jsm-6330f電界放出走査電子顕微鏡 · おまかな観察位置(sem の設定に適した)...

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JSM-6330F 電界放出走査電子顕微鏡 山形大学工学部電子情報工学科 奥山澄雄 7 ver.1.02 (2003/3/10) 1 装置 1: JSM-6330F 電界放出走査電子顕微鏡,() 鏡筒 部,() コンソール 2 性能 電界放出エミッタ使用 [email protected] 2: CRT 画面 倍率: 10 倍~50 万倍 試料の大きさ: 12.5φ または 32φ,(最大 100φ)反射電子検出器装備 EDS(Energy Dispersion Spectroscopy) 分析器 (X 線による組成分析器) 装備: 分析元素範囲 B(ボロ )U(ウラン),面分析可能 EBSD(Electron Backscatter Diraction Pat- terns) 分析器 (結晶方位分析器) 装備 3 SEM 観察 最初に CRT の電源を入れる.スクリーンセーバーが 作動している場合はマウスを少し移動して解除する. 3.1 真空の確認 1. 画面上部のメニューバー中央左から Maint. Gun をマウスでクリックして Maintenance 窓を ひらく. 2. SIP-1(電子銃部分)4 × 10 8 Pa を確認. 3. SIP-2(中間室部分)7 × 10 6 Pa を確認. 1

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Page 1: JSM-6330F電界放出走査電子顕微鏡 · おまかな観察位置(SEM の設定に適した) を設定 する. 5. 画面左上のReset を押してエミッション電流をリセ

JSM-6330F電界放出走査電子顕微鏡

山形大学工学部電子情報工学科

奥山澄雄 7∗ ver.1.02 (2003/3/10)

1 装置

図 1: JSM-6330F電界放出走査電子顕微鏡,(上)鏡筒

部,(下)コンソール

2 性能

• 電界放出エミッタ使用

[email protected]

図 2: CRT画面

• 倍率: 10倍~50万倍

• 試料の大きさ: 12.5φまたは 32φ, (最大 100φ).

• 反射電子検出器装備

• EDS(Energy Dispersion Spectroscopy)分析器 (X

線による組成分析器)装備: 分析元素範囲 B(ボロ

ン)~U(ウラン),面分析可能

• EBSD(Electron Backscatter Diffraction Pat-

terns)分析器 (結晶方位分析器)装備

3 SEM観察

最初にCRTの電源を入れる.スクリーンセーバーが

作動している場合はマウスを少し移動して解除する.

3.1 真空の確認

1. 画面上部のメニューバー中央左から Maint. →

Gun をマウスでクリックしてMaintenance窓を

ひらく.

2. SIP-1(電子銃部分)≤ 4× 10−8 Pa を確認.

3. SIP-2(中間室部分)≤ 7× 10−6 Pa を確認.

1

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図 3: Maintenance窓

4. Maintenance窓下部のWater, Gas, RP, DP, SIP,

HV Readyの先頭のマークが緑になっていること

を確認する.(不調だとオレンジ色になる).

5. Close をマウスでクリックしてMaintenance窓を

閉じる.

6. 画面右上のアイコン群の右から 15番目の アイ

コンをマウスでクリックして PVG(ペニングゲー

ジ)の窓を表示させる.

7. PVG(試料部分) ≤ 1× 10−3 Pa を確認

8. Close をマウスでクリックして PVG窓を閉じる

3.2 エミッター表面の洗浄 (Flashing)

1. 画面上部のメニューバー中央左から Maint. →

Gun をマウスでクリックしてMaintenance窓を

ひらく.

2. SIP-1, SIP-2の圧力をFlashing記録紙に記録する.

3. 画面左上の HT が青色 (=高圧 OFF)であること

を確認し,Maintenance窓の上部の Flash ボタン

を押して Flash窓を開く.

