ

る妊産婦及び授乳婦に対する付加量の設定及び

その策定根拠(論文)に関して、平成16年に厚

生労働省から発表された資料を基に、エネルギ

ー及び栄養素に関して横断的な整理を行った。

b)MEDL∫NEにインデックスされている論文及

びインターネット上で公開されている資料を出

来るだけ網羅的に収集し、諸外国における食事

摂取基準のうち、妊産婦・授乳婦に関する基準

値等を要約した。

②若い女性の「ボディーイメージ」及び摂食行

動と社会的背景について

 若い女性の「ボディーイメージ」と摂食行動

に関して、そのゆがみの社会的な背景因子と考

えられるメディアの影響を積極的に論じたケー

スとして、英国医学協会における報告書が代表

一6一

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的なもとして挙げられる。関連の研究成果や国

レベルでの取組を詳しく検討するための第一段

階として、‘‘Eatingd童sorders,bodyimage&the

media”(2000)を翻訳・要約し、参考資料として

示した。

③妊娠期における医療機関での「栄養ケア」

に関する実態調査

 妊娠期における医療機関等での「栄養ケア」

の実態を把握するとともに、期待される二一ズ

を探り、今後どのようにあるべきか、その具体

的な方途をさぐるために、以下の要領で全国調

査を行う準備を進めた。全国の産婦人科を設置

する医療施設として、日本産婦人科医会(約13

千名)の10%に当たる施設を抽出し、その施設

に属する産婦人科医師を対象とする。妊産婦お

よび褥婦への栄養ケア(栄養アセスメント、栄

養指導・教育等〉の把握・実施状況及び産婦に

おける体重管理に関する自記式質問票を、対象

医療施設に郵送し調査を行う。

C.研究結果

①わが国及び諸外国の妊産婦に対する「食事摂

取基準」の現状とその背景

3) 「目本人の食事摂取基準(2005年版)」におけ

る妊娠・授乳期における付加量及びその策定根

拠に関する資料を「参考資料1」に示す。

b〉以下の14力国(※)にっいて、妊娠・授乳期に

おける食事摂取基準(栄養所要量〉に関する資料

を収集し、要約した。一部、米国/カナダおよびE

Uについて「参考資料2」に示す。

※1)米国/カナダ、2)米国(1989年〉、3)カナダ

(1988年)、4)EU、5)英国(1991年〉、6)ドイツ

(1991年)、7)オーストラリア(1991年)、8)

WHO/FAO/UNICEF(1988年)、9)インドネシア

(1994年〉、10)フィリピン(1989年)、11)シンガポー

ル(1988年〉、12〉タイ(1989年)、13)べトナム(1996

年)、14〉韓国(1989年〉。

②若い女性の「ボディーイメージ」及び摂食行

動と社会的背景について

 “Eatingdisorders,bodyimage&亡hemedia”の日

本語訳を「参考資料3」とした。

③妊娠期における医療機関での「栄養ケア」

に関する実態調査

 調査票の案を「参考資料4」として示した。

D.考察及び結論

 初年度の研究では、栄養学的な基礎としては

「食事摂取基準」を、社会的な側面からは「ボ

ディーイメージ」の問題を、さらに医療的な側

面からは「妊娠期における栄養ケアや体重管

理」の問題をとりあげ検討した。これらのこと

は、 「妊産婦のための食生活指針」を策定する

に当たり、基礎的な資料となるものと期待され

る。

E 健康危機情報

該当なし

F.研究発表

1論文発表1〉

2)

Takimoto H,Yoshi i ke N,Kaaeda F,Yos難i ta

K: Tkinness among young Japanese women.

Am J Publ ic Health.2004194(9〉:1592-1595

金田芙美,菅野幸子,佐野文美,西田美佐,

吉池信男,山本茂:我が国のこどもにおける 「やせ」の現状:系統的レビュー.栄養学雑誌.2004162(6);347-360

2.学会発表

1) Takimoto H, Mito N, Kusama K, Umegaki K,

 Abe S, Fukuoka H, Tamura T, Yos姓i ike N:

 First tri聰臣ester folate autriture iH

 healthy pregnant Japanese women.

 Experimental Biology, ワシントンDC,

 2004

G 知的所有権の出願・登録状況 なし

一7一

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参考資料1

妊婦・授乳婦における食事摂取基準(2005年版)とその策定背景

 日本人の食事摂取基準(2005年版)が策定された。

科学的根拠に基づく、より論理的な構成となってい

るが、妊婦、授乳婦の食事摂取基準値策定に当たっ

ては、研究データが乏しく算定不可能な栄養素や、

非妊婦・非授乳婦の基準値の外挿値を用いている栄

養素が多く存在する。妊婦・授乳婦に対して的確な

栄養指導を行うためには、指導・相談を担当する者

は妊婦授乳婦の食事摂取基準の策定背景を正しく理

解し、応用していくことが大切である。

 そこで本報告では、策定背景に焦点を当て、各栄

養素摂取基準がどのような根拠で策定されているの

かを妊婦・授乳婦別に述べる(表1、表2)。また、

栄養指導の現場での活用と、さらなる理解を目的と

し、年齢階級別(18・49歳)に摂取基準の表を作成した

(表3、表4、表5)。

妊・乳の 蔓取墓多利用にあたって

妊婦

妊娠期間は280日を代表値としている。妊娠期間

によって細分化する必要がある場合は、妊娠初期(16

週未満)、妊娠中期(玉6-28週)、妊娠末期(28週以

降)に3分割する。

授乳婦

授乳婦の付加量を、授乳によって失った母乳中の

栄養素含量をもとに策定している栄養素が多い(表

2)。そこで、1日の泌乳量は0.5ヶ月乳児の哺乳量

と同じ値(0.7剖日)に統一された。母乳中の栄養素

含量は、各栄養素の母乳中の濃度と泌乳量の積であ

る。

妊婦・授乳婦の摂取上限量(UL)は、科学的根拠に

乏しいため、どの栄養素においても定められていな

い。多量摂取により健康障害が起こらないことを意

味するものではないことを注意されたい。

エネルギー

妊婦

 エネルギー摂取基準には、妊娠期別に推定エネル

ギー必要量を算定するというFAOの考え方が取り

入れられている。推定エネルギー必要量は、妊娠期

別の総エネルギー消費量とエネルギー蓄積量の和で

ある。総エネルギー消費量は、妊娠期別の身体活動

レベル、基礎代謝量より算出される(表3)。エネル

ギー蓄積量は、妊娠期別の体たんぱく質と体脂肪の

蓄積量をそれぞれエネルギーに換算した値の和であ

る。

授乳婦

 推定エネルギー必要量は、総エネルギー消費量+

泌乳量相当分一体重減少分、と表される。総エネル

ギー消費量は妊婦・授乳婦でない同年齢階級の女性

と等しい。泌乳相当分は、授乳した母乳のエネルギ

ー量である。体重減少分は、産褥期の体重減少量を

一8一

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 参考資料1

エネルギー量に換算した1日あたりのエネルギー減

少量である。

妊婦

 妊娠中の胎児や妊婦へのたんぱく質蓄積量に蓄積

効率を加味し、付加量とされた。蓄積されるたんぱ

く質は妊娠が進むにっれ増加するため、各妊娠期の

平均値をとり、妊娠全期を通し一律の付加量とされ

た。EARからRDAを算出する際に個人間変動が考

慮されている。

授乳婦

 授乳による損失分として、母乳中のたんぱく質濃

度と泌乳量の積を付加量とされた。分娩後に残る一

部の蓄積たんぱく質と、産褥期の体重減少によって

失われるたんぱく質は相殺されると考える。

塑妊婦

 脂肪エネルギー比率、飽和脂肪酸エネルギー比率

(18歳以上)は妊婦でない女性と同値である。nも

系脂肪酸策定背景にっいての詳細な記載はない。n-3

系脂肪酸(アラキドン酸やDRA)は、神経組織を構成

するため、特に妊娠中に摂取量を付加する必要があ

る。魚由来のn-3系脂肪酸が早産や低体重児出産の

リスクを下げるという疫学調査結果をふまえ、摂取

基準値は早産や低体重児がほとんど認められないと

推測される値として、平成B年度国民栄養調査の妊

婦n弓系脂肪酸摂取量の中央値が設定された。コレ

ステロールの策定についての詳細な記載はない。

授乳婦

 脂肪エネルギー比率、飽和脂肪酸エネルギー比率

(18歳以上)は授乳婦でない女性と同値である。n-6、

n-3脂肪酸の基準値は、欠乏症状が認められない値

として、平成13年国民栄養調査の授乳婦における

n-6、n-3脂肪酸摂取量の中央値が設定された。コレ

ステ質一ルの策定についての詳細な記載はない。

妊婦・授乳婦

 値は設定されていないが、推定エネルギー必要量、

たんぱく質推奨量、脂肪エネルギー比率目標量から

算出すると、どの妊娠期、身体活動レベルでも約

60.70%に収まるようである(表6)。

 妊婦・授乳婦の摂取基準は設定されていない。

妊婦

 各ビタミンの代謝特性を考慮して策定された。ビ

タミンB玉、B2、ナイアシンはエネルギー摂取量の増

加に応じて必要量が増加する。基準値は成人のエネ

ルギー当たりの必要量(○Omg/1000kcal)を基に、妊婦

のエネルギー必要量を加味して妊娠期ごとに設定さ

れている。ビタミンB6は、たんぱく質摂取量の増加

に応じて必要量が増加する栄養素である。特に、妊

娠期は体内のビタミンB6貯蔵量を反映する血漿ピ

リドキシン濃度が低下するので、これを適正な濃度

に維持するために必要な摂取量が設定された。

 葉酸は、妊娠中の尿中排泄量が増大するので、体

内の葉酸レベルを適正量に維持するための必要量と

して、妊婦を対象とした研究データを基に設定され

た。神経管閉鎖障害のリスク低減のために、妊婦ば

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 参考資料1

かりでなく、妊娠の可能性のある女性に400国日の

葉酸の摂取を勧めている。ビタミンB12は胎児に蓄積

する量が付加量とされた。

 ビオチンとパントテン酸にっいては、妊娠中に必

要量が増すことが知られているが、増加量を研究報

告がないので目安量として設定された。ビオチンの

付加量は乳児(0-5ヶ月)の目安量をもとにエネルギ

ー比を用い暫定的に算出された。パントテン酸は妊

婦の食事調査報告をもとに算出した。ピタミンCは、

胎児の壊血病を予防できる量が付加量とされた。

授乳婦

 基本的に、授乳によって失われるビタミン量を母

乳中の各ビタミン濃度と泌乳量から計算し、摂取基

準値(EAR)とされた。これは、乳児(0-5ヶ月)の目安

量と等しい。

補足

 今回の策定では、ビタミンB6、B12、葉酸の基準値

に生体利用率が考慮されている。ビタミンの生体利

用率は、食事から摂取した場合と、サプリメントか

ら摂取した場合で異なるが、EARとしては食事から

摂取した場合の値が適当とされた。ビタミンBl、B2、

C、ナイアシンの生体利用率は明らかでないため考

慮がされていない。ビオチン、パントテン酸は、目

安量として設定されたので生体利用率の考慮はされ

ていない。EARからRDAを算出する際の個人間変動

係数にはi.2が用いられた。

妊婦

 ビタミンAは、胎児への蓄積量が付加量とされた。

EARからRDAを算出する際の個人間変動係数には

1.2が用いられた。ビタミンEは、妊娠中に欠乏す

るという報告はないので、妊娠していない女性と同

値、すなわち平成13年度国民栄養調査の年齢階級別

の摂取量の中央値でとされた。ビタミンDは、血中

の濃度を適正に維持できる摂取量として、妊婦を対

象とした研究データをもとに設定された。ビタミン

Kは妊娠により必要量は増えないため、付加量は0

である。

授乳婦

 ビタミンA、E、Dは授乳による損失分として、

母乳中の各ビタミン濃度と泌乳量の積が付加量とさ

れた。ビタミンAの個人間変動係数は蓋2である。

授乳による授乳婦のビタミンKの不足は起こらない

ので付加量は0である。

妊婦

 マグネシウムは、妊婦への蓄積量が付加量とされ

た。カルシウム、リンは、妊娠中その必要性が増す

が、同時に吸収も増すため付加の必要はない。鉄は、

妊娠が進むにつれ必要量が増すので、各妊娠期問の

必要量の平均値を基準値に設定がなされた。必要と

なるのは、基本的損失に加え、胎児・膀帯・胎盤へ

の鉄蓄積量、赤血球の膨張による鉄需要の増加分で

ある。銅、セレンは、出生直前の胎児の保有量をも

とに付加量が設定された。銅については妊婦の吸収

率を加味している。亜鉛は、妊娠により必要性が増

すため、これまでの報告をもとに新生児への健康影

響がでない量が付加量とされた。

授乳婦

 マグネシウム、リン、マンガンは、授乳による不

足は起こらないことから付加の必要はない。カルシ

ウムは、授乳中の骨中濃度減少をカルシウム摂取に

一10一

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 参考資料1

よって阻止することはできないが、減少した骨カル

シウムは、授乳終了後に回復するため付加の必要は

ない。鉄、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素は授乳による

損失分として、母乳中濃度と泌乳量の積が付加量と

された。鉄、銅、亜鉛については、吸収率を考慮し

ている。

補足

 クロム、モリブデンにっいては妊婦・授乳婦に関

する報告が乏しく、未策定である。

電解質

妊婦

 ナトリウム、カリウムは妊娠によりその必要量が

増すが、通常の食事で十分補えるため、付加の必要

がない。

授乳婦

 授乳によるナトリウムの損失分は通常の食事で十

分補えるが、カリウムにっいては付加する必要があ

るとされ、授乳による損失分が付加された。

一11一

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参考資料1

参考文献

哺乳量・泌乳量田

エネルギー12q

たんぱく質17-121

脂質113-151

炭水化物

食物繊維

アルコール

ビタミンBll161

ビタミンB21161

ナイアシン【16,171

ビタミンB6【16】

葉酸116,18-201

ビタミンB12121,221

ビオチン116,23-251

パントテン酸[25-281

ビタミンAl31-331

ビタミンEl33-361

ビタミンD[30,37401

ビタミンKl41-45】

マグネシウム146.5η

カルシウム147,51.5司

リン[51,57,581

クロム159-661

モリブデン

マンガン【61,67,681

鉄169-731

銅隅,7牛761

亜鉛1闘,77-90】

セレン19レ991

ヨウ素1100-1021

ナトリウム151,103-108】

カリウム1103,105,106】

一12一

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衷2妊婦、授乳婦の食事摂取基準(付加量》

乳婦

推定平均必要量(EAR)

推奨量(RDA)

目安鐙(Al)

(DG)

(DG)

上限量(UL)

推定平均必要量(εAR)

推奨量(RDA)

目安鍛(Al)

(DG)

下限

(DG)

上限

上限量(UL)

たんぱく質(9) 8 10 15 20

脂質(%エネルギー) 20以上 30未満 20以上 30未満

飽和脂肪酸(%エネルギー〉 4,5以上 7。0未満 4.5以上 7.0未満

n-6系脂肪酸(%エネルギー) (99) 組未満 (109) 10未満

n-3系脂肪酸(9〉 2.1 2.4

コレステロール(mg) 600来満 600未満

炭水化物(%エネルギー〉

食物繊維(g)

ビタミンB1(mg)  初期 0 0 0.↑ 0.1

中期 0.1 0.1

末期 0.2 0.3

ビタミンB2(mg)  初期 0 0 0.3 0.4

中期 0.1 0.2

末期 0.3 0.3

ナイアシン(mgNE) 初期 0 0 2 2中期 1 1末期 2 3

ビタミンB6(mg) 0.7 0.8 0.3 0.3

葉酸(μ9) 170 200 80 肇00

ビタミンB12(四) 0.3 0.4 0.3 0.4

ビオチン(四〉 2 4パントテン酸(mg) 1 4ビタミンC(mg) 10 10 40 50

ビタミンA(μgRE) 50 70 300 420

ビタミンE(mg) 0 3ビタミンD(μ9) 2.5 2.5

ビタミンK(P9) 0 0マグネシウム(mg) 30 40 0 0カルシウム(mg) 0 0リン(mg) 0 0クロム(μ9)

モリブデン(μ9〉

マンガン(mg〉 0 0鉄(mg) ”.0 13.0 2.0 2.5

銅(mg) 0.葉 0.肇 0.5 0.6

亜鉛mg) 3 3セレン(μ9) 4 4 16 20

ヨウ素(μ9) 75 110 130 で90

ナトりウム(mg)

カリウムmg) 0 370

表3妊婦・授乳婦の推定エネルギー必要量(kcal/日〉

体活動レベル

1 ∬ 皿

18遭9歳 妊婦(初期) 1800 2100 2400妊婦(中期〉 2000 2300 2600妊婦(末期) 2250 2550 2850

授乳婦 2500 2750 3050

30鴫9歳 妊婦(初期) 1750 2050 2350妊婦(中期) 1950 2250 2550妊婦(末期) 2200 2500 2800

授乳婦 2150 2450 2750

一21一

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参考資料璽

籔4妊鰯、授乳鰯の食覇擾取墓準(懇8-29歳)

妊鰯 授毅婦

推定平均必要量(鐵A陀)

推奨盤(只D《)

目安盤(Al)

(DG) (DG)上眼羅(UL)

推定平均必璽麗(EA只)

推奨量(RDA)

観安麗(Al)

(DG) (DG)上限盤(UL)

