食品 の輸入時 における アフラトキシ ン検査 と検査...

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2011/11/10 1 食品の輸入時におけるアフラトキシ ン検査と検査の注意点及び食品の 汚染原因菌について 財団法人マイコトキシン検査協会 岡野 清志 フードセーフティーセミナー 財団法人マイコトキシン検査協会の沿革 1971年輸入ピーナッツバターからアフラトキシンが検出された。当初は、 輸入落花生は国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)、国立衛生試 験所(現国立医薬品食品衛生研究所)で検査された。 1972年マイコトキシン検査協会が専門機関として設立された。現在、輸入 食品の検査と依頼検査を受託し、アフラトキシンの検査と他のマイコトキシン (カビ毒)の検査を実施している。 協会の方針 検査の良質、アフラトキシン及びその他のマイコトキシンについて汚染情報 の提供や汚染原因の調査研究、相談事業等を行い、輸入業者及び加工業者 に情報を提供することにより消費者の「食の安全」「安心」に貢献する。

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食品の輸入時におけるアフラトキシン検査と検査の注意点及び食品の

汚染原因菌について

財団法人マイコトキシン検査協会

岡野 清志

フードセーフティーセミナー

財団法人マイコトキシン検査協会の沿革

1971年輸入ピーナッツバターからアフラトキシンが検出された。当初は、

輸入落花生は国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)、国立衛生試

験所(現国立医薬品食品衛生研究所)で検査された。

1972年マイコトキシン検査協会が専門機関として設立された。現在、輸入

食品の検査と依頼検査を受託し、アフラトキシンの検査と他のマイコトキシン

(カビ毒)の検査を実施している。

協会の方針

検査の良質、アフラトキシン及びその他のマイコトキシンについて汚染情報

の提供や汚染原因の調査研究、相談事業等を行い、輸入業者及び加工業者

に情報を提供することにより消費者の「食の安全」「安心」に貢献する。

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アフラトキシンの発見

1960年 イギリス 七面鳥 10万羽斃死

原因不明 : X病”(Turkey“X”disease)

原因 : 輸入ピーナッツミール

ピ-ナッツミール抽出物に強い毒性

ぺーパークロマト :青い蛍光物質

ピ-ナッツミールから分離した:カビAspergillus flavus に毒性

Aspergillus flavus :代謝産物(青い蛍光物質)

物質名はカビの名から“AFLATOXIN”と命名された

“AFLATOXIN”は肝臓毒で天然で最強の発癌物質

アフラトキシンによる人の健康被害

国名 患者数 死者数 原因食

1967年 台湾 26 3 米

1974年 インド 397 106 トウモロコシ

1982年 ケニア 20 12 トウモロコシ

2004年 ケニア 317 125 トウモロコシ

急性肝障害

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マイコトキシン(カビ毒)とは糸状菌類(カビ類)の二次代謝産物で、人あるいは家畜、魚類など高等動物に対して急性、

もしくは慢性の生理的あるいは病理的障害(機能的あるいは器質的障害)を与える物質群

にあたえられた総称である。

食品を汚染するカビ毒

名 毒性 主な汚染する食品

アフラトキシン (摂食 :肝障害) 落花生、ナッツ類(アーモンド等)、トウモロコシ、

(長期 :肝臓癌) ハトムギ、乾燥果実(イチジク等)香辛料(ナツメグ等)

オクラトキシン 腎毒性 コーヒー豆、カカオ豆、乾燥果実(ブドウ等)

発癌性 香辛料(パプリカ等)、麦類、トウモロコシ等

デオキシニバレノール胃腸障害(嘔吐 麦類、トウモロコシ

ニバレノール 下痢)免疫低下

パツリン 脳、肺浮腫 リンゴ、リンゴ加工品

ゼアラレノン エストロゲン作用 麦類、トウモロコシ、ハトムギ

産生菌 アフラトキシン産生

Aspergillus flavus B1,B2 or 非産生Aspergillus parasit icus B1,B2,G1,G2Aspergillus nomius B1,B2,G1,G2

