puerto rico’s rainforest - earthwatch institute...・eye on the rainforest...

8
2015 年度 アースウォッチジャパン 難波菊次郎基金 活動報告書 Puerto Rico’s Rainforest 東京大学 教養学部理科 2 2 小林里緒奈 目次 1.参加の動機 2.プロジェクト概要 3.調査の目的 4.研究団体 5.活動スケジュール 6.活動内容 -調査 -フリータイム 7.感想 -熱帯雨林について -生活・語学などについて 8.終わりに 【1.参加の動機】 私は幼いころにマレーシアに住んでいたことがあり、以前より熱帯林の持続的利用のため に森林を対象に研究・仕事がしたいと思っている。途上国では薪炭材を得るため、または 耕地を拡大するために無秩序に森林の伐採が行われている。また、たびたび起こる山火事 の被害も深刻で、熱帯雨林の減少には歯止めがかからない。これらの背景には、地元住民 たちの森林への過度な依存があり、彼らは森林を利用しなければ生活を維持することがで きない。そこで私は、森林を持続的に管理することで環境保護を行い、そして同時に住民 たちの経済的支えにもなるような森林づくりをしたいと考えている。近年は国際社会でも REDD+という取り組みが広がっている。これは森林を伐採するよりも保全する方が経済 的に高い利益を生むように、国際社会が途上国を支援する施策のことで、地域のコミュニ ティや住民の権利にも重きを置いたとても新しい取り組みである。私もこのような取り組 みに貢献できるような研究者になりたいと強く思っているが、そのために具体的には何を したらいいのか全く想像がついていなかった。私の大学は特殊なカリキュラムを取ってお り、学部に応じた専門的な学習は3年生から学び始める。したがって私は入学当初より森

Upload: others

Post on 06-Aug-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

2015年度 アースウォッチジャパン 難波菊次郎基金 活動報告書

Puerto Rico’s Rainforest 東京大学 教養学部理科 2類 2年

小林里緒奈

目次 1.参加の動機 2.プロジェクト概要 3.調査の目的 4.研究団体 5.活動スケジュール 6.活動内容

-調査 -フリータイム

7.感想 -熱帯雨林について -生活・語学などについて

8.終わりに 【1.参加の動機】 私は幼いころにマレーシアに住んでいたことがあり、以前より熱帯林の持続的利用のため

に森林を対象に研究・仕事がしたいと思っている。途上国では薪炭材を得るため、または

耕地を拡大するために無秩序に森林の伐採が行われている。また、たびたび起こる山火事

の被害も深刻で、熱帯雨林の減少には歯止めがかからない。これらの背景には、地元住民

たちの森林への過度な依存があり、彼らは森林を利用しなければ生活を維持することがで

きない。そこで私は、森林を持続的に管理することで環境保護を行い、そして同時に住民

たちの経済的支えにもなるような森林づくりをしたいと考えている。近年は国際社会でも

REDD+という取り組みが広がっている。これは森林を伐採するよりも保全する方が経済的に高い利益を生むように、国際社会が途上国を支援する施策のことで、地域のコミュニ

ティや住民の権利にも重きを置いたとても新しい取り組みである。私もこのような取り組

みに貢献できるような研究者になりたいと強く思っているが、そのために具体的には何を

したらいいのか全く想像がついていなかった。私の大学は特殊なカリキュラムを取ってお

り、学部に応じた専門的な学習は3年生から学び始める。したがって私は入学当初より森

Page 2: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

林に興味がありながらも、それに関する知識はほとんど持っておらず、問題解決のために

どんな手段があるのかを全く知らなかった。加えて、マレーシアに住んでいたとはいえ熱

帯林を身近に感じる経験は多くなく、問題の実情を見たことがなかった。そこで、このボ

ランティアを通して熱帯林の現状・問題を肌で感じる共に、自分が将来どんなことをした

いのかというイメージを持ちたいと思ったのが参加の動機である。 【2.プロジェクト概要】 調査期間:2015年 12月 28日~2016年 1月 6日 (10日間) 調査地 :パティリャス(プエルトリコ南東部) 調査内容:樹木の成長量の調査、鳥の個体数計測など 研究者 :Thrity Vakil (Eye On The Rainforest), Israel Guzman (SOPI) 参加人数:11人 【3.調査の目的】 プエルトリコの熱帯雨林はこの数世紀にわたり著しく破壊されてきた。農業やプランテー

ションに利用されたり、農業が産業の中心でなくなると今度は薪炭材として伐採されたり

した。そして最近では人口は都市部に集中したため、プエルトリコの熱帯雨林は二次林へ

と遷移しているが、将来再び人間の利益追求のために森林が利用されるであろうことは言

うまでもない。本調査では熱帯雨林の生態系を理解することで、木材や耕地を利用しなが

らも森林を守っていくための基盤をつくることが目的である。 【4.研究団体】 ・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、それらの成長量調査などを通して持続可能な二次林の管理方法を研究している。そのほ

