環境内部監査員養成セミナー 共通科目 · 2013-09-04 ·...
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Introduction(1)
キーワード(テーマ) 学内環境資格の「三重大学環境内部監査員」を修得する
授業の目的・概要 環境先進大学 三重大学として取り組んでいる環境マネジメントシステム
(ISO14001)の知識習得 内部監査技術の習得 終的に学内環資格の認定を受け、実際に三重大学環境内部監査に携わる
学生の到達目標 三重大学が取り組む環境マネジメントシステムを理解する 環境取り組みを監査する力量を身に付ける 終目標は学内環資格「三重大学環境内部監査員」の認定を受け大学の環
境内部監査に貢献する。
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Introduction(2) 本学教育目標との関連
「感じる力」=20% 「考える力」=40% 「生きる力」=10%
「コミュニケーション」=30%
受講要件 特になし
予め履修が望ましい科目 環境資格支援ガイダンス、ISO環境管理学、環境法入門、四日市公害から学
ぶ四日市学、PBLセミナー(ISO学)
発展科目 環境インターンシップ、環境法、ISO環境管理学、PBLセミナーG(ISO学)、そ
の他講義の中で適宜紹介する
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Introduction(3) 教科書、参考書
教科書の使用はしない。参考書等は担当教員が適宜紹介する
成績評価方法と基準 グループ作業、グループ間の「相互監査」実習などで協調性を持った学習姿
勢(40%)、着眼力、提案力、論理的な報告書の作成力、等レポート評価(60%)を総合点評価します。
1日2回程度の出席状況確認
授業改善への工夫 セミナー内で実施するグループ作業の進捗度と理解度を確認し、適宜、講義
及び実習内容を改善していきます。
その他 講義内容が前後することもあります。 セミナー単位取得により、三重大学環資格の「三重大学内部監査員」の認定
を受け登録することができる。
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Introduction(4) 講義について
講義は、テキスト及び三重大学上浜キャンパス環境マネジメントマニュアルをメインで使用します。
テキスト中のマーキングについては、下記ご確認ください。
三重大学上浜キャンパス環境マネジメントマニュアルのXページを参照
ロールプレイ Xの実施を意図
三重大学EMSの参考資料/実際のサンプルあり
質問について 講義中、自由に質問ください。回答については、講義中/休み時間/後日な
ど内容に応じて適宜対応いたします。
MU-Mp.X
RX
i
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監査員について
環境内部監査員 環境 ⇒ISO14001(環境マネジメントシステム) 内部 ⇒組織内部(三重大学) 監査員 ⇒監査を行う力量を持った人
力量:「知識及び技能を適用するための実証された能力。」 注記 この規格では,力量の概念を一般的な意味で定義している。
他の規格では,この用語の使い方がより固有なものとなり得る。
環境内部監査員は、組織(学内)の認定により資格が付与され、内部監査が実施できる。
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環境監査員の資格
公的資格
CEAR(環境マネジメントシステム審査員評価登録センター @社団法人 産業環境管理協会)
IRCA(International Register of Certificated Auditors-国際審査員登録機構 @英国)
内部資格
内部でその力量を認めた者
監査員のグレード
主任監査員
監査員
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監査について
監査人が誰かによる分類
内部監査、監査役監査 ⇔(第1者監査)
外部監査(サプライヤー監査):顧客、利害関係者など ⇔(第2者監査)
外部監査:審査機関 ⇔(第3者監査)
監査する対象による分類
会計監査
情報セキュリティ監査
個人情報保護監査
環境監査
マネジメントシステム監査 など
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何を監査するのか?(監査目的)
環境マネジメントシステム(EMS)の場合
EMSがISO14001の要求事項に合致しているか?
EMSが計画された取り決めに合致しているか?
EMSが適切に実施され、維持されているか?
監査の結果に関する情報を経営者に報告しているか?
