nccn guidelines version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(spln-1 )を参照...

36
2015 年第 2 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN ® の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 非ホジキンリンパ腫 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ® ) NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン) 2015年 第2NCCN.org

Upload: others

Post on 19-Jan-2021

7 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

非ホジキンリンパ腫

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®)

(NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

2015年 第2版

NCCN.org

33

Page 2: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 辺縁帯リンパ腫

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

辺縁帯リンパ腫

2015年 第2版

NCCN.org

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®)

(NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

Page 3: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 辺縁帯リンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

胃 診断および精査(MALT-1)を参照

粘膜関連リンパ組織型

節外性辺縁帯リンパ腫

(MALTリンパ腫)

胃以外/

皮膚以外 診断および精査(NGMLT-1)を参照

皮膚 原発性皮膚辺縁帯リンパ腫(CUTB-1)を参照

節性辺縁帯リンパ腫 診断および精査(NODE-1)を参照

脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1)を参照

MZL-1

Page 4: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

診断 精査

必須:

胃以外の部位(眼、皮膚)に注意を向けた身体診察

Performance Status

血算、白血球分画、血小板数

生化学検査(comprehensive metabolic panel)

LDH

病理組織学的検査で H. pylori 陰性となった場合は、非侵襲

的な H. pylori 検査法(便抗原検査、尿素呼気試験、血液抗

体検査)を使用する

リツキシマブを考慮している場合は、B型肝炎検査 g

C型肝炎検査

胸部/腹部/骨盤 CT(診断可能な造影剤使用)

妊娠可能年齢の女性では妊娠検査(化学療法を予定している

場合)

一部の症例で有用:

骨髄生検±骨髄穿刺

MUGAスキャン/心エコー検査(アントラサイクリン系また

はアントラセンジオン系薬剤をベースとするレジメンの適応

がある場合)

超音波内視鏡検査(可能な場合)と複数の部位の生検 h

妊孕性の問題および精子保存に関する話し合い

SPEP

必須:

腫瘍に典型的なパラフィンブロック 1つ以上で、すべて

の切片を血液病理学的に検討する。提供された検体で十

分に診断できない場合は再生検を施行する a,b。

胃 MALTリンパ腫の診断には内視鏡下生検が必要であ

り、FNAは決して十分ではない。

確定診断に十分なマーカー検査 c,d。

IHCパネル:CD20、CD3、CD5、CD10、BCL2、

κ/λ、CD21または CD23、cyclin D1、BCL6

または

フローサイトメトリーによる細胞表面マーカー解析:

κ/λ、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10

Helicobacter pylori(H. pylori)染色(胃)、陽性なら

続いて PCRまたは FISH法による t(11;18)の検索 e。

特定の状況で有用:

以下を検出する分子遺伝学的分析:抗原受容体遺伝子の

再構成;形質細胞分化を認める場合は、WMと MZLの鑑

別のために MYD88遺伝子の変異状態

細胞遺伝学的検査または FISH:t(1;14)、t(3;14)、

t(11;14)f、t(11;18)

FISHまたは PCR:t(14;18)

初回治療(MALT-2)を参照

f IHC法で cyclin D1陽性であれば、FISH法による t(11;14)の検索は必要ない。

g 抗体療法+化学療法により HBVが再活性化するリスクがあるため、B型肝炎検査の適応となる。危険因子のない患者では、B型肝炎表面抗原と B型肝炎コア抗体を検査項目に含める。危険因子がある患者と B型肝炎の既往がある患者では、e抗原を追加する。陽性となった場合は、ウイルス量を測定し、消化器専門医にコンサルトする。

h 腫瘍に対する効果が得られる可能性は浸潤深度に関係しているため、H. pylori陽性の患者では、この検査が特に有用である。

MALT-1

a H. pylori陽性の異型リンパ球浸潤が認められ、診断に至らない場合は、リンパ腫の確定または除外を目的として、H. pyloriを除菌する前に再生検を施行すべきである。

b DLBCLの領域がある場合は、NCCNびまん性大細胞型 B細胞リンパ腫ガイドライン(BCEL-1)に従って治療すべきである。

c 典型的な免疫表現型:CD10−、CD5−、CD20+、cyclin D1−、濾胞 BCL2−。 d 成熟 B細胞腫瘍と成熟 NK/T細胞腫瘍の鑑別診断における免疫表現型検査/遺伝子検査の利用(NHODG-A)を参照。

e t(11;18)陽性の胃 MALTリンパ腫患者は、局所進行例である可能性が高く、抗生物質で奏効が得られる可能性が低い。

Page 5: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

ISRT l,m(望ましい)

または

リツキシマブ(ISRTの禁忌がある場合)

病期i 初回治療

現時点で受け入れられている

H. pylori に対する抗生物質治療

内視鏡検査による H. pylori 除菌の

評価(MALT-3)

ISRT l,mまたはリツキシマブ

(ISRTの禁忌がある場合)を考慮

内視鏡検査による再病期診断

(MALT-4 に従う) 現時点で受け入れら

れている H. pylori に

対する抗生物質治療

症状なし H. pylori 陽性、

t(11;18)陽性 k

症状あり

IE期または IIE期

H. pylori 陰性

内視鏡検査による再病期診

断(MALT-4 に従う)

治療の適応:

臨床試験に適格 n

症状あり

消化管出血

切迫した臓器障害

bulky病変

確実な進行

患者の希望

適応なし 経過観察

IIIE/IV期

(進行期はまれ) 寛解導入免疫化学療法p

または

特定の状況では局所RT

m

適応ありo

i 消化管リンパ腫に対する Lugano分類(MALT-A)を参照。 j 粘膜下組織または所属リンパ節の病変では、抗生物質治療で奏効が得られる可能性がはるかに低い評価後も病変が残存する場合は、早期に RTを考慮してもよい。

k t(11;18)は、抗生物質治療の無効(5%未満)を予測する因子である。これらの患者には、H. plyoriの除菌を目的として抗生物質が使用される。このような患者では、リンパ腫に対する別の療法を考慮すべきである。Liu H, Ye H, Ruskone-

Fourmestraux A, et al. t(11;18) is a marker for all stage gastric MALT lymphomas

that will not respond to H. pylori eradication. Gastroenterology 2002;122:1286-1294.

MALT-2

モノクローナル抗体とウイルス

再活性化(NHODG-B)を参照

再発が確認された場合は、内視鏡

検査により再病期診断を行い、

NCCN濾胞性リンパ腫ガイドライ

ン(FOLL-5)に従って管理

l 組織型および血清抗体検査の両方で陰性となった場合は、RTが推奨される。 m 放射線療法の原則(NHODG-D)を参照。 n 従来の治療法では治癒が望めないため、一次治療として試験段階の治療法を考慮すること。

o 外科的切除は、一般に特定の臨床状況(すなわち生命を脅かす出血)のみに制限される。

p 推奨治療レジメン(FOLL-B)を参照。

IE1期または IE2期j

または IIE期j

H. pylori 陽性

Page 6: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

PDまたは

症状あり

抗生物質治療から 3ヵ月後の再病期診断およびフォローアップ内視鏡検査

抗生物質治療後 追加治療

経過観察

さらに 3ヵ月の経過観察 r

または

RT m,r,s

症状なし

H. pylori 陰性、

リンパ腫陽性 3 ヵ月後に内視鏡検査/

生検 qにより H. pylori/

リンパ腫の再病期診断

(症状がみられる場合

は 3ヵ月後より前に再

病期診断)

RT m 症状あり

H. pylori 陽性、

リンパ腫陰性 抗生物質による

二次治療

SD

H. pylori 陽性、

リンパ腫陽性

RT mおよび抗生物

質による二次治療

m 放射線療法の原則(NHODG-D)を参照。

q 生検により大細胞型リンパ腫を除外する。DLBCLの領域がある場合は、NCCNびまん性大細胞型 B細胞リンパ腫ガイドライン(BCEL-1)に従って治療すべきである。

r 再評価によって、反応が緩徐であること、または無症状で増悪もないことが示唆される場合は、経過観察の継続が妥当なこともある。経過観察から 3ヵ月後という早い時点で RTを考慮してもよいが、経過観察は最長 18ヵ月まで延長することができる(カテゴリー2B)。

s 初診時の臨床病期が IE2期または IIE期であった患者で抗生物質で効果が得られない場合は、早期の RTを考慮すべきである。

MALT-3

フォローアップ内視鏡検

査(MALT-5)を参照

H. pylori 陰性、

リンパ腫陰性

Page 7: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

RTから 3~6ヵ月後の再病期診断およびフォローアップ内視鏡検査

RT後 追加治療

H. pylori 陰性、

リンパ腫陰性

フォローアップ内視鏡検査(MALT-5)を参照

経過観察

H. pylori 陰性、

リンパ腫陽性

I期、II期濾胞性リンパ腫に対する初回治療(FOLL-3)を参照

RTから 3~6ヵ月後

に内視鏡検査および

生検 qにより再病期

診断

H. pylori 陽性、

リンパ腫陰性 抗生物質治療を考慮

フォローアップ内視鏡検査

(MALT-5)を参照

H. pylori 陽性、

リンパ腫陽性

I期、II期濾胞性リンパ腫に対する初回治療(FOLL-3)を参照

q 生検により大細胞型リンパ腫を除外する。DLBCLの領域がある場合は、NCCNびまん性大細胞型 B細胞リンパ腫ガイドライン(BCEL-1)に従って治療す

べきである。

MALT-4

Page 8: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

フォローアップ内視鏡検査

濾胞性リンパ腫の治療適応

(FOLL-4)を参照 RT後に再発

臨床フォローアップを

5 年間は 3~6ヵ月

毎、その後は年 1回

または臨床的に適応と

なり次第実施する t

CR

全身療法

抗生物質治療後

に再発

局所 RT m

3 ヵ月後に再度の

内視鏡検査 q

濾胞性リンパ腫の治療適応

(FOLL-4)を参照 RTによる治療歴あり

NR

抗生物質による治

療歴あり 局所 RT m

m 放射線療法の原則(NHODG-D)を参照。

q 生検により大細胞型リンパ腫を除外する。DLBCLの領域がある場合は、NCCNびまん性大細胞型 B細胞リンパ腫ガイドライン(BCEL-1)に従って治療す

べきである。 t フォローアップにおける内視鏡および画像検査の至適な施行間隔は不明である。

MALT-5

Page 9: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

胃 MALTリンパ腫の病期分類:分類間の比較

a 単一の原発病変または隣接しない複数の病変。 b MALT リンパ腫における複数部位の節外病変は、他のリンパ腫における複数の節外病変とは生物学的に異なるものと考えられるため、そのような状態にある患者の管理としては、切除または RTによって各部位を個別に治療してもよい。対照的に、播種性にリンパ節病変がみられる場合の経過は、節性辺縁帯リンパ腫や播種性の濾胞性リンパ腫の経過に近いと考えられる。

MALT-A

Yahalom J et al. Extranodal Marginal Zone B-cell Lymphoma of Mucosa-Associated Lymphoid Tissue (MALT lymphoma)

in Mauch et al eds. Non-Hodgkin's Lymphomas. Philadelphia: Lippincott, 2004:352. (http://lww.com)

消化管リンパ腫の Lugano分類

Ann Arbor

分類での

病期

胃リンパ腫用に改変

された TNM 病期分類 腫瘍の進展

IE期 消化管に限局している a

IE1=粘膜、粘膜下組織 IE T1 N0 M0 粘膜、粘膜下組織

IE2=固有筋層、漿膜 IE T2 N0 M0 固有筋層

IE T3 N0 M0 漿膜

IIE期 腹部内に進展している

IIE1=局所リンパ節への進展 IIE T1-3 N1 M0 胃周辺リンパ節

IIE2=遠隔リンパ節への進展 IIE T1-3 N2 M0 より遠位の所属リンパ節

IIE期 漿膜を越えて隣接する臓

器または組織に浸潤して

いる

IIE T4 N0 M0 隣接組織への浸潤

IV期b 播種性の節外進展または横隔

膜より上部の同時性リンパ節

病変

IIIE T1-4 N3 M0 横隔膜の両側に分布する複

数のリンパ節/遠隔転移(例

えば、骨髄または別の節外

部位)

IV T1-4 N0-3 M1

Page 10: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃以外MALTリンパ腫

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

必須:

身体診察と Performance Statusの評価

血算、白血球分画、血小板数

生化学検査(comprehensive metabolic panel)

LDH

リツキシマブを考慮している場合は、B型肝炎検査 e

C型肝炎検査

胸部/腹部/骨盤 CT(診断可能な造影剤使用)

妊娠可能年齢の女性では妊娠検査(化学療法を予定

している場合)

一部の症例で有用:

MUGAスキャン/心エコー検査(アントラサイクリン

系またはアントラセンジオン系薬剤をベースとする

レジメンの適応がある場合)

骨髄生検±骨髄穿刺

内視鏡検査と複数の部位に対する生検 f

PET-CT MRI

妊孕性の問題および精子保存に関する話し合い

SPEP

診断 精査

必須:

腫瘍に典型的なパラフィンブロック 1つ以上で、すべて

の切片を血液病理学的に検討する。提供された検体で十

分に診断できない場合は再生検を施行する。

確定診断に十分なマーカー検査 c,d。

IHCパネル:CD20、CD3、CD5、CD10、BCL2、

κ/λ、CD21または CD23、cyclin D1

または

フローサイトメトリーによる細胞表面マーカー解析:

κ/λ、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10

特定の状況で有用:

以下を検出する分子生物学的分析:抗原受容体遺伝子の

再構成;形質細胞分化を認める場合は、WMと MZLの鑑

別のために MYD88遺伝子の変異状態;PCR法による

t(11;18)の検索

細胞遺伝学的検査または FISH:t(11;18)、t(11;14)、t(3;14)

FISHまたは PCR:t(14;18)

初回治療(NGMLT-2)

を参照

a 胃以外の節外性辺縁帯リンパ腫の好発部位としては、腸管(小腸および大腸)、乳房、頭頸部、肺、眼付属器、卵巣、耳下腺、前立腺、唾液腺などがある。胃以外の

部位でも感染性病原体との関連が報告されているが、これらの病原体に対する検査は本疾患の精査または管理に必要ではない。 b このガイドラインは皮膚以外を対象としているため、皮膚原発の辺縁帯リンパ腫については、CUTBを参照。 c 典型的な免疫表現型:CD10−、CD5−、CD20+、cyclin D1−、濾胞 BCL2−。 d 成熟 B細胞腫瘍と成熟 NK/T細胞腫瘍の鑑別診断における免疫表現型検査/遺伝子検査の利用(NHODG-A)を参照。

e t(11;18)陽性の胃 MALTリンパ腫患者は、局所進行例である可能性が高く、抗生物質で奏効が得られる可能性が低い。 f IHC法で cyclin D1陽性であれば、FISH法による t(11;14)の検索は必要ない。

NGMLT-1

Page 11: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫

胃以外MALTリンパ腫

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

初回治療 i 病期

追加治療 RT または 進行期の濾胞性リンパ腫(FOLL-4)に準じて管理

局所再発 ISRT j,k (望ましい)

または 臨床フォローアッ

プを 5年間は 3~6

ヵ月毎、その後は

年 1回または臨床

的に適応となり次

第実施する n

切除断端

陽性 局所 RTを考慮

特定の部位 l(肺、乳房[乳腺腫

瘤摘出術]、甲状腺、結腸/小

腸)では手術を考慮してもよい

または

一部の症例ではリツキシマブ

または

一部の症例では経過観察 m

I~II期 切除断端

陰性 経過観察 全身再発

RT または 一部の症例では経過観察

m

節外性

(複数部位)g

III 期、IV 期:節外

病変および複数の

リンパ節領域

進行期の濾胞性リンパ腫(FOLL-4)に準じて管理

I~IV期、MALT

リンパ腫と大細

胞型リンパ腫の

合併h

NCCNびまん性大細胞型 B

細胞リンパ腫ガイドライン

(BCEL-1)に従って治療

j 線量は部位により異なり、眼病変のみ低線量照射が用いられる。

k 放射線療法の原則(NHODG-D)を参照。

l 十分な診断を目的とする外科的切除が適切な治療となる場合もある。

m 診断時の生検が切除生検であった患者と RTまたは全身療法では重大な合併症が生

じる恐れのある患者に対しては、経過観察を考慮してもよい。 n フォローアップとしては、診断検査と臨床的な適応に応じた画像検査を施行する。

NGMLT-2

g 診断時および再発時ともに、各部位の治療が適応となる場合がある(例え

ば、両側結膜)。 h DLBCLと MALT細胞リンパ腫の合併は、 DLBCLとして管理される。

NCCNびまん性大細胞型 B細胞リンパ腫ガイドライン(BCEL-1)を参照。 i 眼および皮膚の辺縁帯リンパ腫では、抗生物質で反応が得られたという事例

の報告があることから、他の治療を開始する前にドキシサイクリンの経験的

投与を 1コース行う医師もいる。

進行期の濾胞性リンパ腫(FOLL-4)に準じて管理

Page 12: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

NCCN Guidelines Version 2.2015 節性辺縁帯リンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

必須:

腫瘍に典型的なパラフィンブロック 1つ以上で、すべての切片を血液病理学的に検討する。提供された検体で十分に診断できない場合は再生検を施行する。

穿刺吸引生検(FNA)または針生検単独は一般にリンパ腫の初期診断には適さない。特定の状況では、切除または切開生検でリンパ節に容易に到達できない場合、鑑別診断に適した補助的検査法(免疫組織化学[IHC]、フローサイトメトリー、IgHおよび TCR遺伝子再構成に対する PCR、主要な転座に対する FISH)と併せて針生検と FNAを併用することで、診断に十分な情報が得られる可能性がある。FNAの検体で組織学的悪性度を判定することはできない。

確定診断ができる免疫表現型検査b,c

IHCパネル:CD20、CD3、CD5、CD10、BCL2、κ/λ、CD21

または CD23、cyclin D1または

フローサイトメトリーによる細胞表面マーカー解析:κ/λ、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10

若年患者の限局例では、小児節性辺縁帯リンパ腫の可能性を考慮すべきである。

特定の状況で診断をあきらかにするのに有用:

分子遺伝学的分析による抗原受容体遺伝子再構成の検出;形質細胞への分化が認められる場合は、WMと MZLの鑑別に MYD88 変異状態評価;IHCまたは配列決定法による MZL を HCL と鑑別するBRAF 変異状態評価;PCRによる t(11;18)検索

Cytogenetics or FISH: t(11;18), t(1;14), del(13q), del(7q)

FISHまたは PCR:t(14;18)

必須:

身体診察と Performance Statusの評価

血算、白血球分画、血小板数

生化学検査(comprehensive metabolic panel)

LDH

リツキシマブを考慮している場合は、B型肝炎検査 d

C型肝炎検査

胸部/腹部/骨盤 CT(診断可能な造影剤使用)

臨床病期が I~II期であることを確認するための骨髄生検+骨髄穿刺 e

節外部位原発である可能性を除外するための評価

頸部リンパ節:眼、耳下腺、甲状腺および唾液腺

腋窩リンパ節:肺、乳房および皮膚

縦隔/肺門リンパ節:肺

腹部リンパ節:脾臓および消化管

鼠径/腸骨リンパ節:消化管および皮膚

妊娠可能年齢の女性では妊娠検査(化学療法を予定している場合)

一部の症例で有用:

MUGAスキャン/心エコー検査(アントラサイクリン系またはアントラセンジオン系薬剤をベースとするレジメンの適応がある場合)

状況に応じて追加する画像検査

PET-CT

妊孕性の問題および精子保存に関する話し合い

SPEP

a 節性 MZL はまれであり、大半は節外性 MALT リンパ腫から進展したものである。節性 FL、MCL、リンパ形質細胞性リンパ腫および CLL(いずれも本疾患より頻度が高い)との鑑別も必要である。

b 典型的な免疫表現型:CD10−、CD5−、CD20+、CD23−/+、CD43−/+、cyclin D1-、濾胞 BCL2−。

c 成熟 B細胞腫瘍と成熟 NK/T細胞腫瘍の鑑別診断における免疫表現型検査/遺伝子検査の利用(NHODG-A)を参照。

d 抗体療法+化学療法により HBVが再活性化するリスクがあるため、B型肝炎検査の適応となる。危険因子のない患者では、B型肝炎表面抗原と B型肝炎コア抗体を検査項目に含める。危険因子がある患者と B型肝炎の既往がある患者では、e抗原を追加する。陽性となった場合は、ウイルス量を測定し、消化器専門医にコンサルトする。

e 両側または片側で 2cmを超える針生検を施行する。放射線免疫療法を考慮している場合は、両側での針生検が推奨され、病理医は全体での細胞成分の割合と骨髄に浸潤した細胞成分の割合を報告すべきである。初回治療を経過観察とする場合は、骨髄生検を延期してもよい。

NODE-1

NCCN濾胞性

リンパ腫ガイ

ドライン

(FOLL-2)に

従って管理

診断a 精査

Page 13: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

NCCN Guidelines Version 2.2015 脾辺縁帯リンパ腫

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

必須:

身体診察と Performance Statusの評価

血算、白血球分画、血小板数

生化学検査(comprehensive metabolic panel)

LDH

リツキシマブを考慮している場合は、B型肝炎検査d

C型肝炎検査

胸部/腹部/骨盤 CT(診断可能な造影剤使用)

骨髄生検±骨髄穿刺

SPEPおよび/または免疫グロブリン定量

妊娠可能年齢の女性では妊娠検査(化学療法を予定し

ている場合)

一部の症例で有用:

状況に応じて追加する画像検査

PET-CT

妊孕性の問題および精子保存に関する話し合い

血液の免疫固定法(免疫グロブリン高値または SPEP

陽性の場合)

クリオグロブリン

直接クームス試験

必須:

腫瘍に典型的なパラフィンブロック 1つ以上で、すべての切片を血

液病理学的に検討する。提供された検体で十分に診断できない場合

は再生検を施行するa。

穿刺吸引生検(FNA)または針生検単独は一般にリンパ腫の初期診

断には適さない。特定の状況では、切除または切開生検でリンパ節

に容易に到達できない場合、鑑別診断に適した補助的検査法(免疫

組織化学、フローサイトメトリー、IgHおよび TCR遺伝子再構成に

対する PCR、主要な転座に対する FISH)と併せて針生検と FNAを

併用することで、診断に十分な情報が得られる可能性がある。

確定診断に十分なマーカー検査 b,c

IHCパネル:CD20、CD3、CD5、CD10、BCL2、κ/λ、CD21

または CD23、cyclin D1、IgD、CD43、annexin A1; または

フローサイトメトリーによる細胞表面マーカー解析(末梢血、骨

髄または組織):κ/λ、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10、

CD43、CD103

特定の状況で診断をあきらかにするのに有用:

分子遺伝学的分析による抗原受容体遺伝子再構成の検出;形質細胞

への分化が認められる場合は、WMと MZLの鑑別に MYD88 変異状

態評価;IHCまたは配列決定法による MZL を HCL と鑑別する

BRAF 変異状態評価;PCRによる t(11;18)検索

細胞遺伝学的検査または FISH:CLLパネル;t(11;18)、t(11;14)、del(7q)

FISHまたは PCR:t(14;18)

管理

(SPLN-2)

を参照

a SMZLでは、免疫表現型が非特異的で、骨髄の形態学的特徴では診断できない場合があることから、脾摘が最も確実な診断法である。ただし、免疫グロブリン(Ig)軽鎖制限(light chain restriction)を認めるが小細胞型 B細胞腫瘍の他の特徴(CD5、CD10、cyclin D1)を欠いた小型リンパ系細胞による骨髄浸潤(末梢血への進展は問わない)が認められれば、SMZLの診断を下すことができる。パラフィン切片において、検出可能な量の細胞質 Igを伴う形質細胞様分化を認めることもある。このような症例では、鑑別診断にリンパ形質細胞性リンパ腫を含めてもよい。特徴的な骨髄類洞内リンパ球浸潤を認める患者で、免疫表現型が一致している場合は、骨髄生検による診断が強く推奨される。

SPLN-1

b 典型的な免疫表現型:CD10−、CD5−、CD20+、CD23−/+、CD43−/+、cyclin D1−、濾胞 BCL2−、annexin A1−、CD103−(有毛細胞白血病との鑑別)、IgMと IgDの共発現。

c 成熟 B細胞腫瘍と成熟 NK/T細胞腫瘍の鑑別診断における免疫表現型検査/ 遺伝子検査の利用(NHODG-A)を参照。

d 抗体療法+化学療法により HBVが再活性化するリスクがあるため、B型肝炎検査の適応となる。危険因子のない患者では、B型肝炎表面抗原と B型肝炎コア抗体を検査項目に含める。危険因子がある患者と B型肝炎の既往がある患者では、e抗原を追加する。陽性となった場合は、ウイルス量を測定し、消化器専門医にコンサルトする。

診断 精査

Page 14: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

NCCN Guidelines Version 2.2015 脾辺縁帯リンパ腫

2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

ガイドライン索引

NHL 目次

考察

無症状、進行性の血球減少なし、脾腫なし

臨床像 管理 フォローアップ

経過観察

肝炎治療の 禁忌なし

適切な治療 CR/

PR

増悪した場合

は、NCCN濾胞

性リンパ腫ガイ

ドラインの進行

期(FOLL-4)

に従って管理

C型肝炎

陽性

肝臓専門医に

コンサルト

臨床フォローア

ップを 5年間は

3~6ヵ月毎、

その後は年 1回

または臨床的に

適応となり次第

実施する g

無効

肝炎治療の

禁忌あり

脾腫あり

脾摘e

または

リツキシマブf

血球減少あり

症状あり

C型肝炎

陰性 評価

症状なし 経過観察

e 脾摘の 2週間以上前に肺炎球菌および髄膜炎菌ワクチンを接種すべきである。

f Tsimberidou AM, Catovsky D, Schlette E, et al. Outcomes in patients with splenic marginal zone lymphoma and marginal zone lymphoma treated with rituximab with or without chemotherapy or chemotherapy alone. Cancer 2006;107:125-135.