か研究費獲得のため、切り出した木を加工して販売しているほか、Earth Watch をはじめとするボランティアの受け入れを定期的に行っている。

・Sociedad Ornitologica Puertoriquena Inc. (SOPI) プエルトリコに生息する鳥類の調査・保護を行う団体。そのほかオンラインで鳥類に関

する情報を入手できる Ebird の運営や教育活動も実施している。本プログラムではDay7,8に会長の Israelとともにバードウォッチをした。

【5.活動スケジュール】

日にち 活動内容 12月 28日(Day1) ・空港にて集合

Page 3: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

・Las Casas de la Selva研究所(兼宿泊所)へ移動 ・研究所周辺の案内と散歩

12月 29日(Day2) ・プログラムへの期待・予想をディスカッション ・Mahoeの成長量の調査 ・フリータイム

12月 30日(Day3) ・Mahoeの成長量の調査(強雨のため午前で終了) ・ヨガ体験 ・サルサ体験

12月 31日(Day4) ・Cornutiaと Styraxの成長量の調査 ・カウントダウンパーティー

1月 1日(Day5) DAY OFF!!! ・オールドサンファン観光、海水浴など

1月 2日(Day6) ・Cornutiaと Styraxの成長量の調査 ・トストネーラ(お菓子)づくりと試食

1月 3日(Day7) ・バードウォッチ ・Day2の期待・予想を振り返る

1月 4日(Day8) ・バードウォッチ ・パドルボードとカヌーの体験 ・Thrityの友人宅でホームパーティ

1月 5日(Day9) ・Cornutiaと Styraxの成長量の調査 ・キャンプファイヤー

1月 6日(Day10) ・研究所の掃除 ・空港にて解散

○一日の流れ 7:30~ 起床 8:00~ 朝食、昼食用のサンドイッチメイキング 9:00~ 森に入り調査 13:00~ 森の中で昼食 15:00~ 帰宅、シャワー 17:00~ レクリエーションなど 19:00~ 夕食 20:00~ 翌日の調査についてガイダンス、フリータイム 22:00~ 就寝 【6.活動内容】

Page 4: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

○調査 研究所から 2kmほど歩いたところに調査区がある。調査区にたどり着くまでの道はお世辞にも道とは呼べず、草が比較的少ないところをかき分けて歩いているようだった。さらに

熱帯特有の毎日のスコールのおかげで地面は常にぬかるんでおり、初日は調査区にたどり

着く前に疲れ果ててしまうほどだった。途中には簡易的な橋が設けられた場所もあったも

のの滑って危険なので膝を地面について四つん這いで進んだり、木の根や岩をつかんで急

斜面をよじ登ったりとブートキャンプさながらであった。 ・Mahoeの成長量を測る 17 年ほど前に植樹された Mahoe(マホー)という木の成長量を測る作業を 2 日目、3 日目に行った。木の幹に特殊なメジャーを巻いて胸の高さ(これは全て共通で 1.37m であった)での幹の直径を測る。このメジャーの目盛りには巻き付けたものの円周を 3.14で割った値が表記されており、すなわち計算せずとも木の直径がわかるという仕組みになっている。木

の生えている斜面は非常に急なうえ、毎日降る雨のせいでぬかるんでおり、山を登る、下

るというよりも「這い上がる、滑る」という非常に過酷な調査であった。初日にして調査

ズボンは泥まみれになり、帰宅後のシャワーがとても気持ちよく感じられた。何もこんな

場所に植樹しなくてもと思ったが、熱帯林の多くはこのような急斜面であり、自然の状態

を活かしたまま林業を行うためには仕方ないのだと感じた。 ・2種類の若木の成長量を測る 4日目、6日目、9日目はMahoeと違ってまだ2m にも満たない若木(Cornutia, Styrax)の成長量を測った。こちらは木の高さ、根元の太さ

のほか、葉の状態(かび、枯れの有無)、花の有無、虫害の程度など若木の健康状態を細かくチ

ェックした。これらの木は周囲の草に比べて生

命力が弱いため、成長の邪魔をする雑草やツル

を刈り取る必要がある。私たちが作業する少し

前にも除草したとのことだがそうとは思えな

いほど草は茂っており、二次林を維持するのは非常に大変なのだということがよくわかっ

た。今回の調査では、どうしてある地点では良く成長し、別の地点ではそうでないのかと

いう分析は十分でないように感じた。もし私が研究者であれば土の組成、日の当たり方、

周囲の植物種なども合わせて調べたいと思うが、ほとんどの地面は急斜面で地面がぬかる

んでおり、歩くのもやっとである。その上調査範囲は広大であり、3日間かけても全てのエリアを調査しきったわけではないとのことだった。このような地域で詳細な調査をするこ