図 4: Flash

4. Normal Flash をマウスでクリックしてカソード

に 2.6 Aの電流を流し,エミッター表面を洗浄す

る.1

1管理者が週に一度 Strong Flash を押して 2.8 A の電流を流し

て強力に洗浄する.通常は操作しないこと.

5. Wait窓が表示されている間 20 秒待つ.

6. Flashがうまく行ったかどうかはMaintenance窓

の SIP-1の表示が一時的に大きくなることで確認

できる.これはエミッター表面のガスが加熱によ

り放出されるためである.なお,Flash直後はエ

ミッターからの放出電流が安定しない.安定する

には 1~1.5時間必要である.時間が経つとガス吸

着がおこるので高画質の観察を行うには Flash後

3時間以内が望ましい.

7. Close をクリックして Flash窓を閉じる.

8. 画面左上の加速電圧が 0.50kV であることを確認

したのち,Accel. Voltage を ON にして電流が

12 µA に上がるのを待ってから Ext. Voltage を

Flashing記録紙に記録し,その後 Accel. Voltage

を OFF にする.

9. Close をクリックしてMaintenance窓を閉じる.

10. 画面右上のアイコン群の右から 15番目の アイ

コンをマウスでクリックして PVG(ペニングゲー

ジ)の窓を表示させ,Flashing記録紙に圧力を記

録する.

11. Close をクリックして PVG窓を閉じる.

3.3 試料セット

1. 画面左上の HT が青色 (=高圧 OFF)であること

を確認する.

2. 本体試料室部分のマイクロメータでステージ位置

を確認する.

• X: 25 mm• Y: 35 mm• WD: 39 mm• Zfine: 0• 傾斜: 0

図 5: 試料室

2

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図 6: ESR

3. 画面右上のアイコン群の右から 9番目の アイ

コンをマウスでクリックし試料台回転 (ESR)の窓

を表示させる

4. Initial Set を押すと RUNマークが緑になり試料

台が回転する.試料台が初期位置に戻ると RUN

マークが灰色になる.

5. Close をクリックし ESR窓を閉じる.

6. 試料台の観察個所が試料ホルダーの高さと一致す

るように試料を確実に取付ける.

図 7: 試料セット

7. 試料交換室両脇のロックを解除し扉を手前にひい

て扉を開く.

図 8: 試料の導入

8. 手袋を用いて試料ホルダーに試料交換棒をねじ込

む.

9. 試料交換棒がスムーズに動くことを確認し2,いっ

ぱいに引いて試料交換棒をロックしておく.

2スムーズに動かないときはアピエゾン Lを塗り動きを良くする.

10. 試料交換室の扉を閉め,試料交換室上の排気ボタ

ンを押して試料交換室を排気する.

図 9: 試料交換室排気スイッチと仕切弁

11. 約 1分で排気が完了し,排気ボタンのランプが消

灯する.

12. 試料交換棒が吸い込まれないように軽く押えなが

ら,試料交換室と試料室の間の仕切弁のつまみを

左に動かし,ゆっくりと上にあげ,右に動かして

仕切弁が開いたままになるようにする.

13. 試料交換室の窓から中を見ながら試料交換棒をゆっ

くりと押し込み,試料ホルダの溝がきちんと噛合

うの確認する.3

図 10: 試料室内部

14. 試料交換棒を左に回して試料ホルダーから外す.4

15. 試料交換棒をゆっくりと 後まで (ロック位置ま

で)引き戻す.

16. 試料交換室と試料室の間の仕切弁のつまみを左に

動かし,ゆっくりと下にさげ,右に動かして仕切

弁を閉じる.

17. 試料交換室上の排気ボタンを押し,試料交換室を

大気圧に戻す.(ボタンが点灯する)

18. 画面左上の HT が黒から青 (高圧印加可能状態)に

なるまで待つ.ガス放出が多い試料では 10分以上

待って真空度が上がるまで待つ.画面右上のアイ

コン群の右から 15番目の アイコンでペニング

3試料を真空室内に落してしまうと,装置を止めないと取り出せなくなるので注意すること.