g フォローアップとしては、診断検査と臨床的な適応に応じた画像検査を施行する。

SPLN-2

腫瘍崩壊症候群の予防を考慮

(NHODG-Bを参照)

モノクローナル抗体とウイルス

再活性化(NHODG-B)を参照

Page 15: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-1

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

考察

NCCNのエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー

カテゴリー1:高レベルのエビデンスに基づいており、その介入が適切で

あるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介入

が適切であるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介入

が適切であるという NCCNのコンセンサスが存在する。

カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づいてはいるが、その

介入が適切であるかという点で NCCN内に大きな意見の不一致がある。

特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

辺縁帯リンパ腫

辺縁帯リンパ腫(MZL)は一群の B 細胞悪性腫瘍で、正常時にはリン

パ濾胞の辺縁帯に存在し、脾臓、リンパ節および粘膜リンパ組織にも

認められる B リンパ球を起源とすると考えられている 1,2。MZL には、

粘膜関連リンパ組織型節外性 MZL(MALT リンパ腫)、節性 MZL、脾

MZLという明確に異なる 3つの亜型がある 3-5。MZLは非ホジキンリン

パ腫(NHL)全体の約 10%を占めており、亜型としては MALT リンパ

腫が最も多く(NHL の 7~8%)、節性 MZL は NHL の 2%未満、脾

MZL は 1%未満である 6。SEER データベースを用いた最近の解析によ

ると、MALT リンパ腫患者(5 年相対生存割合で 89%)では、脾 MZL

(80%)または節性 MZL(76.5%)の患者と比較して生命予後が良好

であることが示唆された 7。

MZL の病因としては、感染性病原体や炎症による慢性的な免疫刺激と

の関連が指摘されており、胃 MALT リンパ腫では Helicobacter pylori

(H. pylori)感染の関与が報告されているほか、Chlamydia psittaci、

Campylobacter jejuni 、 Borrelia burgdorferi 、 C 型肝炎ウイルス

(HCV)など他の病原体についても、MZL の推定される発生機序への

関与が指摘されている 1,4。血清学的検査での HCV 陽性所見には、約

30%の症例で MZL(主に脾 MZL)との関連が報告されている 8,9。さ

らに、胃以外の MALT リンパ腫でも約 35%の患者が HCV 陽性である

ことも報告されている 10。

MZL は臨床的および病理学的特徴がワルデンストレームマクログロブ

リン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫(WM/LPL)と重複しているため、

特定の状況ではWM/LPLと MZLの鑑別が困難なことがある 11。最近の

研究により、WM/LPL 患者で広く認められる MYD88 L265P の体細胞

変異が、臨床的および病理学的特徴が重複する他の B 細胞悪性腫瘍と

WM/LPL の鑑別に有用となりうることが確認されている 12-14。MZL ま

たは WM/LPL と診断された 123 例の連続症例を対象として免疫グロブ

リン重鎖可変領域遺伝子(IGHV)の塩基配列と MYD88 遺伝子の変異

状態を解析した後方視的研究では、MYD88 変異は WM/LPL 患者の

67%(27例中 18例)に認められたのに対し、脾 MZLでは 4%(53例

中 2例)、MALTリンパ腫では 7%(28例中 2例)、節性 MZLでは 0%

であった 13。IGHV 解析では脾 MZL と WM/LPL が明確に区別された。

脾 MZL では、IGHV1-2 遺伝子再構成が多く認められ、変異率が低値ま

たは中程度であることが特徴であったのに対し、WM/LPL では、

IGHV3-23 遺伝子再構成が多く認められ、変異率が高かった 13。形質細

胞分化が認められる特定の状況では、MZL と WM/LPL の鑑別に

MYD88の遺伝子変異解析を考慮すべきである。

Page 16: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-2

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

以下の項では、MALT リンパ腫(胃および胃以外)、節性 MZL および

脾 MZL という MZL の 3 つの亜型について、診断、精査および治療に

関する推奨事項の要約を簡潔に提示している。

MALT リンパ腫

MALT リンパ腫の病変部位としては、消化管が最も多く(MALT リン

パ腫の約 50%)、消化管における原発部位としては、胃が最も多い

(消化管 MALT リンパ腫の 80~80%)4,15,16。胃以外の MALT リンパ

腫の病変部位で多いのは、眼窩(7~12%)、肺(8~14%)、皮膚(9

~12%)などである 15-17。MALT リンパ腫はインドレントとなる傾向

があり、胃と胃以外の亜型間で長期的な転帰は同程度である。MALT

リンパ腫患者(N=108)からのデータの後方視的解析では、病変部位

が胃の患者と胃以外の患者との間に 10 年全生存(OS)割合の差はみ

られなかった(75% vs 77%)16。しかしながら、この解析では、胃

MALT リンパ腫患者における治療開始からの無増悪期間(TTP)が胃

以外の MALT リンパ腫患者よりも長かった(TTP 中央値 8.9 年 vs 4.9

年;P=0.01)16。MALT リンパ腫患者(N=98)を対象とした最近の

後方視的研究では、胃の MALT リンパ腫患者における 3 年無増悪生存

(PFS)割合が胃以外の MALT リンパ腫患者と比較して高かった

(95% vs 82%)18。胃以外の MALT リンパ腫患者(N=180)を対象

とした別の後方視的研究では、5 年 PFS および OS 割合がそれぞれ

60%と 90%であった 17。MALT リンパ腫患者の大半は限局例である一

方、3 分の 1 の患者は播種例であるが、胃 MALT リンパ腫の患者は、

胃以外の MALT リンパ腫患者よりも限局例であることが多い 17,19。骨

髄浸潤は MALT リンパ腫の約 15~20%で報告されている 15,17,19。

MALT リンパ腫患者(N=158)を対象とした後方視的解析では、播種

例と限局例の間で長期の生存割合が同程度であった(どちらも 10 年

OS 割合 80%)19。ただし、最近の後方視的データの検討では、進行

MALT リンパ腫患者における PFS が限局例と比較して不良であったこ

とが報告されている(3年 PFS割合で 73% vs 94%)18。

MALT リンパ腫の発生に関しては、様々な染色体転座の関与が示され

ている 20。t(11;18)は、最も頻度の高い転座であり、キメラ融合遺伝子

API2-MALT1 が形成され、胃および肺の MALT リンパ腫でしばしば検

出される 21,22。t(1;14)は、BCL10 蛋白の過剰発現をもたらす転座で、

MALT リンパ腫の 1~2%に認められる 23。この転座は胃、肺、皮膚の

MALT リンパ腫で検出されている。t(11;18)と BCL10 の過剰発現は、

ともに局所進行例で多く認められ、その場合に抗生物質による H.

pylori 除菌療法で奏効が得られる可能性は低い 24。t(14;18)は、MALT1

遺伝子発現の脱制御をもたらし、MALT リンパ腫の 15~20%にみられ

ると報告されている 22,25。この転座は特に肝臓、皮膚、眼付属器、唾

液腺の MALT リンパ腫で検出される頻度が高い。t(3;14)は、FOXP1 遺

伝子の発現を亢進させ、甲状腺、眼付属器、皮膚の MALT リンパ腫と

の関連が認められる 26。t(14;18)および t(3;14)の臨床的意義については

不明である。

胃 MALT リンパ腫

診断

胃 MALT リンパ腫の主な臨床的特徴は、消化不良、胃液の逆流、腹痛、

悪心、体重減少などの症状である 1。胃 MALT リンパ腫の診断に穿刺吸

引生検では不十分であるため、診断確定には内視鏡下生検が必要である。

内視鏡により、紅斑、びらんまたは潰瘍が明らかになる場合がある 1。

診断の確定には、生検検体の十分な血液病理学的検討と免疫表現型検査

が必要である。免疫組織化学(IHC)検査での検討が推奨されるマーカ

ーには、CD20、CD3、CD5、CD10、CD21 または CD23、κ/λ、

CCND1、BCL2、BCL6 などがあり、フローサイトメトリーでの検討が

Page 17: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-3

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

推奨されるマーカーには、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10 などが

ある。胃 MALT リンパ腫の典型的な免疫表現型は、CD5−、CD10−、

CD20+、CD23−/+、CD43−/+、cyclin D1−、濾胞 BCL2−である。

胃 MALT リンパ腫の発生には H. pylori 感染が極めて重要な役割を果た

しており、その根絶により腫瘍の寛解に至る可能性がある 1,27,28。した

がって、H. pylori を検出する染色を行うべきである。ただし、胃

MALT リンパ腫でも約 5~10%の患者では H. pylori 感染が明確となら

ず、H. pylori陰性の患者では転座 t(11;18)が高頻度で認められると報告

されている 29。この染色体異常を有する胃 MALT リンパ腫患者では、

播種例および抗生物質耐性例が多いという関連性が指摘されている30,31。t(11;18)の評価を目的とする PCR または FISH 法による分子遺伝

学的分析が推奨される。症例によっては、分子遺伝学的分析による抗

原受容体遺伝子の再構成の検出と、細胞遺伝学的分析法または FISH

法による t(3;14)、t(1;14)および t(14;18)の評価が有用となる場合もある。

精査

胃 MALT リンパ腫患者における初診時の精査は、他の NHL に対する精

査と同様である。眼や皮膚などの胃以外の部位にも注意しながら、包

括的な身体診察を行うとともに、Performance Status を評価すべきで

ある。臨床検査としては、白血球分画と血小板数を含む血算、生化学

検査(comprehensive metabolic panel)、血清 LDH値の測定を含める

べきである。特定の状況では、骨髄生検(単独または骨髄穿刺との併

用)による評価が有用となりうる。胃 MALT リンパ腫の精査における

特別な点は、内視鏡による消化管の直接の評価と H. pylori の有無を調

べるための腫瘍標本の追加評価である。組織病理学的評価に基づき H.