とは、ボランティアの力を借りても非常に難しいのだろうということを感じ、理想と現実

Page 5: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

の違いを痛感した。 ・バードウォッチ 熱帯のプエルトリコは様々な鳥の避寒地となっており、スズメ科、ハト科をはじめとして

固有の鳥がたくさん生息している。バードウォッチの専門家 Israel Guzmanとともにハイキングをし、どんな鳥が何匹いるのかをカウントした。多くは日本のスズメと同じくらい

の大きさで、タカやフクロウなどの大型の鳥はほとんど観察できなかった。(ただし生息はしているとのことである。)熱帯の鳥はとてもカラフルだが森の中で発見するのは難しく、ボランティアメンバーは終始望遠鏡をのぞいていたが実際に見ることができたのは数匹だ

った。したがって調査では主に鳴き声からその存在を判断した。私はバードウォッチをす

るのは初めてで思うように観察できたとは言えないが、その楽しさを感じられたので日本

の野山でも試してみたいと思う。 ○フリータイム 調査以外にも様々な活動を体験した。調査自体はほとんどの日程で 16 時までには終わり、シャワーで汗や泥を洗い流した後はレクリエーションをしたり、のんびり読書や音楽を楽

しんだりすることができた。Eye on the rainforestはたくさんのレクリエーションを用意してくださり、初めての経験ばかりでどれも非常に楽しかった。 ・サルサダンス プエルトリコはサルサダンス発祥の地で、講師を招いて一からダンスを習った。1時間の練習の末基本的なステップを習得して踊ることができるようになった。現地の方は皆サルサ

をはじめとして音楽が大好きで、毎日のようにギターやマラカスを持って音楽を楽しんだ。

彼らの体には音楽が染みついているようで、なんとなくうらやましくも思えた。 ・海水浴、パドルボード、カヤック プエルトリコはカリブ海と大西洋の 2種類の海に囲まれた島である。大西洋では海水浴を、カリブ海ではパドルボードとカヤックを楽しんだ。私はどちらの海も初めてだったので非

常に新鮮だった。海辺の露店では名産のプランテーンのほか、シーフードを楽しむことも

できた。海風がとても心地よく、南国気分を満喫することができた。 ・ニューイヤーのカウントダウン 大晦日には Thrity の友人を招いて大勢でカウントダウンをした。Coquito というカルーアミルクに似たお酒や、ラム酒に様々な果物を漬けたものなど一風変わったお酒が振る舞わ

