宇都宮大学教育学部附属学校園における...

8
The Fukushima I(Dai-ichi) Nuclear Power Plant suffered major damage from the 9.0 earthquake and subsequent tsunami that hit Japan on March 11, 2011. This investigation of radiological dosage from 134 and 137 cesium on the kindergarten, the elemental school, the junior high school and the school for handicapped children attached by the faculty of education, Utsunomiya university, was performed using some surveillance meters such as GM and scintillation counters. Methodology of the decrease in radiological dosages was presented. キーワード : 校庭,園庭,放射線調査,マイクロホットスポット,除染 1.はじめに 2011 3 11 日に東日本大震災の一部として起きた東京電力福島第一原子力発電所事故による放 射能漏れ騒ぎでは,学校関係者に大きな不安を与えている。そこで,本学教育学部と本学附属バイ オサイエンス教育研究センター(センター長 夏秋知英教授)が連携して,本学教育学部附属学校園 及び県北部の公立小中学校で放射線調査プロジェクトを実施することになった。趣旨は,子どもた ちや学校関係者の安全・安心のためであり,地方大学の役割として地域の学校と一緒に除染の必要 性とその方法を考えていこうということである。今回は,本学教育学部附属学校園における調査を 実施し,必要な箇所の除染方法を検討した。あわせて,除染作業後の効果検証を行った結果を報告 する。 2.予備的調査 今回の事故では,炉心溶融及び水蒸気爆発が発生しており,建屋崩壊ばかりではなく原子炉容器も 大きく破損した。事故のレベルとしては,暫定的ではあるが国際原子力事象評価尺度 [1] のレベル 7 1986 年のチェルノブイリ原子力発電所事故と並び,深刻な事故)と位置づけられている。これは, 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査について The Investigation of Radiological Dosage from 134 and 137 Cesium on the Kindergarten and Several Schools Attached by the Faculty of Education, Utsunomiya University 山田 洋一 * ,,夏秋 知英 ,南 伸昌 YAMADA Yoichi * , NATSUAKI Tomohide, and MINAMI Nobumasa 宇都宮大学 教育学部(連絡先:[email protected] 山田洋一) 宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 7

Upload: others

Post on 02-Oct-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

The Fukushima I(Dai-ichi) Nuclear Power Plant suffered major damage from the 9.0 earthquake and

subsequent tsunami that hit Japan on March 11, 2011. This investigation of radiological dosage from 134 and

137 cesium on the kindergarten, the elemental school, the junior high school and the school for handicapped

children attached by the faculty of education, Utsunomiya university, was performed using some surveillance

meters such as GM and scintillation counters. Methodology of the decrease in radiological dosages was

presented.

キーワード :校庭,園庭,放射線調査,マイクロホットスポット,除染

1.はじめに2011年3月11日に東日本大震災の一部として起きた東京電力福島第一原子力発電所事故による放

射能漏れ騒ぎでは,学校関係者に大きな不安を与えている。そこで,本学教育学部と本学附属バイ

オサイエンス教育研究センター(センター長 夏秋知英教授)が連携して,本学教育学部附属学校園

及び県北部の公立小中学校で放射線調査プロジェクトを実施することになった。趣旨は,子どもた

ちや学校関係者の安全・安心のためであり,地方大学の役割として地域の学校と一緒に除染の必要

性とその方法を考えていこうということである。今回は,本学教育学部附属学校園における調査を

実施し,必要な箇所の除染方法を検討した。あわせて,除染作業後の効果検証を行った結果を報告

する。

2.予備的調査今回の事故では,炉心溶融及び水蒸気爆発が発生しており,建屋崩壊ばかりではなく原子炉容器も

大きく破損した。事故のレベルとしては,暫定的ではあるが国際原子力事象評価尺度 [1] のレベル7

(1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故と並び,深刻な事故)と位置づけられている。これは,

宇都宮大学教育学部附属学校園における放射線量調査について

The Investigation of Radiological Dosage from 134 and 137 Cesium on the Kindergarten and Several Schools Attached by the Faculty of Education,