pylori 感染が陰性と判定された場合は、以降の陰性状態の確認(便抗原

検査、尿素呼気試験または血液抗体検査)あるいは上部消化管内視鏡

検査の代わりとなる非侵襲的な方法の確立を目的として、他の非侵襲

的な検査方法を採用してもよい。H. pylori 陽性の異型リンパ球浸潤が

認められ、診断に至らない場合は、リンパ腫の確定または除外を目的

として、H. pylori に対する治療前に再生検を施行すべきである。リツ

キシマブを含むレジメンでの治療を考慮している患者では、免疫化学

療法により B 型肝炎ウイルス(HBV)が再活性化するリスクがあるた

め、B 型肝炎検査の適応となる。一部の症例では HCV 検査が有用とな

る可能性があり、他の MZL との関連性や治療標的としての実証された

重要性を考慮すると、この検査を施行すべきである。

適切な画像検査としては、診断に堪えうる胸部、腹部および骨盤の造

影 CT が挙げられる。一部の NCCN 加盟施設では、初診時の精査とフ

ォローアップ検査に、従来の内視鏡検査を補完する方法として超音波

内視鏡検査(EUS)を採用している。EUS では胃壁における浸潤深度

に関する情報も得られるため、現在用いられている一部の病期分類に

不可欠な情報が得られる。また、良性のリンパ球集積と H. pylori 感染

に合併したリンパ腫を鑑別する目的でも有用である 32。さらに、EUS

による病期診断は、H. pylori 除菌療法の有効性を予測する上でも有用

である 33,34。抗生物質治療で腫瘍に対する効果が得られる可能性には

腫瘍の浸潤深度が関係してくるため、H. pylori 陽性の患者では、複数

の部位に対する生検を併用する EUS が特に有用である。アントラサイ

クリン系またはアントラセンジオン系薬剤を含むレジメンでの治療を

考慮している患者では、MUGA スキャン/心エコー検査を施行すべきで

ある。

MALT リンパ腫については病期分類が標準化されていないため、病期

診断は依然として困難となる場合があり、CT は潜在する節外病変の検

出に至適とならない可能性があるため、MALT リンパ腫の病期診断を

リンパ節型のリンパ腫に用いられる標準的な病期分類(例えば、Ann

Arbor 分類)に従って行うべきかどうかは不明である 1,2。胃 MALT リ

Page 18: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-4

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

ンパ腫には、いくつかの病期分類が用いられている。消化管のリンパ

腫に広く用いられている Lugano 分類は、オリジナルの Ann Arbor 分

類を改変したものである 35。Lugano 分類の I 期は、病変(単一の原発

病変か隣接しない複数の病変)が消化管に限局している状態を指し、その

うち I1期は浸潤が粘膜に限局している状態(粘膜下浸潤の有無は問わな

い)で、I2 期は固有筋層、漿膜またはその両方に浸潤が認められる状

態である。II 期は、病変が消化管の原発部位から腹部内に進展した状

態であり、II1 期は局所(胃周囲)リンパ節までの進展を、II2 期は遠隔

リンパ節への進展を意味する。IIE 期は、リンパ腫が漿膜を越えて隣接

する臓器または組織に浸潤した状態を指し、リンパ節と隣接臓器の両

方が侵されている場合には、上記と同様に病期の記号にリンパ節病変

の範囲を示す下付き文字(1 または 2)を追記することができる。Ann

Arbor 分類の III 期はなく、Lugano 分類の IV 期は、播種性の節外進展

または横隔膜より上部の同時性リンパ節病変の存在を意味する。TNM

分類は胃癌の病期分類に対応しており、リンパ腫の浸潤深度は EUS に

より測定する。MALT リンパ腫における複数部位の節外病変は、他の

リンパ腫における複数の節外病変とは生物学的に異なるものと考えら

れるため、そのような状態にある患者の管理としては、切除または RT

によって各部位を個別に治療してもよいし、リツキシマブを使用して

もよい。対照的に、播種性にリンパ節病変がみられる場合の経過は、

節性 MZLや播種性の濾胞性リンパ腫(FL)の経過に近いようである。

臨床病期に基づく治療選択肢

胃 MALT リンパ腫に対する治療アプローチは、H. pylori 感染の有無と

病期に依存する。胃 MALT リンパ腫の一部の症例では、その発生機序

に H. pylori 感染が中心的な役割を果たす。胃 MALT リンパ腫に対する

抗生物質治療の有効性については、いくつかの後方視的および前方視

的研究で評価されている 36-43。それらの研究では、抗生物質を用いた

H. pylori 除菌療法により、限局例の 70~95%でリンパ腫の退縮が得ら

れた。長期追跡を行った研究では、H. pylori除菌療法を受けた患者の 5

年 OS 割合が 90~95%、5 年無病生存(DFS)または無イベント生存

(EFS)割合が 75~80%であった 38,40,42。しかしながら、抗生物質に

よる治療後に晩期再発がみられることを示すエビデンスが増えてきて

おり、長期にわたるフォローアップの実施が適切である。t(11;18)、

t(1;14)または t(14;18)が確認された場合は、H. pylori 感染の抗生物質治

療は無効である可能性があり、そのような患者では別の治療法を考慮

すべきであるが、それでも一部の患者においては抗生物質の試験的投

与が妥当である 30。一般的な H. pylori 除菌療法は、プロトンポンプ阻

害薬(例えば、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール

など)とクラリスロマイシンおよびアモキシシリン(またはペニシリ

ンアレルギーのある患者ではメトロニダゾール)を含めた複数の抗生

物質から構成される 1。

放射線療法(RT)は、胃および胃以外の両方の MALT リンパ腫患者に

おいて評価されている。限局期 MALT リンパ腫に対して治療を受けた

患者(N=103;胃のリンパ腫は n=17)を対象とした後方視的研究で

は、involved field RT(IFRT;線量範囲 30~35Gy)単独の治療を受け

た患者群(n=85)における CR 割合は 99%であった 44。5 年 DFS お

よび OS 割合は、それぞれ 77%と 98%であった。RT 単独の治療を受

けた患者の追跡期間中央値は 4.9 年であった。胃 MALT リンパ腫また

は甲状腺原発の患者では、最終追跡時点で 1 例も再発がなかった(治

療成功生存割合 100%)44。本研究で得られた追跡期間中央値 7年の長

期成績から、IFRT 単独の治療を受けた限局期 MALT リンパ腫患者(n

=144;線量範囲 25~35Gy)における 10 年無再発割合および OS 割

合は、それぞれ 74%および 89%と推定された 45。10 年癌特異的生存

割合の推定値は 98%であった。過去の報告 44と同様に、胃または甲状

Page 19: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-5

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

腺 MALT リンパ腫の患者(n=46)の転帰は比較的良好で、それらの

患者の 10 年無再発生存割合は 89%であったのに対して、その他の部

位のリンパ腫患者では 68%であった(P=0.004)45。

限局期の胃 MALT リンパ腫患者(N=115)を対象とした別の後方視的

研究では、RT 単独での初回治療により(n=56)、CR 割合 96%、10

年癌特異的生存割合 94%という成績が得られていた 46。いくつかの研

究では、RT により外科的切除の必要がなくなる場合があること、およ

び手術では他の治療法を上回る利点は得られないことが示唆された。

限局期の胃 MALT リンパ腫患者(N=241)を対象としたランダム化比

較試験では、手術群(n=80)、RT 群(n=78)、化学療法群(n=

83)における 10年 EFS割合は、それぞれ 52%、52%、87%であった

(P<0.01)47。この試験の追跡期間中央値は 7.5 年であった。10 年

OS 割合では、手術、RT、化学療法の治療群間に有意差は認められな

かった(それぞれ 80% vs 75% vs 87%)47。限局期の胃リンパ腫患者

を対象としたドイツの多施設共同試験で得られた症例登録データの解

析では、RT 単独の治療を受けた患者と手術+RT の併用治療を受けた

患者とで転帰が比較された 48。胃のインドレントリンパ腫患者(胃

MALT リンパ腫は n=151)のサブグループでは、拡大放射線療法

(extended field radiation therapy;総線量 30Gyの照射後に 10Gyの追

加照射)が単独で施行され、観察期間中央値 42 ヵ月の時点で EFS お

よび OS割合が 88%および 93%という結果が得られた。これらの成績

と手術+RT の集学的治療を受けた胃 MALT リンパ腫患者の成績(EFS

および OS 割合がそれぞれ 72%と 82.5%)との間に有意差はみられな

かった 48。なお、この研究には H. pylori 除菌療法が失敗に終わった胃

MALT リンパ腫患者も含まれていた。H. pylori 感染の所見が認められ

ないか、H. pylori 除菌療法後もウイルスの残存がある胃 MALT リンパ

腫患者(N=17)を対象として RT 単独(総線量の中央値 30Gy;範囲

28.5~43.5Gy)を評価した小規模研究では、追跡期間中央値 27 ヵ月

の時点で CR 割合が 100%、EFS 割合も 100%であった 49。他の複数

の研究で得られた長期追跡データによると、H. pylori 除菌療法が失敗

に終わった後の胃 MALT リンパ腫に対して、RT は有効な治療法である

ことが示唆される 42,46。H. pylori除菌療法で奏効が得られず、RT(n=

10)またはシクロホスファミドの単剤化学療法(n=12)による二次

治療を受けた胃 MALT リンパ腫患者のサブグループでは、それぞれ

CR 割合が 80%および 83%となり、3 年 OS 割合(二次治療の開始時

点から起算)は 90%および 88%と推定された 42。H. pylori除菌療法が

失敗に終わった後に RT を受けた患者(n=35)から得られたデータの

後方視的解析では、CR 割合が 89%、5 年原因特異的生存割合が 93%

であった 46。

H. pylori 除菌失敗例では、抗 CD20 モノクローナル抗体のリツキシマ

ブを用いた抗体療法も評価されている。ある前方視的研究では、H.

pylori 除菌療法で再発・難治性または H. pylori 除菌療法に不適格(す

なわち H. pylori 陰性)と判定された胃 MALT リンパ腫患者(N=27)

を対象として、標準用量でのリツキシマブの有効性が評価された 50。

大多数(81%)の患者が I期または II1期であった(Lugano分類)。リ

ツキシマブによる ORR は 77%、CR 割合は 46%であった。治療開始

時点からの追跡期間中央値が 28 ヵ月の時点で、すべての患者が生存し

ており、54%が無病状態を維持していた 50。

MALT リンパ腫患者を対象として化学療法(単剤または併用レジメ

ン)が評価されている。胃原発の MALT リンパ腫患者(N=24;進行

期は n=7)を対象としてアルキル化薬の chlorambucil またはシクロホ

スファミドによる単剤療法(12~24 ヵ月にわたり経口投与)を評価し

た初期の研究では、75%の患者で CR が得られた 51。MALT リンパ腫

患者(N=27;胃リンパ腫は n=19)を対象としてプリンアナログの

Page 20: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-6

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

クラドリビンを評価した前方視的研究では、84%の患者で CR が得ら

れた 52。この研究には、H. pylori 除菌療法を受けた H. pylori 陽性の限

局期胃リンパ腫の患者のうち、除菌療法で奏効が得られなかった患者

のみが登録された。クラドリビンによる治療を受けた胃 MALT リンパ

腫患者(n=18)では全例で CR が得られたのに対し、胃以外のリンパ

腫で CR が得られた患者の割合はわずか 43%であった。追跡期間中央

値 80 ヵ月の時点で、84%の患者が生存していた 53。全患者における

6.7 年時点の DFS 割合は 68.5%で、胃 MALT リンパ腫患者の方が胃以

外のリンパ腫患者より高かった(78.5% vs 33%)53。初発進行性の

MALT リンパ腫患者(N=15;胃リンパ腫は n=5 のみ)を対象として、

ミトキサントロン+chlorambucil+prednisone(MCP)による併用化

学療法が後方視的に評価された 54。胃 MALTリンパ腫の 5例(全例が I

期または II 期)では、MCP レジメンにより全例で奏効が得られ、その

中でも H. pylori 除菌療法が失敗に終わっていた患者 3 例で CR が得ら

れ、H. pylori 除菌療法を同時併用した患者 1 例でも CR が得られた。

追跡期間中央値 16ヵ月の時点で再発していた患者はいなかった 54。

いくつかの研究により、MALT リンパ腫の治療においてリツキシマブ

を取り入れた免疫化学療法の併用レジメンが評価されている。

ある後方視的研究では、再発 MALT リンパ腫患者(N=26)を対象とし

て、リツキシマブをシクロホスファミド+ドキソルビシン(またはミト

キサントロン)+ビンクリスチン+prednisone と併用するレジメン

(R-CHOP/R-CNOP)が評価された 55。77%の患者で CR が得られた。

追跡期間中央値 19 ヵ月の時点後で全患者が生存しており、22 例が寛解

を持続していた 55。ある第 II 相試験では、未治療の MALT リンパ腫患

者(N=22;胃リンパ腫は n=12)を対象として、フルダラビンとリツ

キシマブを併用する免疫化学療法が評価された 56。評価可能であった胃

MALT リンパ腫患者(n=11)においては、CR 割合が 100%、2 年

PFS割合も 100%であった。別の第 II相試験では、MALTリンパ腫患者

(N=40;胃リンパ腫は n=21)を対象として、別のプリンアナログで

あるクラドリビンとリツキシマブとの併用が評価された 57。ORR は

81%で、58%の患者で CR が得られた。追跡期間中央値 17 ヵ月の時点

で、88%の患者が生存していた。胃 MALT リンパ腫のサブグループで

は、ORRは 86%で、76%の患者で CRが得られた 57。

胃 MALT リンパ腫患者(N=49)を対象とした非ランダム化観察研究

によると、chlorambucil とリツキシマブの併用により、リツキシマブ

単剤と比較して 25週時点の寛解率に改善(93% vs 81%)が認められ

たが、興味深いことに、この併用レジメンでみられたリツキシマブ単

剤を上回る効果は t(11;18)を有するサブグループ(25 週時点の寛解

率:100% vs 66%)では観察されたものの、t(11;18)陰性の患者では

認められなかった(66% vs 92%)58。

国際共同ランダム化試験である IELSG-19 試験では、癌に対する全身

治療を受けたことのない MALT リンパ腫患者を対象として、

chlorambucil とリツキシマブの併用療法が chlorambucil 単独との比較

により評価された 59。局所治療で奏効が得られなかった患者と局所治

療が適切でない患者が適格とされた。Chlorambucil 単剤群(n=113)

