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多様化するエネルギーシステムのための 先端モデルベース開発技術による 信頼性の確保のための提案

11th WOCS2

ソラシティーカンファレンスセンター 2014/1/17

株式会社スマートエナジー研究所

代表取締役

中村創一郎

(c)Smart Energy Laboratory 1

アジェンダ

• 現状 • 複雑化しているエネルギーシステム

• 制御系とIT系の融合のために • エネルギーシステム開発が抱える課題 • 要求仕様や課題を共有

• 様々な分析結果を反映できる設計開発環境をいかにして構築するか • MBDによる仮想開発環境の構築 • 仮想自動検査環境の構築

(c)Smart Energy Laboratory 2

エネルギーシステムの現状・背景

(c)Smart Energy Laboratory 3

スマートエナジー研究所が考える

自律分散型エネルギーシステム

システム構想 :スマートエナジー研究所

電力 センサ

停電時 解列

DC/DC コンバータ

スマート分電盤

系統アシスト ピークカット・平準化

※停電時には、蓄電池 及び太陽電池より給電

双方向 DC/DC

コンバータ

クラウド

電気予報・天気予報

停電 対応

4

エナジーコアTM

双方向 DC/AC

インバータ

Smart Energy Manager

(c)Smart Energy Laboratory

エネルギーシステムとして 拡張していくために

システム拡張を許すための環境を構築する

(c)Smart Energy Laboratory 5

次世代型エネルギーシステムの姿 オープンエンド型

6

エネルギー システム

パワー コンディショナ

従来の製品

次世代のエネルギーシステム

クローズドエンド型

クラウド

オープンエンド型

燃料電池 EV/PHV/FCV

太陽電池 系統 系統

太陽電池

+ -

蓄電池

(c)Smart Energy Laboratory

システムとなり 付加価値を生み続ける

家電

従来のシステム開発

エネルギーシステムの開発チーム

システムインテグレータのチーム

クラウドシステムの開発チーム

サービスのチーム

(c)Smart Energy Laboratory 7

エネルギーシステム開発 • バッテリー制御 • 太陽電池制御 • 系統連系制御 クラウド開発 メンテナンスサポート アプリケーション 電気工事 電気工事 建築設計 施工

チーム・サブチーム例

複数の業種をまたいで合意形成

ビジョン・方向性・要求仕様 を共有

SysML

・・・

・・・

ドメイン間での情報共有が難しいため 上位のビジョンにおける要求仕様、方向性を共有し、

また、それぞれの要求を上位へフィードバックさせることで、システム開発の合意形成を行う。

エネルギーシステムの要求仕様

クラウドシステムの要求仕様

システムインテグレータの要求仕様

サービスの 要求仕様

(c)Smart Energy Laboratory 8

エネルギーシステムの要求仕様を SysMLを用いて共有

エネルギーシステムの要求仕様

要求 ユースケース 振る舞い 構造

他のシステムがどのように影響を与えるか、どの様な情報をやり取りするかなどをSysMLを用いて記述することで、システム間の合意形成を行う。

自然言語では要求の取り間違いは、システムが大きくなるほど増加するが、SysMLでは劇的に減少する。

(c)Smart Energy Laboratory 9

2

10

SysML

自然言語

要求の取り違い数

エネルギーシステム開発の課題

(c)Smart Energy Laboratory 10

1. 故障の対策が難しい 2. 相互作用・相互干渉が起こる

DC/DC コンバータ

双方向 DC/DC

コンバータ

エナジーコアTM

Smart Energy Manager

双方向 DC/AC

インバータ

MCU

ソフトウエアの機能

(c)Smart Energy Laboratory 11

MCUが高性能かつ安価になったため、 通信や表示、スイッチなどのIF機能だ

けではなく、電源自体の制御や保護、シーケンス、機能安全対策などの様々な機能をMCUに実装することが可能となった。

現在では、部品点数を減らすことなどを目的として、今まで多くのハードウエアにより実現していた機能が、MCUに実装されている。

アプリケーション

電力制御 保護機能

通信制御 シーケンス制御

機能安全 表示

電力変換回路

駆動部

例:運転中に落雷で電流センサが故障し、 炎上することを考える。

落雷の影響で 電流センサの出力が”0”に

なってしまった!

制御が暴走し、想定外のPWMを出力する可能性!

火災の危険!

ヒューズは切断に時間が かかるため役に立たない。

しかし、

過電流保護を作動させることが出来ない!

対策をしなければいけない。

電流センサ破壊!

MCU

A

例:双方向インバータ

(c)Smart Energy Laboratory 12

PWM 過電流保護

制御

ADC

エネルギーシステムにおいて

対策実施が抱える課題

電気系の場合、故障が一瞬(数μ秒~数m秒)のうちに発生する

• 故障の経路を判定することは困難である。

ほとんどの保護機能はソフトウエアに実装する。

• スイッチング電源は、自動車制御の100倍程の演算周波数が要求されるリアルタイム制御系であるため、ソフトウエアの挙動を正確に把握することは困難である。

対策の確認が不十分になりがち

• ハードウエアとソフトウエアの振る舞いが、非常に複雑に絡み合って危害がおよぶ。

実装するソフトウエア使って「対策の確認」をすればいい。

(c)Smart Energy Laboratory 13

例:電流センサ故障の対策を考える

運転中に電流センサーが故障! 電流の値が0になってしまった!