アフラトキシン汚染の原因菌

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薄層クロマトグラフィー

アフラトキシンB1,B2

アフラトキシン標準B1,B2,G1,G2

薄層クロマトグラフィー

アフラトキシB1,B2,G1,G2

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Aspergillus flavus Aspergillus parasiticus

アフラトキシン産生菌

Aspergillus nomius Aspergillus flavus,S.strain

アフラトキシン産生菌

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Aspergillus flavus

日本におけるカビ、カビ毒検査

1952年 黄変米事件 輸入米のカビ検査

1971年 アフラトキシンB1規制(分析法の検出限界10ppb)

2002年 デオキシニバレノール暫定基準(1.1ppm)

2003年 パツリン規格基準(0.050ppm)

2011年 総アフラトキシンB1,B2,G1,G2(基準値10μg/kg)

1960年 アフラトキシン発見

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厚生労働大臣食品衛生登録検査機関とは

食の安全を確保するため食品衛生法に基づき、厚生労働大臣の厳格な

登録基準の要件に適合することにより登録することが出来る。

食品衛生登録検査機関が行う輸入検査

命令検査、自主検査(輸入)

厚生労働省の委託による検査(アウトソーシング)

我が国で輸入時に実施されている検査

1.命令検査

2.自主検査(輸入)

3.モニタリング検査

1.命令検査とは

輸入時の違反状況、危害が発生する恐れのある食品

輸入者に対し厚生労働大臣が検査命令を出し検査させる

検査は

輸入者依頼→登録検査機関→検査結果→検疫所→合否判定

命令検査項目:アフラトキシン、残留農薬、食中毒菌、貝毒、放射線等

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2.自主検査(輸入)とは

輸入者、製造者は、食品の安全性を確認する責務がある

輸入の際に自主的に検査をする(検疫所指導有)

検査は

輸入者依頼→登録検査機関→検査結果→輸入者→検疫所→合否判定

検査項目:添加物、器具・容器包装、冷凍食品規格等

3.モニタリング検査とは

厚生労働省検疫所が輸入される様々な食品について幅広く実施し安全

性を確認する

モニタリング検査の違反は、命令検査へ移行し監視の強化に役立てる

厚生労働省の検査:横浜・神戸検疫センター、各検疫所

アフラトキシン命令検査対象食品(平成23年9月21日)

種類 食 品

豆類 落花生

ナッツ類 アーモンド、クルミ、ピスタチオナッツ、

ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ

穀類 トウモロコシ、ジャイアントコーン、ハトムギ

香辛料 チリペッパー、ナツメグ、ターメリック

種実類 綿実、ごま

乾燥果実 イチジク

その他 ケツメイシ、ハスの種子

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主な国のアフラトキシン基準値国名 対象食品 基準値(μg/kg)

日本 全ての食品

B1+B2+G1+G2 10

コーデックス 加工原料落花生、アーモンド、ピスタチオ、クルミ等

B1+B2+G1+G2 15

直接消費用

B1+B2+G1+G2 10

EU 食品、加工品(ピーナッツ、ナッツ類等)食品、加工品(ドライフルーツ)穀物、穀物を利用した加工品

B1 2

B1+B2+G1+G2 4

食品原料で選別前か物理的処理前

ピーナッツ B1 8

B1+B2+G1+G2 15

ナッツ類、トウモロコシ

B1 5

B1+B2+G1+G2 10

香辛料 B1 5

B1+B2+G1+G2 10

アメリカ 全ての食品B1+B2+G1+G2 20

EU,アメリカ:2003

食安発0331第6号(平成23年3月31日)10月実施基準値

総アフラトキシン(B1+B2+G1+G2 の合算) 10μg/kgを超えると違反

サンプリング(試験品採取)