4試料交換棒が外れるとカクンカクンとした手応えがある.

3

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ゲージの窓を表示させ,PVG≤ 1× 10−3 Paを確

認し Close .

19. 真空度が上がるまでの間に試料室のつまみを回し

WD(ワーキングディスタンス) をセットする (ク

リックストップがある).画面右下の WD ??mm

をクリックし,つまみで設定したWDの値と同一

にする.

• 標準: WD 8~15 mm (通常は 15 mm)

• 高分解能: WD 4 mm

• EDS: WD 15 mm• RBEI: WD 8~15 mm• EBSD: WD 15 mm

3.4 高圧ON

1. 電子顕微鏡本体下部 (テーブルの更に下) 正

面右側の VACUUM CONTROL パネル (押し

ボタンスイッチが 4 つ並んでいる) の右端の

GUN VALVE CLOSE ボタンが押し込まれた状

態で 点灯 していることを確認する.(押し込んで

あるかどうかよく分らなければ何度かボタンを押

してみて確認する. GUN VALVE CLOSE ボタ

ンは電子銃と中間室の間のバルブを強制的に閉じ

るボタンで,押し込んだ状態でバルブ閉,押込ま

れていない状態でかつコンピュータがバルブを開

けた場合に 実際にバルブが開く.ボタンのランプ

はバルブの開閉に対応しており,点灯で閉,消灯

で開である.)

2. 画面左上の ??.? kV をクリックし加速電圧を

0.50 kVにする.

3. 画面左上の HT が青であることを確認した上で

HT をクリックし,加速電圧をONにする.表示

が青から緑に変化する.画面左上の ?.?? µA のエ

ミッション電流がゆっくりと 12 µAまで上がるの

を待つ

4. 電子顕微鏡本体下部 (試料室の更に下) の VAC-

UUM CONTROLパネル (押しボタンスイッチが

4つ並んでいる) の右端の GUN VALVE CLOSE

ボタンを押して 押し込まれていない 状態にする.

ボタンのランプが消灯したことを確認する.(電子

銃と中間室の間の GUN VALVEが開き,電子線

が試料まで届くようになる)

5. 画面左上の 0.50 kV をクリックし加速電圧を必要

な電圧にする.

• 導電性試料: 5~15 kV(通常 5 kV)

• 非導電性試料: 1 kV前後

• BEI, EDS: 10 kV~

6. 画面右上の右から 10番目の アイコンをクリッ

クし EOS control窓を開き,EOS control窓右上

の Probe Currentが 7~8,その下の FINEが右端

になるようにバーをスライドする

図 11: EOS control

3.5 像観察 (その 1)

1. キーボード脇の Operation パネル右上の

FREEZE ボタンが消灯していることを確認

する.点灯している場合は FREEZE ボタンを押

して消灯する.

図 12: Operationパネル

2. CRT上に像が出ていることを確認する.出てこな

い場合は,

• Operationパネル左下の倍率設定つまみを回

し,倍率を 20倍程度まで下げる.

• Operationパネル右上の ACB を押し,像の

コントラストとブライトネスを調整する.

• Operationパネル中央下のフォーカスつまみ

を回し,フォーカスをあわせる.

を試してみる.

3. Operationパネル左上の 3つのキー:

• QUICK VIEW : スキャンを高速にする.二

段切替え.

• FINE VIEW : スキャンを低速にする.二段

切替え.

4

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• RDC IMAGE : スキャンする領域を縮小す

る.

を用いて観察に適した状態にする.通常,

• フォーカス合せ: QUICK VIEW低速,RE-

DUCE IMAGE

• 写真撮影: FINE VIEW,全画面 (RDC IM-

AGEが消灯)

として使う.

4. キーボード脇の Operation パネル中央左側の

LOW MAG スイッチをONにし (ランプ点灯)マ

イクロメータヘッドを回して試料台を移動し,お

おまかな観察位置 (SEMの設定に適した)を設定

する.

