こんにちは、院長の山田です。残暑の厳しい時期ですが、９月も半ばをすぎると一気に秋めいた空気になりますね。私たちに秋の訪れを教えてくれるものといえば、皆さんは何をイメージしますか？有名なところでは、「彼岸花」というお花があります。またの名を「曼珠沙華（まんじゅしゃげ）」ともいいます。お彼岸の頃になると、真っ赤な花が示し合わせたように一気に咲き誇ります。この世のものとは思えない光景を写真におさめようと、熱心なファンもいらっしゃるようですよ。特に外国人に人気が高いそうですが、日本ではあまり好まれて来なかった花です。その理由は、彼岸花の異名からも伝わってきます。その異名とは、「ジゴクバナ」「ドクバナ」「カミソリバナ」…。どれもすごい名前ですよね。また、花が咲く頃には葉は出ず、葉が生える頃には花が咲かないということから、「葉見ず花見ず」という名まであるそうです。彼岸花には毒がありますし、お墓の付近に咲いていることも多いことから、不吉な迷信だけが独り歩きしてしまったのでしょう。　墓地付近によく咲いているのは、モグラなどからその毒でお墓を守るために植えられたからなのだそうですよ。このほかにも、彼岸花の異名は 1000を超えるそうです。その中には素敵な逸話もありました。サンスクリット語に由来する「曼珠沙華」の意味は「天界に咲く花」で、良いことが起こる前兆という意味があるそうです。お隣の国・韓国では、「サンサファ（相思花）」と呼ぶという説をよく聞きます。「葉は花を思い、花は葉を思う」という意味です。葉は花を思うも花には決して会えず、花は葉を思うも葉には決して会えず…、このようにすれ違いながらもお互いを想う気持ちが名前の由来のようです。ただし、韓国の人は日本でいう 「ナツズイセン（夏水仙）」のことも「サンサファ（相思花）」と呼ぶそうですので、彼岸花の写真を見せて韓国の人にこのエピソードを話しても、ピンと来ないかもしれません。いずれにしろ、名前や咲いている場所というのは、花の印象をこれほどまでにも左右してしまうのですね。彼岸花を見かけたら、ぜひ良いイメージを持ってあげてください。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですが、気持ちは前を向いていきましょう！　　　　　　　　　　　　新潟鍼療センター院長　山田敏夫

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