~~ fc ~~~~ ~ ~~t~*7t...

129
j~ ~~B ~ =~ f~ J~,~"d~ ~~ f~7~ IJ "~ ~~r *x'~' * ~~'";1 ~i= rs~1 ~D ~~~l ~~~~ ~~] ;~r'~=~~~ FF~~s"*,--- '~~ fC ~~~~ ~ ~~T~* 2000 4F ~I~~ f'--__

Upload: others

Post on 01-Feb-2020

5 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

j~ ~~B ~ =~

f~ J~,~"d~ ~~ f~7~ IJ "~ ~~r

*x'~' * ~~'";1

~i= rs~1 ~D ~~~l

~~~~ ~~] ;~r'~=~~~ FF~~s"*,---

'~~ fC ~~~~ ~ ~~T~*7t

2000 4F

~I~~ f'--__

目次

第1章第2章

 2.1

 2.2

  2.2.1

  2.2.2

  2.2.3

  2.2.4

  2.2.5

 2.3

  2.3.1

  2.3.2

  2.3.3

  2.3。4

 2.4

第3章

緒言..................................._。..............._.........._。..........61

高結晶性オリゴユニットを構成単位とする弾性高分子鎖

の設計方法

序....................._..._。9......._...._....................._._..._....6

実験................._................................................................6

試薬........_................................................_.._.........6

オリゴマ・一の合成....._.............._..............................._7

オリゴユニット重付加体の合成....................._。...............7

DSC測定.._..._...........................................................7

X線回折測定.........9................................................_....9

結果および考察.............._。............_...................................g

3.1

3.2

 3.2.1

 3.2.2

 3.2.3

 3.2.4

 3.2.5

 3.2.6

3.3

 3.3.1

平均分子量および分子量分布の異なるPCLの性質..............9

DSCによる脱タンパク天然ゴムの結晶化特性の評価...........9

PCLオリゴユニット重付加体の性質..._._......................14

X線回折..........._._...._................._.._..._.._....._.20

結論......................................................._.....9...................20

ポリカプロラクトン系ポリウレタンの結晶性におよぽす

開始剤グリコールの影響.

序..._。..........................................9............................_.....22

実験........................................................................_._....23

試薬......。..........................................の...........................23

PCLオリゴマーの合成..............................................._.23

線状ポリウレタンの合成.................................................23

GPC測定.....................................................................23

DSC測定............_......................9....._............_........24

WAXD測定......................................_.........................24

結果および考察...................................................................24

  種々の開始剤グリコールを用いたPCLの合成  およびその性質.................................._。........』.............24

 3.3.2種々の開始剤グリコールを用いたPCLから得られる    線状ポリウレタンの性質................................,................29

3.4 結論..q................._。....._................._...............................33

第4章ε一カプロラクトンオリゴユニットから得られるエラストマーの

   諸特性 4.1序.........._。......................_..........._.........._...................34

 4.2実験........._........_................................._......................34

  4.2.1

  4.2.2

  4.2.3

  4.2.4

 4.3

  4.3.1

  4.3.2

  4.3.3

  4.3.4

 4.4 結論................................................................_....._........47

第5章 ポリカプロラクトン系ポリウレタンの結晶性におよぽす

   連鎖分布の影響 5.1序.........._ず..................................................._。.................48