Utsunomiya University

山田 洋一 *,†,夏秋 知英‡,南 伸昌†YAMADA Yoichi*, NATSUAKI Tomohide, and MINAMI Nobumasa

† 宇都宮大学 教育学部(連絡先: [email protected] 山田洋一)‡ 宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター

7

Page 2: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

多量の放射性物質が外部に漏れ出たことを示している。栃木県内の学校関係では直接的被害は無かっ

たものの,子どもたちや保護者の安全・安心のため,栃木県が2011年5月中旬から県内すべての幼稚

園・保育所,小学校,中学校,及び高等学校の校庭における放射線量調査を実施した。本学教育学部

でも,県の調査に先立つ同年4月24日に,著者(山田)が本学附属学校校庭の表面汚染の状況を調べ

てみたところ,通常の3倍程度の値を示していた(表1)。これは後に文部科学省が示した標準的な測

定方法とは異なり,主に校庭地面の表面(地上1cm)を測定したためであり,特に対策を施すべきも

のではなかった。

続いて2011年5月17日から18日にかけて,栃木県が行った本学教育学部附属学校園での空間放射

線量率測定 [2] では,幼稚園0.11 μSv/ h(園庭中央,地上50cm),小学校0.15 μSv/ h(校庭中央,

地上50cm),中学校0.11 μSv/ h(校庭中央,地上1m),並びに特別支援学校0.12 μSv/ h(校庭中央,

地上1m)という結果が報告された。宇都宮市内小中学校の校庭中央での値も0.10-0.23 μSv/ hと,ほ

ぼ同様の結果を示していた。本稿執筆時点での栃木県宇都宮市内の空間放射線量率が0.10 μSv/ h(栃

木県保健環境センター [3],地上50cmの値,10月2日8時現在)及び地上1mも同じ0.10 μSv/ h(栃木

県保健環境センター [3],地上1mの値,10月2日10時現在)であることを考え合わせると,やはり宇

都宮市内では,学校の校庭は除染が必要な状況にはなく,次に述べるホット・スポット(局部的に汚

染の激しい地点)の調査検出,及びその除染対策を講じることへ検討の主眼を移すことにした。

3.学校等における放射線量測定及び除染の実践方法今回の東日本大震災に係る災害復興再生に向けた,本学「学長支援プロジェクト」の募集があり,

1. 測定日時 平成23年4月24日(日)10:20から11:20まで

天候 雨上がりの晴れ間,北の風(弱)

2. 測定方法 サーベイメータ(アロカTGS-133),測定線種β線(γ線)(図1)

GM管φ50mm,入射窓面積19.6cm2(開口率85%,保護メッシュ付)

3. 測定結果

地区 場所 カウント/分 ベクレル/m2

附属小 校庭 朝礼台東向き高さ約1m 80 800

〃 〃  地面(砂地) 170 1700

〃 昇降口前(タイル面) 210 2100

附属中 昇降口前(コンクリート面) 160 1600

附属幼 砂場地面 160 1600

附属特支 校庭 朝礼台西向き高さ約0.6m 100 1000

〃 〃  地面(砂地) 170 1700

〃 砂場地面 140 1400

※ただし,バックグラウンド(自然放射線量率)は,室内で約60カウント/分 測定結果は,多いところでその3倍程度(心配する値ではない) [カウント/分]から[ベクレル/m2]への換算は以下のとおり。 [ベクレル/m2]=[カウント/分]/ 60[s]/ 0.00167[m2]

Table 1 The Count/Min. Data Resulted by GM Counter TGS-133(Apr. 24, 2011)