たんぱく質(9) 48 i・編0、、巨 55 70

脂質(%エネルギー) 20以上 30未満 20以上 30未満

飽和脂肪酸(%エネルギー) 4.5以上 7.0未満 4.5以上 7,0未満

n-6系脂肪酸(%エネルギー) (99) 10未満 (109) ~0未満

n-3系脂肪酸(g) 2.↑ 2.4

蕊レステP一ル(mg) 600未満 600未満

炭水化物(%エネルギー) (50以上) (70来満) (50以上) (70未満)

食物繊維(g) (21) (17) (21) (17)

ビタミンB1(mg)   初期 0.9 雫.1 壌 1.2

中期 1 1.4

末期 1.1 1.2

ビタミンB2(mg)   初期 1 1.2 1.3 1.6

中期 1.1 1.4

末期 1.3 1.5

ナイアシン(mgNE) 初期 10 12 (300) 12 14 (300)

(300)

(300)

中期 ↑1 13 (300)

末期 12 15 (300)

ビタミンB6(mg) 1.7 2 1.3 マ.5

葉酸(“9) 370 440 280 340ビタミンB燦2(μ9) 2.3 2.8 2.3 2.8

ビオチン(四) 47 49

パントテン酸(mg) 6 9ビタミンc(納9) 95 胴0 125 150

ビタミンA(四RE) 450 670 (3000) 700 1020 (3000)

ビタミンE(mg) 3、

(600) 11 (600)

ビタミンD(μ9) 7.5 (50) 7.5 (50)

ビタミンK(ド9) 75 60

マグネシウム(mg) 260 3『0 230…「 270

カルシウム(mg) 700 (600) (2300) 、7001 (600) (2300)

リン(mg) 、・1・900譲 (3500) (3500)

クロム(μ9) (25) (30) (25) (30)

モリブデン(μ9) (哩5) (20) (240) (15) (20) (240)

マンガン(mg) 3.5、』 (11) 3.5 (11)

鉄(mg) 16.5 19.5 (40) 7.5 9.0 (40)

銅(mg) 0.6 0.8 (10) 1.0 1.3 (~0)

亜鉛mg) (6) 10.0 (30) (6) 10.0 (30)

セレン(μ9) 24.0 29.0 (350) 36.0 45.0 (350)

ヨウ素(μ9) 170 260 (3000) 225 340 (3000)

ナトリウム(mg) (600) (8未満)貞 (600) (8来満)★

カリウムmg 窪6001・ 1970

()の 子1固    の  、ス してい3い の ’置(日  の .又 ’で・ ロ鼠の記  ~ まい  )

虞食塩相当量

網掛けは、策定された付加量が0であることを意味する

一22一

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参考資料1

表5妊嬬、授乳婦の食寧樫i取墓準(30-49歳)

妊鰯 授乳婦

推定平均必要餓(EAR)

推奨燈(RDA)

目安量(AI)

(DG) (DG)上限澱(UL)

推定平均必要鍛(EAR)

推奨鍛(RDA)

目安鑑(AI)

(DG) (DG)上限鐙(UL)

たんぱく質(9) 48 60 55 70

脂質(%エネルギー) 20以上 30未満 20以上 30朱満

飽和脂肪酸(%エネルギー) 4.5以上 7.0未満 4.5以上 7.0未満

n-6系脂肪酸(%エネルギー) (99) 10朱満 (109) 10未満

n-3系脂肪酸(9) 2.1 2.4

コレステロール(mg) 600来満 600未満

炭水化物(%エネルギー) (50以上) (70来満) (50以上) (70朱満)

食物繊維(g) (20) (17) (20) (17)

ビタミンB1(mg)   初期 0.9 歪.饗 肇 肇。2

中期 1 1.4

末期 1.1 1.2

ビタミンB2(mg)   初期 1 1.2 葉.3 1.6

中期 1.1 1.4

末期 1.3 1.5

ナイアシン(mgNE) 初期 10 12 (300) 12 閲4 (300)

(300)

(300)

中期 11 13 (300)

宋期 12 15 (300)

ビタミンB6(mg〉 潅,7 2 1.3 1.5

葉酸(μ9) 370 440 280 340

ビタミンB12(四) 2.3 2.8 2.3 2.8

ビオチン(四) 47 49

パントテン酸(mg) 6 9ビタミンc(mg) 95 ”0 125 150

ビタミンA(四RE) 500 670 (3000) 750 1020 (3000)

ビタミンE(mg) 8 (700) 11 (700)

ビタミンD(μ9) 7.5 (50) 7.5 (50)

ビタミンK(μ9) 75 、6錐・

マグネシウム(mg) 270 320 2瑚σ・ 280

カルシウム(mg) 600 (600) (2300) 60G、. (600) (2300〉

リン(mg) 900 (3500) 、90G P (3500)

クロム(μ9) (25) (30) (25) (30)

モリブデン(四) (15) (20) (240) (15) (20) (240)

マンガン(mg) 3.5 (11) 3,5』』 (↑1)

鉄(mg) 肇6,、5 壌9.5 (40) 7.5 9.0 (40)

銅(mg) 0.7 0.8 (10) 1.1 肇.3 (rO)

距鉛mg) (6) 嘆0。0 (30) (6) 10.0 (30〉

セレン(μ9) 24.0 29.0 (350) 36.0 45.0 (350)

ヨウ素(一9) 170 260 (3000) 225 340 (3000)

ナトリウム(mg) (600) (8未満)☆ (600) (8未満〉肉

カリウムmg) 彊600 1970

()の 子『固    の  楠、ヌ してい3い の ’犀(日  の  ン又 ・で・ 口置の記 が まい  〉

★食塩相当量

網掛けは、策定された付加量が0であることを意味する

一23一

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参考資料1

表6妊婦、授乳婦の食事摂取墓準(炭水化物のヱネルギー比率)

ン レベル

1 n 皿

エネルギー 炭水化物(%エネルギー) エネルギー

 炭水化物(%エネルギー)

エネルギー 炭水化物(%エネルギー)

18-29歳 妊婦(初期) 1800 57 -67 2100 59 -69 2400 60 -70妊婦(中期) 2000 58 -68 2300 60 -70 2600 61 -71妊婦(末期) 2250 59 -69 2550 61 -71 2850 62 -72授乳婦 2500 59 -69 2750 60 -70 3050 61 -71

30鴫9歳 妊婦(初期) 1750 56 -66 2050 58 -68 2350 60 -70妊婦(中期) 1950 58 -68 2250 59 -69 2550 61 -71妊婦(末期〉 2200 59 -69 2500 60 -70 2800 61 -71授乳婦 2150 57 -67 2450 59 -69 2750 60 -70

一24一

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参考資料2

米国/カナダの食事摂取基準

栄養素等

   単位)年齢

基準身畏宰 基準体重*

エネルギーたんぱく質

 零*総脂質

飽和脂肪

 酸

身体活動レベル必要量 目標量 屋標量

i      謎      雇H      w

cm kg kcal             9 泣.ネルギー %エネルギー

女性 9-13歳

14司8歳

19-30歳

31-50歳

51-70歳

70歳以上

144.0

157.2

157.7

156.8

152.0

146.7

35.7

50つ

50052.7

53.2

49.7

135.5-30.8x年齢ly]+身体活動##x(10。O x

    重k +934x   m)+25

27.等

35.5

33ρ

34.8

35.1

32.8

25-30

25-30

25-30

25-30

25-30

25-30

10

10

10

10

10

10

354.1-6.91x年齢[y]÷身体活動##x(9.36x

   体重[kg]小726x身長[m])

妊婦# 18歳以下

19-30歳

31略0歳

第1期→

第2期→

第3期榊

+〇

+340率452

+0

+340+452

率0

率340+452

牽0

+340牽452

+21

+21

+21

授乳婦# 18歳以下

19-30歳

31-50歳

前半6ヶ月

後半6ヶ月

+500-170(授乳量一体重減少量)

+400-0(授乳量一体重減少量)

率21.2

牽2書。2

+21.2

*β本人食事摂取基準より抜粋。9-13歳の基準体位は、文献の10一口歳を用いた・ 聯基準体婁より算出

栄養素等

   (単位)

年齢

リノール酸 (n-6)

α一リノレン

酸(r3)炭水化物 食物繊維 ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 葉酸

目安量 目安量 必要量 目安量 必要量 必要量 必要愚 必要量 必要量

9 9 9 9 mg mg mgNE mg μ9

女性 9一肇3歳

重4引8歳

肇9-30歳

31-50歳

51-70歳

70歳以上

10

11

12

12

11

11

11.11.11.1遡.11.1

100

100

100

100

100100

2626252521

21

0.7

0.9

0.9

0.9

0.9

0.9

0.8

0.9

0.9

0.9

0.9

0.9

911111韮””

0.8

1.1

1.1

1.3

13

250330320320320320

妊婦 匪8歳以下1肝30歳

31-50歳

13

13

13

14屡4

14

135

135葉35

28

2828

1.2

1.2

1.2

1.2

1.2

1.2

14

14

14

1.6

書.6

薯.6

520520520

授乳婦 18歳以下19-30歳

3ト50歳

13

13

13

131.3

13

160160160

292929

1.2

1.2

1.2

1.3

13

13

13

13

1.7

1.7

1.7

450450450

栄養素等

    (単位)

 年齢

ビタミンB12 ビオチンパントテン

 酸ビタミンC ビタミンA ビタミンE ビタミンD ビタミンK

マグネシウ

  ム

必要量 目安鍛 目安量 必要量 必要量 必要量 目安量 轡安量 必要量

μ9 μ9 mg mg μ9 mg μ9 μ9 mg女性 9引3歳

鱗一重8歳

董9-30歳

3ト50歳

5ト70歳

70歳以上

1.5

2020202020

2025

30303030

455555

395660606060

420485500500500500

91212121212

55551015

6075

9090

9090

200300255265265265

妊婦 綿歳以下19給0歳

31而O歳

2.2

2.2

2.2

303030 6

66

667070

530550550

12屡2

12 555

75

9090

335290300

授乳婦 等8歳以下19-30歳

31-50歳

242424

353535

777

96筆00

雀00

880900900

肇6

馨6

16 555

75

9090

300255265

*β本人食事摂取基準より抜粋。9-13歳の基準体位は、文献の10一口歳を用いた・ *準基準体婁より算出

一25一

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~**~ ~~*'=<~ 2

(~~~I/~t~ ~(5~)

# ~~:~~~f~O)1;hJL;~-~:O)~;~~ft. ~Sc~1:~~ 1~1. ~~2~]. ~l~3~]. S~~t~~: ~fy~L6/rJ~~ . ~~~L6~r~ ~tdL-1)1CLl~).

## ~~~:5~~)O)~~~~t~~;(fif~~~f~~ 9-i8~l:tSL1C. I =Sedentary(PAL~~1.0< 1.4), 1.00 . I =LOW Active(PAL~; 1.4<t.6), 1~1 6. m =Active(PAL~~1.6<

1 .9) J_31 . IV=very Active(PAL;~ I .9<2~5), I .561~d~~~ i 9~i~・) J:1:tSL1CI~t I =Sedentary(PAL~; I .0< 1.4), ~.00 . u =LOW Active(PAL~; i .4< t ,,6), l.1 2. nl = Active (PAL ;~ 1 .6 < t ~9 ) , i .27 .

d::~~:

Institute of MediciMe. Dietary Refe~ence Intakes for Water, Potassium, Sodium, Chloride, and Sulfate~ National Academy Press, Wachington D, C. US, 2004

Ins~tute of Medicine. Dietary Reference Intakes for Ertergy, Carbohydrate, Aber, Fat, Fatty Acids. Cholesterol. Protein, and pmino Acids National Academy Press. Wachington D C US, 2002

!nstuts efMed~ine. Dietary Reference !nt~kes fo~ V~nh A. Vtal~h K, Arseric, Boron, Chrorniurn, Copper, Iodine, lron, Manganese, Molybdenum, N~~eL Silicon, VanadiLm, and Zinc. Nafonal Academy P~8ss, Wachington D c Us, 2000

institute ofMedicine Dietary Reference Intakes for Vit8min C, Vitamin E, Selenium, and Carotenoids National Academy Press. Wachington D C US,2000.

Institute of Medidne. Dietary Referenoe Iniakes forTh~min, Riboflavh, Niacin, Vitamin B6, Folate. Vlamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, a~d Choline National Academy Press, Wachhgton D C US,1gg8

Ins~tute of Medicine Dietary Reference Intakes for Calcium, Phosphorus, Magnesium, Vitami~ D, and Fluoride. Na~onal Acadenly Press, Wachington D C US,i997

~i~~E~~{~b~~ r El ;~AO)~~~~~~~~~:~~ (2005~p~~~) J

~ 26 -

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参考資料2

EUの食事摂取基準

栄養素等

    (単位)

 年齢

エネルギー  *1

たんぱく質 総脂質 飽和脂肪酸n-6系脂肪

 酸n-3系脂肪

 酸コレステ

ロール

kcal g/体重1kg当り/日 %エネルギー %エネルギー %エネルギー %エネルギー mg

女性 1H4歳15-17歳

侶歳以上

1,826-2,屡39

2,089-2,144

   ‡21620-2,988

0.95

0.85

0.75

一一一

一}一

222

0.5

0.5

0.5

一一一

妊婦     *3÷406~+120 0.75(+109/d)一 } 2 0.5 一

授乳婦     *4+359~+459 0.75(+169/d)一 幽 2 0.5 一

癖身体活動レベルは中等度、*2BMll I85-199爾櫛20BM!1200-259瞬2、4628Ml:>259爾2988

*3 BMl:18。5一19,9繭+406 BMl:200-259一→+179 BMl:>25≦)一→÷120、率4 0-1ヶ月・→+359 1-2ヶ月・→÷4302-3ヶ月瀦÷459 3-6ヶ月一ゆ+409

栄養素等

    (単位)

 年齢

炭水化物 食物繊維 ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 葉酸

%エネルギー 9 μ9/MJ μ9/d mg/MJμ9/9

proteinμ9/d

女性 1H4歳15-17歳

18歳以上

■■w

}鋪

一}一

100100100

1.2

1.3

1.3

1.6

1.6

1.6

15

15

15

180200 †

妊婦 一 } 100 1.6 1.6 15 400

授乳婦 〕 『 100 1.7 1,6(+2mg/d) 15 350†受胎前後に十分量の葉酸(1β400μg)を摂ることで神経管閉鎖陣審のリスクが軽減できることということが多くの研究から明らかになってきている,

栄養素等

    (単位)

 年齢

ビタミンB12 ビオチンパントテン

 酸ビタミンC ビタミンA ビタミン旺 ビタミンD

μ9/d μ9 mg mg/d μ9/d mg μ9

女性 1伺4歳15-1フ歳

18歳以上

1.3

1.4

1.4

噺一}

一一一

35

4045

600600600

}}}

一一一

妊婦 1.6 一 一55 ’ 700 一 一

授乳婦 1.9 一 一 70 950 一 }

栄養素等

    (単位)

 年齢

ビタミンKマグネシウ

  ムカルシウム リン クPム モリブデン マンガン

μ9 mg mg/d mg/d μ9 μ9 mg

女性 1H4歳15刊7歳

18歳以上

一一}

}一一

800800700

625625550

}一}

一一一

}一騨

妊婦 一 一 700 550 一 一 {

授乳婦 一 } 1200 950 一 一 一

栄養棄等

    (単位)

 年齢

鉄 銅 亜鉛 セレン ヨウ素 ナトリウム カリウム

mg/d mg/d mg/d μ9/d μ9 mg/d mg

女性 11一14歳

15-17歳

侶歳以上

22糊,18#2

21#1,17#2

 胡   #2 #3

20 16 8

0.8

1.O

l.1977

35

45

55

120

130

130

3100

31003100

一一隔

妊婦 #4 1.1 7 55 130 3100 僧謄

授乳婦 10 1.4 12 70 160 3100 一

         #1簗団の95%をカバーする、#2纂団の90%をカバーする

         紹閉経後、桝サプリメント擾取の必要がある

出典:

Repor始oftheScien匪cComm詮tee沁rFood M滋ientandenergyinねkeslbrheEし…ropeanCommun醇,opinionexpressedon↑992〔pub!ished1993)h績pノノbwopa、eujn蜘ommκood!奮ノsc/s〔湿ou鳩9pdf

一27一

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参考資料3

摂食障害、ボディーイメージおよびメディア

Eating Disorders,Body Image & The Media

       *          *         *

British Medical Association Board of Science andn Educayion

          May2000

序論

 英国医師会(The B蒲曲Medica霊Associ翻on,

BMA)は、英国の医師を代表する専門職組織であ

る。英国医師会は、「医学および関連分野の振興、

および医師の名誉および利益を維持する」ために

1832年に設立された。英国医師会の常設委員会で

ある科学教育委員会(The Bo3rd of Sdence and

Educa重ion)は、医師、政府および公衆の間の橋渡

し役として働くことにより、またBMAを代表し

て研究を受託することにより、上記の目的を支援

している。方針声明の発表を通じて科学教育委員

会は、公衆衛生および職業上の主要な問題に関す

る議論を牽引してきた。同委員会は公衆衛生に対

する現在の関心を反映して、近年多数の報告書を

発表している。例えば、『(}rowing up三n Bri面n:

ensur亘ηgahea紬yf薦ure£oro蟹c櫨dren』(英国で育

っということ:子供たちの健全な未来を確保す

る〉(i999)、『Thdmpact ofGeηe建ic Mod薫c3t宜on o盤

Agricul臆e,Food鋤d猛eal重h』(遺伝子組み換えが農

業、食物および健康に及ぼす影響)(1999)、

『Alcohd andYou盤gPeople』(アルコールと若者)