5. 画面左上の Reset を押してエミッション電流をリセ

ットした後,Operationパネル右上の ACB (Auto

Contrast Brightness)スイッチを ONにする.

6. LOW MAG を解除.

7. Operationパネル左下のつまみを回し倍率を必要

な値に合わせる.Operationパネル中央のつまみ

を回しフォーカスを合せる.

8. 非点収差を補正する必要がある場合は Operation

パネル中央上の STIG ボタンを押してボタンが点

灯しているのを確認したのち,Operationパネル

中央の X , Y を回して非点収差を補正する.

3.6 軸あわせ

必要に応じて以下の軸合せを行う.

1. Gun Alignment

2. OL-Aperture

3. Stigma Center X

4. Stigma Center Y

の順で行う.通常,Gun Alignmentの軸あわせは必要で

あるがOL-Aperture, Stigma Center X, Stigma Center

Yの軸あわせは不要である場合が多い.

3.6.1 軸あわせの準備

1. Operationパネル中央上の ALIGN ボタンを押し

て Alignment Control窓を開く

2. 画面の Image Shift Offをマウスでクリックしてイ

メージシフトを解除する.

3. 画面上の Gun Alignment が反転表示されるまで

Operationパネル中央上の ALIGN を押す.

4. Operationパネル中央の X , Y つまみを回して,

画面上のそれぞれの表示が 0になるようにする.

5. 画面上の Alignment Clear をマウスでクリックす

る.

6. (必要に応じて行う) 画面上の OL Aperture が反

転表示されるまで Operation パネル中央上の

ALIGN を押す.

7. (必要に応じて行う)Operation パネル中央の X ,

Y つまみを回して,画面上のそれぞれの表示が

0になるようにする.

8. (必要に応じて行う)画面上の Alignment Clear を

マウスでクリックする.

3.6.2 Gun Alignent軸あわせ

軸あわせの準備に引続いて行う.

1. Alignment Control 窓の Gun Alignment が反転

表示されるまで Operation パネル中央上の

ALIGN を押す.

2. 画面右上から 10番目の アイコンをマウスでク

リックし,EOS Control窓を開く

3. EOS Control 窓右上の Probe Current が 12~

14(通常 14)になるようにスライドバーを動かす.

すぐ下の FINEのスライドバーは右端に寄せる.

4. Operationパネル左下の MAGつまみ を回して画

面右下の倍率表示が~100倍になるようにする

5. Alignment Menu下部の Lens Clear をクリックし

て電磁レンズの電流をリセットする.

6. Operationパネルの X , Y つまみで画面が明るく

なるようにする.このとき画面が明るくなりすぎ

たら Control パネル右下の コントラストつまみ

を回して調整する.

7. Alignment Menu下部の Lens Clear をクリックし

て電磁レンズの電流をリセットする.

8. Lens Clear すると電磁レンズの状態が変わる

ので, つまみ調整 → Lens Clear を何度か繰り返

し,画面が一番明るくなるようにする. 終的に

Lens Clear を押して終りにする.

9. EOS Control窓右上の Probe Currentを 8(7~9)

に設定する.

5

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10. 画面左上の Reset を押してエミッション電流を元

に戻す.

11. Operationパネル右上の ACB を ONにする.

12. Controlパネル中央下の FOCUSつまみ を回して

フォーカスを合せる.

3.6.3 OL Apertureの軸合せ

Gun Alignent軸あわせに引続いて行う.

1. Alignment Control窓の OL Aperture が反転表示

されるまでOperationパネル中央上の ALIGN を

押す.

2. Operationパネル左下の倍率つまみを回して,画面

右下の倍率表示が 1000倍以上になるようにする.

3. フォーカスを合せる.

4. Operationパネル中央上の WOBB キーを押す.

5. Operationパネル中央の X , Y を回して画面中央

の像が動かなくなるようにする (画面周辺は動い

ても良い).

6. Operationパネル中央上の WOBB キーを押して

ウォブラーを解除する.