および chlorambucil+リツキシマブ併用群(n=114)の患者を対象と

して、最終的なデータ解析が実施された。併用レジメンにより CR 割

合(78% vs 65%)と 5年 EFS割合(68% vs 50%;P=0.002)の改

善が得られたが、ORR(90% vs 87%)、5 年 PFS 割合(71% vs

62%)および OS 割合(両群 89%)では有意差は認められなかった 59。

ある多施設共同第 II 相試験では、未治療の MALT リンパ腫患者(N=

60;胃リンパ腫は n=20)を対象として、ベンダムスチンとリツキシ

マブの併用が検討された 60。併用療法 3 サイクル施行後の ORR は

Page 21: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-7

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

100%、CR割合は 76%であった。胃リンパ腫の患者では、胃以外のリ

ンパ腫患者と比較して CR割合が高かった(90% vs 64%)。治療完了

後の CR 割合は 98%であり、ほとんどの患者(85%)でわずか 4 サイ

クルまでに CR が達成された。追跡期間中央値 16 ヵ月の時点で、すべ

ての患者が再発なく、1例が神経学的な原因により死亡した 60。

再発・難治性 MALT リンパ腫患者(N=32;胃リンパ腫は n=14;前

治療歴の中央値 2)を対象とした第 II 相試験において、プロテアソー

ム阻害薬の bortezomib が評価された 61。評価可能であった患者(n=

29)における ORR は 48%で、CR 割合は 31%であった。追跡期間中

央値 24 ヵ月の時点で 5例が死亡しており、その中には増悪による死亡

が 2例含まれていた 61。

MALT リンパ腫患者では、化学療法レジメンで効果が得られる可能性

があるが、限局例の管理におけるその役割を評価するには、より多く

の患者から長期のデータを収集する必要がある。限局期の胃 MALT リ

ンパ腫患者(N= 110)を対象として H. pylori 除菌療法後に

chlorambucil 投与と経過観察を比較した国際共同ランダム化試験

(LY03 試験)では、再発/増悪割合、PFS、OS に関して両群間に差は

認められなかった 62。したがって、化学療法の有益性を示すデータが

得られていない現状では、限局期の胃 MALT リンパ腫には状況に応じ

て H. pylori除菌療法または RT を施行すべきである。RT 後の再発・難

治例と進行した全身転移例に対しては、化学療法レジメンを考慮して

もよい 63。

I~II期患者に対する NCCNの推奨

H.Pylori 陽性の患者には、胃酸分泌を遮断するプロトンポンプ阻害薬を

併用する抗生物質治療が推奨される。t(11;18)を有する H.Pylori 陽性患

者では、抗生物質治療により H. pylori の除菌が可能と考えられる。し

かしながら、t(11;18)は抗生物質治療の無効を予測する因子であるため、

このような患者では、H. pylori陰性例について記載されたリンパ腫向け

の代替療法を考慮すべきである。H. pylori陰性(組織学的検査と血液抗

体検査の両方で陰性と確認された場合)の患者には、病巣部放射線療法

(involved-site radiation therapy:ISRT)が望ましい治療選択肢となる。

RTの禁忌がある患者にはリツキシマブが選択肢の 1つとなる 50。

抗生物質による H. pylori 除菌療法を行った患者では、治療終了から 3

ヵ月後に内視鏡検査と生検により病期の再判定を行うべきである。粘膜

下組織または所属リンパ節に病変がある IE2期または IIE期の患者では、

抗生物質治療で奏効が得られる可能性は非常に低い。抗生物質治療後も

症状が持続する患者では、3 ヵ月後を待たずに病期の再判定を行っても

よく、早期に RT を考慮してもよい。奏効が得られた患者(H. pylori 陰

性かつリンパ腫陰性)では、経過観察が可能である。H. pyloriは陰性な

がらリンパ腫が残存または再発した患者では、症状がみられる場合、

RT による治療を行う。症状がみられない患者では、さらに 3 ヵ月間の

経過観察が可能であるほか、経過観察から 3ヵ月後という早い時点で局

所 RT を考慮することもできるが、経過観察は最長 18 ヵ月まで延長す

ることができる(カテゴリー2B)。初診時の臨床病期が IE2期または IIE

期の患者で抗生物質治療によりリンパ腫が退縮しない場合は、早期の

RT を考慮すべきである。H. pylori が残存しているが、リンパ腫の退縮

または安定が認められた患者では、抗生物質による二次治療を実施する。

最後に、H. pylori陽性でリンパ腫の進行または症状がみられる患者では、

RTおよび抗生物質による二次治療を行うべきである。

初回治療として RT を施行した患者では、RT の終了から 3~6 ヵ月後

に内視鏡検査と生検により病期の再判定を行うべきである。奏効が得

られた患者(H. pylori 陰性かつリンパ腫陰性)では、経過観察が可能

である。H. pylori が残存しているが、リンパ腫の退縮が認められた患

Page 22: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-8

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

者では、抗生物質治療を検討することができる。ただし、RT の終了後

もリンパ腫が残存する患者(H. pyloriの有無は問わない)は、本 NCCN

NHL ガイドラインに記載された FL に対する推奨に従って管理すべき

である。

経過観察もしくは(先に考察した)抗生物質治療または RTによる追

加治療に続いて、その 3ヵ月後に内視鏡検査と生検により再評価を行

う。生検では大細胞型への組織学的進展を除外すべきである。DLBCL

の領域がある場合は、本 NCCN NHLガイドラインに記載された

DLBCLに対する推奨に従って治療を行うべきである。CRが得られた

患者には、身体診察と臨床検査による臨床的なフォローアップを、5

年間は 3~6ヵ月毎、その後は年 1回(または臨床的に適応となり次

第)実施すべきである。フォローアップにおける内視鏡および画像検

査の至適な施行間隔は不明である。NCCN 加盟施設では現在のところ、

フォローアップの内視鏡および画像検査は症状に基づき臨床的に適応

ありと判断した時点で施行されている。二次治療の RTで奏効が得ら

れない患者と初回 CR後に再発した患者には、FLのガイドラインに従

って全身治療を行うべきである。抗生物質による二次治療で奏効が得

られなかった患者は局所 RTの適応となる。

III期または IV期患者に対する NCCNの推奨

進行期の患者(まれである)に対する治療は、進行期 FL 患者について

記載されたものと同様である。FL と同様に、治療の適応がない無症状

の患者では、治療を控えて経過をモニタリングする。治療開始の決定

は、臓器障害または症状の出現(消化管出血や早期満腹感など)、初診

時の巨大腫瘤、確実な進行、患者の希望などに基づき判断される。治

療適応のある患者に対しては、進行期では従来のレジメンで治癒が望

めないことから、臨床試験への登録が推奨される。適切な臨床試験が

ない場合の治療法としては、免疫化学療法や局所 RT(30Gy)などが

考えられる。外科的切除は一般に、生命を脅かす出血がみられるなど

特定の臨床状況のみに限定される。胃全摘術は病勢制御に優れるが、

長期の合併症のため、ルーチンな外科的切除は困難である。初回寛解

導入療法後に(内視鏡検査で)再発が判明した患者は、FL のガイドラ

インに従って管理すべきである。

胃以外の MALT リンパ腫

MALT リンパ腫は、腸管(小腸および大腸)、乳房、肺、眼付属器、卵

巣、前立腺、耳下腺、唾液腺、その他の頭頸部領域など、胃以外の

様々な部位に発生する可能性がある 17。特に頻度の高い発生部位は、

耳下腺および唾液腺(18~26%)、皮膚(12~26%)、結膜/眼窩(7~

14%)、頭頸部(11%)、肺(8~9%)、甲状腺(6%)、乳房(2~

3%)などである 17,64。胃以外の MALT リンパ腫にも感染性病原体(例

えば、Chlamydia psittaci、Campylobacter jejuni)との関連が報告され

ているが 4、これらの病原体に対する検査は本疾患の精査または管理に

必要ではない。

診断

診断の確定には、生検検体の十分な血液病理学的検討と免疫表現型検

査が必要である。IHC 検査での検討が推奨されるマーカーには、CD20、

CD3、CD5、CD10、CD21 または CD23、κ/λ、CCND1、BCL2 などが

あり、フローサイトメトリーでの検討が推奨されるマーカーには、

CD19、CD20、CD5、CD23、CD10 などがある。胃以外の MALT リン

パ腫の典型的な免疫表現型は、CD5−、CD10−、CD20+、CD23−/+、

CD43−/+、cyclin D1−、BCL2−である。一部の症例では抗原受容体遺伝

子の再構成または t(11;18)を検出する分子遺伝学的分析が有用となる場

合がある。さらに、細胞遺伝学的分析法または FISH 法による t(11;18)、

t(3;14)、t(11;14)、t(14;18)の検索も特定の状況では検討してもよい。

Page 23: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-9

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

精査

胃以外の MALT リンパ腫に対する精査は、他の NHL に対する精査と同

様である。包括的な身体診察を行うとともに、Performance Status を

評価すべきである。臨床検査としては、白血球分画と血小板数を含む

血算、生化学検査(comprehensive metabolic panel)、血清 LDH値の

測定を含めるべきである。多巣性に病変がみられる患者では、骨髄生

検(単独または骨髄穿刺との併用)による評価が有用となりうる。さ

らに一部の症例では、複数の部位に対する生検を併用する内視鏡検査

が有用となる場合がある。適切な画像検査としては、診断に堪えうる

胸部、腹部および骨盤の造影 CT が挙げられる。アントラサイクリン

系またはアントラセンジオン系薬剤を含むレジメンでの治療を考慮し

ている患者では、MUGA スキャン/心エコー検査を施行すべきである。

リツキシマブを含むレジメンでの治療を考慮している患者では、免疫

化学療法により B 型肝炎ウイルスが再活性化するリスクがあるため、

B 型肝炎検査の適応となる。一部の症例では HCV 検査が有用となる可

能性がある。

治療選択肢

前述の「胃 MALT リンパ腫」の項でも考察したように、胃および胃以

外の限局期 MALT リンパ腫には、いずれも RT 単独が有効な治療戦略

であることが示されている。化学療法との併用または単独で RT によ

る治療を受けた限局期 MALT リンパ腫患者(N=167;胃以外のリンパ

腫は n=142)を対象とした後方視的研究の長期追跡では、IFRT 単独

の治療を受けた群(n=144;線量範囲 25~35Gy;眼窩に対し 25Gy)

における 10 年無再発割合および OS 割合がそれぞれ 74%と 89%であ

った 45。原発部位が甲状腺(n=21)、唾液腺(n=28)、眼窩付属器

(n=71)であった患者の 10年無再発割合は、それぞれ 95%、68%、

67%であった 45。

他にも化学療法(単独または RT との併用)や手術(単独もしくは RT

および/または化学療法との併用)などの治療法が評価されている。胃

以外の MALT リンパ腫患者(N=180;27%は Ann Arbor 分類 IV 期)

を対象とした後方視的研究では、化学療法(n=78;単独または RT と

併用)、RT 単独(n=41)または手術(n=68;単独もしくは RT およ

び/または化学療法との併用)による治療が施行された 17。早期患者で

は、半数以上が RT による治療を受け(55%;単独または他の治療法

との併用)、30%の患者は RT 単独であった。手術または全身化学療法

(いずれも単独または他の治療法との併用)は、それぞれ 42%(17%

は手術単独)および 31%の患者で採用された。進行期(IV 期)患者で

は、大多数が全身化学療法(75.5%単独または他の治療法との併用)

を受け、RT 単独の治療を受けた患者はわずか 4%であった。手術(単

独または他の治療法との併用)は進行期患者の 26.5%で採用され、手

術単独の治療を受けた患者は 10%であった 17。評価可能であった患者

(n=174)における ORR は 93%で、CR 割合は 77%であった。化学

療法を受けた患者では、ORR および CR 割合がそれぞれ 92%と 72%

であった。追跡期間中央値 3.4 年の時点で、5 年 PFS および OS 割合

がそれぞれ 60%および 90%と推定された。原発部位が結膜(n=18)