(1999)、『DomesticViolence二aLea1出c&re五ssue?』

(家庭内暴力1医療の問題か?)(1998)、『Ro認

Trδnsport農nd He欲k』(道路交通と健康〉(1997〉、

『Therape面cUsesofCamabis』(大麻の治療的使

用〉(1997)などがある。こうした報告書の多く

は、より広範な社会政策上のイニシアチブと医療

の良好な結果との重要な結びつきを示しており、

「健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的福

祉の状態であり、単に疾病又は病弱が存在しない

ことではない」(WHO l946)という見解を反映し

ている。したがってBMAは、診療および有効性

に関連した問題を検討するだけでなく、個人の健

康および福祉に及ぼす社会のより広範な影響を

研究する。

 英国医師会の1998年の年次代表者会議で、以

下の決議が承認され、科学教育委員会に付託され

た。「本会議は、一定の形態の広告が神経性食欲

不振症の発症率および有病率の増加の一因とな

っている可能性を危惧する。本会議は、メディア

におけるそうしたイメージの使用に対してさら

なる責任を求めるものである」。

 この決議は1999年4月に科学教育委員会によ

って検討され、委員らは、現代の西洋の先進文化

においてメディアが自信およびボディーイメー

ジに対する認知に及ぼす広範な影響、特に男性、

女性にかかわらず影響を受けやすい人々におけ

る摂食障害の発症に関連した影響を再検討する

ことを決定した。報告書を作成する際に同委員会

は、神経性食欲不振症(拒食症)および神経性過

食症(過食症〉という摂食障害に焦点を当て、肥

一28一

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参考資料3

満に関連した問題の分析は含めないことを決定

した。

 本報告書では、摂食および体形に対する若者の

態度を形成する上で、また摂食障害の発症リスク

が最も高い若者のセルフエスティームを高める

上で、メディアが果たしうる役割について検討す

る。本報告書では、摂食障害の因果関係において

メディアが重要な役割を果たしているかどうか、

「痩せている」ことは成功を意味すると示唆する

ことが、影響を受けやすい人々における摂食障害

の「引き金」となり得るかどうか、また、セルフ

エスティームの低いあるいは食物に対して不健

康な態度をもつ若者にこれらがどのような影響

を及ぼしているかを検討する。より明確にすると、

メディアは若者がセルフエスティームを高める

のに有意に貢献する。また、「痩せている=健康」、

および健康的な摂食や規則正しい運動ではなく

「ダイエット」こそが健康的な体重を実現するた

めの方法であるという誤った考えを排除するた

めに、メディアが健康増進において積極的な役割

を果たすことが可能であろう。

 本報告書では、摂食障害の発症の一因となりう

る社会文化的傾向に焦点を当て、公衆衛生問題と

して摂食障害を検討する上で拒食症と過食症と

は区別しない。これは、最も重度の過食症患者の

約40~50%には拒食症の既往がありロ、またセル

フエスティーム、ボディーイメージおよび摂食行

動に及ぼすメディアの影響に関する論議の多く

は、両方の病態に等しく当てはまり3、どちらも

深刻な健康上の結果をもたらすためである。説明

を容易にするため、拒食症と過食症の両方を指す

ために、しばしば「摂食障害」という用語を用い

る。

拒食症と過食症:臨床的記述

 米国精神医学会(The Americ&n Psychiaωc

Association,APA)の精神障害の診断・統計マニュ

アル(DSM-IV)4には、拒食症と過食症の定義が

記載されている(付録2参照)。この診断基準で

は、拒食症は、身長または年齢に対する標準体重

または期待される体重の85%以下になるような

意図的な体重減少を特徴とする(体重は通常、鱒

ぺ一ジで述べるBMIによって判定される〉。体重

減少は、太ると認知された食物を避けることによ

って自己誘発される。太っているという自己認知、

および女性における無月経(月経の欠如)や男性

における性交能の喪失をもたらしうるホルモン

異常が見られる5。拒食症は一般に、13~18歳の

青年期早期に始まる4。

 過食症は、少なくとも週2回、3か月間にわた

って過食の症状が繰り返されるむちゃ食いと、体

重増加を防ぐための不適切な代償行動(例=自己

誘発性嘔吐、下剤、利尿剤、またはその他の薬剤

の誤った使用、絶食、あるいは過剰な運動)との

存在によって診断される。過食症は、拒食症より

遅い年齢で発症する傾向がある4。過食症と拒食

症はどちらも、重篤な合併症をもたらす場合があ

る。拒食症は高齢者にも発症しうることに注意す

べきである6。拒食症は、閉経後の女性では診断

で見落とされる可能性があり7、原因不明の体重

減少を呈する高齢患者の診断の際には拒食症を

考慮すべきであることが示唆されている6。しか

し、拒食症が40歳以上の女性で生じることは少

ない。本報告書では、摂食障害者の大半を占め、

また特定の形態のメディア(例:ファッション、

一29一

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参考資料3

広告)の危険因子にさらされる可能性が最も高い

若い女性に焦点を当てる。

 摂食障害は、現代の先進社会における若者の死

亡率および罹患率の有意な原因の1つである。拒

食症および過食症の人々が罹る合併症としては、

以下の疾患および障害が挙げられる。8

㊨循環器系(例:不整脈、低血圧症、心不全)

㊨骨格系(例:骨粗籟症、病的骨折)

⑱消化器系(例:エナメル質の腐食、消化性潰瘍、

 胃内容排出の遅滞〉

㈱腎臓系(血中尿素濃度の上昇、電解質異常)

麟血液系(例:白血球数の減少、白血球減少症〉

⑱代謝系(例:代謝率および糖代謝の変化、体温

調節障害)

鱒皮膚障害(例:乾燥した鱗状皮膚、変色、身体

表面のうぶ毛の密生)

⑭内分泌系(例:無月経、性交不能)

 循環器系の合併症が最も多く、また死に至る可

能性が高い8。うっ血性心不全が終末の事象とし

て生じる場合があるが、栄養補給再開時の合併症

として生じる場合もある。骨粗霧症(骨量が減少

し骨折しやすくなった状態)は、重度の体重減少

の早期的かつ不可逆的な結果である。長期にわた

る死亡率に関する調査では、拒食症について報告

された最大の死因は自殺である9。摂食障害の結

果が人の健康およびQOL(生活の質)に及ぼす影

響を図1および図2に示す10。拒食症の結果は特

に深刻であり、拒食症および過食症の人々はすべ

て、日常の機能に深刻な影響を及ぼすような心理

的および生理的障害をもっている。

一30一

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参考資料3

   園唾醐訓dsley闘◎鯵融1における摂食障害患者の健康障害の評緬

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 摂食障害の既往をもつ女性は、妊娠中に心理的

な困難を経験する場合がある。下剤を使用してい

る過食症の女性は、胎児に障害を与える恐れがあ

り、妊娠中に食事を極端に制限すると合併症が生

じる恐れもある。デンマークで行われた12.5年問

の追跡調査では、子供をもっ拒食症患者50人の

うち未熟児の割合は予想される率の2倍であり、

周産期死亡率(妊娠28週目から生後1週目末ま

での死亡率)は、予想される率の6倍であった11。

未熟児の互人は視覚障害があり、三7%に生後1年

目の成長不良が見られた。1人の女児は自ら拒食

症を発症して15歳で死亡した。1人は体重過剰で

情緒的および社会的な問題を示し、1人の5歳児

は抜毛癖(強迫的に毛を引き抜くこと〉があった。

過食症の妊婦に関する研究の結果12、第3三半期

(妊娠最後の3か月〉までに75%がすべての過食

行動を止めていたが、産褥期(分娩後の6週

間)に症状が戻る傾向があった。胎児の異常(口

蓋裂および口唇裂を含む)、多胎妊娠および産科

的合併症の発症率が高かった。低体重の女性は、

冠動脈性心疾患、インスリン非依存型糖尿病、お

よび高血圧のリスクが高い子供を産むリスクも

あるB。さらに、摂食障害を持つ母親は母乳を維

持することが困難であり、出生児との食事時間の

観察において食物に関して肯定的なコメントを

発することが有意に少ないことがエビデンスに

よって示唆されている14。これは、自らの子供が

摂食障害を発症するリスクを高める恐れがある。

一31一

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参考資料3

図2關錨薦睡y㎞◎S騨舳1にお1ナる擾食障害患者の機能陣審の評価

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 拒食症は亘5~30歳の英国女性人口の1~2%に

発症している。その内6~10%はこの疾患が原因

で死亡しているδ。また、過食症は女性人口の丑

~5%で発症している。英国王立精神医学会(Roy認

Co鵬ge of Psyc短a並醜s)の推定では、英国には常

に6万人の摂食障害者がいる16。摂食障害者全体

の亙0%が男性である。2千人の患者を抱える平均

的な一般医は、拒食症の患者をi~2人、および

過食症の患者を18人抱えていると思われるが17、

それらの患者が発見されない場合も多い。摂食障

害患者460人を対象とした4~15年間の追跡調査

の結果、拒食症患者の死亡率は一般集団の600%

と高く、また過食症患者の死亡率は940%であっ

た18。ただし、疾患の直接の結果として死亡する

人は、過食症患者の方が少ないように思われる。

過食症の死亡リスクは、文献においてあまり明確

に定義されていない。拒食症の患者亙03人を対象

とし、蓋2年間追跡調査を行ったHerzogら19の研

究では、15%の死亡が確認された。死因は、自殺、

感染症、消化管合併症、重度のるいそうという4

つの領域内にあった。20年問の追跡調査では、拒

食症の粗死亡率は15~20%に上る可能性がある2。

拒食症の死亡率に関して発表された42の研究を

用いてメタ分析した結果、拒食症に関連した総年

間死亡率は、一般集団の15~24歳女性の全死因

による年問死亡率より12倍以上高く、一般集団

の自殺率より200倍以上高かった20。

        まとめ

 摂食障害は、若者、特に若い女性における死亡

率および罹患率の有意な原因の1つである。若者

が摂食障害から回復しても、摂食障害の結果とし

て長期の健康問題を抱える場合がある。

一32一

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参考資料3

 病因論一なぜ摂食障害に罹る人がいるのか?

 拒食症および過食症の根本的要因の解明はい

まだ困難である。生物学的、遺伝的要因から環境

的、行動的要因まで多数の説がある。拒食症の因

果関係に関する現代の考え方は、拒食症にかかり

やすくする素因、誘発因子、および持続因子を検

討する吏)のである2玉。しかし、こうした用語は様々

な文脈で用いられ、特に社会文化的要因について

は、因果影響を明示することは難しいものである

場合が多い。

 Di Nicolaは22’23、拒食症の因果関係に関する

様々な仮説を説明している。例えば、排他的な生

物学的要因(例:身体の神経系およびホルモン系

が相互作用する脳の領域である視床下部の原発

性機能不全)を求める生物医学的仮説1摂食障害

を主として感情障害とみなす気分障害仮説1生活

が大きく変化する時期(例:思春期〉における極

めて重要な引き金となる事象の役割を検討する

発達精神生物学的仮説1家族内の対立の役割およ

び家族単位の機能の仕方を検討する家族および

家族システム仮説1拒食症を女性に関する社会的

定義への抵抗または反応とみなすフェミニズム

的仮説1拒食症がなぜ文化結合症候群なのか、ま

た、文化が摂食障害を定義付けすることによって

どのように摂食障害の一因として作用している

かを検討する社会文化的仮説などがある。本報告

書で取り上げるのは、この後者の社会文化的要因

であり、メディアが現代の摂食障害をどのように

定義付けしているかに主眼を置いて検討してい

く。ただし、「状況説明」に有用であることから

他の要因吏)簡単に説明する。

生物学、遺伝学および環境

 摂食障害の物理的要因または誘発因子と考え

られるものとして、一部の症例では、視床下部外

側野の病変24、ウイルス感染25、およびライム病

などが特定されている26。しかし、少なくともよ

り多くのエビデンスが明らかになるまでは、これ

らによって摂食障害の全症例を説明することは

困難である。

 最近の研究では、拒食症の素因となりうると考

えられる遺伝的要素に焦点を当てている。これら

の研究は、家族研究および双生児研究に基づいて

いる。拒食症は、拒食症患者の一親等の女性親族

において、一般集団の場合と比べて約8倍多く認

められる。これは、セロトニン活性の増大によっ

て引き起こされる有害なストレス反応に対する、

先天性の遺伝的脆弱性によるものであると示唆

されている27。双生児研究の結果、拒食症の一致

率は二卵性双生児(5%)より一卵性双生児(56%)

のほうが高かった28。したがって、摂食障害の病

理発生の一因となる中枢神経系の神経伝達物質

に関与する、何らか生物学的形質が根底に存在す

る可能性が高い。しかし現在の研究の多くは、社

会文化的、生物学的、遺伝的要因の間に相互作用

があることも示唆している。遺伝的特徴、家族歴、

および環境の間には複雑な相互作用があるため、

遺伝的な危険因子および発達時に獲得した危険

因子がそれぞれどの程度あるかを確定すること

は困難である29。例えば、育児パターンがその後

の摂食障害の発症にとって有意な要因である可

能性が最近示唆された。最近の研究により、幼児

期において強い関心を伴う子育ては、その後の拒

食症の発症に関連していることが分かった30。摂

一33一

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参考資料3

食障害は遺伝的要因だけでは説明できないと思

われる31。双生児の女性2,丑63人を対象とした研

究でKendlerら32は、先天性の過食症傾向におけ

る不一致の約55%は遺伝的要因によって説明で

きるとし、その他の有意な危険因子として以下の

社会文化的問題を特定した。

⑭生まれが1960年以降

㊨親にあまり世話をされていない

㊨過去に大幅な体重変動、ダイエット、または頻

繁な運動を行った経験がある

㊨スリムな身体を理想のボディーイメージとして

いる

⑳低いセルフエスティーム

㊨外的統制(すなわち、自分自身の人生をコント

 ロールしていると感じていない)

㊥高度の神経質

 過食症、拒食症、アルコール中毒、パニック障

害、全般性不安障害、恐怖症、および主なうっ病

の間には、有意な同時罹患が認められた。しかし

家族研究では、摂食障害がもっぱら遺伝的要因に

よることは証明されていない。「ある家族性疾患

が完全に遺伝的なものであることは可能である

が、遺伝的影響、環境的影響、または遺伝的影響

と環境的影響の組み合わせによって家族的集積

が引き起こされうることは明らかである」33。多

くの場合、家族関係のパターンは、摂食障害の発

症および継続にとって有意な影響を持ちうる。例

えば、その家族が好む、葛藤に対する対処方法、

家族内での個人の自律性育成の奨励の度合いな

どの影響が考えられる。

個人的、社会文化的および行動的要因

 若者における摂食障害の発症に影響を及ぼす

要因として、以下の個人的、社会文化的および行

動的要因が特定されている34。

似入的要四

発達的要因(例:年齢、性別、思春期発達〉

認知的/情緒的要因(例:栄養学的な知識および

態度)

心理的要因(例:自信、ボディーイメージ、痩せ

願望、抑うつ、不安)

社会環垢建凄四

社会文化的規範(例:痩せ、摂食、食事の準備、

女性の役割に関するもの〉

家族的要因(例:コミュニケーション、期待、体

重への関心、家族との食事〉

仲問規範および行動(例:ダイエット行動、摂食

パターン、体重への関心、社会的圧力)

食物の入手可能性(例:食物の種類、食物の量)

症動的要琿

摂食行動(例:食事パターン、ファーストフード

の摂取、栄養の多様性、むちゃ食い)

ダイエットおよびその他の体重管理行動(例:ダ

イエットの頻度、食事の種類、嘔吐行動)

身体活動またはその欠如(例:テレビの視聴、ス

ポーツヘの参加、日常活動)

対処行動(例:ダイエットの失敗、生活上の欲求

不満に対するもの)

特定のスキル(例:有害な社会的規範に抵抗する

上での自己効力感、食事準備のスキル)

一34一

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参考資料3

これらの要因の多くは相関しており、特定の人々

において素因、誘発因子、または持続因子として

有意であり、因果関係の多因子説に寄与しうるこ

とが明らかである。図3の概念枠組みは、摂食障

害の多因子的な性質、および個人や家族の危険因

子が、痩せて美しくなることへの圧力など、より

広範な社会文化的要因とどのような相互作用を

持っかを示している。

図3摂食障害の発症の概念枠組み

鷺年期における発達上の課題例:

体形の変化肉立

人闇関係の育成学校での圧力アイデンティティの確立

圏人および家族の危険因子欄人歴=抑うつ、肥満、悪影響を及ぼす幼兇体験

家族歴=抑うっ、摂食障害、肥満、アルコール中毒

医聾粥講失った輔一ダイエツト

痩せて美しくなることへの文化的圧力

体型および体重に対する悪影響を及ぼす篇メントなど

マイナス思考

擾食障害心理的、社会的および身体的影響

低い肉己評価を含む

 メディアの影響を検討する際、摂食障害に「引

き金」の概念を適用することは有用であろう。

Smolakand Levineは、引き金を次のように定義し

ている35。「既存の心理的構造に対する問いかけ

を惹起する内的または外的な事象または変化。内

的引き金には、心理的および身体的変化などがあ

る。外的引き金は、役割期待に関係する」。例え

ば、メディアは役割期待および容姿に関する情報

を中継する外的引き金とみなすことができ、現代

社会における痩せの文化の有意な持続因子であ

る可能性がある。しかしこの用語は、メディアの

価値観のゆっくりとした漸次的な文化適応とは

矛盾する短期的な「因果関係」を示唆しているだ

けと言えるかもしれない。

 摂食障害には様々な原因があるが、例えば痩せ

た女性を好む社会の美的選好は、摂食障害の病因

論における有意な要因の1つであると一般に認識

されている。「女性に不安を感じさせ、自分自身

を低く評価させるようなものはすべて、状況を悪

い方向に向かわせる可能性がある」ことが示唆さ

れている。若い女性は仕事や人問関係に関して、

今目の社会で多くの矛盾する選択肢に直面して

おり、今なお多くの女性は、学業や仕事での成功

にもかかわらず、自らの個人的価値は男性に対す

一35一

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参考資料3

る身体的魅力に基づくと感じているようである。

「適切な」体格や大きさであることは、パートナ

ーの獲得という目標にとって重要な要素である

と一般に考えられている。したがって、女性が自

らの身体や異性に対する潜在的な魅力に関して

特に不安を感じる時期に、メディアや、青年期に

特に影響力があると思われる象徴的な存在によ

って、手に入らない完壁な肉体のイメージを頻繁

に提示されることは、若い女性にとって潜在的に

有意な影響がある。青年期および十代の後期は、

女性が学業上のストレス、ピア・プレッシャー、

人生の目標に関する不安感、また影響を受けやす

い人々は摂食障害行動をもたらしうる選択肢に

悩む時期でもある(「影響を受けやすい」人々と

は、遺伝的にその素因のある人々、あるいはハイ

リスクな環境(例:完壁主義的な価値観をもっ達

成志向の強い家族)にいる人々、または体形に関

して一定の基準が求められるバレエなどの活動

に強い興味をもつ人々などを意味する)。現在西

洋社会においてスリムな体形が望ましいと重視

されていることが、摂食障害者の先入観および行

動を条件付ける上で、主要な役割を果たしている

可能性がある36。

 摂食障害に対する社会文化的影響を示すのに

用いることができる理論的観点はさまざまであ

る。摂食障害に対するフェミニズム的観点の1っ

は、容姿を気にすることは現代の女性の「正常な」

状態であり、若い女性において健康や健康である

こと(ダイエットなど〉に注目することは、公的

な場における女性の成功やその存在に対して敵

対的な世界において、女性に何らかのカを与える

方法の1っでありうるというものである。また、

美容産業が女性解放運動を商業化し、その結果、

一定の製品が自立や成功に関連付けられるよう

になったという指摘もある37。美容産業は人々に、

健康と美しさ、また健康であることと性的能力を

ますます同一視させるように仕向け、また、実現

不可能でありながら、正しい製品さえ購入すれば

手の届く範囲にあるような完壁性の基準を作り

上げた。ファッション産業や美容産業における完

壁な女性の身体は、曲線や余分な脂肪がほとんど

ない男性の身体にきわめてよく似ている。もう1

つの代替的な精神分析的観点は、女性の性的能力

の発達、および人格的同一性の発達において、怒

り、心的外傷、および家族内の対立が果たす役割

に焦点を当てている。本報告書では、より経験的

なアプロ…チを用い、摂食障害に対する文化的研

究の観点についてはこれ以上検討しない。ただし、

摂食障害に関して代替的な理論的観点が存在す

ることを認識することは重要である。

危険因子としてのダイエット

 西洋の先進文化においては、肥満レベルの上昇

という大きな問題がある。英国では現在、男性の

17%および女性の20%が肥満であり、成人人口の

半数以上が体重過剰である。現在の傾向が続けば、

20且0年までに英国の成人のi/4以上が肥満となる。

メディアと肥満に関連した問題を扱うことは、本

報告書の検討事項ではない。しかし、ダイエット

や、ダイエットが身体的認知や摂食障害に及ぼす

影響に関連した問題を検討することは必要であ

る。「太っていること」に付随する社会的スティ

グマ(烙印)への恐怖により、臨床的に低体重の

女性の多くが、自分が体重過剰であるとの誤った

一36一

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参考資料3

認識から「ダイエット」プログラムに着手する可

能性がある。体重過剰と認知された人々は、から

かいの対象になることが多く、特定の生活領域に

おいて差別される場合がある38。我々の社会では、

痩せていることには多くの肯定的な社会的意味

合いがあり、また、モデルや女優は痩せた体形に

よって称賛されるため、多くの若い女性がrダイ

エット文化」に入る可能性がある。

 BodyMass Index(BMI)は、医療従事者が用い

る簡便な体重の指標であり、体重/身長2(kgnゴ2)

として算出される。BMIは一般に、以下のグレー

ドに分けられる。

グレード皿BMI>40kgm曹2.一極端な肥満

グレードH BMBO~39.9kgnゴ2一肥満

グレードI BMI25~29.9kgnゴ2一一過体重

グレードO BMI20~24.9kgm需2一一適正体重

摂食障害の診断には、ウエスト囲またはウエス

ト/ヒップ比を含め、個々の骨構造も考慮すべきで

ある。子供の場合、肥満のカットオフポイントの

基準とすべき数理データがない。ただし、英国で

は、女児および男児のBMI基準の上位パーセンタ

イルを用いることが推奨されている(図4参照)。

若者においては、肥満レベルが上昇した結果、自

己像が低くなり、食物との関係に問題が出る恐れ

がある。適切な医学的指導を受けることなく若者

が「ダイエット」を行う可能性もある。メディア

に描かれた痩せた理想と肥満の増加という現実

とのrギャップ」は、自分が受け入れられる社会

的「規範」の外にあるという子供の認知をさらに

強める恐れがあり、また、急激に体重を減らした

いという欲求を生む可能性がある。まだ大切な成

長段階にある若者や子供の場合、ダイエットは、

正常な成長を遅らせ、摂食障害を発症するリスク

をもたらす、特に危険な行為である。

園4B繭Lk位パーセンタイル(英国の男児およぴ女児)

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        きり     辮、 ll       羨iフ5 25          24        50 か23         総        25 窺蹟22         瓢21         義20         α9 19        0・4  細          蝉          播          鳩          14          薯3          屡2          お    灘、懸 狐}甲噺甲菩でo~を嚢16窪82022

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             一37一

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参考資料3

 拒食症の体重範囲に入る可能性のある青年期

の女性は、表蓋を用いて特定することができる39。

表噛痩せすぎ=拒食症の範囲肉

Hlghtwithoutshoes(閉)

Weight(kg)

1.45 38

1.48 39.5

1.50 40.5

1.52 41.5

1.54 42.5

1.56 44

↑.58 45

1.60 46

1.62 47

1.64 48.5

1.66 49.5

1.68 50.5

1.70 52

1.72 53

   禽Body mass inde×of18kgm’2

(AS Trusswe網,ABC of Nutri麺on、BMJ Books:London,1999)

 摂食障害は単なるダイエットに関連した障害

とみなすべきではないが、過剰なダイエット行動

およびその他の不適切な体重減少行為は主に見

られる診断上の特徴である。ダイエットおよび食

事制限は、摂食障害の必要条件ではあるが十分条

件ではない菊。しかし、主要な危険因子の1っで

あり、ダイエットは青年期の女性や若年成人とい

う摂食障害傾向の最も強い集団において非常に

蔓延した現象である。オーストラリアで行われた

最近の研究で41、ダイエットは新たな摂食障害の

最も重要な前兆であることが示唆された。調査対

象の888人のうち、極端なダイエットを行った

人々は、ダイエットを行わなかった人々より摂食

障害を発症する可能性が18倍高く、中程度のダ

イエットを行った女性被験者は、行わなかった

人々より摂食障害を発症する可能性が5倍高かっ

た。英国の女子児童に関する初期の研究では、ダ

イエット実践者が12か月後に摂食障害と診断さ

れる相対危険度は、非ダイエット実践者の8倍で

あると結論づけた42。これらの結果は、多くの若

い女性にとって、摂食障害への第一歩はダイエッ

トによる減量の試みであることを示している。

HSU2は、「青年期のダイエットは、それが青年期

の動揺、低い自己概念や身体概念、およびアイデ

ンティティの形成不全によって強化された場合

は、摂食障害へのきっかけを与えることになる」

と示唆している2。したがって、ダイエットは、

摂食障害の要因ではなかったとしても、多くの場

合誘発因子となっている43隅。若い女性の身体に

おいて脂肪の割合が増加し、ボディーイメージや

身体的魅力に対する意識が高まる思春期には、ダ

イエットは特に有意な危険因子となり得る。この

葛藤はダイエットによって解消される場合があ

り、その結果、食物とボディーイメージおよびセ

ルフエスティーム(場合よっては、成人期の拒絶)