7. Controlパネル中央下の FOCUSつまみ を回して

フォーカスを合せる.

3.6.4 Stigma Center Xの軸合せ

OL Aperture軸あわせに引続いて行う.

1. Alignment Control 窓の Stigma Center X が反

転表示されるまで Operation パネル中央上の

ALIGN を押す.

2. Operationパネル左下の倍率つまみを回して,画面

右下の倍率表示が 1000倍以上になるようにする.

3. フォーカスを合せる.

4. Operationパネル中央上の WOBB キーを押す.

5. Operationパネル中央の X , Y を回して画面中央

の像が動かなくなるようにする (画面周辺は動い

ても良い).

6. Operationパネル中央上の WOBB キーを押して

ウォブラーを解除する.

7. Controlパネル中央下の FOCUSつまみ を回して

フォーカスを合せる.

3.6.5 Stigma Center Yの軸合せ

Stigma Center X軸あわせに引続いて行う.

1. Alignment Control 窓の Stigma Center Y が反

転表示されるまで Operation パネル中央上の

ALIGN を押す.

2. Operationパネル左下の倍率つまみを回して,画面

右下の倍率表示が 1000倍以上になるようにする.

3. フォーカスを合せる.

4. Operationパネル中央上の WOBB キーを押す.

5. Operationパネル中央の X , Y を回して画面中央

の像が動かなくなるようにする (画面周辺は動い

ても良い).

6. Operationパネル中央上の WOBB キーを押して

ウォブラーを解除する.

7. Controlパネル中央下の FOCUSつまみ を回して

フォーカスを合せる.

3.7 像観察 (その 2)

1. Alignment Control 窓の Close をマウスでクリッ

クして Alignment Control窓を閉じる.

2. マイクロメータヘッドを回して試料台を移動し観

察位置を設定する.画面上の アイコンをマウ

スでクリックするとESR窓が開き試料台を回転さ

せることができる.右に回すには右クリック,左

に回すには左クリックである.

3. 微妙な位置あわせは画面上に設定用の窓が

開いていない状態で画面をマウスでドラッグする

とある程度の範囲で移動できる.

4. 画面左上の Reset を押してエミッション電流をリセ

ットした後,Operationパネル右上の ACB (Auto

Contrast Brightness)スイッチを ONにする.

5. Operationパネル左下のつまみを回し倍率を必要

な値に合わせる.Operationパネル中央のつまみ

を回しフォーカスを合せる.

6. 非点収差を補正する必要がある場合は Operation

パネル中央上の STIG ボタンを押してボタンが点

灯しているのを確認したのち,Operationパネル

中央の X , Y を回して非点収差を補正する.

6

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3.8 像の取り込み

1. Opeation パネル左上の RDC IMAGE を OFF,

QUICK VIEW を ONにする.

2. 観察する位置を確定する.

3. 画面右下部分左の 6桁の数字をクリックすると任

意の数字をキーボードから入力できる

4. FINE VIEW をONにする.

5. 走査がはじまったら Operation パネル右上の

FREEZE を押すと像が画面上に固定される.

6. FREEZE を一度押して消灯状態にするとやり直

しできる.

3.9 像の記録

3.9.1 写真撮影

写真撮影に使えるフィルムは FUJI FP-100B45等の

4× 5サイズのポラロイドフィルム.

1. フィルムの感度に合わせてポラロイドカメラ右の

絞りダイヤルをセットする.

• ISO 50: 5.6• ISO 100: 8• ISO 200: 11• ISO 400: 16

2. ポラロイドフィルムをセットする.

3. フィルムホルダの仕切板 (青いつまみ)を抜く.

4. Operationパネル右上の PHOTO キーを押す.

5. PHOTO キーが点滅して露光される.

6. しばらくすると PHOTO キーが消灯し,画面上の

Photo Graphing... 窓が閉じる.

7. ポラロイドフィルムを引抜き,現像時間が経過し

たらはがす.