 5.2実験................................_。....9..........................._............49

  5.2.1連鎖分布の異なるポリウレタンの合成......_......._...........49

 5.3結果および考察..................................................』...............51

  5.3.1 熱的特性......................................................._............51

  5.3.2 機械的測定...................................................................51

  5.3.3 動的粘弾性..._...................................._......._。...........55

 5.4 結論......................................8._........................................58

第6章テトラヒドロフランオリゴユニットから得られる

   エラストマーの諸特性 6.1序.........................................................................6............59

 6.2実験..........._.....................................................................59

架橋エラストマーの合成.............................._................34

引張り試験_。........_................................._................36

動的粘弾性測定.』....................._...................................36

応力緩和測定................._。..............._。........................36

結果および考察....................._...._....................................36

熱的特性........_..................9................................_。_.36

機械的測定.....9.............................................................39

動的粘弾性.._。......................................_.........._。....43

応力緩和.._。.._........._.........................................._..43

  6.2.1

  6.2.2

  6.2.3

  6.2.4

  6.2.5

 6.3

  6.3.1

  6.3.2

 6.4

第7章

 7.1

 7.2

  7.2.1

  7.2.2

  7.2.3

  7.2.4

  7.2.5

  7.2.6

  7.2.7

  7.2.8

 7.3

  7.3.1

  7.3.2

  7.3.3

 7.4

第8章

原料および試薬........................._................._。...........59

線状ポリウレタンの合成._..........._。..............................60

架橋エラストマーの合成................_......_。....................60

引張り試験................_。......................_......................60

動的粘弾性測定......_..._..................................。...........60

結果および考察.............................................................._..60

 線状ポリウレタンの性質................................_。.............60

 架橋ポリウレタンの性質.................................................68

結論................_................................................._............72

単分散のポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから得られる

セグメント化ポリウレタンウレアの諸特性序._。............................._。.....................働.............._.......76

実験..............._....9............_...................................._。.....77

試薬............_.._................9..._..................................77

分子量分布の狭いPTMGの調製_...................................77

プレポリマーの合成......_.........._............_..................79

ポリウレタンウレアエラストマーの合成..._..._..............79

GPC測定.,.................................._._..............9....._....79

DSC測定_..........._.........._。................_....._..._.....79

引張り試験.........._.9............................................_。....79

動的粘弾性測定........_...........................1....._..............79

   結果および考察........................................._......_。.............81