れた。私が日本から持参した浴衣を着て参加すると皆喜んでくれ、日本の文化を地球の裏

側に紹介できたようでとても嬉しかった。日本のように「あけましておめでとうございま

Page 6: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

す」とあいさつを交わしたり、元旦に神社に行ったりできないのは少し寂しく物足りない

気持ちはあったが、夜遅くまで音楽を楽しみみんなでハグをするニューイヤーも素敵だと

感じた。 ・街観光 研究所からは少し離れているが、島の北部にはオールドサンファンという街がある。スペ

イン植民地時時代の面影を残したヨーロッパ風の街並みで、とてもカラフルな建物が美し

かった。アメリカからは国内線で旅行できるため、街は余暇を楽しむアメリカ人でいっぱ

いであった。オールドサンファンは観光業が主

要産業で、上述のカラフルな建物も今や空き家

が多く、深刻な問題となっているとのことであ

る。飲食店はスターバックスなどのチェーン店

のほか、名物のモフォンゴ(プランテーンをマッシュして形成した料理)を売るカフェなどが多い。世界遺産になっているスペインの要塞もある。

この要塞の周辺は海風の吹き抜ける広い草原に

なっており、とても気持ちが良かった。 ・食事 朝のパンケーキやシリアル、昼のサンドイッチは、普段はごはん派の私には少し飽きやす

いものだったが、みんなでサンドイッチメイキングをして「今日は何を挟もう?」と考え

るのは楽しいひと時であった。夜ご飯はお米やパスタが中心で、しかも日本人にも食べや

すい味付けの肉料理やたっぷりのサラダを楽しむことができた。ある晩にはチキンを使っ

て生姜焼きのようなものを作ってくれたのだが、

この晩が最も日本を恋しく感じた。(このとき味付けに醤油と生姜を使ったのは、日本人の私への配

慮でも何でもなく単なる偶然だったようである。)プエルトリコでは青いバナナに似たプランテーン

という果物をじゃがいものように調理する伝統料

理がある。プランテーンを揚げてつぶしたトスト

ネーラは調査後のおやつにぴったりだった。 ・湿気 フリータイムの項目で紹介するのもどうかと思ったが、熱帯のプログラムに参加される方

の参考になればと思い敢えて湿気について触れる。プエルトリコは赤道直下の典型的な熱

帯気候で、短時間の強い雨が毎日降る。晴れている時でも湿度は非常に高く、一度濡れた

Page 7: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

衣服は二度と乾かなかった。幼少期にマレーシ

アに住んでいた時ですらこのような経験はなか

ったので、熱帯雨林がいかに湿気ているかを実

感した。濡れるだけならいいのだが、問題は乾

かない服が次第に匂ってくることだった。日に

当てたり毎日水で洗ったりといった数々の努力

もむなしく、結局は臭いが外に広がらないよう

にビニール袋で覆ってしまうのが私たちの発見

した最良の解決法だった。 【7.感想】 ○熱帯雨林について 研究のお手伝いを通して、熱帯林での研究とは具体的に何をするのか、日本の森林とは何

が違い、どんなことが障壁になるのか、熱帯林を持続的に利用していくためには何が必要

なのかを、ほんの一端ではあるが垣間見ることができた。寒帯の針葉樹林と違って熱帯雨

林は多種多様な植物・動物が生息する場所である。したがって、そこでの研究は実験室の

中だけでは再現しきれない、動植物間の相互作用が働いている。熱帯林を持続的に管理し

ていくためには、この相互作用をきちんと考慮し生態系全体を理解する必要がある。すな

わち、研究室から出て現地に赴くこと非常に重要だということを実感した。調査は楽しい

というより非常に過酷なものだったが、参加前

の期待通り、将来に対するイメージを膨らませ

ることができたし、熱帯林の現地調査はまさに

自分がやりたいことだという自信とモチベー

ションにつながった。同時に、森林を持続的に

管理することの大変さも痛感した。調査だけで

なく、実際に地域住民が森林を管理できるよう

にするには何が必要なのか、どうすれば収益も

あげられる森林が作れるのか、疑問はますます

膨らみ、目標をもって今後の学習に取り組めそうである。 ・生活、語学などについて 中南米の陽気な雰囲気に触れることができたのは非常によい経験になった。研究者の方を

はじめとして現地の方はとても暖かく私たちを迎え入れてくれて、つい先日まで地球の裏

側で生活していたとは思えないほど仲良くなれる。そして彼らのふるまいにはどこか余裕

があった。私は普段はネガティブで、物事を悪い方向に考えがち、さらにいつも何かに焦

っているのだが、彼らは今この瞬間が楽しくて仕方ない、と言っているように思われた。

Page 8: Puerto Rico’s Rainforest - Earthwatch Institute...・Eye On The Rainforest 本調査を行う研究団体で、Las Casas de la Selvaの管理をしている。有用な樹木の植林、

私も彼らを見習って毎日を明るく、楽しんで過ごしたいと感じた。 英語は大学の勉強の中では得意な方であったが、留学経験もないので大きな不安を抱えな

がら現地へ向かった。ボランティアメンバーの多くは年の離れたアメリカ人だったが、一

人だけ中国人の女子大学生の参加者がおり、彼女はカナダでの留学生活の 4 年目だったため私と違いとても流ちょうに英語を話せるものの、出身地も年齢も近い彼女の存在が私を

大いに支えてくれた。はじめの数日は自分の言いたいことがうまく伝えられず、それどこ

ろかきちんとお礼や謝罪の気持ちを伝えることすらできない自分にもどかしさを感じた。

しかし彼女と話すにつれ自分の英語に自信が持てるようになり、しだいに拙いながらもコ

ミュニケーションをとれるようになった。このことは私にとってこれからも大きな自信に

なるだろう。そして森林の勉強と同様に、英語をもっと話せるようになりたいという学習

意欲にもつながった。 【8.おわりに】 大学のプログラムでアースウォッチの存在を知り、森林についてのプログラムだからとい

う非常に安直な理由でプエルトリコに興味を持った。その時はあまり真剣に考えていなか

ったものの、アースウォッチの職員の方の助言でプエルトリコ行きが現実味を帯びてきた。

親や友人には突然見ず知らずの国(本当は国ではないのだが、多くの人はそれがどこにあるのかすら知らなかった)に行くことを心配され、一方自分は直前まで実感がわいていなかった。そしてついに、一人で地球の裏側にまで行ってしまった。この行動自体も、熱帯林で

の経験も、語学も、あらゆる面で私はそれまでの自分の限界を突破することができたと思

う。このことを自信に思うと同時に、これに満足せず様々なことに挑戦したい。このよう

な大変有意義な機会をいただけたことを非常に嬉しく思います。本当にありがとうござい

ました。