および甲状腺(n=10)であった患者のサブグループにおける 5 年

PFS および OS 割合は、ともに 100%であった。しかしながら、眼窩

原発例(n=13)での成績は、それぞれ 23%と 80%であった。唾液腺

原発例(n=46)の 5 年 PFS および OS 割合はそれぞれ 67%と 97%

で、皮膚原発例(n=22)では、それぞれ 53%と 100%であった 17。

胃以外の MALTリンパ腫患者(N=208;44%は Ann Arbor分類 III~IV

期)を対象とした別の後方視的研究では、化学療法単独(45%;約半

数はアルキル化薬単剤、それ以外は多剤併用療法)、手術(21%)また

は RT(19%)による治療が施行されていた 64。ORR は 90%で、CR

Page 24: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-10

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

割合は 73%であった。化学療法、RT または手術による治療を受けた

患者の ORR は、それぞれ 65%、76%、90%であった。追跡期間中央

値 2.7 年の時点で、EFS の中央値は 2.4 年となり、5 年 EFS および

OS 割合の推定値は、それぞれ 37%と 83%であった 64。原発部位が皮

膚であった患者(n=55)の 5 年 EFS および OS 割合は、それぞれ

44%と 100%であった。唾液腺原発例(n=38)の 5 年 EFS および

OS 割合はそれぞれ 30%と 86%で、眼窩/結膜原発例(n=30)では、

それぞれ 49%と 100%であった。予想された通り、Ann Arbor分類で I

~II期の患者では、III~IV期の患者より 5年 OS割合が有意に高かった

(94% vs 69%;P=0.001)。多変量解析では、EFS と OS ともに、

骨髄浸潤が予後不良を予測する唯一の独立した有意な因子であった 64。

リツキシマブについても、胃以外の未治療または再発 MALT リンパ腫

患者を対象として単剤または化学療法との併用で評価されている。未

治療および再発 MALT リンパ腫患者(35 例;胃 MALT リンパ腫 15 例、

胃以外の MALT リンパ腫 20 例)を対象とした IELSG による第 II 相試

験では、リツキシマブ単剤の臨床効果が評価された 65。胃以外の

MALT リンパ腫患者では、リツキシマブによる治療で ORR 80%

(55%は CR、25%は PR)という成績が得られた。研究対象集団全体

では、化学療法歴のない患者の ORRが既治療の患者より有意に高かっ

た(それぞれ 87%と 45%;P=0.03)。

ある第 II 相試験では、未治療の MALT リンパ腫患者(N=22)を対象

として、フルダラビンとリツキシマブを併用する免疫化学療法が評価

された 56。原発巣が胃以外の MALTリンパ腫患者のサブグループ(n=

10)では、ORR が 100%、CR 割合が 80%で、同サブグループにおけ

る 2年 PFS割合は 89%であった。別の第 II相試験では、MALTリンパ

腫患者(N=40)を対象として、別のプリンアナログであるクラドリ

ビンがリツキシマブとの併用で評価された 57。原発巣が胃以外の

MALT リンパ腫患者のサブグループ(n=19)では、ORR が 74%で、

CR 割合は 37%であった。この CR 割合は、胃原発の MALT リンパ腫

患者のサブグループ(76%)で報告されたものより低かった 57。

全身療法による治療歴のない MALT リンパ腫患者を対象として、

chlorambucil 単剤を chlorambucil+リツキシマブの併用と比較した国

際共同ランダム化試験(IELSG-19 試験)では、どちらの治療群におい

ても、原発巣が胃の患者と胃以外の患者との間に CR 割合、EFS、

PFS、OS割合の有意差が認められなかった 59。未治療の MALTリンパ

腫患者(N=60)を対象としてベンダムスチンとリツキシマブの併用

を検討した多施設共同第 II 相試験では、原発巣が胃以外のリンパ腫患

者のサブグループ(n=35)における CR割合が 64%であった 60。

NCCNの推奨

I~II 期の患者には病巣部放射線療法(ISRT)(24~30Gy)が望まし

い治療である。RT の線量は部位により異なり、通常は眼窩病変のみ低

線量照射が用いられる。リツキシマブは、選択された患者に対する選

択肢として推奨に含めている。節外病変のある患者には、RT または経

過観察が適切である。眼および皮膚の MZL では、抗生物質で反応が得

られたという事例の報告があることから、他の治療を開始する前にド

キシサイクリンの経験的投与を 1 コース行う医師もいる。診断時の生

検が切除生検であった患者と RT または全身療法では重大な合併症が

生じる恐れのある患者では、経過観察を考慮してもよい。I~II 期患者

の特定部位の病変(例えば、肺、甲状腺、結腸、小腸、乳房)に対し

ては、十分な診断を目的とする外科的切除が適切な治療となりうる。

術後に残存病変が認められない患者では、経過観察が可能であり、術

後の切除断端が陽性の患者では、局所 RTを考慮すべきである。

Page 25: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-11

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

臨床フォローアップ(診断検査の反復と臨床的な適応に応じた病変部

位に基づく画像検査を含む)を、5 年間は 3~6 ヵ月毎に、その後は年

1 回(または臨床的に適応となり次第)実施すべきである。初回治療

後の局所再発に対しては、RT による治療を行うか、進行期 FL に対す

る推奨に従って管理してもよい。全身性の再発例は進行期 FL に対する

推奨に従って管理すべきであり、診断時に III~IV 期(節外性病変およ

び複数の腫大リンパ節領域あり)と判定された患者も同様である。大

細胞型リンパ腫が併存する MALT リンパ腫は、DLBCL に対する推奨に

従って管理すべきである。

節性辺縁帯リンパ腫

節性 MZL では、ほぼ全例(95%以上)で末梢リンパ節の腫大がみられ、

約 50%の症例では胸部または腹部のリンパ節が侵されることもある15,66。さらに、骨髄および末梢血への MZL の進展が、それぞれ約 30~

40%および 10%の症例にみられる 15,66。節性 MZLの新規診断例の約 3

分の 2が進行期であるが、ほとんどの腫瘍は bulky病変ではなく、B症

状は約 15%の症例でしか認められない 15,66。節性 MZLはインドレント

な経過をたどる傾向があるが、長期的な転帰は MALT リンパ腫よりも

不良のようである。MZL 患者から得られたデータの後方視的解析では、

節性 MZL 患者(n=14)のサブグループにおける OS 割合は MALT リ

ンパ腫患者(n=62)と比較して低く(56% vs 81%)、5 年治療成功

生存割合も節性 MZL 患者の方が低かった(28% vs 65%)15。MALT

型以外の MZL 患者(N=124)を対象とした別の後方視的研究では、

節性 MZL 患者のサブグループ(n=37)における TTP 中央値(治療開

始時点から起算)と OS中央値は、それぞれ 1.3年と 5.5年であった 66。

診断

診断の確定には、生検検体の十分な血液病理学的検討と免疫表現型検

査が必要である。節性 MZLはまれであり、大半は節外性 MALT リンパ

腫由来の播種性病変として発生する。IHC 検査での検討が推奨される

マーカーには、CD20、CD3、CD5、CD10、CD21 または CD23、κ/λ、

CCND1、BCL2 などがあり、フローサイトメトリーでの検討が推奨さ

れるマーカーには、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10 などがある。

節性 MZL の典型的な免疫表現型は、CD5−、CD10−、CD20+、

CD23−/+、CD43−/+、cyclin D1−、BCL2−である。若年患者の限局例で

は、小児節性 MZL の可能性を考慮すべきである。特定の症例では、抗

原受容体遺伝子の再構成または t(11;18)を(PCR 法により)検出する

分子遺伝学的分析が有用となりうる。さらに、特定の状況では、細胞

遺伝学的検査または FISH 法による t(11;18)、 t(3;14)、 t(11;14)、

t(14;18)、del(13q)および del(7q)の検索を考慮してもよい。

精査

節性 MZL に対する精査は、他の NHL に対する精査と同様である。包

括的な身体診察を行うとともに、Performance Status を評価すべきで

ある。臨床検査としては、白血球分画と血小板数を含む血算、生化学

検査(comprehensive metabolic panel)、血清 LDH値の測定を含める

べきである。骨髄穿刺を併用した骨髄生検での評価により、臨床病期

が I~II 期であることを確認すべきである。ただし、骨髄生検は治療適

応となるまで延期してもよい。適切な画像検査としては、診断に堪え

うる胸部、腹部および骨盤の造影 CT が挙げられる。節性 MZL は最初

はリンパ節に発生するが、他の節外部位への浸潤もよくみられる。節

性 MZL と診断するには、慎重な評価により節外部位原発である可能性

を除外する必要があるほか、節性 FL、MCL、リンパ形質細胞性リンパ

腫および CLL(いずれも本疾患より頻度が高い)との鑑別も必要にな

る。アントラサイクリン系またはアントラセンジオン系薬剤を含むレ

ジメンでの治療を考慮している患者では、MUGA スキャン/心エコー検

査を施行すべきである。リツキシマブを含むレジメンでの治療を考慮

Page 26: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-12

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

している患者では、免疫化学療法により B 型肝炎ウイルスが再活性化

するリスクがあるため、B 型肝炎検査の適応となる。一部の症例では

C型肝炎ウイルスの検査が有用となる可能性がある。

NCCN の推奨

当委員会は、節性 MZL 患者は本 NCCN NHL ガイドラインに記載され

た FLに対する推奨に従って管理することを推奨する。

脾辺縁帯リンパ腫

脾 MZL は全例でみられる脾腫を特徴とし、脾腫が巨大になるか血球減

少を合併すると、症状がみられるようになる 2,5,66。一般に末梢リンパ

節への進展はみられない一方、脾門リンパ節はしばしば侵され 2,5、脾

MZL 患者の約 3 分の 1 では、胸部または腹部のリンパ節にも病変を認

めることがある 8,66。さらに、大多数の患者(約 85%)で骨髄浸潤が

認められ、30~50%の患者では末梢血への進展もみられる 2,8,66。脾

MZL 患者は大半が進行期であるが、疾患の経過は一般に緩徐である。

MALT 型以外の MZL 患者を対象とした後方視的研究では、脾 MZL 患

者のサブグループ(n=59)における TTP 中央値(治療開始時点から

起算)と OS中央値は、それぞれ 6.9年と 9.1年であった 66。同様に、

脾 MZL 患者(N=81)から得られたデータの後方視的なレビューでは、

OS中央値が 10.5年であった 67。

診断

診断の確定には、生検検体の十分な血液病理学的検討と免疫表現型検

査が必要である。脾 MZL の診断には、免疫グロブリン(Ig)軽鎖制限

(light chain restriction)を認めるが小細胞型 B 細胞腫瘍の他の特徴

(CD5、CD10、cyclin D1)を欠いた小型リンパ系細胞による骨髄浸潤

を確認する必要があり、末梢血への進展の有無は問わない 68。IHC 検

査での検討が推奨されるマーカーには、CD20、CD3、CD5、CD10、

CD21 または CD23、CD43、κ/λ、IgD、CCND1、BCL2、annexin A1

などがあり、フローサイトメトリーでの検討が推奨されるマーカーに

は、CD19、CD20、CD5、CD23、CD10、CD43、CD103 などがある。

脾 MZL の典型的な免疫表現型は、CD5−、CD10−、CD20+、CD23−/+、

CD43−、cyclin D1−、濾胞 BCL2−、annexin A1−、CD103−、IgM と

IgD の共発現である。このリンパ腫は、CD5 を発現せず、CD20 を強

発現し、CD23 の発現が一定でないことで CLL と鑑別され、CD103 の

発現を欠くことで有毛細胞白血病(HCL)と鑑別される。

脾 MZL では、免疫表現型が非特異的で、骨髄の形態学的特徴では診断

できない場合があることから、脾摘が最も確実な診断法である。ただ

し、脾腫(小さいか M 成分を認めない)がみられ、特徴的とされるリ

ンパ球の骨髄類洞内浸潤を認める患者では、免疫表現型に矛盾がない

場合、骨髄生検で本疾患を強く推定することができる。パラフィン切

片において、検出可能な量の細胞質 Ig を伴う形質細胞様分化を認める

こともある。このような症例では、鑑別診断に LPL を含めてもよい。

一部の症例では、WM/LPL および HCL から脾 MZL を鑑別するために、

それぞれ MYD88 および BRAF 遺伝子の変異状態が有用となる可能性

がある 13,69,70。臨床的および病理学的特徴が重複する IgM 型以外の

LPL および他の B 細胞リンパ腫から WM を鑑別する検査として、従来

およびリアルタイムのアレル特異的ポリメラーゼ連鎖反応(AS-

PCR)法による MYD88(L265P)遺伝子の検索が有用であることが報

告されている 71。

精査

脾 MZL に対する初診時の精査は、他のインドレントリンパ腫に対する

精査と同様である。包括的な身体診察を行うとともに、Performance

Statusを評価すべきである。臨床検査としては、白血球分画と血小板数

を含む血算、生化学検査(comprehensive metabolic panel)、血清

Page 27: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-13

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

LDH 値の測定を含めるべきである。血清蛋白電気泳動(SPEP)検査か

免疫グロブリン定量またはその両方を行うべきである。免疫グロブリン

または単クローン性免疫グロブリンの増加が検出された場合は、血液の

免疫固定法による更なる分析が有用となる可能性がある。骨髄生検単独

または骨髄生検と骨髄穿刺の併用による評価を行うべきである。

適切な画像検査としては、診断に堪えうる胸部、腹部および骨盤の造

影 CT が挙げられる。アントラサイクリン系またはアントラセンジオ

ン系薬剤を含むレジメンでの治療を考慮している患者では、MUGA ス

キャン/心エコー検査を施行すべきである。HCV 検査は初診時の精査に

必須である。C 型肝炎については、脾 MZL との合併や脾 MZL の発生

機序との関連が報告されているため、脾 MZL が疑われる患者では必ず

評価を行うべきである 72。リツキシマブを含むレジメンでの治療を考

慮している患者では、免疫化学療法により B 型肝炎ウイルスが再活性

化するリスクがあるため、B 型肝炎検査の適応となる。その他の有用

な評価としては、C 型肝炎において高頻度で認められる異常蛋白を検

出するクリオグロブリン検査や、自己免疫性溶血性貧血について評価

するための直接クームス試験などが考えられる。

治療選択肢

前述のように、一部の MZL には HCV 感染が関与している可能性があ

る。MZL 患者を対象とした後方視的研究では、脾 MZL 患者の 35%が

血清学的検査で HCV 陽性と判定された 8。脾臓原発例を含む HCV 陽

性 MZL 患者では、interferon α(IFN-α)単剤または IFN-α+リバビリ

ンの抗ウイルス療法により、ウイルス学的および血液学的奏効が得ら

れることが示されている 8,73-75。最近の後方視的研究では、HCV陽性の

インドレント B 細胞 NHL 患者(N=94;脾 MZL は n=30[32%])