     分子量分布の狭いPTMGの調製..............._.............._...81

     プレポリマーの性質........_。............._。..........................81

     ポリウレタンウレアエラストマーの性質................_........83

   結論.........................................9........._。................_.........88

   総括......................................_................._。....................91

参考文献および脚注.............................................1_.............._.......94

論文リスト............................_......................_._。.........................97

謝辞

第1章 緒 言

 ゴム工業における重要な課題の一つに高強度あるいは耐摩耗性といった力学

特性に優れた材料の開発がある。優れた力学特性を長期にわたって維持できる

材料を用いることにより、装置全体の信頼性を高め、メンテナンス負荷を低減

し、小型・軽量化の設計が可能となる。さらには、省資源および廃棄物の環境

に対する影響などを考慮すると社会的にも意義のある課題といえる。

 本研究は、しなやかで強靭なエラストマーを得るための新たな分子設計を開

拓することを目的として行われたものであり、特性の目安として最も着目した

のは、天然ゴムの有する伸長結晶性である。

 天然ゴムがしなやかで強靭であることは、市販の輪ゴムを引っ張ってみるこ

とで体感できる。自長の5倍程度までは比較的小さな力で容易に変形させるこ

とができるが、さらに伸長させると急に負荷が大きくなり、破断直前では繊維

のように強靭になっている。この現象は伸長結晶化と呼ばれ、天然ゴムが優れ

た機械特性を示す重要な鍵となっており、伸長により生成した剛直な微結晶が

補強剤として作用するため1とされている。天然ゴムは過度の伸長が起こった

場合、自発的に微結晶を生成することにより自己組織の破壊を防ぐインテリジ

ェンスな材料といえる。しかもこの変化は可逆的であり、常温では瞬時に元の

形状に回復することができる。この実に巧みな現象を工業的に簡便な手法で制

御することができれば、エラストマーの応用をさらに拡げることが可能となる

と考えられる.。

 高強度のエラストマーを得る方法として、カーボンブラックあるいはシリカ

などの充填剤による補強効果2がよく知られている。さらに無機微粒子粉体の

ほかに、水素化ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を高度に分散させた系3、

も報告されている。ポリウレタンに代表される相分離型エラストマーの多くが

1

高強度を示すのも、ハードセグメントが補強剤として寄与していること4が大

きいとされている。これらは、物理的な作用を示す補強剤を機械的あるいは化

学的に最初から組み込んだゴムと捉えることができる。天然ゴムにたとえるな

ら伸長により微結晶が発生した状態といえる。充填剤による補強の場合、硬度

あるいはモジュラスの上昇を伴うため、柔軟な材質とするためには大量の可塑

剤の添加を必要とする。これは、相手材への移行あるいは汚染など不具合の要

因となる。分子自身が過度の変形という刺激に応答して伸長結晶を発現する材

料の分子設計方法を開拓することは、高強度のみならず機能性の付与にも役立

っと考えられる。

 ゴムは可逆的な大変形を速やかに行うことができる特異的な材料である。こ

のような性質は分子鎖の活発なミクロブラウン運動に基づくエントロピー弾性

によるもので、金属ある熔はセラミツクスなどの無機材料では代替が困難とさ

れている。ゴムの歴史は天然ゴムに始まり、コロンブスによる西洋社会への伝

搬から500年以上たった今でも天然ゴムは主要な原料資源である。ゴムの需要

は自動車に代表される輸送機械の発展により飛躍的に増大した。すなわち、タ

イヤ、パッキン、ベルトおよびホースなど振動を吸収したり、変位に追随する

といった特性が不可欠とされる製品への用途であ為・一方・合成ゴムの開発が

加速したのは、ゴムが軍事物資として不可欠であることを背景とし、東南アジ

アに偏在していた天然ゴム産地からの供給不安が契機とされている。第1次世

界大戦中、ドイツは最初の合成ゴムとしてジメチルブタジエンゴムを製造した。

その後、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルーブタジエン

ゴム(NBR.)、クロロプレンゴム(CR)などが相次いで工業化された。これら

の合成ゴムは適当な手法により架橋させることができ、ゴム状弾性を示す。さ

らに、ニトリル基または塩素の導入により天然ゴムでは解決できなかった耐油

性を付与することに成功した。しかしながら、天然ゴムが持つしなやかで強靭

2

な性質を満足するものは得られなかった。

 天然ゴムがほぼ100%のシスー1,4一ポリイソプレンを主成分としていることは

比較的古い時代5からわかづており、その立体規則性が高物性発現の要因であ

り、伸長により結晶化が励起きれることも初期の段階で指摘6されていた・し

かしながら、立体規則性重合により合成ゴムを得るのはチグラー・ナッタ触媒

の登場まで待たねばならなかった。シスー1,4一ポリイソプレン(IR)が工業生産

されたのは1960年以降7であり、合成ゴムとしては比較的新しい。高シスポリ

イソプレンは天然ゴムに類似した応カーひずみ挙動を示すが、機械的特性とし

ては天然ゴムを越えるには至らなかった。同様の手法でシスー1,4一ポリブタジエ

ン(BR)も開発され、伸長結晶性を有することが報告されている8。

 天然ゴムの模倣ではなく、高強度合成ゴムの分子設計に挑戦したのが古川で

ある。古川らは交互共重合という天然ゴムとは全く異なるデザインおよび技法

により、天然ゴムと同等以上の強度を有する合成ゴムが得られることを提示し

た9。各交互共重合体において、エチレンーブタジエン系は40C付近に融点を

示すが、プロピレンーブタジエンおよびアクリロニトリルーブタジエン系では

明確な融点が認められないとしながらも、X線では伸長による高度の配向を観

察している10。これらの合成ゴムはモノマー連鎖の配列を高度に規制すること

により、高伸長時の結晶化あるいは高配向化による自己補強性を発現させ、高

強度を可能としたものである。しかしながら、工業的生産性を考慮すると、天

然ゴムに匹敵する配列規制を行うことは非常にむずかしく、ゴムに適するモノ

マーの種類も限られている。これらについては、現在でも多くの研究がなされ

ている。