粒状食品は1,000粒以上、10,000粒以上で精密度が高まると通知された。

ロットとは : 製造又は生産された限定した製品で均一と仮定されたもの。

輸入品であれば原産地、製造所、包装者、包装形態、輸入者が同一であるもの。

検査命令対象食品1粒の重量 種類 食 品

豆類 落花生

ナッツ類 アーモンド、クルミ、ピスタチオナッツ、

ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ0.1gを超える 穀類 トウモロコシ、ジャイアントコーン、ハトムギ

香辛料 チリペッパー、ナツメグ、ターメリック乾燥果実 イチジクその他 ハスの種子

0.1g以下 種実類 ごま、綿実その他 ケツメイシ

0.1gを超えるものを加工したもの

粉末は0.1g以下と同じ

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採取 モデル

アフラトキシンの検査

サンプリング(試験品採取) 誤差:約70~90%

試料の調製(粉砕) 誤差:約20%

化学分析 誤差:約10%

検査結果

各区分の誤差の順位

サンプリング>試料の調製>化学分析

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1.袋詰めで内容量がおおむね20kg以上のものロットの大きさ サンプル抽出のため 採 取 量 検体数

Bag数(N) のBag数(n) (kg)

≦ 280 32 1 1

281 ~ 500 50 1 1

501 ~ 1,200 80 1 1

1,201 ~ 3,200 130(65×2) 2(1kg×2) 2

≧ 3,201 210(70×3) 3(1kg×3) 3

*複数の検体について、1検体でも基準値を超える場合は違反とする。

2.缶入り又はカートン入りで内容量4.5kg以上のものロットの大きさ サンプルの大きさ 採 取 量 検体数

缶又はカートン数(N) (n) (kg)

≦ 50 2 1 1

51 ~ 500 4(2×2) 2((0.5kg×2)×2) 2

≧ 501 6(2×3) 3((0.5kg×2)×3) 3

*複数の検体について、1検体でも基準値を超える場合は違反とする。

3.小型容器包装に入れられたものロットの大きさ サンプルの大きさ 採 取 量 検体数

缶又はカートン数(N) (n) (kg)

≦ 50 2(2×1) 1サンプルの最小採取単位は 1

150gとし、150g未満に

51 ~ 500 3(3×1) あっては必要量をあつめて 1

501 ~ 3,200 6(3×2) これを1サンプルとする。 2

≧ 3,201 9(3×3) 3

*複数の検体について、1検体でも基準値を超える場合は違反とする。

食品1粒重量が 0.1g 以下 の場合

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食品1粒重量が 0.1g を超える 場合1.袋詰めで内容量がおおむね20kg以上のもの

ロットの大きさ サンプル抽出のため 採 取 量 検体数

Bag数(N) のBag数(n) (kg)

≦ 280 32 5 1

281 ~ 500 50 5 1

501 ~ 1,200 80 5 1

1,201 ~ 3,200 130(65×2) 10(5kg×2) 2

≧ 3,201 210(70×3) 15(5kg×3) 3

*複数の検体について、1検体でも基準値を超える場合は違反とする。

2.缶入り又はカートン入りで内容量4.5kg以上のものロットの大きさ サンプルの大きさ 採 取 量 検体数

缶又はカートン数(N) (n) (kg)

≦ 50 2 5 1

51 ~ 500 4(2×2) 10((2.5kg×2)×2) 2

≧ 501 6(2×3) 15((2.5kg×2)×3) 3

*複数の検体について、1検体でも基準値を超える場合は違反とする。

3.小型容器包装に入れられたものロットの大きさ サンプルの大きさ 採 取 量 検体数

缶又はカートン数(N) (n) (kg)

≦ 50 2(2×1) 1サンプルの最小採取単位は 1

150gとし、150g未満に

51 ~ 500 3(3×1) あっては必要量をあつめて 1

501 ~ 3,200 6(3×2) これを1サンプルとする。 2

≧ 3,201 9(3×3) 3

*複数の検体について、1検体でも基準値を超える場合は違反とする。

生産工場でのサンプリング

・通知のサンプリング法を参考にする

・生産ラインから15カ所から一定の間隔で10kg採る

・小容器(4.5kg未満)であれば通知法を参考にする

・サンプリングする重量は500g~5kg(1,000~10,000粒)