とを結びっけるようになる。

 低体重やダイエットに関連した若い女性の健

康上のリスク(貧血45、骨粗籟症、早期の閉経、

心疾患妬など)、および死に至る恐れがある摂食

障害を発症するリスクに関して、より高い認識を

持っことが必要である。特に前青年期の人々のダ

イエットは、摂食障害のリスクをさらに高める可

能性があるため、若年集団におけるダイエットは

深刻な身体的結果をもたらす麟。最近の英国の研

究で、ダイエットを行った若い女性の93%が、鉄

一38一

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参考資料3

の所要量を満たしていないことが分かった47。ま

たダイエット群は、カルシウム、亜鉛およびセレ

ンの摂取量が不十分であった。

 理論上では、ダイエット行動は、自己のボディ

ーイメージと理想的なイメージとの不一致を修

正しようとする試みとみなすことができる。メデ

ィアは我々の理想に対する直接的な文化的供給

源である。研究によって、若い女性の多くは自分

の身体の大きさおよび体形に満足していないこ

と、また青年期の女性の間でダイエットが増加し

ていることが明らかになった48。保健省の1995

~1997年の若者調査で、16~24歳の若い女性の

34%が自分は体重過剰であると感じており、低

体重であると感じていた女性はわずか5%であっ

た48。心配なのは、より低年齢の女性がダイエッ

トの圧力に屈していることである。1993年、米国

の9~13歳の生徒3,175人を対象とした研究で、

回答者の40%が“太っていると感じる”または“体

重を減らしたいと思う”と報告した49。現在の理

想的なボディーイメージが、ほとんどのダイエッ

ト実践者にとって手に入らない/達成不可能なほ

どの痩せである場合、自己のボディーイメージと

摂食障害との結びっきは重大なものとなる。

 栄養学的に影響を受けやすい時期にある多く

の若者が、朝食を抜き50、規則正しい家族との食

事を拒否して間食をとり、ファーストフード店で

食べるようになる。これにより、罹患率および死

亡率の増加を引き起こす乱れた摂食パターンが

もたらされる5}。学校の朝食クラブ13の提供など

政策上のイニシアチブが、食べることが楽しい社二

会活動であることを子供に教え、また食物との良

い関係づくりを促進できると思われる。

 本格的な摂食障害を発症しない若いダイエッ

ト実践者がいる一方で、なぜ一部のダイエット実

践者が本格的な摂食障害を発症するのかを問う

必要があることは明らかである。ダイエットに対

するメディアの圧力以外の要因(例:環境的、心

理的および遺伝的要因)が、摂食障害に対する

個々の感受性を決定している可能性がある。例え

ば、ある研究の結果、ダイエット行動が特定の対

人関係上の問題、体重に対してひどく神経質にな

ること、家族内の対立、失敗に対するストレスや

恐怖感、および完壁主義的な傾向と結びっいた場

合、痩せを追い求める悪循環への第一歩となり得

ることを示唆している52。しかし、これによって、

摂食障害における危険因子としてのメディアイ

メージの病因論的役割が小さくなるわけではな

い。

         まとめ

⑳摂食障害は、遺伝的特徴、家族歴、および文化

的環境の間の複雑な相互作用によって引き起こ

される。

⑱摂食障害の発症において示唆された社会的要因

としては、痩せ、摂食、食事の準備、および女性

の役割に関する社会文化的規範などがある。

⑳メディアは、役割期待に関する特定の例および

美しさのイメージを提供する。これは、受け入れ

られるボディーイメージに関する若者の認知に

影響を及ぼす可能性がある。

⑳英国において肥満の問題は深刻化し、健康に有

害な結果をもたらしている。しかし、低体重に関

連した女性の多大な健康上のリスクは、あまり知

られていない。

一39一

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参考資料3

鯵ダイエットは、摂食障害の発症における重要な

誘発因子の璽つである。若い女性はより早い年齢

からダイエットを行うようになっており、自分の

体形に対して不満を表している。

㊥多くの若者は規則正しい家族との食事をとら

ず、食物に対して肯定的な関連付けをもたない。

これは、摂食障害を発症するリスクをもたらす恐

れがある。

一40一

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参考資料3

現代社会における摂食間題

 医学文献は、摂食障害が20世紀後半により蔓

延したことを示している。ただし、この問題に対

する認識の高まりが診断の増加をもたらした可

能性があることに留意すべきである。2つの問題

を考える必要がある。(1)なぜ摂食障害が主とし

て若い女性に多く発症するのか。(2)なぜ摂食障

害が20世紀後半に広まったのか。その理由を評

価する上で、現代の西洋の先進文化における摂食

障害で有力な要因のひとつである可能性のある

環境的要因を検討することは有用である。

 拒食症の文化的および歴史的根拠の再検討の

結果、この障害は、主に西洋化した社会において、

特に比較的豊かで女性の社会的機会が大きい時

期に認められている。拒食症は、障害の徴候およ

び症状が一定の文化の心理社会的圧力または道

徳観を反映している文化結合症候群であること

を示唆している53。

 Jules Bemporadの歴史分析53によれば、ローマ

時代初期および暗黒時代には、意図的な自発的飢

餓の例はほとんど認められなかったが、実際に発

生した例では、宗教的な動機によるものが多かっ

た。13~17世紀には、宗教的な断食に関連した意

図的な自発的飢餓が多数認められた。彼は次のよ

うに結論づけている。「ルネッサンス時代の食欲

不振症の頻度および形態は、この時代に関連した

相対的な豊かさと洗練によって惹起された、日常

生活および文化的価値観の著しい変化によって、

ある程度説明付けることができる」。拒食症が初

めて精神医学的状態として記述され、他の形態の

飢餓と区別されたのは、19世紀のことである。徴

侯および症状の慎重な包括的描写は、拒食症の完

全な医学的記述を示したLasegue(1873〉54およ

びGull(1874)55によって例示された。過去数十

年間に、拒食症の発症率が上昇し、太ることに対

する恐怖がより強調され、新たな障害として過食

症が出現した(過食症は、1979年にGeraldRuss磁

によって定義された)56。

 摂食障害に関するBempomdの分析では、ある

時代には広く見られ、また他の時代には後退し、

そして20世紀後半にはかつてないほど大きな問

題となった一定の形態の行動と説明している。臨

床症例登録を検討した結果、以下のような摂食障

害の症例数の増加が認められた。

㊨ニューヨークのある地域における拒食症の新症

例は、1960~1967年から1970~1976年の期間に

倍増した57。

創965~1982年のアバディーンにおける精神科の

症例記録を検討した結果、拒食症および過食症の

症例数において非常に有意な増加が見られた58。

⑭スペインにおける摂食障害の発症率は毎年15%

増加しており、この問題を調査するために、1999

年4月にスペイン保健省によって学際的作業部会

が設置された59。

民族性

 異文化間分析もまた、摂食障害が部分的には文

化的または環境的によって決定される可能性を

示している。文献によれば、摂食障害を発症する

アジア人女性や黒人女性は、白人女性より少ない

60。臨床症例登録から示唆された全少数民族の間

の発症率は、白人の発症率より低い。アジア人人

一41一

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参考資料3

口が多い管轄区域を対象とした、レスターシャ…

州摂食障害サービス(Le孟cestershireE&t重ng

Disorders service)での最近の調査では、10年間に

見られた摂食障害のアジア人の数は21人であっ

た。これは、白人集団における割合の1/4であっ

た61。

 少数民族の人々の方が、摂食障害と診断されて

適切なサービスを受ける可能性が低いという可

能性はあるが、白人以外における摂食障害の有病

率は比較的低いように思われる。米国における黒

人女性と摂食障害に関する分析において、

Sωegel-Moore and Smolak62は、「黒人女性の性的

役割は、白人女性の性的役割に比べ、外見の重視

によって形成される度合いが少なく、自己および

地域社会に対する自信によって決まる度合いが

高い」と結論づけている。したがって、より広範

な社会的支援ネットワークが、低いセルフエステ

ィームや理想的ではないボディーイメージに対

する保護を提供していると考えられる。白人女性

は、理想的な身体の大きさとして有意に痩せたサ

イズを選んだこと、および黒人文化では痩せてい

ることを重視する傾向がはるかに少ないことが

示唆されている。例えば、黒人男性はr理想より

大きな」女性とデートすることを快く受け入れる

傾向が強い63。特定の人口集団において、メディ

ア以外の要因が、特定の体形に合わせることへの

圧力に対する抵抗を支援していると思われる。

 拒食症の症例は、発展途上国ではごく少数しか

報告されていない。西洋社会への移民の間では発

症率はより高く、西洋の先進文化で育った少数民

族集団の間ではその頻度が上昇している2。英国

に移住したケニア人を対象とした研究において、

ケニア人女性は英国の白人女性に比べ、体の大き

な女性の体形をより良好に評価する傾向があっ

たが、英国に4年以上住んでいた英国のケニア人

女性の間では、身体の大きさに対する認知が英国

の白人女性の場合と類似していた糾。シンガポー

ルや、西洋の社会経済的発展モデルに追従した他

の国々では、摂食障害がますます蔓延している65。

したがって、西洋文化に関連した要因がこれらの

女性に影響を及ぼしていると考えるのが賢明で

あろう。

男性

 摂食障害者のうち男性は10%であるが4、症状

を認識し適切な支援を求めることが難しい男性

はさらに多く存在すると思われる。男性の場合は

特に、症状の早期認識や専門医への紹介なしには、

悪い結果になる可能性がある66。発表されたほと

んどの文献は女性に適用される拒食症の病因論

を考察しており、女性にしか当てはまらない場合

がある(例:一部の精神分析的考察は、女性が母

親とは別のアイデンティティを確立しようとも

がく場合に拒食症を発症すると述べている)。摂

食障害を研究する場合、発表文献のなかに男性を

対象としたものが非常に少ないという問題があ

る。しかし、これは摂食障害者に占める男性の割

合が小さいことを反映している。

 ある研究でMargo66は、男女いずれにおいても、

摂食障害を発症する最も重要な2つの要因は精神

疾患の家族歴と認知された正常な体形からの逸

脱であると示唆した。これは、男性では身長の低

さに対する不満として、女性では身長の高さに対

する不満として現れた。「…身体の小さい男性は、

一42一

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参考資料3

身体の大きいまたは非常に背の高い女性と同様、

自分の身体の大きさや自分が考える望ましい体

格からの逸脱に対する先入観にとらわれるリス

クがある」。別の研究では67、男性の摂食障害の

病因として強迫性人格異常、歪んだ親子関係、体

重過剰に対する自意識、また重要な要因として、

異性の役割を基準とした男らしさの脅威に対す

る憂慮が挙げられている。

 メディアが摂食障害の引き金として一定の役

割を果たすとすれば、男性が自分の外見に対する

先入観により強くとらわれ、広告主(例:新しい

男性雑誌〉の標的となることが増えるにつれ、男

性の摂食障害の発症率が上昇することが予想さ

れる68。例えば同性愛の男性は、彼らの文化が身

体的完壁性および外見をより重視するため、摂食

障害の傾向が高いことが示唆されている69。若い

男性も、社会の中で変化する男性の役割に関する

不確実性や矛盾に直面している。これは、若い男

性ゐ自殺率が1971年には人口10万人当たり6.9

人であったが1997年には同じく16.4人と2倍以

上になったことに反映されているであろう70。変

化する伝統的な女性の役割や家族のあり方竜)反

映した、若い男性のセルフエスティームを高める

ための新しい方法を検討する必要がある。しかし、

大半の男性にとって、身体に対する不安感が他の

行動(例:筋組織の増強や体重の増加を目的とし

た強迫的なジム通いやステロイドの使用〉に現れ

ることも事実であろう妬。アナボリックステロイ

ドを使用しているボディビルダーを対象とした

最近の面接調査では、面接した男性全員が、ステ

ロイド使用の決意に影響した要因として、ボディ

ビル雑誌の中のイメージや映画やテレビによる

イメージからの圧力を挙げた妬。しかし社会の現

実は複雑であり、もともと乏しいボディーイメー

ジをもつ人が特定の形態のメディアの消費を求

める場合があることに留意すべきである。

 8年生、9年生、および11年生の若者9,118人

の調査データを分析した米国での最近の研究で

は7i、女子の7.4%および男子の3.1%が、前の週

における食行動異常を報告した。最も高いBMI

カテゴリーの女子は食行動異常のリスクが最も

高く、最も低いBMIカテゴリーの男子はステロイ

ドの使用リスクが最も高いことが分かった。この

エビデンスは、男子が自分の体重に対する不満を

報告する場合は体重を増やしたい場合が多く、女

子は痩せたがるという見解を反映している3縄72。

ダイエットは摂食障害を発症する前兆である場

合が多いため、“より大きく、より強く”という

男性に対する文化的理想は、それまでに体重過剰

や批判やからかいの対象になったことがあるな

どの付加的な社会文化的危険因子がなく、また性

的役割に対する混乱もなく、さらに体重減少が必

要なスポーツ73(例:漕艇または競馬〉をしてい

ない男性であれば、女性と同様に摂食障害の発症

を抑制することができるのかもしれない。人生の

何らかの時点でダイエットを行う男性は25%、女

性は95%であると推定されている。

 拒食症および過食症は10:1の割合で主に若い

女性に発症するが、本報告書の考察の多くは摂食

障害の男性にも等しく当てはまる。セルフエステ

ィームおよび食物に対する健康的な態度を培う

ことは、男女を問わず若者すべてにおいて実現す

るよう努力すべき目標である。

一43一

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参考資料3

摂食障害一文化結合現象

 拒食症は、概して西洋の先進社会に関連した文

化結合現象である。西洋の先進社会の以下のよう

な特徴が、こうした社会における拒食症の蔓延の

一因であることが示唆されている。

なわち、体重過剰の人々の体型はメディアによっ

て主にからかいの対象として描かれ、成功した女

性有名人は、自らの体重減少または増加がメディ

アの注目や憶測の主な対象になっていると感じ

ている。

⑭女性の役割の変化。女性は達成への新しい理想

と伝統的な女性の役割期待とを両立させようと

もがいている。

㊨大衆のファッションと消費主義の出現に関連し

た、容姿およびボディーイメ…ジに対する先入観

⑭体重管理や肥満に対する文化的に蔓延した先入

観74

 痩せに価値を置かない社会では、摂食障害は非

常に稀である75。メディアはファッションや望ま

しいボディーイメージに関する我々の観念の主

な供給源であるため、メディアが現代の西洋社会

において痩せの文化を持続させる役割を担って

いることは明らかである。ブランド品と外見との

結びっきが、自己認識や仲間集団への帰属のため

に特に重要である小児期および青年期早期には、

メディアが特に大きな影響力をもつ。華やかな製

品の広告に使用する痩せたモデルは、西洋の先進

社会における大半の女性の実際の身体の大きさ

と著しい対照をなす(メディアのイメージと実際

の女性の身体の大きさとの不一致に関する考察

は33ぺ一ジを参照)。メディア文化が「ほとんど

の女性が、永続的な半飢餓状態にあって初めて自

分に満足できる」ような状況の一因となったこと

が示唆されている76。一般に体重過剰または肥満

に対しては、否定的な文化的態度が存在する。す

         まとめ

㈱摂食障害は20世紀後半の西洋先進諸国で蔓延

した。

鱒摂食障害を発症するアジア人や黒人の女性は比

較的少ないと思われる。ただし、西洋社会への移

民や西洋の先進文化圏で育った少数民族の集団、

および西洋の発展モデルに追従した国々では、発

症率が高い。

㈱摂食障害は主に若い女性に発症する。しかし、

摂食障害の男性の研究によるエビデンスも、社会

的「規範」に対してに判定した認知されたボディ

ーイメージは、摂食障害の発症の重大な要因であ

ることを示唆している。

⑭一定の生物学的素因(一部は遺伝的に決定され

うる)が、ある個人の摂食障害の発症の一因であ

る可能性はあるが、歴史的および異文化間のエビ

デンスは、摂食障害の発症が現代社会のある側面

の影響を顕著に受けていることを示唆している。

⑭摂食障害の発症の一因となりうる社会的影響を

検討し、摂食障害が主に西洋の先進文化圏に住む

若い女性に発症する理由を調査することが重要

である。

一44一

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参考資料3

メディアの役割

 拒食症および過食症が文化結合症候群である

主な理由の1っは、それら障害が蔓延している国

に浸透した痩せの文化に依存していることであ

ろう。痩せの文化をつくり、そして維持する最も

重要な手段の1つは、メディアおよび広告を通じ

て意図的または偶発的に導入されている。次項で

は、影響のメカニズムおよびその効果を考察する。

 メディアは西洋社会における日常生活の重要

な要素の1つである。1995年には英国人口の99%

がテレビを所有していた77。テレビの視聴は英国

における最も一般的な家庭内活動である。平均す

ると英国の人々はテレビを毎週25時間視聴し、

女性のテレビ視聴時間は男性より長い78。1997~

四98年に目刊の全国紙を読んでいた人は、男性の

61%、女性の52%であった78。7~14歳の女子に

よる雑誌の閲読率は対象読者のなかでも非常に

高く、7~夏0歳の34%は最も人気の高い雑誌であ

るGlrlT31kを読み、ll~14歳の47%は雑誌Sugar

を読んでいた78。最も人気の高い成人向けの雑誌

は、テレビの視聴と結びっいていた。テレビは今

でも最も一般的なマスメディアの形態であり、

我々のほとんどはその内容に頻繁に曝露されて

いる。

子供、食物およびメディア

 米国の子供は年間約20,000本のテレビコマー

シャルを見ると推定されている79。英国のテレビ

コマーシャルは米国ほど多くはないが、ケーブル

テレビや衛星テレビの各チャンネルは、収入源と

して一定の形態のマーケティングに大きく依存

している場合が多いため、家庭へのケーブルテレ

ビや衛星テレビの普及が進めば、子供がテレビ広

告を見る機会は問違いなく増えるであろう。最近

の英国の研究で、ケーブルテレビや衛星テレビを

備えた家庭では、1992年から1995年の間に子供

の1週間のテレビ視聴時間が90分増加したこと

が分かった80。

 Ba枕leandBrownwel1は81、摂食障害が発生する

可能性を高めるr有害な環境」の一因はメディア

であると主張している。彼らはこの見解を示すた

めに、現代社会の有害なパラドックスに言及して

いる。「極度に痩せた、起伏のある、立体的に造

形された身体が理想であり、この非現実的な理想

への反復的かっ強制的な曝露が普通である一方

で、環境によって脂肪やカロリーの多い食事が取

れるようになり、またこうした食事が奨励されて

いる」。81高カロリーの清涼飲料やファーストフー

ドの広告に痩せたモデルや俳優が起用されるこ

と吏)多いため、メディアに頻繁に曝される子供や

若者は矛盾したメッセージを受け取っている。食

物、体形および運動に対する不健康な態度は、こ

のr有害な環境」によって助長されうる。テレビ

に登場するスリムなモデルのイメージは、体重が

極めて増加した大部分の子供や若い女性の身体

の大きさおよび体形と際だった対照をなしてい

る。痩せと成功および受け入れられることとの関

係は、ボディーイメージおよびセルフエスティー

ムに対して長期的な影響を与える可能性がある。

メディアの及ぼす影響に関する理論

 メディアの役割の理解を助けるために、メディ

アが行動に及ぼす影響に関して行われた研究を

一45一

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参考資料3

簡単に検討する。Lev孟墾e&nd Smol農kは82、メディ

アが摂食障害に及ぼす影響を分析する中でマス

メディアを次のように定義している。

 「…非常に多数の、非常に異質な、かつ本質的

に匿名の受け手に対して設計されたメッセージ

を生成する、公的に支持された情報伝達の機関お

よび形態…メッセージは、娯楽、教育、政府、ま

た当然ながら広告主が製品を販売できるように

巨大な人間集団を引きつけることなど多くの目

的をもつ。子供、若者、成人は、テレビ、CDや