その他:活動状況、パフォーマンス、改善、汚染の予防、利害関係者への配慮など
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今日の環境問題(2)
環境:大気、水質、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係を含む、組織の活動をとりまくもの
典型7公害
1) 大気の汚染
2) 水質の汚濁
3) 土壌の汚染
4) 騒音
5) 振動
6) 地盤の沈下
7) 悪臭
その他:天然資源、化学物質、動植物、景観、廃棄物、リサイクルなど
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今日の環境問題 事例
三重県の環境問題(H23年度 環境白書より抜粋)
環境問題の動向
昭和30年台の半ばからの高度成長期の裏腹に、全国各地で公害が問題になった。
同じ頃、三重県においても、四日市地区における四日市喘息が社会問題となった。
近年では、自動車排ガスによる大気汚染や廃棄物の不法投棄等による水質や土壌等への環境影響、建築物の解体等にともなう飛散アスベストによる健康被害等が問題となっている。
また、地球温暖化に代表される環境問題が深刻化しつつある一方で、身近な環境についても、里山や森林などの荒廃が懸念される。
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今日の環境問題 事例①
地球温暖化 地球の表面は窒素や酸素などの大気で覆われ、その中には「温室効果ガス」とされる
気体も含まれています。地球は太陽から届いた熱によって暖められ、夜になると蓄えられた熱が宇宙に放出されて気温が下がります。
この際、地球の気温が下がり過ぎないように熱を程よく吸収して地表に止めているのがこの温室効果ガスです。これによって、地球の平均気温は15度前後に保たれています。
逆に、大気中の温室効果ガスがまったくなければ地球の平均気温はマイナス18度にまで下がり、生き物が地球上で暮らしていくことは出来ません。そのため、温室効果ガスは地球にとってとても大切な気体なのです。
ところが・・・近年、温室効果ガスは必要以上に増加しています。増加した温室効果ガスがより多くの熱を吸収、地球に放出するようになり気温が上がってしまったのです。地球がセーターを着て厚着している状態・・・といえば、わかりやすいでしょう。
こうして、地球の気温が少しずつ上昇していくことを、「地球温暖化」といいます。ちなみに、過去100年間で地球の平均気温は0.6度上昇しました。
⇒⇒対策は?
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今日の環境問題 事例①
京都議定書 先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目
標を各国毎に設定。 国際的に協調して、目標を達成するための仕組みを導入(排出量取
引、クリーン開発メカニズム、共同実施など) 途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入せず。 数値目標
対象ガス : 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6 吸 収 源 : 森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量を算入 基 準 年 : 1990年 (HFC、PFC、SF6 は、1995年としてもよい) 目標期間 : 2008年から2012年 目 標 : 各国毎の目標→日本△6%、米国△7%、EU△8%
等。 先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。
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今日の環境問題 事例②
三重県の環境問題
大気の汚染
大気汚染物質の監視:二酸化硫黄、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質、窒素酸化物、一酸化炭素、光化学オキシダント、炭化水素など
光化学スモッグの緊急事態の発令
四日市喘息:三重県四日市市の石油コンビナートの排煙、とくにその中の二酸化イオウのために起きた喘息。1960年代のもっともひどいときには、50歳以上の住民の10%以上が発病した地区もあった。裁判は1967年の6社を被告とした第1次訴訟に始まり、1972年の原告勝訴判決となった。四大公害病の一つ。水質汚染を含めた環境問題としては、「四日市公害」と呼ばれている。
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ISOとは?(1)
語源はギリシャ語の“ISOS”=均等、均質
「国際標準化機構」 英語:International Organization for Standardization
設立1947年(本部はスイスのジュネーブ)
1952年、日本が加入
世界で164ケ国が加盟(2012/8現在)
ISOでは、世界共通の取り決め事である国際規格の調整や制定を行っています。
人、物、金が交錯している世界で、国際規格は必要なのです。