で構成される大規模な集積症例を対象として、IFN またはペグ化 IFN

の単剤使用またはリバビリンとの併用(84%がリバビリン併用)によ

る抗ウイルス療法の有効性が評価された 76。一次治療として抗ウイル

ス療法を受けた患者(n=76;脾 MZL は n=24)では、ORR および

CR 割合がそれぞれ 77%と 47%で、持続的なウイルス学的奏効が

78%の患者で認められた。追跡期間中央値 3.3 年の時点で、奏効期間

の中央値は 23 ヵ月であった。5 年 PFS および OS 割合は、それぞれ

78%と 94%であった 76。

血清学的検査で HCV 陰性と判定された脾 MZL 患者では、脾摘、単剤

化学療法、多剤併用化学療法、リツキシマブによる抗体療法、免疫化学

療法(リツキシマブと化学療法の併用)、これらの組合せなど、様々な

治療法が評価されている。約 20~25%の患者では、疾患の症状と血球

減少がいずれも認められなければ、診断時に治療を開始することなく、

経過観察とすることができる 67,77。脾摘単独での ORR が 80~90%で

OS 中央値が 93 ヵ月という成績が、いくつかの後方視的な症例集積研

究で報告された 77,78。脾摘と術後補助化学療法(例えば、CHOP 類似療

法、アルキル化薬、プリンアナログ)では、CR 割合が約 50%、OS 中

央値が 107.5 ヵ月(約 9 年)という成績が得られた 78,79。複数の後方視

的研究では、脾摘単独または脾摘+化学療法の併用で良好な成績が得ら

れ、OS中央値は 10 年を超え、10 年 OS割合は約 75%であった 67,78。

脾摘(大多数の患者は術後にアルキル化薬またはアントラサイクリン系

薬剤をベースとする化学療法を受けた)または CHOP 類似レジメンに

よる化学療法単独と HCV 陽性例に対する抗ウイルス療法の片方または

両方を受けた脾 MZL 患者(N=30)を対象とした後方視的症例集積研

究では、ORR および CR 割合は、それぞれ 93%と 48%であった 8。

EFSの中央値は 3.3年で、3年 OS割合は 75%と推定された。

プリンアナログ(例えば、ペントスタチン、クラドリビン)単剤によ

る脾 MZL の治療では、約 20%の CR 割合が得られた 80-82。脾 MZL 患

者(N=16;既治療例は n=13)を対象とした小規模第 II 相試験の前

Page 28: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-14

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

方視的検討では、ペントスタチン単剤療法による ORRが 68%、CR割

合が 23%となり、追跡期間中央値 35 ヵ月時点での PFS および OS 中

央値は、それぞれ 18 ヵ月と 40 ヵ月であった 81。脾 MZL 患者(N=

50)を対象とした後方視的解析では、クラドリビン単剤療法を受けた

患者のサブグループ(n=12)における CR 割合が 21%、4 年 PFS 割

合が 52%であった 80。脾 MZL患者(N=70)を対象とした別の後方視

的研究では、化学療法単独による治療を受けた患者(n=11;プリンア

ナログを含むレジメンは n=10)における CR 割合が 18%、3 年 FFS

割合が 45%、3年 OS割合が 55%であった 82。

抗 CD20 モノクローナル抗体のリツキシマブは、脾 MZL 患者におい

ても、単剤療法および化学療法との併用療法の両方で評価されている。

後方視的な症例集積研究では、リツキシマブ単剤(一部の患者ではリ

ツキシマブ維持療法も施行)により高い奏効割合(ORR 90~100%;

CR/CRu 割合 40~85%)と持続的な寛解が得られた 82-84。リツキシマ

ブ単剤療法を受けた脾 MZL 患者(n=26)を対象とした後方視的な症

例集積研究では、ORRおよび CR/CRu割合がそれぞれ 88%と 42%で

あった 82。3 年 FFS および OS 割合は、それぞれ 86%と 95%であっ

た。リツキシマブと化学療法薬による併用療法では、プリンアナログ

の単剤療法を上回る効果が得られるようである。リツキシマブと化学

療法薬の併用療法を受けた少数例のサブグループ(n=6)では、

CR/CRu割合が 33%で、3年 FFSおよび OS割合はともに 100%であ

った 82。ある後方視的研究では、クラドリビン単剤療法(n=12)と

クラドリビン+リツキシマブの併用療法(n=38)を受けた脾 MZL 患

者の転帰が比較された 80。クラドリビン+リツキシマブの併用レジメ

ンでは、クラドリビン単剤療法と比較して、CR 割合(62.5% vs

21%;P=0.004)および 4年 PFS割合(83% vs 52%;P=0.04)が

有意に高かった。追跡期間中央値 45 ヵ月の時点で、全患者の 4 年

PFS 割合は 67%となり、6 年 OS 割合は 89%と推定された 80。脾

MZL 患者(N=43)を対象としてリツキシマブによる治療を評価した

最近の後方視的研究によると、リツキシマブの単剤または多剤併用療

法により 100%の ORR が得られ、CR 割合は 79%であった 85。この

CR 割合は、化学療法単独での治療を受けた患者(n=10)の CR 割合

(30%)よりも良好であった。さらに、リツキシマブ単剤でリツキシ

マブをベースとする多剤併用療法と同程度の CR 割合が得られ(90%

vs 79%)、毒性はより少なかった。3 年 DFS 割合は、リツキシマブ

を含む治療法(79%)の方が脾摘単独(29%)または化学療法単独

(25%)より良好であった。リツキシマブによる 3年 OS割合は 98%

であった 85。

NCCN の推奨

脾腫と進行性の血球減少をいずれも認めない無症状の患者では、治療

適応となるまで経過観察を継続することができる。脾腫がある患者に

は、血清学的検査による HCV 感染の状況に応じて治療を行うべきであ

る。HCV 陽性の患者には肝臓の専門的評価が推奨される。肝炎治療の

禁忌がない患者では、抗ウイルス療法による適切な治療を開始すべき

である。さらに、症状を伴う脾腫に対して治療が必要となった患者に

は、脾摘またはリツキシマブ療法による更なる管理が可能である。肝

炎治療の禁忌がある患者は、以下に示すように HCV 陰性患者と同様に

管理すべきである。

HCV 陰性の患者では、症状がみられなければ、経過観察が可能である。

症状(血球減少、脾腫の症状、体重減少、早期満腹感または腹痛)が

みられる患者では、脾摘またはリツキシマブによる治療を行うべきで

ある。脾摘の 2 週間以上前に肺炎球菌および髄膜炎菌ワクチンを接種

すべきである。治療後には患者の状態を定期的にモニタリングすべき

である。臨床フォローアップ(診断検査の反復と臨床的な適応に応じ

Page 29: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-15

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

た画像検査を含む)を、5 年間は 3~6 ヵ月毎に、その後は年 1 回また

は臨床的に適応となり次第実施すべきである。増悪が確認された患者

は、本 NCCN ガイドラインに記載された進行期 FL に対する推奨に従

って管理すべきである。

Page 30: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-16

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

参考文献

1. Kahl B, Yang D. Marginal zone lymphomas: management of nodal, splenic, and MALT NHL. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2008:359-364. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19074110.

2. Thieblemont C. Clinical presentation and management of marginal zone lymphomas. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2005:307-313. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16304396.

3. Campo E, Pileri SA, Jaffe ES, et al. Nodal marginal zone lymphoma. In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al., eds. WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues (ed 4th ). Lyon: IARC; 2008:218-219.

4. Isaacson PG, Chott A, Nakamura S, et al. Extranodal marginal zone lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT lymphoma). In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al. eds. WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues (ed 4th). Lyon: IARC; 2008:214-217. Available at:

5. Isaacson PG, Thieblemont C, Piris MA, et al. Splenic B-cell marginal zone lymphoma. In: Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al., eds. WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues (ed 4th). Lyon: IARC; 2008:185-187.

6. A clinical evaluation of the International Lymphoma Study Group classification of non-Hodgkin's lymphoma. The Non-Hodgkin's Lymphoma Classification Project. Blood 1997;89:3909-3918. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9166827.

7. Olszewski AJ, Castillo JJ. Survival of patients with marginal zone lymphoma: Analysis of the Surveillance, Epidemiology, and End Results database. Cancer 2012. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22893605.

8. Arcaini L, Paulli M, Boveri E, et al. Splenic and nodal marginal zone lymphomas are indolent disorders at high hepatitis C virus seroprevalence with distinct presenting features but similar morphologic and phenotypic profiles. Cancer 2004;100:107-115. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14692030.

9. Mele A, Pulsoni A, Bianco E, et al. Hepatitis C virus and B-cell non-Hodgkin lymphomas: an Italian multicenter case-control study. Blood 2003;102:996-999. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12714514.

10. Arcaini L, Burcheri S, Rossi A, et al. Prevalence of HCV infection in nongastric marginal zone B-cell lymphoma of MALT. Ann Oncol 2007;18:346-350. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17071937.

11. Berger F, Traverse-Glehen A, Felman P, et al. Clinicopathologic features of Waldenstrom's macroglobulinemia and marginal zone lymphoma: are they distinct or the same entity? Clin Lymphoma 2005;5:220-224. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15794852.

12. Treon SP, Xu L, Yang G, et al. MYD88 L265P somatic mutation in Waldenstrom's macroglobulinemia. N Engl J Med 2012;367:826-833. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22931316.

13. Gachard N, Parrens M, Soubeyran I, et al. IGHV gene features and MYD88 L265P mutation separate the three marginal zone lymphoma entities and Waldenstrom macroglobulinemia/lymphoplasmacytic lymphomas. Leukemia 2013;27:183-189. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22944768.

14. Varettoni M, Arcaini L, Zibellini S, et al. Prevalence and clinical significance of the MYD88 (L265P) somatic mutation in Waldenstrom's macroglobulinemia and related lymphoid neoplasms. Blood 2013;121:2522-2528. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23355535.

Page 31: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-17

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

15. Nathwani BN, Anderson JR, Armitage JO, et al. Marginal zone B-cell lymphoma: A clinical comparison of nodal and mucosa-associated lymphoid tissue types. Non-Hodgkin's Lymphoma Classification Project. J Clin Oncol 1999;17:2486-2492. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10561313.

16. Thieblemont C, Bastion Y, Berger F, et al. Mucosa-associated lymphoid tissue gastrointestinal and nongastrointestinal lymphoma behavior: analysis of 108 patients. J Clin Oncol 1997;15:1624-1630. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9193362.

17. Zucca E, Conconi A, Pedrinis E, et al. Nongastric marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue. Blood 2003;101:2489-2495. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12456507.

18. Ueda K, Terui Y, Yokoyama M, et al. Non-gastric advanced mucosa-associated lymphoid tissue (MALT) lymphoma has worse prognosis than gastric MALT lymphoma even when treated with rituximab-containing chemotherapy. Leuk Lymphoma 2013;54 1928-1933. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23216271.

19. Thieblemont C, Berger F, Dumontet C, et al. Mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma is a disseminated disease in one third of 158 patients analyzed. Blood 2000;95:802-806. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10648389.

20. Farinha P, Gascoyne RD. Molecular pathogenesis of mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma. J Clin Oncol 2005;23:6370-6378. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16155022.

21. Auer IA, Gascoyne RD, Connors JM, et al. t(11;18)(q21;q21) is the most common translocation in MALT lymphomas. Ann Oncol 1997;8:979-985. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9402171.

22. Murga Penas EM, Hinz K, Roser K, et al. Translocations t(11;18)(q21;q21) and t(14;18)(q32;q21) are the main chromosomal

abnormalities involving MLT/MALT1 in MALT lymphomas. Leukemia 2003;17:2225-2229. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12931213.

23. Willis TG, Jadayel DM, Du MQ, et al. Bcl10 is involved in t(1;14)(p22;q32) of MALT B cell lymphoma and mutated in multiple tumor types. Cell 1999;96:35-45. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9989495.

24. Liu H, Ye H, Dogan A, et al. T(11;18)(q21;q21) is associated with advanced mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma that expresses nuclear BCL10. Blood 2001;98:1182-1187. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11493468.

25. Streubel B, Lamprecht A, Dierlamm J, et al. T(14;18)(q32;q21) involving IGH and MALT1 is a frequent chromosomal aberration in MALT lymphoma. Blood 2003;101:2335-2339. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12406890.

26. Streubel B, Vinatzer U, Lamprecht A, et al. T(3;14)(p14.1;q32) involving IGH and FOXP1 is a novel recurrent chromosomal aberration in MALT lymphoma. Leukemia 2005;19:652-658. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15703784.

27. Wotherspoon AC. Gastric lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue and Helicobacter pylori. Annu Rev Med 1998;49:289-299. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9509264.

28. Isaacson PG, Spencer J. Gastric lymphoma and Helicobacter pylori. Important Adv Oncol 1996:111-121. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8791131.

29. Ye H, Liu H, Raderer M, et al. High incidence of t(11;18)(q21;q21) in Helicobacter pylori-negative gastric MALT lymphoma. Blood 2003;101:2547-2550. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12517817.

Page 32: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-18

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

30. Liu H, Ye H, Ruskone-Fourmestraux A, et al. T(11;18) is a marker for all stage gastric MALT lymphomas that will not respond to H. pylori eradication. Gastroenterology 2002;122:1286-1294. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11984515.

31. Morgner A, Bayerdorffer E, Neubauer A, Stolte M. Helicobacter pylori associated gastric B cell MALT lymphoma: predictive factors for regression. Gut 2001;48:290-292. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11171813.

32. Pavlick AC, Gerdes H, Portlock CS. Endoscopic ultrasound in the evaluation of gastric small lymphocytic mucosa-associated lymphoid tumors. J Clin Oncol 1997;15:1761-1766. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9164183.