ラジオを通して配信される音楽、パーソナルコン

ピュータによる通信など、多種多様なマスメディ

アと相互に作用する。」

 彼らは、摂食障害と特に関連のあるマスメディ

アには、ファッション雑誌や、テレビ、また自力

で行う減量に関する本などがあると考えている。

 西洋先進諸国におけるメディアは、大半の人々

の日常生活において非常に重要な要素であるた

め、これらの社会の文化に浸透していると考えら

れる。メディアが我々の行動に及ぼす影響につい

ては継続的な議論が行われている。1920年~1930

年代の「大衆社会理論」と呼ばれるアプローチで

は、メディアは個人を利用し操作できる強力なカ

であると主張していた(このアプローチは、メデ

ィアが一定の価値観を受け手に「注射」している

と考えたためr皮下注射」アプローチと呼ばれる)。

しかし、1940年~1960年代のメディアの影響に

対する社会心理学的研究では、受け手がしばしば

情報を選択し濾過して、既存の考えまたは態度と

調和しないメッセージを拒絶することが示され

た83。例えば、1940年代の米国兵士向けの訓練映

画に関する一連の映画評価研究で、個人差が選択

的認知、解釈および意見の変化をもたらしたこと、

また一定の社会的カテゴリー(例:学業成績)へ

の所属によって特定の反応が予測できることが

多いことが分かった84。情報伝達と説得に関する

その後の研究で、特定の社会集団への所属に価値

を置く人々は、その集団の規範に反する立場を擁

護する情報伝達の影響をほとんど受けないこと

が分かった。個々の人格的要因も検討され、セル

フエスティームが低い人は影響を受けやすいこ

とが判明した84。

 行動に対するメディアの影響は、刺激と応答よ

りはるかに複雑であり、発信されるメディアのメ

ッセージの種類と、メッセージを受け取る受け手

の種類との相互作用を検討する必要がある。暴力

的なテレビ番組が行動に及ぼす影響の研究結果

は、「テレビの最も根深い影響は問接的なものか

もしれない」ことを示している84。

 1960年代のメディアの影響に関する研究は、受

け手を短期的に考察したものであり、一定のイメ

ージおよび価値観への曝露の長期的影響を無視

しているとして批判された。1980年代には、メデ

ィアのテキストに対して「ポストモダン的」アプ

ロ…チが取られ、メディアのイメージが人格的同

一性および社会的現実を形成する上で主な原因

になったと考えられた83。メディア飽和文化では

長期の曝露が一部の受け手の世界観を形作るの

を助けるという主張は検討する必要がある。しか

しメディアが人格的同一性にどの程度寄与する

かは不明であり、継続的な学術的議論の余地があ

る。より一般的な共通認識は、メディアは特定の

考えや意見を作り出し強化する手段になるとい

うものである。メディアはその定義により、単に

一46一

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参考資料3

世界観を提供するのではなく、特定の方法で世界

観を導くものである。テレビと行動に関する1982

年の報告書85は次のように結論づけている。

 「ほぼすべてのエビデンスが、説得力があり、

かつ累積的な影響をもっ強力な教育者としての

テレビの役割を証明している。テレビはもはや電

子玩具として、日常生活の何気ない一部とみなす

ことはできない。研究の結果により、テレビが無

害な娯楽に過ぎないという幻想は以前から破壊

されてきた。テレビがもたらす学習は、直接的か

っ形式的なものではなく主に付随的なものであ

るが、テレビは文化変容プロセス全体の重要な一

部である」。

 ある特定のテレビ広告またはある特定のモデ

ルヘの曝露に焦点を当てるのではなく、若者の行

動に及ぼすメディアの累積的な長期的影響を検

討すべきである。メディアの影響は、行動に直接

的な影響を及ぼしている特定の例を選び出すこ

とが困難なほど、社会に拡散している。メディア

が、西洋文化圏の若者が曝される最も強力な文化

的影響の1つであり、しばしば規範的行動の条件

を定義しうることは間違いない。しかしメディア

の影響を完全に否定的な枠組みの中で考えない

ことが非常に重要である。テレビと行動に関する

1982年の報告書は、テレビの内容が向社会的行動

も生み出しうると結論づけている。

 この報告書では主にメディアの影響に関する

経験的研究に焦点を当てたが、メディアの影響の

メカニズムに関しては多くの異なる観点が存在

する。LoweryandDeFleurがメディア研究に関す

る分析の中で、「…仕会的、文化的および技術的

変化という流れの中を探索しながら、科学の戦略

を用いて大衆伝達のプロセスに関する永遠の真

理を見つけることは困難である」と結論づけてい

る。メディアの内容、技術、および消費の時間的

性質を心に留め、これが絶えず流動的な状縣にあ

る問題であることを認識しなければならない。例

えば新しい双方向のメディア技術は、メディアの

影響に関する文献をさらに複雑にする可能性が

あり、メディア番組の方向および内容に影響を及

ぼす可能性がますます高まっていると思われる。

 異なるメディアの内容を区別する必要がある。

例えば、広告は特に行動に影響を及ぼすように設

計されているため、「広告」が採用された場合メ

ディアの影響は特に強くなる。広告は「洗脳」の

一形態であるとする「大衆社会理論」的な思考の

罠に陥ることは避けるべきであるが、特に子供に

及ぼす影響は、他の形態のメディアよりも強力で

ある可能性が高く86、広告主は、他の体型よりも

痩せた女性のイメージを頻繁に採用する傾向が

ある。1年間に子供がテレビの前で過ごす時間は、

学校で過ごす時間より長い。したがって「テレビ

は世界観や、人々の行動、食事、および外見に関

する主な情報源となっている」と結論づけられて

いる87。特にテレビ広告は一定の状況下で社会的

比較を生成しうる88。しかしrメディアの影響」

に関する研究はすべて、メディアのメッセージの

受領に関わる文脈上の複雑性を考慮する必要が

ある。すなわち、メディアは人々を「洗脳」する

のではなく、動機、人格、直接的な状況、社会文

化的文脈が異なり、課題に対して異なる情報処理

戦略を用いる人々から様々なレベルの注目およ

び解釈を受けるのである89。メディアは一枚岩で

はなく、すべての人に同じように影響を及ぼすわ

一47一

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参考資料3

けではない。メディアは楽しみや教育、また会話

の主な供給源として人々の生活にプラスの貢献

もしている。現代社会におけるメディアの役割の

マイナス側面を扱う際にはこのこ.とを忘れては

ならない。

体形および身体の大きさの認知に及ぼすメディ

アの影響の研究

 一部の研究は、摂食障害に及ぼすメディアの影

響を特に扱っている。その種の研究から選んだも

のを以下に要約する。

メデンアの内容

 青年期女子の50%以上がファッションや美容

に関連する雑誌82を定期的に読んでおり、こ.れら

の雑誌はH~15歳の女子に特に頻繁に読まれて

いると推定される。Levin綴寵S nol詠は82、若い

女性の自己認知が低下し、自分と他人をより強く

比較する可能性がある時期において、十代向け雑

誌に対する強い関与とテレビ(やはり女性に対し

て容姿および細さの重要性を強調する)への曝露

のピークとは一致すると述べている。女子児童は、

望ましい身体の大きさや体形に関する家族、仲間、

メディアからの一貫したメッセージの共通点を

反映して、「ダイエットのサブカルチャー達を体

験している場合があるgo。

 女性雑誌の内容を分析した結果は一貫して、記

事が美容と食事に焦点を当てていることを指摘

し、またファッション雑誌に使用されるモデルの

曲線性の低下を述べている(Silverstein et al91、

Anderse簸&ndDiDomenlco等92〉。Gumen島ndB3rr93

は1970~1990年の女性雑誌に関する分析の中で、

栄養を扱った記事の数はこの期間に増加してい

ないが健康に関する記事は増加していることを

示した。栄養および健康に関する記事は、体形や

容姿および痩せた体形の理想を強調しており、栄

養や健康づくり計画に従う理由として主に提示

されたものは、減量または魅力的になることであ

った。

 また、テレビに登場する女性の大部分が平均的

な女性より痩せていることが研究で示された。

1980年に行った1959~1978年のP丑&yboy誌に関

する研究では、この20年間に使用されたモデル

の対身長体重が10%減少していた。より注目すべ

き点は、この時期に女性の体重は増加していたた

め、雑誌のイメージと社会全体の女性の実際の身

体の大きさとの差がさらに大きかったことであ

る94。類似の研究において、1940~1959年に初め

て登場した女優15人のバスト対ウエスト比の平

均値はL34であったが、1960~1979年に初めて

登場した女優のバスト対ウエスト比はL22であ

った91。1990年代のモデルや女優の体脂肪率は

10~15%(健康的な女性の平均的な体脂肪率は22

~26%)であると推定されている95。しかしこの

種の研究は、メディアの内容への曝露の影響を考

慮していないとして批判された。メディアに登場

する痩せた女性の数が増加したことや女性雑誌

が美容および食事を取り巻く問題に焦点を当て

ても、こうしたイメージが受け手にどのように受

け取られているかに関しては、これらの研究は何

ら情報を提供していない。

一48一

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参考資料3

メデンアの,勾容の影響

 一定のイメージまたはメディアの価値観が若

者の世界観に及ぼす影響を評価するために、内容

分析と、若者に対する質問紙調査または面接とを

組み合わせる実験が行われた。前の週にどのテレ

ビ番組を視聴したかを報告した94人の青年期女

性に関する研究では、テレビの視聴時間は身体に

対する不満および痩せ願望との相関を示さなか

ったが、番組の種類は有意な関連を持っていた。

15歳の女子は平均して1目に3.2時間テレビを見

ていた。身体に対する不満は、メロドラマまたは

連続ドラマ、および映画の視聴と有意な正の相関

を示した。痩せ願望はミュージックビデオの視聴

時間と相関していた。身体に対する満足度は、ス

ポーツの視聴と共に増加した96。しかし、自分の

身体に満足していない若者は特定の種類のテレ

ビの視聴を求める可能性があるため、視聴したテ

レビ番組の種類と摂食障害の発症との間に何ら

かの因果関係を確立することは難しい35。

 米国の12年生の女子児童548人に対する研究

では97、69%が雑誌の中の写真は完壁な体形に関

する観念に影響を及ぼすとし、47%が雑誌の中の

写真のために体重を減らしたいと思うと報告し

た。女性雑誌を読む頻度と、雑誌の記事が原因で

減量目的のダイエットをすること、雑誌の記事が

原因で運動プログラムを開始すること、雑誌内の

写真が原因で体重を減らしたいと思うこと、ある

いは雑誌の中の写真が完壁な体形に関する自ら

の観念に影響を及ぼすと感じることとの間には、

正の比例関係があった。この研究から著者らは、

「…若い女子を対象とした活字メディアは、ひど

く痩せているモデルを起用することをやめ、身体

活動の有益性に関する記事をより多く掲載する

ことによって、公衆衛生上の役割を果たすことが

できる」と結論づけている。

 Pinhasら98が行った研究では、ファッションモ

デルのイメージを見た女性は見る前に比べ、抑う

つや怒りを測定するよう設計された尺度でのス

コアが高かった。また、当たり障りのない物体の

スライドを見た女性よりスコアが高かった。

HamiltonandWa11er99はメディアを、摂食障害の女

性における過大に認知された身体の大きさに対

する「負の強化因子」と表現している。その研究

では、摂食障害の女性24人と拒食症または過食

症の徴候が一切ない女性24人とを比較した。女

性たちにファッション雑誌の中の女性の写真2組、

およびインテリアデザイン雑誌の当たり障りの

ない物体の写真20枚を見せた。女性たちはまず

写真を20秒間見てその魅力を評価した後、自分

自身の身体の大きさを評価した。摂食障害のない

女性は写真の性質の影響を受けなかったが、摂食

障害の女性は影響を受けた。摂食障害の女性は、

当たり障りのない物体の写真を見た時に比べ、女

性の写真を見た時に自分の身体の大きさを過大

に評価した。実験室条件または調査条件の下での

少数の女性に基づく研究から、摂食障害の病因論

におけるメディアの役割に関する何らかの結論

を導き出すことは難しく、メディアが実際に日常

生活において女性からどのように受けとられ、解

釈されているかを評価するには、より長期的な民

族誌的研究が必要である。

翼文危潤ユ:どデンヌ

 西洋のメディア文化に最近曝露された国々で

一49一

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参考資料3

のエビデンスは、メディアが文化的傾向に及ぼす

影響の有用な指標となる。1988年からフィジーの

食習慣を研究しているH纐wd Medical S面oo豆の

人類学者A㎜l Beck瓠は、1995年のテレビの到来

以降、フィジーにおいて摂食障害が増加したこと

を特定した。199$年にフィジーの10代の女子を

対象とした調査を実施し、74%が自分の身体は大

きすぎるか太っていると感じていることを示し

た。これは、男女とも大きな体格を好む伝統的な

フィジーの傾向、および痩せが社会的怠慢や欠乏

と関連していることを示した以前の研究とは対

照的であった100。美しさに関する西洋の理想が、

過去十年以内にダイエットをしたことがある若

者の割合を上昇させたと思われる。クック諸島に

おける類似の研究は、非常に大きな身体を健康的

かっ魅力的とみなす伝統的なポリネシア人の概

念はもはや見られないことを示した101.しかし、

青年期のフィジー人女子およびポリネシア人女

性に見られた変化の原因が「西洋化」に関連した

他の要因ではなくメディアのイメージヘの曝露

であったことを証明するのは、きわめて困難であ

る。それでも、テレビの到来がこの文化における

ダイエット行動の発生において有意な役割を果

たしたと考えるのが妥当であろう。

と低いセルフエスティームおよび身体に対する

否定的な態度との間に何らかの因果関係を確立

することは難しい。Levi臆e読翻Smo駄82による文

献の包括的なレビューは、「非常に多くの理論化

およびメディア批判が存在するが、体系的な研究

はきわめて少ない」という見解を支持している。

82しかしこの結論に達する際に著者らは、身体の

大きさに対する反応を形作る上でメディアがよ

り広範な役割を果たしている可能性を示唆し、

Tolm罎a認DeboMによるボディーイメージに関

する研究を引用している。「望ましい女性のイメ

ージは、成功のモデルとして表現されている。彼

女はうんざりするほどマスメディアの中で我々

の前に登場し、そのイメージは他人の期待を反映

している。彼女と何らかの関係を構築しなかった

女性は少ないだろう」102。

 女性は、あらゆる健康上のリスクのなかで体重

を最も気にかけているようである。例えばある研

究で(図5)78、女性は喫煙や飲酒より体重のほ

うが健康へのリスクが大きいと認知しているこ

とが分かった。男性は、公害、運動不足、および

喫煙による脅威を体重に対する懸念より上位に

評価した。

鼎 上記の研究は、メディアのイメージがボディー

イメージおよび摂食障害の発症に及ぼす影響を

評価しようとした研究のごく一部である。これら

の多くは、メディアのイメージに対する長期的曝

露の影響については検討しておらず、またサンプ

ル数が少ないため、メディアのイメージヘの曝露

一50一

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参考資料3

図5健康にとって有害捻ものに関する成人の見解(男曳別)

 公害.一i

遼動不足i……・

受動喫煙,て

濟¢

翠’

頓く

蟻ミ販、

・ぜ

鴬.鴬

く蕊

惹じ

人醐係隊族騨…

チi     liひ     岱      悲○     鱒

鞭     銭漁’“滅糊}(ゆ》磨.、‘

 女性にとって体重が主な関心事の1っであるこ

とは明らかである。新聞や雑誌、テレビの中の体

重関連の記事、またファッション産業の「痩せ」

のモデルヘの日常的な曝露が、望ましいボディー

イメージに関する不安感および自己不信の感情

の一因となっていることは間違いない。

        まとめ

醗メディアは現代社会に大きなまた蔓延する影

響を与え、性的役割、ファッションおよび望ま

しいボディーイメージに関する情報を提供す

る。メディアは、その内容に高度に曝された幼

い子供や若者に対して特に大きな影響力をも

つo

㈱特に広告は、ファッション、美容および食物に

対する態度に関する若者の認知に影響している

と思われる。

⑳体形に関する女性の認知に対するメディアの重要性

を示そうと試みた研究もあったが、多くの研究はサン

プル数が少なく、メディアヘの曝露がボディーイメー

ジに及ぼす長期的な影響の検討はできていない。

鯵若い女性は、自分自身と、ファッション産業あるい

は製品広告での極度に痩せたモデルとを比較して、自

分を健康的、魅力的ではなく「太っている」と認知す

る可能性がある。

一51一

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参考資料3

 ボディーイメージおよびセルフエスティームに

     与えるメディアの影響

 エビデンスの検討(例:Fieldeξan999,Pl油aset

a口999,懸am雲lto魏&ndW認ed991)により、自分自

身に関する女性のイメージや社会における理想

的な体形を形作る上で、メディアが重要な役割を

担っていることが示唆されている。次項では、大

多数の女性を、最適な身体の大きさに関する誤っ

た認知へと誘導するメディアの役割を検討する。

これらの影響は多くの青年期女子および若い女

性を、有害な影響をもたらしうる食事制限の実践

へと導く可能性がある。

 ボディーイメージは、メディアが人格的同一性

の感覚に及ぼす影響を理解する際の主要な概念

のiっであり、「受容と拒絶の態度の根底にあり、

かっそれを包含する身体の物理的および認知的

表象」と定義されている103。明らかに、ボディー

イメージはセルフエスティームと密接に結びっ

いており、否定的なボディーイメージは摂食障害

の主要な側面の1つである104。メディアのイメー

ジは、身体の認知および評価を変化させる上で特

に重要であるとされている妬。Myers andBioccalo5

は、この役割を検討するために「伸縮性のあるボ

ディーイメージ」という概念を用いた。メディア

は、女性が自分自身を測定する際の比較基準とな

る、モデル、女優、ポップスターなどの「魅力的

な」女性の例を提供することによって、社会的に

描写された理想的な身体の一因となっている。女

性は、社会的に描写された理想的な身体と自分の

実際の体形とを比較することによって「内面化さ

れた理想的な身体」を構成する、と示唆されてい

る。異なる時期、異なるストレスおよび影響の下

で、こうした異なる基準点に照らして女性が自分

自身の身体を見ることがあるという意味で、これ

は「伸縮性のある」現在のボディーイメージをも

たらす。

 近年、社会的に描写された理想的な身体の痩せ

の程度はますます進み、集団の平均的な客観的体

形よりはるかに痩せており、女性が自分の身体を、

より太く、より体重が重いと感じるよう圧力をか

けている105。このことは、若い女性に関する最近

の研究で明らかになっている。14~16歳のオース

トラリアの女子児童869人に関する研究で、実際

に体重過剰だったのは16%のみであったが、サン

プル全体の2/3が自分自身を太っていると認識し、

サンプル全体の87%がメディアの奨励する痩せ

た「理想的な」体形を欲求していることが分かっ

た。女性の1βは、過激なダイエット(22%)、絶

食(2葺%)および喫煙(12%)という極端な減量

行為の少なくとも1つを前月に行っていた。この

研究は、オーストラリアの青年期女子の間の食行

動異常と不健康なダイエット行動の動機付け要

因は、仲問圧力、メディアの圧力、および極端な

ダイエット戦略は無害であるという認知である

と結論づけた106。

 MyersandBiocc&105は、メディアの中の美しさと

魅力に関するメッセージは、身体に関する歪んだ

考えの要因の豊つであると結論づけている。身体

認知に及ぼす「痩せた理想的な」固定観念の影響

を検討した別の研究では、調査した女性において、

「痩せた理想」への曝露が、抑うつ、ストレス、

罪悪感、不名誉感、不安感および身体に対する不

満をもたらした107。

一52一

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参考資料3

 学業上の成功および公的な生活への参加が増

大したにもかかわらず、多くの若い女性が低いセ

ルフエスティームの危機に直面しているように

思われる。小麦粉諮問局(FlourAdvisoryBureau)