8

Page 3: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

宇都宮大学教育学部附属学校における放射線量調査プロジェクト(代表者:教育学部 山田洋一,以下,

山田プロジェクトと略す),及び放射性物質の蓄積する「マイクロホットスポット」の検出と形成過程

の解明および除去(代表者:バイオサイエンス教育研究センター 夏秋知英教授/センター長,以下,

夏秋プロジェクトと略す)がともに採択された(2011年7月13日付)。そこで両プロジェクトの連携を

とりながら,教育学部とバイオサイエンス教育研究センター関係者が協働して,はじめに本学教育学

部附属学校園でモデル的に放射線量測定を行い,放射性物質の蓄積した,いわゆる「マイクロホット

スポット」の検出と形成過程の解明,及びその除去方法について検討することにした。したがって本

報では,山田プロジェクトの方針を基本にしながらも,必要に応じて汚泥の除去作業等については夏

秋プロジェクトの筆法を採用し,多くの測定器具・用具を借用することになった。

またこの時点で,本学教育学部長,同事務長,同附属幼稚園長及び副園長,同附属小学校長及び副

校長,同附属中学校長及び副校長,同附属特別支援学校長及び副校長の10名にも,プロジェクトメ

ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

査実施に係る説明会を同年8月1日に,第2回打合会を同年8月31日に行い,実施に向けた課題を一

つ一つ解決していった。今回のようなプロジェクトは前例が無く,大学としての放射線量の基準づく

り,万が一高い放射線量が検出された場合の対応,測定データの公表方法,保護者への対応等で,丁

寧な検討が必要であった。また,当日の具体的な作業マニュアル(手引き)の必要性が痛感されたので,

以下の順で準備・検討を行いつつ,実際に作業を行ってみて不都合があれば,その都度内容を更新し

ていくことで実施に移した。

[1]福島県作成の手引き

福島県ではいち早く,2011年7月15日に「生活空間における放射線量低減化対策に係る手引き」[4]

を同県Webサイトより公開した。この手引き書は実に具体的に書かれており,参考にすべき部分も

多かったが,その副題に書かれている「ふくしまの子どもたちを放射性物質による影響から守り抜く

ため、わたしたちに今、何ができるかを考え、自ら行動していこう。」という文章から読み取れるよ

うに,放射線量の高い福島県内を想定しているので,栃木県ではやや過剰装備となると考えた。

[2]宇都宮大学(バイオサイエンス教育研究センター)版の作業手引き

本学バイオサイエンス教育研究センター(夏秋プロジェクト)において上記,福島県版を参考にし

て本学独自の作業手引き作成をお願いし,2011年8月10日付で「学校における放射線量低減化対策に

係る手引き(案)」を作成して戴いた。その前書き部分を次(二重括弧内)に引用する。

『はじめに

この手引きは、福島県災害対策本部が平成23年7月15日に作成した「生活空間における放射線量低

減化対策に係る手引き」を参考に、身近な生活空間、特に学校内において放射性物質による汚染の除

去のための活動を行う際に必要な手順を示したものである。なお、今後の活動の成果や反省を踏まえ、

逐次改訂を加えることとする。

原発事故5か月後の生活空間において検出される放射性物質の大半はセシウムである。この放射性

セシウムは土壌に吸着されやすいため、雨水 (濁水 )の流れで汚泥が溜まりやすい場所の放射線量が

高くなるという特徴がある。このため、線量の高い場所をみつけて汚染汚泥を除染することにより子

供たちの被ばくの危険性を減じることができる。』

[3]文部科学省版の作業手引き及び関連資料

文部科学省から出された2011年4月19日付「暫定的考え方」という通知において,校庭・園庭では3.8

9

Page 4: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

μSv/ hの空間線量率をもって学校での屋外活動制限の基準とすることが示された。続いて,同年8

月26日付「学校の校舎・校庭等の線量低減について」という通知 [5] により,夏季休業終了後は,校庭・

園庭での空間線量率は1 μSv/ h未満を目安とする考え方を示した。これは,学校への通学日数を年

間200日,1日当たりの平均滞在時間を6.5時間(うち,屋内4.5時間,屋外2時間)とする条件 [6] から,

自然放射線を含めても年間1mSv以下を達成しようというものである。 1[ μSv/ h] ×(1×2 + 0.2×4.5)=2.9 [ μSv/日 ]

2.9 [ μSv/日 ] ×200 [日 ]=580 [ μSv/年 ] =0.58 [mSv/年 ]