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ISOとは?(2)
様々なISO ISO9001:2008 品質マネジメントシステム(QMS) ISO14001:2004 環境マネジメントシステム(EMS) ISO27001:2005 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS) OHSAS18001:1999 労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)
ISO13485:2003 医療用具-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項 ISO22000:2005 食品安全マネジメントシステム(FSMS) ISO/IEC17025:2005 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 ISO/TS16949:2009 自動車産業品質マネジメントシステム ISO29990:2010 非公式教育・訓練における学習サービス ISO26000:2010 社会的責任に関する手引(SR) ISO50001:2011 エネルギーマネジメントシステム(EnMS) ISO20000:2011 情報技術サービスマネジメントシステム(ITSMS) ISO39001:2012 道路交通安全マネジメントシステム(RTSMS)
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ISOの導入・認証メリット
法的要求事項の適合
契約上の要求事項の満足
内部改善の達成
複数の審査の削減
法規制問題に対する懸念
市場におけるメリット
環境問題のリスク回避、予防
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ISO14001誕生の経緯
1987年: ISO9000品質マネジメントシステム
1992年: BS7750環境マネジメントシステム
1992年: リオ、地球サミット→産業界への要望
1996年: ISO14001制定
「環境マネジメントシステム」
2004年: 規格定期見直し・改定
2013年: 規格定期見直し予定
1992年にブラジルのリオデジャネイロにおいて、第1回の地球サミットが開催されました。そこでは、深刻化が予想される地球環境問題についての話し合いと今後の活動指針“アジェンダ21”が採択されました。この地球サミットと前後して、企業活動の中で環境を考慮した経営を進めていくために、ISO9000と同じような仕組みを取り入
れることが提案され、ISOに制定が依頼されました。ISOでは、既に制定済であった英国の環境マネジメントシステム規格BS7750を参考にして1996年にISO14001規格を制定し
ました。
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ISO14001とは~環境マネジメントの概念(持続的発展)~
生物学者 G.ハーディン 共有地の悲劇(1968年)
要旨-自己の利益のみを追求すると、資源が枯渇し共倒れに!
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ISO14001の特徴
システム規格である。(具体的な規制はない) マネジメントの仕組み(システム)を規定したもので具体的な規制は定められていない。
自主的な取組(自分の行動は自分で決める) 組織は自ら具体的な基準や手順をマニュアルや手順書に決めて活動する。
有言実行 ISO14001の審査は、企業や組織が自ら決めた手順について、きちんと手順どおり実行されている
かどうかの審査といえる。
継続的改善が重要ポイント 組織の環境方針と整合して全体的な環境パフォーマンスの改善を達成するための環境マネジメント
システムを向上させる繰り返しのプロセス。
EMSを継続的に良くしていくことによって結果的に環境パフォーマンスを改善していくということを意味している。
トップダウンのマネジメント 日本的経営とは異なり、トップダウン的マネジメントの手法。 規格成立の母体が英国規格であり、ヨーロッパ流の発想に基づいて作り上げられた規格。
規格の主語は「組織」 規格用語の組織=三重大学環境マネジメントマニュアルでの組織は三重大学
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ISO14000環境マネジメント規格の構成
環境マネジメントシステム規格(ISO14001,14004)
環境パフォーマンス評価規格ISO14031
環境ラベル規格(ISO14020~14025)
ライフサイクルアセスメント規格(ISO14040~14043)※
製品規格に環境側面を導入するための指針(ISO GUIDE 64) (ISOTR14062)監査規格
(ISO19011)
ISO14000環境マネジメント規格には、「5つの分野」があります。
環境会計の(MFCA)の規格発行に向けて検討段階
ISO50001エネルギーマネジメントシステム
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ISO 14000ファミリーISO14001 環境マネジメントシステム(EMS)-要求事項及び利用の手引き