 ポリウレタンに代表される相分離型エラストマーは、ソフトセグメントに結

晶性を有する高分子鎖(オリゴマー)を用いることにより、比較的容易に伸長

結晶性を発現しうる。具体的には、融点500C前後を示すポリエチレンアジペ

3

一ト、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンカーボネートあるいはポ

リε一カプロラクトンなどをソフトセグメントとして使用することができる。

適切な分子設計のもとでは、ソフトセグメントは両端のハードセグメントによ

り固定されているため、オリゴマー自身の融点より低い温度においても非晶状

態を保つことができる。しかしながら、ソフトセグメントが長すぎる場合また

はハードセグメントの相対比率が低い場合などに、自発的な結晶化(cold

hardening)を起こすことが知られている11・12。すなわち、相当量のハードセグ

メントを必要とするため、高硬度のエラストマーとならざるを得ないといった

問題点がある。

 ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアナートの重付加反応により合成

することができる。2官能性のジオールとジイソシアナートとからは線状のポ

リウレタンを合成することができ、ジオールとしてガラス転移点の低いマクロ

ジオールを用いると、合成ゴムの様態を示す組成物が毎られる。この組成物は

ミラブル型ポリウレタンと呼ばれるもので、マクロジオ・一ルとして結晶性の強

いオリゴマーを用いると、伸長結晶性を有するエラストマーが得られる。しか

しながら、自発的な結晶化が起こるため上記のような結晶性オリゴマ・一を使用

することは困難であった13。実際に工業的に生産されたのは、ランダム共重合

により結晶性を低下させたもので、エチレングリコール・プロピレングリコー

ル、エチレングリコール・ブタンジオールおよびヘキサンジオール・ネオペン

チルグリコールとアジピン酸との共重合ポリエステルなどである。Morbitzer

らは伸長結晶性におよぼす共重合ポリエステルとホモポリ土ステルの比較を報

告している14。共重合化により、自発的結晶性を低下させることができるが、

伸長結晶性も低下する。これらの共重合ポリエステルから得られるポリウレタ

ンゴムは結晶性の強いポリエステルから得られるポリウレタンに比べ、物性的

に劣ったのものとなる15ことも古くから知られている。

4

 伸長結晶性を与えるゴムを設計するために試みられた種々の結果を総合する

と、結晶を形成する規則性と非晶性を付与する不規則性とが規則的に配置され

る必要があると考えられる。

 伸長結晶性を発現させるためには結晶化しうるセグメントが必要であり、通

常の負荷環境下で安定な非晶体であるためには、結晶化を妨げるセグメントが

必要である。結晶化を完全に妨げると伸長時に結晶化することができなくなる

ため、結晶化しうる状態で非晶性を保たなければならない。この二律背反する

特性を満足させることは一見不可能に思えるが、実用的な環境条件を規定する

ことにより、平衡融点を室温以上とし、見かけの融点が室温より低く、結晶化

するまで長時問を要するならば、見かけ上は天然ゴムの挙動と類似した合成ゴ

ムが得られると考えられる。

 本研究では、機能を分担させた各セグメントの独立した設計と配置とが容易

であると考えられるポリウレタンの手法を用いることにした。末端分子のみが

確実に重付加をおこなう特性を利用し、規則的繰り返し単位からなる高結晶性

オリゴユニットおよびその両端部に配置され結晶化を阻害する連結ユニットか

ら構成されるオリゴユニツト重付加体をモデル化合物として合成した。モノマ

ーの連鎖配置に定序性のあるオリゴマーでは、オリゴマーの分子量分布を広義

の連鎖分布としている。広範囲に見かけの融点あるいは過冷却度(結晶化速度)

を制御することができれば、伸長結晶性と弛緩時の非晶安定性とのバランスを

高度に両立させる分子設計が可能となる。

 そこで、種々のポリウレタンについて、オリゴユニットを構成するモノマー

の平均連鎖数および連鎖分布が、分子全体の結晶性および伸長結晶性と弛緩時

の非晶安定性におよぼす影響について、天然ゴムの挙動を参考にしながら検討

した結果について報告するものである。

5

第2章 高結晶性オリゴユニットを構成単位とする弾性高分子鎖の

   設計方法

2.1 序

 天然ゴムは伸長結晶性を有する特異的な高分子である。本章では、天然ゴム

の結晶化挙動を合成高分子を用いてできるだけ忠実に再現することを試みた。

分子設計として、高結晶性オリゴマーであるポリε一カプロラクトン(PCL)

を比較的嵩高いジイソシアナート(4,4一ジフェニルメタンジイソシアナートl

MDI)と重付加させることにより得られる線状ポリウレタンを選択した。得ら

れるポリウレタンは、規則正しいカプロラクトン連鎖とPCLの結晶性を阻害

するMDIとの交互共重合体となる。カプロラクトン連鎖について、平均連鎖

数および連鎖分布がポリウレタン全体の結晶性に対しどのような影響をおよぼ

すかについて検討したものである。

2.2 実 験

2.2.1 試 薬

 ε一カプロラクトンはダイセル化学工業(株)製のプラクセルMを、4,4L

ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)は保土谷化学(株)製のミリオネ

ートMTを市販品のまま用いた。エチレングリコール(EG)、テトラブチルチ

タネート(TBT)および塩化第一スズは、関東化学製の特級試薬を市販品のま

ま用いた。ポリカプロラクトン(PCL)ホモポリマーは、ダイセル化学工業(株)

製のプラクセルHP-4(分子量約4万)を市販品のまま用いた。天然ゴムは、

脱タンパク天然ゴム(DPNR)を市販品のまま用いた。

6

2.2.2 オリゴマーの合成

 EGを開始剤としてε一カプロラクトンを開環付加させ、水酸基末端PCLオ

リゴマーを得た(Scheme2.1)。カプロラクトンモノマーの平均連鎖数(n)

はEGとモノマーとの仕込み比によって、また分子量分布(M幽、)は、重合

触媒16と反応温度とによつて調整した。M調、の広い系は触媒としてTBTを

用い1700Cで反応させ、狭い系は塩化第一スズを用い1500Cで反応させた。

反応はすべて窒素雰囲気で行い、残存モノマーがガスクロマトグラフィーの測

定でO.5%以下になるまで行った。得られたオリゴマ・一は、皿SK1557に準じ

て水酸基価(KOH mg/9)を測定し、その値から数平均分子量(M.)を求め、

平均連鎖数(n)を算出した。ただし、オリゴマー1分子における末端水酸

基数は2.Oとしてある。

2.2.3 オリゴユニツト重付加体の合成

 オリゴマーを1000Cに加温したのち,水酸基に対し等モルのイソシアナー

ト基に相当するMDIを添加混合し、1000Cで5時間反応させた。サンプルの

名称は開始剤種(EG)一平均連鎖数(n)一オリゴマー分子量分布(M四.)