33. Sackmann M, Morgner A, Rudolph B, et al. Regression of gastric MALT lymphoma after eradication of Helicobacter pylori is predicted by endosonographic staging. MALT Lymphoma Study Group. Gastroenterology 1997;113:1087-1090. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9322502.

34. Nakamura S, Matsumoto T, Suekane H, et al. Predictive value of endoscopic ultrasonography for regression of gastric low grade and high grade MALT lymphomas after eradication of Helicobacter pylori. Gut 2001;48:454-460. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11247887.

35. Rohatiner A, d'Amore F, Coiffier B, et al. Report on a workshop convened to discuss the pathological and staging classifications of gastrointestinal tract lymphoma. Ann Oncol 1994;5:397-400. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8075046.

36. Stathis A, Chini C, Bertoni F, et al. Long-term outcome following Helicobacter pylori eradication in a retrospective study of 105 patients with localized gastric marginal zone B-cell lymphoma of MALT type. Ann Oncol 2009;20:1086-1093. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19193705.

37. Steinbach G, Ford R, Glober G, et al. Antibiotic treatment of gastric lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue. An uncontrolled trial. Ann Intern Med 1999;131:88-95. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10419446.

38. Wundisch T, Thiede C, Morgner A, et al. Long-term follow-up of gastric MALT lymphoma after Helicobacter pylori eradication. J Clin Oncol 2005;23:8018-8024. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16204012.

39. Chen L, Lin J, Tai J, et al. Long-term results of anti-Helicobacter pylori therapy in early-stage gastric high-grade transformed MALT lymphoma. J Natl Cancer Inst 2005;97:1345-1353. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16174856.

40. Andriani A, Miedico A, Tedeschi L, et al. Management and long-term follow-up of early stage H. pylori-associated gastric MALT-lymphoma in clinical practice: an Italian, multicentre study. Dig Liver Dis 2009;41:467-473. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18945654.

41. Montalban C, Santon A, Boixeda D, et al. Treatment of low grade gastric mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma in stage I with Helicobacter pylori eradication. Long-term results after sequential histologic and molecular follow-up. Haematologica 2001;86:609-617. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11418369.

42. Nakamura S, Matsumoto T, Suekane H, et al. Long-term clinical outcome of Helicobacter pylori eradication for gastric mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma with a reference to second-line treatment. Cancer 2005;104:532-540. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15937928.

43. Wotherspoon AC, Doglioni C, Diss TC, et al. Regression of primary low-grade B-cell gastric lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue type after eradication of Helicobacter pylori. Lancet 1993;342:575-577. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8102719.

Page 33: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-19

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

44. Tsang RW, Gospodarowicz MK, Pintilie M, et al. Localized mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma treated with radiation therapy has excellent clinical outcome. J Clin Oncol 2003;21:4157-4164. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14615444.

45. Goda JS, Gospodarowicz M, Pintilie M, et al. Long-term outcome in localized extranodal mucosa-associated lymphoid tissue lymphomas treated with radiotherapy. Cancer 2010;116:3815-3824. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/20564130.

46. Vrieling C, de Jong D, Boot H, et al. Long-term results of stomach-conserving therapy in gastric MALT lymphoma. Radiother Oncol 2008;87:405-411. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18343513.

47. Aviles A, Nambo MJ, Neri N, et al. Mucosa-associated lymphoid tissue (MALT) lymphoma of the stomach: results of a controlled clinical trial. Med Oncol 2005;22:57-62. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15750197.

48. Koch P, Probst A, Berdel WE, et al. Treatment results in localized primary gastric lymphoma: data of patients registered within the German multicenter study (GIT NHL 02/96). J Clin Oncol 2005;23:7050-7059. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16129843.

49. Schechter NR, Portlock CS, Yahalom J. Treatment of mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma of the stomach with radiation alone. J Clin Oncol 1998;16:1916-1921. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9586910.

50. Martinelli G, Laszlo D, Ferreri AJM, et al. Clinical activity of rituximab in gastric marginal zone non-Hodgkin's lymphoma resistant to or not eligible for anti-Helicobacter pylori therapy. J Clin Oncol 2005;23:1979-1983. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15668468.

51. Hammel P, Haioun C, Chaumette MT, et al. Efficacy of single-agent chemotherapy in low-grade B-cell mucosa-associated lymphoid tissue

lymphoma with prominent gastric expression. J Clin Oncol 1995;13:2524-2529. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7595703.

52. Jager G, Neumeister P, Brezinschek R, et al. Treatment of extranodal marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue type with cladribine: a phase II study. J Clin Oncol 2002;20:3872-3877. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12228207.

53. Jager G, Neumeister P, Quehenberger F, et al. Prolonged clinical remission in patients with extranodal marginal zone B-cell lymphoma of the mucosa-associated lymphoid tissue type treated with cladribine: 6 year follow-up of a phase II trial. Ann Oncol 2006;17:1722-1723. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16766585.

54. Wohrer S, Drach J, Hejna M, et al. Treatment of extranodal marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT lymphoma) with mitoxantrone, chlorambucil and prednisone (MCP). Ann Oncol 2003;14:1758-1761. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14630681.

55. Raderer M, Wohrer S, Streubel B, et al. Activity of rituximab plus cyclophosphamide, doxorubicin/mitoxantrone, vincristine and prednisone in patients with relapsed MALT lymphoma. Oncology 2006;70:411-417. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17220639.

56. Salar A, Domingo-Domenech E, Estany C, et al. Combination therapy with rituximab and intravenous or oral fludarabine in the first-line, systemic treatment of patients with extranodal marginal zone B-cell lymphoma of the mucosa-associated lymphoid tissue type. Cancer 2009;115:5210-5217. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19672998.

57. Troch M, Kiesewetter B, Willenbacher W, et al. Rituximab plus subcutaneous cladribine in patients with extranodal marginal zone B-cell lymphoma of the mucosa associated lymphoid tissue-Lymphoma: a

Page 34: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-20

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

phase II study by the Arbeitsgemeinschaft Medikamentose Tumortherapie. Haematologica 2013;98:264-268. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22983582.

58. Levy M, Copie-Bergman C, Amiot A, et al. Rituximab and chlorambucil versus rituximab alone in gastric mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma according to t(11;18) status: a monocentric non-randomized observational study. Leuk Lymphoma 2013;54:940-944. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22978684.

59. Zucca E, Conconi A, Laszlo D, et al. Addition of Rituximab to Chlorambucil Produces Superior Event-Free Survival in the Treatment of Patients With Extranodal Marginal-Zone B-Cell Lymphoma: 5-Year Analysis of the IELSG-19 Randomized Study. J Clin Oncol 2013;31:565-572. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23295789.

60. Salar A, Domingo-Domenech E, Panizo C, et al. Final Results of a Multicenter Phase II Trial with Bendamustine and Rituximab As First Line Treatment for Patients with MALT Lymphoma (MALT-2008-01) [abstract]. Blood 2012;120:Abstract 3691. Available at: http://abstracts.hematologylibrary.org/cgi/content/abstract/120/21/3691.

61. Conconi A, Martinelli G, Lopez-Guillermo A, et al. Clinical activity of bortezomib in relapsed/refractory MALT lymphomas: results of a phase II study of the International Extranodal Lymphoma Study Group (IELSG). Ann Oncol 2011;22:689-695. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20810546.

62. Hancock BW, Qian W, Linch D, et al. Chlorambucil versus observation after anti-Helicobacter therapy in gastric MALT lymphomas: results of the international randomised LY03 trial. Br J Haematol 2009;144:367-375. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19036078.

63. Zucca E, Dreyling M. Gastric marginal zone lymphoma of MALT type: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and

follow-up. Ann Oncol 2010;21 Suppl 5:v175-176. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20555074.

64. Arcaini L, Burcheri S, Rossi A, et al. Nongastric marginal-zone B-cell MALT lymphoma: prognostic value of disease dissemination. Oncologist 2006;11:285-291. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16549813.

65. Conconi A, Martinelli G, Thieblemont C, et al. Clinical activity of rituximab in extranodal marginal zone B-cell lymphoma of MALT type. Blood 2003;102:2741-2745. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12842999.

66. Berger F, Felman P, Thieblemont C, et al. Non-MALT marginal zone B-cell lymphomas: a description of clinical presentation and outcome in 124 patients. Blood 2000;95:1950-1956. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10706860.

67. Thieblemont C, Felman P, Berger F, et al. Treatment of splenic marginal zone B-cell lymphoma: an analysis of 81 patients. Clin Lymphoma 2002;3:41-47. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12141954.

68. Franco V, Florena AM, Iannitto E. Splenic marginal zone lymphoma. Blood 2003;101:2464-2472. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12446449.

69. Blombery P, Wong SQ, Hewitt CA, et al. Detection of BRAF mutations in patients with hairy cell leukemia and related lymphoproliferative disorders. Haematologica 2012;97:780-783. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22133769.

70. Arcaini L, Zibellini S, Boveri E, et al. The BRAF V600E mutation in hairy cell leukemia and other mature B-cell neoplasms. Blood 2012;119:188-191. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22072557.

Page 35: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-21

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

71. Xu L, Hunter ZR, Yang G, et al. MYD88 L265P in Waldenstrom macroglobulinemia, immunoglobulin M monoclonal gammopathy, and other B-cell lymphoproliferative disorders using conventional and quantitative allele-specific polymerase chain reaction. Blood 2013;121:2051-2058. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23321251.

72. Weng WK, Levy S. Hepatitis C virus (HCV) and lymphomagenesis. Leuk Lymphoma 2003;44:1113-1120. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12916862.

73. Hermine O, Lefrere F, Bronowicki JP, et al. Regression of splenic lymphoma with villous lymphocytes after treatment of hepatitis C virus infection. N Engl J Med 2002;347:89-94. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12110736.

74. Kelaidi C, Rollot F, Park S, et al. Response to antiviral treatment in hepatitis C virus-associated marginal zone lymphomas. Leukemia 2004;18:1711-1716. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15284859.

75. Vallisa D, Bernuzzi P, Arcaini L, et al. Role of anti-hepatitis C virus (HCV) treatment in HCV-related, low-grade, B-cell, non-Hodgkin's lymphoma: a multicenter Italian experience. J Clin Oncol 2005;23:468-473. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15659492.

76. Arcaini L, Vallisa D, Merli M, et al. Hematolgical response to antiviral treatment in 94 patients with indolent B-cell lymphomas associated with hepatitis C virus infection: a study of the Fondazione Italiana Linfomi (FIL) [abstract]. Ann Oncol 2011;22 (Suppl 4):Abstract 138. Available at: http://annonc.oxfordjournals.org/content/22/suppl_4/iv128.

77. Iannitto E, Ambrosetti A, Ammatuna E, et al. Splenic marginal zone lymphoma with or without villous lymphocytes. Hematologic findings and outcomes in a series of 57 patients. Cancer 2004;101:2050-2057. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15389479.

78. Milosevic R, Todorovic M, Balint B, et al. Splenectomy with chemotherapy vs surgery alone as initial treatment for splenic marginal zone lymphoma. World J Gastroenterol 2009;15:4009-4015. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19705496.

79. Chacon JI, Mollejo M, Munoz E, et al. Splenic marginal zone lymphoma: clinical characteristics and prognostic factors in a series of 60 patients. Blood 2002;100:1648-1654. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12176884.

80. Cervetti G, Galimberti S, Sordi E, et al. Significant efficacy of 2-CdA with or without rituximab in the treatment of splenic marginal zone lymphoma (SMZL). Ann Oncol 2010;21:851-854. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19825880.

81. Iannitto E, Minardi V, Calvaruso G, et al. Deoxycoformycin (pentostatin) in the treatment of splenic marginal zone lymphoma (SMZL) with or without villous lymphocytes. Eur J Haematol 2005;75:130-135. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16000129.

82. Tsimberidou AM, Catovsky D, Schlette E, et al. Outcomes in patients with splenic marginal zone lymphoma and marginal zone lymphoma treated with rituximab with or without chemotherapy or chemotherapy alone. Cancer 2006;107:125-135. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16700034.

83. Bennett M, Sharma K, Yegena S, et al. Rituximab monotherapy for splenic marginal zone lymphoma. Haematologica 2005;90:856-858. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15951303.

84. Kalpadakis C, Pangalis GA, Dimopoulou MN, et al. Rituximab monotherapy is highly effective in splenic marginal zone lymphoma. Hematol Oncol 2007;25:127-131. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17514771.

85. Else M, Marin-Niebla A, de la Cruz F, et al. Rituximab, used alone or in combination, is superior to other treatment modalities in splenic

Page 36: NCCN Guidelines Version 2...脾辺縁帯リンパ腫 診断および精査(SPLN-1 )を参照 MZL-1 NCCN Guidelines Version 2.2015 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 胃MALTリンパ腫

2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-22

ガイドライン索引 NHL 目次

考察

NCCN Guidelines Version 2.2015

非ホジキンリンパ腫

marginal zone lymphoma. Br J Haematol 2012;159:322-328. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23016878.