ISO14004 環境マネジメントシステム-原則、システム及び支援技法の一般指針
ISO14015 環境マネジメント-用地及び組織の環境アセスメント(EASC)。土壌汚染に関する規格
ISO14020 シリーズ 環境ラベル(EL)
ISO14030 シリーズ 環境パフォーマンス評価(EPE)
ISO14040 シリーズ ライフサイクルアセスメント(LCA)
ISO14050 環境マネジメント用語
ISO14062環境適合設計 - 2008年1月現在、技術報告書(Technical Report)の情報提供文書として発行、JIS化はされている。
ISO14063 環境コミュニケーション
ISO14064-1温室効果ガス - 第1部:組織における温室効果ガスの排出量及び吸収量の定量化及び報告のための仕様並びに手引
ISO14064-2温室効果ガス - 第2部:プロジェクトにおける温室効果ガスの排出量削減又は吸収量増大の定量化、* 監視及び報告のための仕様並びに手引
ISO14064-3 温室効果ガス - 第3部:温室効果ガスに関する主張の有効化確認及び検証のための手引
ISO14065温室効果ガス - 温室効果ガスに関する認定又はその他の承認において使用される有効化確認及び検証を行う機関に対する要求事項
ISO14066 温室効果ガス - 温室効果ガスに関する主張の有効化確認及び検証を行う者の力量に関する要求事項
ISO Guide64 製品規格に環境側面を導入するための指針
ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム
ISO19011 品質及び環境マネジメントシステム監査のための指針
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環境ラベル規格
商品(製品やサービス)の環境に関する情報を製品や、パッケージ、広告などを通じて、消費者に伝えるものを環境ラベルといいます。
環境ラベル規格(ISO14020)は、製品に環境ラベルを表示するときの一般原則
ISO14024は、タイプⅠラベルで、ドイツのブルーエンジェルや日本のエコマークのように第三者の審査を伴う環境ラベルの要求事項
ISOl4021は、タイプⅡラベルで、企業が製品に表示し自己主張するときの要求事項
ISO14025は、LCAにもとづく製品の定量的環境情報表示の規格を定める。
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ライフサイクルアセスメント(LCA) LCA(ISO14040)は、ライフサイクル評価のための原則及び枠組み
ISO14041は、目的及び調査範囲の設定並びにインベントリ分析
ISOl4042は、ライフサイクル影響評価
ISO14043は、ライフサイクル解釈
ライフサイクル評価は、例えば以下のような場面での活用が期待されます。●より環境負荷の少ない製品やサービスの選択(消費者)
「A製品とB製品、使うときはA製品の方がエネルギー消費量が少ないけど、製造する時や廃棄する時も含めたり、エネルギー消費以外のことも考えると、本当に環境に優しいのはどっち?」
●より環境負荷の少ない製品の開発(企業)「製品を製造する時だけでなく、消費者が使用する時や、廃棄物になって処分される時まで含めて環境への影響を小さくするためには、どの原料を使い、どのように設計するのがよいのだろう?」
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三重大学のISO14001導入目的
三重大学環境方針より
三重大学は「地域から学び、世界に誇れる」特色ある教育・研究を一層推進するとともに、環境先進大学として地球環境に調和した社会実現に向け、地球温暖化防止のための科学技術や社会システムの教育研究を推進するとともに、学内外の3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動や低炭素活動に積極的に取組んで「三重大学ブランドの環境人財」を育成し、大学の社会的責任(University Social Responsibility; USR)を果たします。
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ISO14001の全体的な目的(1)
「社会経済上の必要性とバランスをとりながら、環境の保護及び汚染の低減を支援すること」
序文にISO14001の全体的な目的として「社会経済上の必要性とバランスをとりながら、環境の保護及び汚染の低減を支援すること」と表現されています。
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ISO14001の全体的な目的(2)
ISO14004では、「経済上及び環境上の利害を均衡させ、統合する環境
マネジメントシステムを実施している組織は、顕著な競争優位性を獲得することができる」として、その潜在的な利益の例を紹介しています。
顧客の信用
地域社会との良好な関係の維持
投資家の基準を満たし、調達資金を改善する
イメージ及び市場占拠率を高める
原価管理を改善する
責任問題に至る出来事を減らす
投入原材料及びエネルギーを節約する
許認可の取得を容易にする など