・1kgづつ数回採取することで減毒率が高まる(1回検出で陽性)

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試料の調製(粉砕)

試料の調製誤差(約20%)

注意点・サンプリングした試料の全量を粉砕する

・落花生などのアフラトキシン汚染は粒単位の汚染なので粉砕したものが均一であることが要求される

・試料が10,000粒に1粒が汚染している場合もあり、粉砕した試料のメッシュの大きさが重要となる

・粉砕した試料のメッシュは、汚染粒の混入した粒数にもよるが少なくとも1~2mm以下にする必要がある

落花生 粉砕

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化学分析(試験検査)

アフラトキシン分析法(通知法)の推移1971年3月16日 「環食第128号」

アフラトキシンB1試験法

抽出:メタノール、クロロホルム

精製:シリカゲルカラム(オープンカラム)

検出:薄層クロマトグラフィー(TLC)

2000年3月26日 「食環発第0326001号」

アフラトキシンB1試験法

抽出:アセトニトリル

精製:多機能カラム

検出:液体クロマトグラフィー(HPLC)

2006年7月13日 「食安監発第0713001号」

トウモロコシ中のアフラトキシン試験法

簡易測定法 4ppb未満は陰性、以上は化学分析

2008年7月28日 「食安監発第0728004号」

アフラトキシンB1試験法

抽出:アセトニトリル

精製:多機能カラム、イムノアフィニティカラム

検出:液体クロマトグラフィー(HPLC)

2011年8月16日 「食安発0816第2号」

総アフラトキシン試験法

抽出:アセトニトリル

精製:多機能カラム、イムノアフィニティカラム

検出:液体クロマトグラフィー(HPLC)

2011年8月16日 「食安発0816第7号」

トウモロコシ中の総アフラトキシン試験法

簡易測定法 4ppb未満は陰性、以上は化学分析

食安発0816第2号(平成23年8月16日)

総アフラトキシンの試験法について

総アフラトキシンの定量計算

B1+B2+G1+G2=合算値μg/kg(定量限界1.0μg/kg)

10μg/kgを超えた場合・・・・違反

10.5μg/kg・・・11μg/kg

(例)

8.7+1.2+6.3+1.0=17.2μg/kg

報告値:17μg/kg

10μg/kg以下の場合 ・・・・適合

10.4μg/kg・・・10μg/kg

(食品衛生法第6条第2項の取り扱い)

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化学分析法(全ての食品)

精製するカラムは対象食品及び使用器材(メーカー)のちがい毎に回収率等を確認する(初心者はメーカーの指導が必要)

簡易測定法(トウモロコシ)

エライザ法、ラテラル法などがある。対象食品と測定器材の種類及び手技により正しい結果が得られないことがあるため始める

前にメーカーの指導が必要である。

特に測定値のバラツキに注意すること。

カビ毒検査の安全対策・汚染を広げない。・カビ毒は次亜塩素酸ナトリウム水溶液で分解する。・次亜塩素酸ナトリウムで拭いた後は必ず水で拭き塩素剤を除く。・カビ毒を取扱う場合(粉砕、分析)

作業着、防塵マスク、手袋、保護眼鏡等

・清掃、洗浄1.0~5.0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液

溶液、粉末が落ちた場合

0.25~1.0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液

粉砕機 : 1.0%

ホモジナイザー、遠心機等: 0.25~1.0%

実験台、ドラフト

0.5~1.0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液

使用した器具 2時間以上浸漬

手にカビ毒がついた場合次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水、石鹸で洗う

・陽性検体の廃棄焼却

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アフラトキシンB1規制から総アフラトキシン規制になった場合の陽性増加予測