108は最近の調査で、18~24歳の女性901人に対

し自分の影響力、セルフエスティームの要因、ボ

ディーイメージおよび食習慣に関して質問し、以

下の結果を得た。

㊨若い女性の5人に1人は、身体的完壁性に関す

る非現実的な期待に応えなければならないとい

う圧力を感じているため、常時または、ほぼ常時

ダイエットを行っている。

⑱社会および仲間からの圧力が、健康的な体重に

関する歪んだ認知や、放浪者のような体形でなけ

れば仕事を得られず男性に拒絶されるという考

えを若い女性に与えている。

⑭大卒のキャリアウーマンは、他の集団に比べて

食べることに対して罪悪感を持っ可能性が高い。

 メディアが描く若い女性の写真と比べてどう

感じるかという質問に対し、ほぼ半数が、写真を

見て自分が「不適切」であると感じると回答した。

若い女性に与えられるメッセージは矛盾してい

る場合が多い109。女性は子育てをし、母性的で、

温かく、支えとなる妻・主婦・母親としての伝統

的な役割を維持しながら、痩せて、魅力的で、仕

事でも成功し、意欲的で、かっ経済的に自立する

ことを期待されるno。これらの役割を調和させる

ことのできない女性は、脆いセルフエスティーム

を増強するために体重を管理できているという

安心感を、あるいは難しい生活上の意思決定を避

けるために置換行動を求めると思われる。

 ある研究は、摂食障害の予防手段として、若い

女性のセルフエスティームを高める重要性を示

したm。この研究では、ll~12歳の女子児童594

人のセルフエスティームを評価し、その内400人

について15~16歳の時点で再評価を行い、摂食

障害および心理的な問題に関する質問紙への回

答を求めた(残りの194人は転校していたか、追

跡調査への参加を親が拒否した)。最も低いセル

フエスティーム領域の女子児童は、最も高い女子

児童に比べて、摂食態度調査(EatingAttitudesTest,

EAr l摂食障害の評価に使用される)で高いスコ

アを示すリスクが約8倍高かった。調査の結果、

11~12歳でのセルフエスティームが低かった女

子は、15~16歳で摂食障害およびその他の心理的

な問題の重篤な徴侯を示すリスクが有意に高か

った。この研究はまた、摂食問題および摂食障害

は、GCSE(中等教育卒業資格)試験のストレス

など他の心理的ストレスと重複することを示し

た。セルフエスティームは、遺伝的素質、教育上

の達成、家族生活の質、社会的条件など各種の影

響を反映すると考えられている。ダイエットに対

する親および仲間の影響は、食事制限を有意に発

生させる40。家族(例1祖父母〉による体重に関

するコメントは、摂食障害の発症の誘発因子とし

て働く可能性があり、セルフエスティ…ムを低下

させ、「痩せ」を「成功」や「愛されること」と

結びつけるようになる。ある研究でgo、痩せ願望

および乱れた摂食パターンに対する次の2つの強

力な関連因子が特定されている:魅力的な体形や

体重管理に関する情報や観念が掲載された雑誌

を読むことと、家族による体重または体形に関す

一53一

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参考資料3

るからかいや批判である。低いセルフエスティー

ムは、メディアのメッセージを受容する可能性を

高めると思われ、こうしたメッセージは、非現実

的な体形の例を「理想的」なものとして提供する

ことによって、セルフエスティームをさらに低下

させうる。

 西洋文化圏の女性は自分の身体に対して「規範

的不満」を示すこと、および、摂食障害を予防す

る試みは障害を診断された人々だけでなく、さら

に多くの人々に有益でありうることが示唆され

ている81。我々の文化における身体に対する「規

範的不満」には、多くの指標がある46。例えば、

美容整形の増加は可処分所得の増加を反映して

いるに過ぎないかもしれないが、青年期のアイデ

ンティティ葛藤に根差した低いセルフエスティ

ームおよび外見への関心に関する有用な指標で

ある場合が多い29。多くの女性は身体的完壁性を

獲得するために、身体的な不快感および外科手術

のリスクを喜んで冒している。米国では、形成手

術を受ける人の89%が女性である112。米国での

研究は、乳房を小さくしたいと望む女性の半数以

上が、拒食症または過食症の症状を示すことが分

かった52。最近の研究は、喫煙が過食症の女性に

おいて痩せの追求に関連していると結論づけて

いるiB。また、多くの女性は、喫煙によって痩せ

た状態を維持できるとの誤った考えから喫煙を

続け、体重増加を恐れて禁煙を拒否する114。不良

なセルフエスティームおよび体形に対する否定

的な態度は、西洋の工業化社会における若い女性

の間に蔓延しているように思われる。

 摂食障害を予防する試みは、さらに、西洋文化

圏の女性が示す「規範的不満」も排除または低減

しうる。こうした対策は、摂食障害のない女性に

とって、ボディーイメージを高めるための不必要

な美容整形や喫煙など危険性のある行動を減少

させる可能性がある。

 摂食障害の病歴の多くにおいて、また摂食障害

の発症の引き金となる要因の記述において、低い

セルフエスティームは摂食障害の発症の一般的

な心理学的前兆であるように思われる。メディア

は、社会的、性的および職業上の成功への道とし

て細い身体を奨励することにより、若い女性の低

いセルフエスティームの一因となっている可能

性がある。ファッションやダイエットによる変身

の可能性、望ましさ、安全性、また、太っている

と認知される女性に対するあけすけな嫌悪が文

化的に強調されているH5。どのように表現された

いかを若い女性に尋ねた最近の調査で、ほとんど

の女性は、親切で思いやりがある、知的で自信に

満ちているなど非身体的な特質を選んだのに対

し、男性にとって女性の何が最も魅力的かを質問

すると、55%が最も魅力的な要素は外見であると

回答した108。男性が見出す女性の最も魅力的な要

素は知性であると回答した女性はわずか1%であ

り、62%は女性の外見は恋人を手に入れる可能性

に影響を及ぼすと回答し、52%は仕事の展望に影

響を及ぼすと回答した。多くの若い女性が、達成

したことではなく外見によって判断されている

と感じていることは明らかである。

 今日の若い女性には、あらゆる領域において完

壁性を目指して努力することが期待されている。

完壁主義は摂食障害の発症における強い危険因

子の1つである。社会分析学者HdenWilkinsonは、

今目の若い女性は成功の機会による圧力を感じ

一54一

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参考資料3

ることが多く、r食物との問題のある関係を通じ

てそこから退き、あるいは自己破壊という複雑で

潜在意識に関わるプロセスに携わっている」こと

を示唆している116。多くの女性が食物に対して不

健康かつ機能不全の態度をもち、摂食障害を発症

していない人々でさえ、摂食量の制限またはrフ

ァディズム」を童)たらしうる食行動異常の徴侯を

示している。たくさん食べることはr女性らしく

ない」とみなされる恐れがあり、女性は摂食量を

制限しなければならないという文化的圧力を感

じている可能性がある117。

広告規制一聡CおよびASAの方針

 BMAは、製品の広告やファッション産業の衣

服のモデルとして、非常に痩せたモデルを使用す

ることに懸念を抱いている。独立テレビ委員会

(ITC〉の既存の方針では、痩身製品の広告が摂

食に対する不健康な態度を刺激しないよう注意

すべきであり、またこうした広告は「低体重が受

容される、または望ましいと示唆または含意して

はならない」と述べている。証言広告を行う者は

低体重であるように見えてはならない。しかし、

ITCは、広告における低体重のモデルの使用が拒

食症の発症に直接的な影響を及ぼしていること

を示す十分なエビデンスはないと考えているた

め、この方針は、痩身製品にしか適用されていな

い。1998年、広告規制局(ASA)は、製品の広告

に非常に痩せたモデルを使用したのは無責任で

あるとして、腕時計メーカーの広告を公的に批判

した。しかし、痩せたモデルが広告に使用される

例は今も多く見られ、特に衣服のモデルに体重過

剰または正常な大きさの女性が使用される例は

ごく少数である。製品の販売促進のために選ばれ

たモデルの痩せの度合いはしばしば達成不可能

で、かっ生物学的にも不適切であり、若い女性に

無用のロールモデルを提供している。

肯定的なメディアの影響

 拒食症および過食症は、多大な医学的介入を必

要とし、おそらく部分的には遺伝的に決定される

重大な精神疾患である。しかし、環境的要因が疾

患の発症および経過に影響を及ぼす可能性があ

り、また影響を受けやすい人々に対する危険因子

を低減するために一定の処置を講じることがで

きると考えるならば、疾患の公衆衛生モデルを採

用することができる。

 メディアが摂食障害の病因論において、たとえ

定量化が困難でも有意な役割を果たす可能性は

あるが、それは我々が影響を及ぼすことができる、

より制御可能な要因の1っであろう。メディアが

もっぱら否定的な方向でのみ女性のセルフエス

ティームに影響を及ぼすわけではないことを認

識することが重要である。メディアは、自分自身

や社会での役割に自信をもっよう若い女性を奨

励するのに建設的かつ有用な役割を担うことが

でき、また、健康的な食習慣および食物との関係

を奨励するのに重大な役割を果たすことができ

る。

 メディアは健康増進に対して重要な役割を果

たしている。16~24歳の女性に関する研究で、健

康教育局(Health EducationAuthor孟ty)118は、十代

向け雑誌や女性雑誌が主要な健康情報源である

ことを認識した。メディアは主な健康情報源であ

り、女性のほぼ半数(45%)は健康的な摂食に関

一55一

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参考資料3

する情報を雑誌から入手し、4人に1人はテレビ

またはラジオから入手している119。女性は、メデ

ィアから摂食障害に関する情報も入手しており、

これは問題の早期の認識につながる可能性があ

る。拒食症の女性120人に関する最近の調査120

で、拒食症の特徴に関する記事を読むことが、拒

食症であることを認める上で最も重要な要因で

あり、ほとんどの女性がメディア、自助組織、家

族または友人から情報を得ていた。

 付録3は、メディアに関して摂食障害協会

(E我伽g Disorders Associ我tlon)が行った最近の研

究の要約であり、メディアが、摂食障害に対する

意識を高めるのに使用され、有用な健康情報を提

供した事例を提示している。メディアは健康問題

に対する意識を高める上で多大な影響をもつた

め、若い女性が体形や健康的な体重に関して正し

いメッセージを受け取ることが不可欠である。

な医療情報源となっており、健康に対するメディ

アのプラスの貢献を過小評価すべきでない。しか

し、メディアが伝達し若者が受領するメッセージ

には、注意と配慮が必要である。

        まとめ

⑳摂食障害者にとって、身体は人生の成功を判断

する手段になる。身体の大きさに依存しないセル

フエスティームを奨励し高めることは、影響を受

けやすい人々が摂食障害を発症するのを防止す

る鍵となりうる。

⑭メディアは、若い男性および女性に対して、様々

な体形、役割および達成ルートの例を提供し、彼

らのセルフエスティームを強化することができ

る。しかしメディアは、限られた数の体形や、容

姿と成功とを結びっけたメッセージを描く傾向

があり、これは、若者のセルフエスティームにと

って潜在的に危険である。

⑭メディアは、特に女性雑誌を通じて若者の重要

一56一

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参考資料3

一次予防プログラム

 一次予防の目標は、「障害の因果関係に関わる

要因を排除または無効化する試み、および有害な

影響に対して個人を強化する試み」と定義されて

いるm。摂食障害に関しては、「…メディアや家

族、仲問からの痩せるようにという圧力を低減し

ながら、同時にこうした影響に抵抗する欲求およ

びスキルを何らかの方法で増強する必要がある」

と述べられている89。

 これらの目標は、どうすれば実現できるであろ

うか。身体の大きさおよび体形のより多様な例が

メディアに提示されれば、若者への圧力は低減で

きるかもしれない122(これは、非現実的な体形に

従うことに対する仲間からの圧力も低減できる

可能性がある)、また痩せに対して過剰に注目す

ることからの文化的移行を積極的に奨励するた

めに、メディア専門家による行動を必要とするで

あろう106。女性の身体の提示における文化的変化

およびダイエットをしないようにとの働きかけ

は、西洋の先進社会の女性すべてに肯定的な影響

を及ぼし、摂食障害または常習的なダイエットに

陥りがちな女性にとって特に有益であろう。妬健

康増進活動では、若者が自分の身体の大きさおよ

び体形に関して自意識過剰にならないように、親

が子供や若者の前で体重を問題視せず、また不用

意なコメントをしないように働きかけることを

目指す。しかし、文化的規範のこうした移行の多

くは、「浸透」して摂食障害を減らすまでに時間

を要する場合がある。

 より直接的なアプローチは、(例えば、摂食障

害に対する保護をもたらすと思われる文化的側

面を検討することによって)「有害な影響に対し

て個人を強化する」ための措置を講じることであ

ろう。摂食障害の一次予防の促進を目的としたプ

ロジェクトはすべて、若者の生活に関連したいく

つかの問題を検討する必要があろう。教育プログ

ラムに盛り込むべきものとして、以下の事項が提

案されている123。

⑳思春期の正常な生理的、社会的および心理的変

化、脂肪組織沈着の増大、および個人間に生じる

多様性に関する情報

⑳全体的な栄養、食事を抜くことおよびその他の

食習慣、食物と情緒との関係

鯵身体活動一その重要性および適切なレベル

鯵食事制限および常習的なダイエットの生理的お

よび心理的影響に関する理解、過激な減量テクニ

ックを実践しないようにする働きかけや食事療

法に関する流行の事実と俗説、現実的かっ安全な

体重管理方法、および体重の変化や維持に対する

現実的な目標など、体重管理の問題

⑭社会的関心事に対する答えとしてスリムである

ことを示唆する上でのメディアの役割に関する

考察、理想的な身体に関する学生のイメージ、お

よび適切な体重を判断するための支援など、ボデ

ィーイメージの問題

⑭社会における女性の役割、女性に関するメディ

アの描写、および女性であることとその能力また

は自律性とのバランスなど、女性関連の問題

⑳自律性、セルフエスティームおよび人格的同一

性に関連した問題

㊥ストレスおよび社会的圧力に対処するスキル

(すなわち、自己主張をもっこと)