故障モード

HWに流れる電流

定格の100倍近い

電流が流れてしまった!

火災の可能性!

ADコンバータが取得する波形 (シミュレーション) HWに現れる波形

(シミュレーション)

故障の経路を理解し対策を行った

測定電圧

測定電流

異常検知することに成功 定格の10倍程度、数m秒で

事態を収束

対策前

対策後

故障モード

故障モード

(c)Smart Energy Laboratory 14

様々な安全解析結果を反映できる 設計開発環境の構築

(c)Smart Energy Laboratory 15

制御設計、保護設計、シーケンス設計、故障モードの再現が 可能な環境の構築

従来の電源システム開発

(c)Smart Energy Laboratory 16

ハードウエア設計

ソフトウエア設計

•制御設計

•シーケンス設計

• ソフトウエア保護設計

•通信制御設計

•機能安全設計

•その他

実機で システム動作

実機で システム検証

1か月以上

数週間 ~

数か月

1か月以上

数週間 ~

数か月

トライ&エラー 故障との戦い トライ&エラー

設計不良との戦い

MATLAB/Simulinkを用いた開発環境 DCDCコンバータとコントローラのモデリング例

降圧型DCDCコンバータ(プラント) コントローラ

PID制御をモデリング )

11()( sT

sTKsG d

i

pc

プラントをモデリング

)(1

1)( sI

RCs

LsRsV

out

on

シミュレーションモデル

PID制御モデル プラントモデル

(c)Smart Energy Laboratory 17

電源回路高速シミュレータ

【特徴】

•スイッチング電源の高速安定解析 •MATLAB/Simulinkとの接続が可能 •様々なシミュレーションが可能 周波数特性解析 定常状態解析 波形解析 負荷特性解析 ・・・など

【開発】 崇城大学 エネルギーエレクトロニクス研究所 所長 中原正俊 教授 dSPACE Japan 株式会社

SCALE+

SCALEはスイッチング電源の高速安定

解析を行うことが可能です。これに加え、Simulinkと接続することが可能であるため、Simulinkのコントローラモデル

に対して高精度な応答を行いコントローラモデル開発をサポートします。

Simulink Window

SCALE Window

(c)Smart Energy Laboratory 18

プラントモデルについての提案

電圧センサー

電流センサー スイッチング素子

対応させる

突入防止リレー 保護リレー

電圧センサー

電流センサー

突入防止リレー 保護リレー

駆動部品を全てシミュレーションできるようにする。

素子の故障をシミュレーションすることが出来る。

制御設計、シーケンス設計、故障モードの再現のために

(c)Smart Energy Laboratory 19

仮想環境での検査

シミュレーション環境で、検査環境を構築する。

検査モデル

dSPACE社Automation Deskのイメージ

(c)Smart Energy Laboratory 20

dSPACE社製 AutomationDesk で自動試験

自動でシミュレーションし、 試験結果を自動でレポート化

MATLAB/Simulink SCALE+で

検査環境を構築

検査対象

検査を自動化し、レポートを自動生成する。

検査項目を作成する。

数学モデルをdSPACEに実装 見える化

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自動 ビルド 実装

実機動作

検査が終わったSimulinkモデルを

手動でコード化することな くdSPACEのプロトタイパーに実装す

ることができます。これによりSimulinkで作成した数学モデルを、

実際のハードウェアで動作させたときの波形を確認しながらソフトウェアのデバックを行うことが可能となります。

まるでいたるところにオシロスコープを当てているかのように、動作中のソフトウエアの見える化を行うことができます。

見える化

(c)Smart Energy Laboratory

家のシステムシミュレータ

システムの相互干渉等を確認

双方向 コンバータ

双方向 インバータ

dSPACE社のRCPツールから 複数のコンバータを駆動

複数台の電力変換装置を一度に動作させることで、実機に起こる相互干渉などの影響をPC上で容易に確認することができる。

コンバータ

(c)Smart Energy Laboratory 22

IT融合するエネルギーシステムのための モデルベースシステムズエンジニアリング環境

RCP

ACG

量産コード 生成

結合検証

HILS

モジュール 機能設計

制御設計 制御検証

モジュール 仕様設計

モジュール 検証

MIL/SIL

EE研究所

モジュール 検証

MIL: Model In the Loop

SIL: Software In the Loop

RCP: Rapid Control Prototyping

ACG: Auto Code Generation

HILS: Hardware In the Loop Simulation

システム 要求定義

システム 物理設計

システム 論理設計

システム 結合検証

リスク分析 ハザード分析

(c)Smart Energy Laboratory 23

まとめ

• システム設計にSysMLを用いることで、要求仕様の共有をミスを少なくできるようになった。

• エネルギーシステムの設計開発にMBD(Model Based Development)を用いた結果開発速度を4~5倍向上させることに成功した。

• システム開発環境を構築することで、多くの安全要求を実現可能にしている。

モデルベース開発環境により、様々なエネルギーシステムが登場し エネルギー問題が早期に解決に向かうことを願ってやまない。

(c)Smart Energy Laboratory 24

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