8. 終ったらフィルムホルダの仕切板を戻しておく.

3.9.2 クリップボードへの保存

デジタル画像として 16枚× 8バンク = 128枚 まで

画像をクリップボードに保存することができる.

1. 画面右上の右端の アイコンをクリックし,イ

メージメモリの窓を開く.

2. 16分割の目的の場所をクリックして緑枠にする.

3. Save をマウスでクリックして画像を保存する.こ

のとき Photo numberを緑にしておくと情報も記

録される.

3.9.3 ネットワーク経由で PCへの画像保存

3.9.3.1 イメージ処理 PCの立上げ イメージ処理

用の PC(Windows95)に画像を保存できる.SEMのほ

うから FTPで PCに画像を保存するので,あらかじめ

PCを立ち上げておかなかればならない.

1. DELLパソコンの載っているテーブル左下のスイッ

チを入れる.

2. DELLパソコン本体のスイッチを入れる.

3. Windows95が立ち上るまで待つ.

4. ユーザー名: SEM , パスワード: 6330f でログ

インする.

5. デスクトップの eik アイコンをダブルクリックし,

FTPサーバーを立ち上げる.

3.9.3.2 画像の転送 SEMのほうから画像を PCに

転送する.

1. 画面右上 11番目の アイコンをクリックすると

ネットワークセーブの画面が出てくる.

2. ファイル名 (たとえば “image”)と番号 (“001”)を

入力する.

3. SAVE を押すと画像が撮影され PCに転送される

(この場合 “image001.bmp”).

4. 転送された画像は PC の C:\eikディレクトリに

保存される.

5. 画像は Windows 標準のビットマップファイル

(1.3MB)なので他の PCに持っていって画像処理

をすることができる.またそのまま Smile View(デ

スクトップの SMV アイコン)でレポートを作るこ

ともできる.

3.10 試料取出し

1. 鏡筒部下,右側の GUN VALVE CLOSE を押込ん

だ状態にし,GUN VALVEを閉じる.

2. 画面左上の HT をクリックし加速電圧を OFFに

する. HT の表示は緑→青に変化するとともにエ

ミッション電流が 0.0 µAになる.

7

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3. 本体試料室部分のマイクロメータでステージ位置

を交換位置に戻す.

• X: 25 mm• Y: 35 mm• WD: 39 mm• Zfine: 0• 傾斜: 0

4. 画面右上のアイコン群の右から 9番目の アイコ

ンで試料台回転 (ESR)の窓を表示させる

図 13: ESR

5. Initial Set を押すと RUNマークが緑になり試料

台が回転する.試料台が初期位置に戻ると RUN

マークが灰色になる.

6. 試料交換室の試料交換棒がいっぱいに引かれてロッ

クされていることを確認する.

7. 試料交換室の扉を軽く押えながら試料交換室上の

排気ボタンを押して,試料交換室を排気する.

8. 排気ボタンが消灯するまで待つ.

9. 試料交換室と試料室の間の仕切弁のつまみを左に

動かし,ゆっくりと上にあげ,右に動かして仕切

弁が開いたままになるようにする

10. 試料交換棒をゆっくりと押込み,試料台のネジ穴

に確実にねじ込む.

11. ゆっくりと試料交換棒を引き,止まるまで引戻す.

12. 試料交換室と試料室の間の仕切弁のつまみを左に

動かし,ゆっくりと下に下げ,右に動かして仕切

弁を閉じる.

13. 試料交換室上の排気ボタンを押し,試料交換室を

大気圧に戻す.

14. 試料交換室を開け,試料交換棒から試料台を取外す.

15. 試料交換室の扉を閉める.

16. 試料台から試料を取外す.

17. 試料台は湿気を避けるため専用のケースに戻す.

3.11 終了

1. 鏡筒部下の GUN VALVE CLOSE スイッチが押

し込まれていることを確認する.

2. 画面左上の HT が青になっていることを確認する.