なお,教室等の屋内での空間線量率は,屋外の線量率の0.2倍(屋外が1 μSv/ hならば,屋内は0.2

μSv/ h)として計算されている。8月26日付通知 [5] には,学校等における放射線測定の手引き [7] の他,参考資料としてサーベイメー

タの取扱方法などが添付されていた。なお,文部科学省版の手引き [7] は,第 I 章が「環境中の放射線

の平均的な状況を把握するための測定法」ということで,校庭・園庭などの平均的な空間線量を把握

する測定法であり,ここではあまり役に立たない。それに対して第 II章は「除染等のために比較的高

いポイントを発見するための測定法」であり,いわゆるマイクロ・ホットスポットの検出にも有用で

ある。手引き [7] はWebサイトからもダウンロードできる。

[4]測定準備

本学バイオサイエンス教育研究センター及び教育学部で管理する各種GMサーベイメータ(図1, 2)及

びNaIシンチレーションサーベイメータ(図3–5,図4, 5は簡易型シンチレーションカウンタ)を用いた。

GMサーベイメータは高感度であり,主にβ線及びγ線を放出する物質が表面に付着している汚染

場所の特定に用いた。GMサーベイメータで毎分2000カウントを超える場所を探し,高線量の場所

が見つかったら汚染源(中心箇所)を特定し,NaIシンチレーションサーベイメータまたは簡易型CsIシンチレーションカウンタで,表面から1cmの高さにおける線量率を測定した。雨どいからの

Fig. 1 ALOKA TGS-133 Fig. 2 ALOKA TGS-146

Fig. 3 ALOKA TGS-172 Fig. 4 HORIBA PA-1000 Fig. 5 CALEAR PULSE A2700

10

Page 5: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

水がグラウンドにしみ込むようなところでは,中心から扇形にどのくらい離れたところで1 μSv/ h

(一応の目安)を下回るか,汚染の範囲を調査した。なお,NaIシンチレーション型の測定可能限界

はいずれも30 μSv/ hまでであるが,本学教育学部附属学校園での作業には十分であった。

4. 本学教育学部附属幼稚園,小学校,中学校,及び特別支援学校での測定,除染,及び効果確認

前述した2011年8月31日(午前中)の本プロジェクト第2回打合会に引き続き,同日午後から本学

教育学部附属特別支援学校を皮切りに,同幼稚園まで,測定等の作業にかかった。幼稚園まで2カ所

の作業が終了したところで雨が降り出したので,その日の作業は終了し,同年9月7日午前中に改めて,

同小学校と同中学校に出向き,測定等作業を行った。

[1]附属幼稚園での実施日時

測定・除染指導日時:2011年8月31日(水)14:30–15:30,天候:くもり

再測定日時:同年9月7日(水)11:00‒11:30,天候:晴れ

効果確認日時:同年9月22日(木)9:30‒10:30,天候:晴れ

[2]附属小学校での実施日時

測定日時:2011年9月7日(水)9:00‒10:00,天候:晴れ

(特に除染を要するところは無かった)

[3]附属中学校での実施日時

測定・除染指導日時:2011年9月7日(水)10:00‒11:00,天候:晴れ

効果確認日時:同年9月22日(木)10:30‒11:30,天候:晴れ

[4]附属特別支援学校での実施日時

測定・除染指導日時:2011年8月31日(水)13:00‒14:20,天候:くもり

効果確認日時:同年10月2日(日)9:30‒10:30,天候:くもり

5.本学教育学部附属幼稚園,小学校,中学校,及び特別支援学校での活動の実際[1]附属幼稚園での実施

やや高い値が観測されたのは,図6の(年中,年長教室前)足洗い場のひさしから,雨どいが園庭に

流れ出るところであった。その他,六角形屋根の園舎下,附属小学校体育館南面下も若干高めの値で

Fig. 6 The Kindergarten (Aug. 31, 2011)