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ISO14001 規格要求事項の構成
4.1一般要求事項4.2環境方針4.3計画4.3.1環境側面4.3.2法的及びその他の要求事項4.3.3目的、目標及び実施計画
4.4実施及び運用4.4.1資源,役割,責任及び権限4.4.2力量,教育訓練及び自覚4.4.3コミュニケーション4.4.4文書類4.4.5文書管理4.4.6運用管理4.4.7緊急事態への準備及び対応
4.5点検4.5.1監視及び測定4.5.2順守評価4.5.3不適合並びに是正処置及び予防
処置4.5.4記録の管理4.5.5内部監査
4.6マネジメントレビュー
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マネジメントシステムのフレーム
PDCAサイクルによるマネジメントシステム
マネジメントレビュー
点 検
環 境 方 針
計 画
実施及び運用
継続的改善 Plan↓Do↓Check↓Act
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用語の定義(1)
ISO14001 3項では、 20の用語が定義されています。
1.監査員3.是正処置5.環境7.環境影響9.環境目的
11. 環境方針13. 利害関係者15. 不適合17. 予防処置19. 手順
2. 継続的改善4. 文書6. 環境側面8. 環境マネジメントシステム10. 環境パフォーマンス12. 環境目標14. 内部監査16. 組織18. 汚染の予防20. 記録
MU-Mp.3
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用語の定義(2)
5.環境:大気、水質、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係を含む、組織の活動をとりまくもの
7.環境影響:有益か有害かを問わず、全体的に又は部分的に組織の環境側面から生ずる、環境に対するあらゆる変化
8. 環境マネジメントシステム:全体的なマネジメントシステムの一部で、環境方針を策定し、実施し、環境側面を管理するため用いられるもの
11. 環境方針:トップマネジメントによって正式に表明された、環境パフォーマンスに関する組織の全体的な意図及び方向付け
9.環境目的:組織が達成を目指して自ら設定する、環境方針と整合する全体的な到達点
12. 環境目標:環境目的から導かれ、その目的を達成するために目的に合わせて設定される詳細な環境パフォーマンスの要求事項で、組織又はその一部に適用されるもの
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用語の定義(3)
1.監査員:監査を行う力量をもった人。14. 内部監査:組織が定めた環境マネジメントシステム監査基準が満たされ
ている程度を判定するために,監査証拠を収集し,それを客観的に評価するための体系的で,独立し,文書化されたプロセス。
15. 不適合:要求事項を満たしていないこと。3.是正処置:検出された不適合の原因を除去するための処置。17. 予防処置:起こり得る不適合の原因を除去するための処置。
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ISO14001と三重大学環境マネジメント(1)
4. 環境マネジメントシステム要求事項
4.1 一般要求事項
組織は,この規格の要求事項に従って,環境マネジメントシステムを確立し,文書化し,実施し,維持し,継続的に改善し,どのようにしてこれらの要求事項を満たすかを決定すること。
組織は,その環境マネジメントシステムの適用範囲を定め,文書化すること。
Annexでは、環境マネジメントシステムを構築する目的は、結果として環境パフォーマンスを改善することにあると補足しています。
14004では、「利益の上がるところから取り組んだ方が、うまく進むこと」 「 高経営層のコミットメントが重要であること」をアドバイスしている
MU-Mp.4
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ISO14001と三重大学環境マネジメント(1)
4.2 環境方針
トップマネジメントは,組織の環境方針を定め,環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で,環境方針が次の事項を満たすことを確実にすること。
a) 組織の活動,製品及びサービスの,性質,規模及び環境影響に対して適切である。
b) 継続的改善及び汚染の予防に関するコミットメントを含む。
c) 組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を順守するコミットメントを含む。
d) 環境目的及び目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。
e) 文書化され,実行され,維持される。
f) 組織で働く又は組織のために働くすべての人に周知される。
g) 一般の人々が入手可能である。 MU-Mp.5-6
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~汚染の予防~