一57一

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参考資料3

⑭拒食症および過食症に関する情報一一これらの摂

食障害を「美化」しないように働きかける形で提

示する

 さらに、スリムでなければならないという若い

女性に対する圧力を低減するための方法として、

メディアリテラシープログラムが提案されてい

る。そうしたプログラムには、マスメディアを分

解し、メディアの業界および制作に対する子供の

理解を助け、子供が、広告などのメディアの産物

を疑問視し、評価し、用心深く反応するのを助け

るためのレッスンが含まれる。オーストラリアは

最近、幼稚園から12年生までほぼすべての児童

に対してメディア教育を義務づけた董24。しかし、

若者がメディアを楽しむことを単に否定する形

でメディアが糾弾されれば、メディアのメッセー

ジの重大な分析に関与することへの反発が生ま

れるため、こうした糾弾がなされないようプログ

ラムには慎重な配慮が必要である89。

 英国における最近のイニシアチブの一例は、リ

バプール市の教育および生涯学習サービスが作

成した一連のガイドラインである125。摂食障害と

ボディーイメージに関する学校向けガイドライ

ン(TheGu沼ehnes£orSchoolsonEatingD孟sorders

&nd Body Image〉は、学校が生徒の摂食問題にど

のように対応すべきかを考えるのを支援し、また

すべての職員および生徒において肯定的な自己

のボディーイメージを奨励するために作成され

た。このガイドラインには、教室での活動を支援

するために使用できる資源の一覧と、これらの問

題を英語、科学、健康教育および食品技術などの

必修科目に組み込むための提案が含まれている。

容姿の重要性に関するメッセージに対して若

者の抵抗力を強化するためのもう1っ方法は、適

正な外見を達成することが自分を受け入れる唯

一の方法だと考える集団に対して、達成感とセル

フエスティームを得るための別の方法を見っけ

てあげることである126。オーストラリアの研究41

は、青年期の女性におけるダイエットによって食

行動異常が生じるリスクを強調している。この研

究は、女性がスポーツ活動により多く参加すべき

であると結論づけている。最近の研究で、若者は

スポーツや趣味を楽しむ時間を生活の中で最も

重要性の低い側面として評価していることが分

かった127。一定のスポーツ活動自体が摂食障害の

発症リスクの上昇に関連しているという懸念が

あるi28。これは、体操、水泳、ランニングなど、

極度に競争的で、体重の低さが成績に優位性をも

たらすようなスポーツの場合に問題となる茎29過

剰な運動は、摂食障害の男女において体重減少の

有意な要素となりうる。個人競技のスポーツにお

ける摂食障害の蔓延は、若い女性運動選手が二次

性徴を完全に迎える前に競争に入ることが多い

ことによって説明できよう。思春期には、それま

で細かった運動選手の身体が成熟しようとし、こ

れがトレーニングの妨げとなる場合がある129。し

かし、摂食障害を発症していない大半の若者にと

って、運動はセルフエスティームを高める重要な

要素となり、また健康的な体重を維持したいと考

える女性にとって、食物に代わる関心の対象とな

りうる。別の最近の研究玉30では、規則的に運動

を行った女性は、運動しなかった女性に比べ、体

重は有意に多かったにもかかわらず、自分自身を

より魅力的で自信があり、健康的で人気があると

一58一

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参考資料3

評価した。「美しさではなく熟達に焦点を当てた

適度な運動は、管理の認知、セルフエステイーム

および身体に対する満足(どれも摂食障害の予防

に寄与しうる)を高めることができる」妬ことを

示すエビデンスが数多くある。

 学校においては、若い女性が自分の身体の大き

さや容姿に関して自意識過剰になり、低いセルフ

エスティームが身体活動への参加を阻んだり、高

価なトレーニング用の靴または服を買うことが

できない場合があるB玉。若者は、身体への自信の

欠如、近隣の施設の欠如、ジムやスポーツ施設ま

での公共交通機関の欠如、時間の欠如、活動また

はスポーツウェアの費用など、様々な理由からス

ポーツ活動への参加を思いとどまる場合がある。

「エアロビクスインストラクターの外見を実現

できないことが、女性に敗北感、不名誉感および

絶望感を与えうる」3ことが示唆されている。学

校のスポーツとの否定的な関連付けは、若者の将

来のスポーツ活動、健康維持およびセルフエステ

ィームに影響を及ぼす可能性がある。スポーツ活

動および運動の本来の目的は常に「楽しむ」こと

にあり、減量または特定の体形を実現するという

目標であってはならない。体重過剰の子供が体育

の授業中にからかわれたり、体重に関して自意識

過剰にならないようにすべきであり、こうした子

供をスポーツ活動に完全に参加させるようあら

ゆる努力を払う必要がある。

 若い女性の摂食障害の多くが思春期の精神発

達段階で発症するため、この時期に経験する特定

の悩みや葛藤にっいてB2、また身体的および社会

的発達の影響を受けやすい段階にセルフエステ

ィームを高める方法にっいて、より十分な検討が

必要である。

 摂食障害の一次予防プログラムに関する研究

の多くは米国、カナダおよびオーストラリアで行

われており、これらの有効性に関するエビデンス

はいまだ不明であることに注意すべきである。英

国における摂食障害の一次予防に関し、さらに研

究を進めることが必要である。

         まとめ

⑱摂食障害の一次予防プログラムは、摂食障害の

危険因子を低減し、これら危険因子に対する若者

の抵抗力を高めることを目的とする。痩せた女性

のメディアのイメージヘの曝露を低減し、学校の

教育課程においてボディーイメージ、セルフエス

ティームおよびダイエットヘの圧力に関連した

問題に対する意識を高めるなど、これらの目標を

実現するために、社会レベルで変革を行うことが

できる。

一59一

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参考資料3

考察一今後の方法

 拒食症および過食症は、死亡率および罹患率の

高い重大な精神疾患である。これらの疾患には一

定の遺伝的素因が存在し、環境的要因が、影響を

受けやすい人々において疾患の引き金となって

いる可能性が高いことがエビデンスにより示さ

れている。本報告書では、メディアの有意な環境

的要因および低いセルフエスティームやダイエ

ットヘの圧力の一因となるメディアの役割を主

に検討した。摂食障害が特定の時代および特定の

文化において蔓延したことを示すエビデンスを

概説し、摂食障害が主に女性に発症し、20世紀後

半に蔓延したことにっいて、考えられる理由を検

討した。摂食障害の病因論においては、メディア

が重要な役割を果たしていると考えた。ただし

個々の広告、テレビ番組やモデルを摂食障害の発

症原因として非難することはできず、この問題に

関してより包括的な研究を行う必要がある。自分

自身の身体および社会における自らの役割に関

する見解を形成する過程にある子供や若者は、健

康的な摂食および望ましい体形に関する複雑ま

たは矛盾したメッセージの影響を特に受けやす

い。

 社会的行動に及ぼすメディアの影響を定量化

することは困難であり、痩せた女性のメディアイ

メージを減らせば必ず発症率が低下すると絶対

的な確信をもって言うことは、少なくとも短期的

には不可能である。摂食障害の発症率に大きな影

響を及ぼすには、より広範な社会文化的変化が必

要であろう。そのためには、美しさおよびボディ

ーイメージ全般に関する我々の観念、および若い

女性におけるセルフエスティームの強化を検証

する必要があろう。しかし、若い女性が、単に外

見ではなく内的な性質および達成によって評価

されていると感じるためには、現代の西洋文化が

女性に身体の大きさおよびボディーイメージに

関する先入観をどのように生じさせ、体重を医療

上の最大の関心事として認知させているかを研

究する必要がある。メディアは我々の文化的理想

の主な源泉であると考えられるため、現代の文化

の一要素であるメディアの影響を検討した。メデ

ィアは、1950年~1960年代以降の西洋の社会に

おける摂食障害の増加の唯一の原因ではないが、

集団においてより良好なヘルスケアの成果を生

み出すように誘導し、且つ影響を及ぼそうとする

要因の1っと考えられる。

 摂食障害は様々な文化的、環境的および生物学

的影響の結果生じるが、低いセルフエステイーム、

ダイエット、健康的な体重に関する歪んだ認知と

いう誘発因子および持続因子は、文化的に決定さ

れる要因であり、変化を受けやすい。責任ある態

度をとれば、メディアは若者に貴重な健康情報を

提供し、高いセルフエスティームおよび身体の大

きさとは関係のない達成感の構築を支援するこ

とができる。メディアは医療専門家と協力して、

健康的な体重に関する正確な情報を伝え、若い女

性におけるダイエットの危険性に対する意識を

高めることができる。現在、一部のメディアが、

極度に痩せたまたは低体重の女性のイメージを、

そのような体重が健康的または望ましいと示唆

するような文脈で提示している。このイメージは、

西洋の先進文化圏のほとんどの女性の実際の身

体の大きさと矛盾している。例えば、多くの女性

一60一

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参考資料3

は本来曲線的または「洋なし形」であること、ま

た痩せすぎは女性の健康を危険に曝すことを意

識したアプローチなど、客観的な体重を達成する

ために、より現実的なアプローチを若い女性の健

康のために採用すべきである。さらに本報告書で

は、摂食障害者の大半を占める若い女性を主に検

討したが、若い男性も身体的に完壁でなければな

らないという圧力に直面し、また、理想的な外見

に関する非現実的なイメージを提示されており、

摂食障害またはステロイドの乱用などの不健康

な行動が誘発される恐れがあることを認識する

ことが重要である。

 軽度または中等度の体重過剰と肥満とを混同

しないことが重要である。同様に、健康的な摂食

のメッセージと、痩せていることとを混同しない

ことも優先事項である。最近の調査で、臨床的に

低体重の女性のほぼ60%は自分の体重に満足し

ていることが分かった。中等度の肥満についての

不必要な悩みは、特に若い女性が仲問にからかわ

れた場合、低いセルフエスティームや抑うっ、ま

た関連する健康上のリスクを招く恐れがある。体

重過剰または肥満の子供、また自分が体重過剰ま

たは肥満であると考えている子供には、慎重に対

応することが特に重要である。多くの場合、子供

がまだ発達時期にある間は、体重の安定を目指す

ことが将来の健康的な成人体重を確保するのに

十分である。これは、運動プログラムおよび健康

的な摂食に関する助言によって実現されるべき

である。「食事(diet)jと「ダイエット(diet孟ng)」

を混同してはならない。食事はある栄養体系をさ

し、ダイエットは一般に摂食量の制限とみなされ

ている。

 完壁性を求めること、あるいは女性が低体重ま

たは正常なBMIの下方領域に入ることを目標と

するのではなく、現実的な目標を設定し、「正常

な」BMIの上方領域の女性が若い女性の手本とし

てテレビに頻繁に登場するようになることを目

標とすべきである。男性は「棒のように痩せた」

女性を魅力的だと感じるという俗説を払拭する

こと、また、若い女性が臨床的に定義された肥満

の健康上のリスクを認識すると同時に、適正な範

囲の身体の大きさや体形はいくつもあることを

認識することが重要である。医療従事者自体も、

「軽度の体重過剰でも醜く、異常なものとみなす

敵対的な文化的態度」を助長しているとの批判を

受けてきた。したがって、本来曲線的なほとんど

の女性にとって達成不可能な痩せた理想的な体

形という形で、健康的な摂食のメッセージを誤っ

て伝達することがないようにすることが重要で

ある。

一6王一

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参考資料3

勧告

メデイア

1放送事業者(または番組制作者)や雑誌の出

版社は、ロールモデルとして極度に痩せた女性を

描くことに対してもっと責任ある編集態度をと

り、より現実的な領域のボディーイメージを描く

べきである。

2 テレビ広告や印刷広告の制作者は、製品の広

告に痩せた女性を使用することを慎重に検討し、

特に1TCは、痩身薬以外の製品の広告への痩せた

モデルの使用に関する方針を見直すべきである。

3 医療専門家は、番組が若者に及ぼす可能性の

ある影響に対する意識を高め、健康的な摂食パタ

ーンを番組に盛り込むことを奨励するために、テ

レビ業界と協力すべきである。

食事および栄養

4 医療従事者は、若者に影響を及ぼす主要な栄

養上の問題に対する意識を高めるために、食品メ

ーカーや広告代理店と協力すべきである。特に、

思春期の若者における誤った栄養の影響に対す

る意識を高める必要がある。

5 学校の教育課程に、食品広告の解釈に不可欠

な批判的に考えるカの育成を含めるべきである。

特に幼い子供向けのメディアリテラシープログ

ラムの実施を検討すべきである。

6 子供および十代の若者と直接関わる医療従事

者は、絶対的に必要な場合を除いて、ダイエット

が日常生活の一部とならないよう注意しなけれ

ばはならない。r食事療法」の実施とrダイエッ

ト」(すなわち食事制限〉とを明確に区別するこ

とが非常に重要である。ダイエットが必要と考え

られる場合は、明確で達成可能かつ生物学的に適

切な目標を医療従事者が設定すべきである。

教育

7 学校は、明確に定義されたいじめ対策方針を

もち、体重過剰の子供をからかわないよう強く働

きかけるべきである。これにより、集団内の身体

の大きさおよび体形における正常なばらっきが

受けいれられやすくなるであろう。

8 学校は、拒食症または過食症の可能性のある

子供の徴候および症状を早期に発見できるよう、

摂食障害に関する方針を作成すべきである。

9 校内カウンセリングおよび指導教育サービス

は、若者がセルフエスティーム、体形および社会

的人気の問題に取り組める場を提供すべきであ

る。

10 体育の授業中に若者が直面する問題(例:体

形に関する自意識、身体的に不適当と認知される

ために、チームに「最後まで選ばれない」ことへ

の恐れ〉に配慮すべきである。健康づくりおよび

楽しみを主要優先事項とみなすべきであり、あら

ゆる体形および身体の大きさの子供が、たとえ高

い成功を収めることができなくても、授業に受け

入れられ、自らの貢献に基づいて評価されている

と感じるようにすべきである。

政府の保健戦略

11 『OurHealth孟erNatlon』(私たちのより健康な

国)に明記された政府の精神保健戦略に基づき、

予防対策の検討によって、摂食障害を減少させる

ための明確に定義された目標を設定すべきであ

一62一

Page 58: 分担研究報告書 若い女性及び妊産婦の栄養admin7.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h16/65897_04.pdf · 2006. 9. 27. · 分担研究報告書 若い女性及び妊産婦の栄養・食生活に関する国内外の基準データ

参考資料3

る。

12 ダイエット、身体活動、および健康の関連性

について、また摂食障害や低体重に関連した健康

上のリスクに関して、より十分な一般教育が必要

である。

13 精神保健サービス、特に摂食障害クリニック

に対し、より多くの資源が提供されるべきである。

今後の研究

14 特に子供や若者における摂食障害の一次予

防の研究を最優先事項とすべきである。こうした

研究には、対照群の設置、適切な評価、また脱落

者をできるだけ少なくし、適当な間隔後に行う適

切なフォローアップがある。

15 メディアの話題や、それが子供や若者に及ぼ

す可能性について、特に体形の認知および健康的

な摂食に対する影響というテーマに関して、より

詳細な研究が行われるべきである。

16 集団の一部(例:男性、一定の少数民族)に

おいて摂食障害の発症率の大幅な低下をもたら

していると思われる「保護的」要因に関して、よ

り詳細な研究が行われるべきである。

一63一

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1τ8 Finch H,Wh汁e C、ρ島γsrcα’αdlvlfyごwhqナwe fわlnk.Quα’1ナαflve reseαrchαmoηg women oged76ナ0

   24・しond・n洲eα睡hEducα看ionAu量h・ri奴,1998

119 『lourAdvisαγBureαu“d.Breqd‘or Ufe Cαmpqign.Reseσrcわsummαッ.London,1999

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120 Noordenb◎sG.lmpor董αnffqdors in董he processo釜recoveryαccording量◎pαfienfswi†ho筒orexiα

   nervosq.ln二目erz◎g W,De↑er HC,eds.祐e Course ofεqナlng Dlsorders;Long一ナerm fo〃ow-up5’udles

   ofαnorex’ασnd bu”mlαne’vo∫α.Berlin:Springer-Verlα9,1992

121 S童rlegel一猷oore RH、S査eine卜Adoir C.Primαry preven寺ion o‘eα曾lng disorders:fur董herconslderα奮i◎口s

   fromαfeminis量perもpedive.ln:Vα口dereycken W,No◎rdeめos G,eds汀わe Preven”on o任αナlng

   D’sorders.Sα粁r◎n Wαlden:A雪hlone Press,1998

122 SIαde R Prospeds for preve口価on。1口:Szmukler G,Dαre C,TreosureよHαndbook ofeαf’ng d’sorders=

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   d’sordersαnd body’mαges.Liverpool Heol雪h Promo量ion Service:Liverpool,2000

126 Ewe蒔E Smi量卜S,Kqrmel〈〈湾Hαr†D.The se“se of self q湾d i重s developmen量:αfrαmework‘or

   unders量qnding eα奮ing disorders.ln:Smolokし,Leviハe《へR S管rlegel一くくoore R。τわe Deve’opmenナα1

   ρsych・Pαナho’◎9γ・チεαナ’ngD’5・rder5.New」ersey:L・wrenceErlbαumAssociq奮es,1996

馨2ア FI◎ur Advisory Bureαu L耐.Breαd for Life Compαign.Press Releαse.Ybung womenαreαdoρ”ngα

   mαle mode’ofsuccess new Breαd for Llfe reseαrcわsわows.しond◎n,1999

等28 Llndemαn AK.Quest for ideol welgh曹:c◎s奮s ond cons¢quences、Oチf’dα’Joumα’o脅he Amer’cαn

   Co〃egeofSρoけs楠d’clne1999湖:肇135-40

馨29 Pdmer RE,Frosi C納.Eα董ing disorders i巖{emqleα†hle奮es:A li曹erαナure review{◎dh¢chiroprαcfic

   sp・dsphysiciαn。Chlr・prαd」lcSpo㎡蝋ed’dne筆994;呂:10-17

馨30 Fumhαm A,Ti量mqn B Sleemαn E.Gender qnd locus of con?rol correlq看es of body imqge

   dissα重isfqdlon.εur・ρeαnJ◎umα’・f30c’・’Behαv’ourσndPersonα’lfγ1994;8:183-200

13I Heα1育hEducαfl・nAufh・ri呼.Pわys’cα1αcナM,γ一whαfweナhlnk・quα伽αナlvere3eαrch・m・ngw・men

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132 Friedmαn SS.Girls in†he90s:A gender-bαsed model響or eq董ing disorder preven菅ion.Pαナ’enf

   εducαナ’onαnd Counse〃’ηg l998;33:217-24

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参考資料4

        妊産婦・褥婦の栄養に関するアンケート(産婦人科医師用)

 各質問について、該当するものに○をお付け下さい。またはご記入ください。“その他”の場

合はその具体的内容を()内にお書きください。

 なお、ご記入いただく内容は、わかる範囲で構いません。

1) 貴施設について、該当するものを○で囲んでください。(一つ選択)

   a.妊婦健診のみで分娩は他院に依頼  b.産婦人科病院(診療所を含む) c.総合病院

   d.大学病院  e.その他(       )

2) 昨年(2004年)1年間の分娩総数をご記入下さい。

                       (         )件

3) 昨年(2004年)1年間の帝王切開数をご記入下さい。

                       (         )件

4) 貴施設の所在地をご記入下さい。

                       (       )都・道・府・県

5) 貴施設における管理栄養士の人数をご記入下さい。

                        管理栄養士(        )人

6) 先生(回答者)の年齢をお教え下さい.(一つ選択)

      a.20歳代  b.30歳代  c.40歳代  d.50歳代  a60歳以上

7〉  先生(回答者)の性別をお教え下さい.(一つ選択)

             a.男性    b.女性

8〉 先生(回答者〉の役職名をお教え下さい。      (               )

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参考資料4嚢 媛産婦 褥婦の栄叢礒霧嚇難貴施設での妊産婦への各栄養ケア項目別に、貴施設におけるr把握・実施状況」、また先生(回答者〉が考え

るr管理栄養士へ期待すること」(管理栄養士が把握もしくは実施するべきこととして)について該当するも

のに○を囲んでください。

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 1⑤非妊時のBM lやその他体格指数の算出

 16〉検診時の体重

 1、偽体重増加量、望8〉イ本脂肪

塁豊既往歴... __._ 2◎妊娠 出産・分娩め饒往歴

 2耀)貧血の検査1-

 22)葉酸に関する検壷 ・

 23)食事摂取理犬況

 24)飲酒状況(頻度 量など〉

一2⑤喫煙状況(頻度 量など)

 2⑥就労状況(時商斐内容など)

 27〉運動状況1(時間、内容など)

 28〉塞事支援を含む察磨状淫

榊年齢講や翻等麓齢た適騰エネ  ルギーおよび栄養量の算出

 35)適靭な:工宗ルギー・栄養量をもと!に三作成じ

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 36)一体霞管理のための栄養・食事指導

 37)体霊管理のための生活(運動含む)指導

 38〉・葉酸サプり蘇ントの情報提供

13⑨その他のサプリメントの情報提供

40)妊娠悪阻の食事指導

 41)妊娠中毒症の食事指導

 42)・貧血の食事療法

431糖尿病の食事療法

4弔喫煙者に対する禁煙指導

掻4⑤1母乳育児中の母親へα)食事指導

 46〉人工栄養(調乳・授乳方法など)の指導

 47〉r離乳の基本惇生労働省月を用いた離乳食の指導

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参考資料4巫 媛謹媚

48〉

褥蝿織の捲導繕霧嚇鞭

妊産婦への体重指導は行っていますか。行っている場合は、体重指導を行う担当者はどなたですか。(複数回答可)。

a.行っていない(→問54)へ)

b.医師

 c.助産師  d。看護師  a管理栄養士 翫その他(      )

c.~f.でのみ○をつけられた方は(一φ問54)へ)

49〉問48)でrb.医師」にoをつけた方にお聞きします.

   先生(回答者)が用いている体格指数は何ですか。(一つ選択)

    a.体格指数は用いない

     b.Body Ma$s1ndex l BMl(カウプ指数)

    c.O一レル指数

    d.ブローカ指数

    e.その他(具体的にお書き下さい.)

50) 体重指導は誰を対象としたものですか。(複数回答可)、他にあればお書き下さい.

 a.全ての妊婦

 b.低体重・やせ(BMh8。5未満〉妊婦

 c.ふつう(BMI185~25未満)妊婦

 d.肥満(BM25以上)妊婦

 e.その他(具体的にお書き下さい.)

51) 先生(回答者)が用いられている体重増加量の基準は何㎏とされていますか。r範囲」またはr以下」に数値をご記入下さい。

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Page 68: 分担研究報告書 若い女性及び妊産婦の栄養admin7.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h16/65897_04.pdf · 2006. 9. 27. · 分担研究報告書 若い女性及び妊産婦の栄養・食生活に関する国内外の基準データ

参考資料452〉 先生(回答者)が体重指導を行う際、何を参考にされますか。(複数回答可)。

      a.以下のどれも参考にしていない

      b.食事摂取状況

      c.就労状況

      d。運動状況

      e.身長

      f.非妊時の体重

      g.非妊時のB酬やその他体格指数の算出

      h.妊娠中の検診時の体重

      i.妊娠中の体重増加量

      j.その他(他にあればお書き下さい)

53) 体重指導において、体重増加を制限する目的は何ですか。(複数回答可)

  a.体重制限は行わない  b.妊娠合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠性糖尿病等)の予防

  c.分娩合併症(分娩時出血多量、難産等)の予防

  d.産後の肥満予防  e.巨大児出産の予防

  f。その他(他にあればお書き下さい)

54〉 妊産婦・褥婦への栄養指導において、参考にする基準等は何を用いていますか。

   (複数回答可)

     a栄養指導は行わない     b.栄養指導は行っているが、以下のどれも参考にしていない

     c。[ヨ本人の食事摂取基準〔2005年版]

     d.第六次改定日本人の栄養所要量     e.女性(母性を含む)のための食生活指針(農林水産省)

     f.日産婦学会周産期委員会の妊娠中毒症予防のための生活指導および栄養指導1997

     g.目産婦学会の妊娠月齢別のB酬の簡易表     h.米国IOM(lnstitute。fMedicine)の至適体重増加量

     i.その他(他にあればお書き下さい。                       )

55〉妊産婦・褥婦の栄養に関して管理栄養士に期待することは何でしょうか。

   ご意見がうかがえれば幸いです(書式不問、別紙添付可)。

ご協力ありがとうございました

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