11

Page 6: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

あった。除染作業後の土は,園舎北西側,電気室の西に深さ80cmの穴を掘り,埋めた。幼稚園側が

懸念していたキウイ棚下,砂場,その他遊具周辺は良好であった。

8/31 9/7 9/22

Drainpipe(North) 1.2 1.15 0.13-0.23μSv/h

Drainpipe(South) 0.97 1.0 0.17-0.27

Northwest Corner of the Building - 0.24

[2]附属小学校での実施

附属小学校周辺では,特に気になるところは無く,除染作業は行わなかった。

[3]附属中学校での実施

附属中学校では,南校舎南面の雨どいから雨水が芝生に流れ込むところで,値が若干大きくなって

いた(図7左,0.7‒0.8 μSv/ h)。この土砂は後日,通用門西側に深さ70cmの穴を掘り,埋めた。図7

中央は,中学校西側のプール更衣室の北東角の雨どいである。直下の土の表面で1 μSv/ hを超えた

ので,図7右のようにスコップで左右80cm×前後100cm×深さ20cmの土を掘り,土嚢2袋に回収した。

この土砂は後日,同様に通用門東側70cmの穴に埋めた。

9/7 9/22

Drainpipe(South Building) 0.7-0.8 0.30-0.54μSv/h

Drainpipe(The Dressing Room)  1.6 0.36

Westside of the Gate - 0.14

Eastside of the Gate - 0.26

Fig. 7 The Junior High School (Sep. 7, 2011)

Fig. 8 The Junior High School (Sep. 26, 2011)

12

Page 7: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

[4]附属特別支援学校での実施

中等部校舎南面,高等部校舎北面の雨どい下,作業室棟北側の雨どい下,とりわけ犬走付近と砂利

置き場がやや高い値を示した。主立った汚染場所は除染した後,砂利を入れた。

8/31 10/2

Drainpipe(South Building) 1.28-1.70 0.20-0.23μSv/h

Drainpipe(North Building)  1.19-1.45 0.24-0.39

North of the Workroom(Stage) 1.04-1.55 0.98

North of the Workroom(Gravel) 1.22-1.26 0.71

6.おわりに今回,本学学長プロジェクトにより支援を受け,教育学部附属幼稚園,小学校,中学校,及び特別

支援学校の敷地内において放射線量調査を実施し,除染方法をいくつか試みた。その結果,汚染土の

広がりや深さの範囲を正確に見極めて,撤去,埋設,埋め戻し等の作業を行えば,確実に表面放射線

量,空間放射線量とも1/ 5からそれ以下に下げられることが確認できた。

さらに,より高濃度の放射性物質に見舞われた県北部の小中学校において,いかに効率よくマイク

ロホットスポットを探し,廃棄物を最小限に抑えつつ除染処理が行えるか,さらには地域の学校でこ

れらのノウハウをどのように共有するかが,両プロジェクトの今後の検討課題である。

文献および注解(以下のURLは,2011年10月2日現在)[1] 国際原子力事象評価尺度(INES,International Nuclear Event Scale)は,原子力事故・故障の評価

の尺度。国際原子力機関 (IAEA) と経済協力開発機構原子力機関 (OECD/NEA) が策定した。1992

年に日本でも採用された。

Fig. 9 The School for Handicapped Children (Aug. 31, 2011)

Fig.10 The School for Handicapped Children (Oct. 2, 2011)

13

Page 8: 宇都宮大学教育学部附属学校園における 放射線量調査についてuuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7956/1/62-2-ya… · ンバーに加わって戴いた。その後,第1回打合会を2011年7月26日に,同附属学校園での放射線量調

[2] 簡易型シンチレーションカウンタによる測定値 http://www.pref.tochigi.lg.jp/kinkyu/c02/hoshano_kyoiku.html

このWebページの 1当初調査 一覧表の (2) 教育機関等における放射線量調査結果[3] サーベイメータによる測定値 http://www.pref.tochigi.lg.jp/kinkyu/houshasen.html

このWebページの 環境放射能の調査結果 一覧表の 測定高さ1m及び50cm の値[4] 福島県災害対策本部,平成23年7月15日付公表 「生活空間における放射線量低減化対策に係る手引き」 http://www.pref.fukushima.jp/j/tebiki0715.pdf

[5] 文部科学省,平成23年8月26日付通知 23文科ス第452号(公印通知) 「学校の校舎・校庭等の線量低減について(通知)」。ほぼ同内容のものは以下 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1310973.htm

[6] 文部科学省原子力災害対策本部,平成23年8月26日付公表 「学校において受ける線量の計算方法について」 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1310974.htm

[7] 文部科学省・日本原子力研究開発機構,平成23年8月26日付公表 「学校における放射線測定の手引き」 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afi eldfi le/2011/09/09/1305069_2.pdf

14