基準超過事例(B1≧10ppb) 基準超過事例(Total>10ppb) 総AF>10ppb-AFB1≧10ppb

品名 年 試験数 検出数 % 検出数 % 陽性検数増加

落花生 2002-2006 7,898 81 1 .03 105 1.33 24

落花生加工品 2005-2009 17,845 22 0 .12 34 0.19 12

ピスタチオ 2005-2009 1,797 9 0 .5 9 0 .5 0

イチジク 2005-2009 1,362 4 0 .29 8 0.59 4

アーモンド 2005-2009 7,468 13 0 .17 16 0.21 3

ナツメッグ 2005-2009 117 3 2 .56 3 2.56 0

落花生陽性検体から分離したアフラトキシン産生菌とカビの種類

Morphological and metabolic characters of isolates from imported peanutsAflatoxin production(YES-broth)

Sample Colony color B1 B2 G1 G2Species

No.1 P-1-1 yellow green ++ + ー ー Aspergillus flavus (S)

P-1-4 yellow green ++ + ー ー Aspergillus flavusP-1-8 dark green + ± + ± Aspergillus parasiticus

No.5 P-5-1 dark green ++ + ++ + Aspergillus parasiticusP-5-4 dark green + ー + ー Aspergillus parasiticus

No.11 P-11-1 yellow green ++ + ー ー Aspergillus flavus

Aflatoxin(μg/kg) Aflatoxin-prducing fungi

Sample (Origin) B1 B2 G1 G2Total B&G B1,B2

/test

No.1 S.Aflica 11.8 1.2 88.2 15.8 118 4 8 /15

No.5 China 9.1 1.8 56.9 11.4 79.2 5 0 /6

No.11 China 59.8 4.8 ND ND 64.6 0 7 /10

Detection of aflatoxin and aflatoxin-producing fungi imported peanuts

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Morphological and metabolic characters of isolates from imported nutmegAflatoxin production(YES-broth)

Sample Colony color B1 B2 G1 G2 Species

141 N-1 yellow green ++ + ー ー Aspergillus flavusN-3 yellow green ++ + ー ー Aspergillus flavus

311 N-2 yellow green ++ + +++ + Aspergillus nomiusN-3 yellow green ++ + +++ + Aspergillus nomius

2308 N-5 yellow green ++ + ー ー Aspergillus flavusN-9 yellow green ++ + ++ + Aspergillus nomius

ナッメグの陽性検体から分離したアフラトキシン産生菌とカビの種類Detection of aflatoxin and aflatoxin-producing fungi in imported nutmeg

Sample Aflatoxin(μg/kg) Aflatoxin-producing fungi

(Origin) B1 B2 G1 G2Total B&G B1,B2

/test

141 Indonesia 44 6 ND ND 50 0 15 /15311 Indonesia 31 1.7 5.5 ND 38.2 3 0 /3

2308 Indonesia 67 5.5 22 0.4 94.9 1 4 /10

液体クロマトグラフィー(HPLC)

標準アフラトキシン(トリフルオロ酢酸処理)B1,B2,G1,G2

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液体クロマトグラフィー(HPLC)

落花生 アフラトキシンB1,B2

液体クロマトグラフィー(HPLC)

落花生 アフラトキシンB1,B2,G1,G2

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液体クロマトグラフィー(HPLC)

ナツメグ アフラトキシンB1,B2,G1,G2

財団法人 マイコトキシン検査協会が実施している検査

アフラトキシン、アフラトキシン以外のカビ毒、残留農薬、有害物質(AV,POV,メタノール、有害金属等)食品の成分規格(冷凍食品、食肉製品、清涼飲料水等)食品中の食品添加物(保存料、酸化防止剤、着色料等)、食品添加物規格(グルタミン酸ナトリウム等)、器具・容器包装、乳等省令(脱脂粉乳、バター、チーズ、アイスクリーム等)栄養成分、細菌検査、カビの同定、異物等