3. EDS検出器が引抜いてあることを確認する.

4. EBSP検出器が引抜いてあることを確認する.

5. 反射電子検出器が引抜いてあることを確認する.

6. CRTの電源を切る.

7. 使用記録をつける.

4 反射電子像 (RBEI)

4.1 観察

1. 加速電圧を 20 kVにする.

2. 試料室のつまみを回しWDを 15 mmにする.

3. 画面右上の アイコンをクリックしEOS Control

窓を開く.

4. EOS Control 窓右上の Probe Current を 11~14

にする.5

5. この条件で SEM画像が観察できるように SEMの

状態を整える.

6. 鏡筒部下部右側の GUN VALVE CLOSE を押し

て押込んだ状態にする.

7. 画面右上アイコン右から 12番目の アイコンを

おして反射電子像用の検出器を顕微鏡内に入れる.

図 14: BEI検出器

5照射電流 Probe Current が小さいと像が良く見えない.

8

Page 9: JSM-6330F電界放出走査電子顕微鏡 · おまかな観察位置(SEM の設定に適した) を設定 する. 5. 画面左上のReset を押してエミッション電流をリセ

8. 鏡筒部下部右側の GUN VALVE CLOSE を押し

て戻った状態にする.

9. 画面右下の SEI をクリックして,

• 組成像を観察する場合は COMPO

• 凹凸像を観察する場合は TOPO

にすると反射電子像が観察できる.なお,検出器

の応答速度が遅いのでスキャンスピードは遅いほ

うが良い.

4.2 終了

1. 鏡筒部下部右側の GUN VALVE CLOSE を押し

て押込んだ状態にする.

2. 画面右上アイコン右から 12番目の アイコンを

おして鏡筒部裏側の反射電子像用の検出器を顕微

鏡から出す.

3. 鏡筒部下部右側の GUN VALVE CLOSE を押し

て戻った状態にする.

4. SEM画面右下の COMPO または TOPO をクリ

ックして SEI に戻す.

5. SEM画面右上の アイコンをクリックし EOS

Control窓を開く.

6. EOS Control窓右上の Probe Currentを 7~9(通

常 8)にする.

7. 以下 SEMの試料取出し・終了方法に従う.

5 X線分析 (EDS)

5.1 EDS検出器の準備

1. SEMとしてきちんと作動する状態にする.

2. 画面左上の HT をクリックして青にし,高圧を

OFFにする.

3. 鏡筒部下部右側の GUN VALVE CLOSE を押込

み,GUN VALVEを閉じる.

4. これ以後 EDS装置が立ち上るまで試料交換など鏡

筒部の真空度が変化する作業はおこなわないこと.

5. EDSコントローラの POWERが点灯しているこ

とを確認する.

図 15: EDSコントローラ

6. EDSコントローラ上の START/STOP スイッチ

を START側に一度押すと EVACランプが点滅し

EDS検出器の排気が始まる.(EVACランプが点

滅しない場合は START/STOP スイッチを STOP

側に一度押した後再度 START側に押す.)

7. 排気が終了するまで約 15分間待つ.

8. 排気が終了すると EVAC ランプが点灯し COOL

ランプが点滅し始め,同時にメロディ(山の音楽会)

が流れる.

9. メロディが流れている間に液体窒素を約 1.5リット

ル入れる.(容量は 0.8リットルだが容器を冷すた

めに余分に必要.あふれるほどは入れないこと.)

液体窒素を入れる前にメロディが止ってしまった

ら再度排気しなければならない.

10. COOLランプが点滅から点灯に変わるまで数分待

つ.READYランプが点滅し始める.

11. READYランプが点滅から点灯に変わるまで約 1

時間待つ.

12. EDS検出器部分を SEM本体に入れるため,EDS

検出器を移動させるつまみを左にゆっくりと回し

て止まるまで EDS検出器をおろしていく.