有害な環境影響を低減するために、あらゆる種類の汚染物質又は廃棄物の発生、排出、放出を回避し、低減し、管理するためのプロセス、操作、技法、材料、製品、サービス又はエネルギーを使用すること
「汚染の予防」は、「法規制の順守」「継続的改善」と並んでISO14001の重要な柱です。
発生源の低減又は排除、プロセス・製品又はサービスの変更、資源の効率的使用、代替材料及び代替エネルギーの利用、再利用、回収、リサイクル、再生、処理などがあります。
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ISO14001と三重大学環境マネジメント(1)
4.3 計画
4.3.1 環境側面
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で,活動,製品及びサービスについて組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面を特定する。その際には,計画された若しくは新規の開発,又は新規の若しくは変更された活動,製品及びサービスも考慮に入れる。
b) 環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち著しい環境側面)を決定する。
組織は,この情報を文書化し,常に 新のものにしておくこと。
組織は,その環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持するうえで,著しい環境側面を確実に考慮に入れること。
MU-Mp.7-8
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~環境側面(1)~
環境側面の抽出・特定時の考慮事項
A.3.1 環境側面
環境側面の抽出・特定に関する考慮事項の例示の拡充
三重大学
A) 大気への放出B) 水系への排出C) 土壌への排出
D) 原材料及び天然資源の利用
E) エネルギーの使用
F) エネルギー放出、例えば、熱、放射、振動
G) 廃棄物及び副産物
H) 物理的属性、例えば、大きさ、形、色、外観
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~環境側面(2)~
環境側面の抽出・特定時の考慮事項
A.3.1 環境側面
環境側面の抽出・特定に関する考慮事項の例示の拡充
過去/現在/将来(計画)
活動/製品及びサービス
直接/間接
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~環境側面(3)~
環境側面の抽出・特定時の考慮事項 Annexでは、直接及び間接側面を考慮をしなければならない。
a)設計及び開発b)製造プロセスc)包装及び輸送d)請負者及び供給者の環境パフォーマンス及び業務慣行e)廃棄物管理f)原材料及び天然資源の採取及び運搬g)製品の、流通、使用及び使用後の処理h)野生生物及び生物多様性
「組織が影響を及ぼすことができる環境側面」とは、「組織が間接的に環境への悪影響を改善していく環境側面」ともいえます。
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環境内部監査員養成セミナー共通科目
Day-1 §4(続き)-環境側面の解説と事例紹介 【演習】
ISO14001:2004要求事項の解説(2)及び本学のマニュアル理解
-主な環境関連法規の解説と事例紹介
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~環境側面(5)~
環境側面の事例
有害
紙の使用
ゴミ(廃棄物)の排出
電気の使用
燃料の使用
排水の排出
事故・緊急事態の発生
火災
漏洩
設備故障による影響
有益
環境配慮商品の開発
環境配慮製品の設計
有害物質の排除
美化・清掃
改善
効率化
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ISO14001と三重大学環境マネジメント(4)
4.3.2 法的及びその他の要求事項
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し,参照する。
b) これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。
組織は,その環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持するうえで,これらの適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れること。
MU-Mp.9i
MU EMS-IA 2013 50
~法規制の体系~
国際間の文書
条約、議定書、協定、宣言
国内の文書
法律⇒政令⇒総理府令⇒省令⇒告示⇒通達
条例
協定
公布と施行
公布:法律などを周知させる公式の手続き
施行:法律などの効力を現実に発生させる、実施すること
i
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ISO14001と三重大学環境マネジメント(4)
4.3.2 法的及びその他の要求事項
学内の活動と環境法規制との関わりについて、考えて見ましょう!
MU-Mp.9i