図 16: EDS検出器

13. EDSアナライザ正面左下のスイッチをONにする.

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Page 10: JSM-6330F電界放出走査電子顕微鏡 · おまかな観察位置(SEM の設定に適した) を設定 する. 5. 画面左上のReset を押してエミッション電流をリセ

図 17: EDSアナライザ

14. EDSアナライザ正面上部の扉を開け PCのスイッ

チを ONにする.

5.2 SEMの準備

1. 加速電圧を 20 kVにする.

2. 試料室のつまみを回しWDを 15 mmにする.

3. 画面右上の アイコンをクリックしEOS Control

窓を開く.

4. EOS Control 窓右上の Probe Current を 11~

14(通常 11)にする.

5. EOS Control 窓左側の Emission の部分の Auto

Resetを CONST にし,照射電流が一定になるよ

うにする.

6. この条件で分析しようとする部分の SEM画像が

観察できるように SEMの状態を整える.測定範囲

は SEMの画面に表示されている部分全体になる.

7. SEM画面上で開いている窓をすべて閉じ,画面右

下の WD ?? mm の部分をマウスでクリックして

15 mmにする.これ以後 Controlパネル中央下部

のフォーカスつまみは触らないこと.EDS 分析

では,フォーカス調整は試料室部分についている

WDつまみ上部の Zfineで調整する.

8. Zfineを回してフォーカスが合うようにする.

5.3 EDS分析

1. EDS分析用の PCで分析プログラムが動いている

ことを確認する

2. EDS画面中央上部の プリセット をマウスでクリ

ックしプリセット設定窓を開く.

3. 以下のように設定し 了解 をクリックして閉じる.

• 測定方法: 高分解能

• モード: 有効時間

図 18: EDS分析プログラム

図 19: プリセット設定

• 値: 100秒以上

4. EDS画面右上の をマウスでクリックしEDS測

定条件のウインドウを開く.

図 20: EDS測定条件設定

5. 測定条件を設定する.

• 試料名: (任意の文字を入れる)

• 加速電圧: 20 kV

• 倍率: (SEMで設定した値)

• 作動距離: 15 mm

• 挿入距離: 47 mm

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• BEIポート: 有り

6. 了解 をマウスでクリックして測定条件の窓を閉

じる.

7. EDS画面中央の をマウスでクリックし測定をは

じめる.このときデータ消去の確認が出たら 了解

をクリックする.

8. SEMの CRT右上 アイコンをクリックし EOS

Control窓を表示する.

9. EDSの画面上部中央の デッドタイム が 20~30%

になるようにSEMのEOS Control窓右上のProbe

Currentの FINE スライドバーを調整する.FINE

だけでは調整できない場合は Probe Currentを 11

以外にしても良い.

10. EDS画面中央の をマウスでクリックし測定を

中止する.

11. 再度 EDS画面中央の をマウスでクリックし測

定をはじめる.

12. 測定が終了するまでしばらく待つ

13. EDS画面中央の をクリックすると定性分析が

できる.詳しい分析方法はマニュアル参照のこと.

5.4 終了

1. EDS画面左下 スタート → Windowsを終了する

→ 電源を切れる状態にする として PC の電源を

落す.

2. EDS本体正面左下のスイッチを OFFにする.

3. SEM鏡筒下部右側の GUN VALVE CLOSE を押

し,押込んだ状態にする.

4. EDS検出器の移動つまみを右にゆっくりと止まる

まで回して EDS検出器を上に上げる.

5. SEM鏡筒下部右側の GUN VALVE CLOSE を押

し,戻った状態にする.

6. SEM画面右上の アイコンをクリックし EOS

Control窓を開く.

7. EOS Control窓右上の Probe Currentを 7~9(通

常 8)にする.

8. EOS Control 窓左側の Emission の部分の Auto

Resetを OFF に戻しておく.

9. EDSコントローラ上の START/STOP スイッチ

を STOP側に一度押して,EDS装置を停止する.

10. 以下 SEMの試料取出し・終了方法に従う.

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