の順に記した。

2.2.4 DSC測定

 装置に容量100Lの液体窒素自動冷却ユニットを接続したセイコーインスツ

ルメンツ(株)製熱分析システム(EXSTRA6000DSC6200)を用い、温度は

スズおよびインジウムの2点により校正を行った。熱量に関してはインジウム

の融解熱(△丑m)により装置定数の補正を行った。試料重量10mg、昇温速度

100C/min、窒素雰囲気で熱的特性(ガラス転移点(ろ)、融点(監)および融

解熱(△丑m))を測定した。はじめに、室温(約230C)から1000Cまで昇温

させたのち一1000Cまで温度を下げ、次いで1000Cまで昇温させた。71、7』

および△1%は2度目の昇温時のサーモグラムを用い決定した。等温結晶化は、

7

Scheme 2.1. Synthetic Route for the Preparation of the PCL

Oligomer and PCL Polyaddition product

o ll

2n c-cH2cH2cH2cH2cH2 O + HOCH2CH20H

8 -caprolactone EG

o o Il ll H ocH2cH2cH2cH2cH2 c OCH2CH20 c-cH2cH2cH2cH2cH20 H

PCL oligomer

~- OCN~cH2tNCO MDl

o o OH ocH2cH2cH2cH2cH2 c OCH2CH20 c-cH2cH2cH2cH2cH20 c-NJ~- 2J~A ll Il Il l

n i~rcH I~

PCL polyaddition product

HO I Il

N-c m

8

冷却途中に設定温度で所定時間保持するステップを挿入することにより測定を

行った。

2.2.5 X線回折測定

 ゴニオメ・一ターによるX線回折装置(RIGAKU RAD-B)を用い、Cu.Kαを

X線源として出力40KV、100mAで10-35。の範囲を40C/minの速度で測定

を行った。伸張時の測定は、幅5mm、厚さ1mmに調製した試料を所定量伸

張させたのち、アルミホルダーに固定し、室温(230C)にて直ちに測定した。

2.3 結果および考察

2.3.1 平均分子量および分子量分布の異なるPCLの性質

 PCLオリゴマーのGPC微分分子量分布曲線をFig。2.1に示す,触媒として

塩化第一スズを用いた系は巫誕、が狭く、特に高分子量成分が規制されてい

ることが認められる。一般に、スズ系触媒は分子内のエステル交換が起きやす

いのに対し、チタン系触媒は分子間でのエステル交換が起きやすいと言われて

いる。これより分子間でのエステル交換能の差がM謁4.に現れたものと推定

される。

 PCLオリゴマーのDSC挙動をFig.2.2に示す。降温過程において結晶化

による発熱ピークがみられ、また、昇温過程において結晶の融解による吸熱が

観察される。このときに観察される△丑mとPCLの結晶融解熱15.9kJ・mor1

と17から結晶化度を算出すると60%程度の値を示し、結晶性の高いオリゴマ

ーであることがわかる。今回の測定条件では2箇所の隣接した融点が観察され

たため、融点範囲としてTable2.1に示した。

2・3・2 DSCによる天撃ゴムの結晶化特性評価

 一250Cにおける保持時間を変えて測定したときの脱タンパク天然ゴム

(DPNR)のDSC曲線をFig.2.3に示す。ここで保持時間がゼロの場合、通常

9

l II

l I I I I I Cat=SnC12

C a~TB T

l

l

l

l

I

l

l

l

l

I

l

l

l

l

l

I

l

l

l

I

l

l

I

I

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

I

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

l

I

l

l

l

l

I

ll l l.

1 02 1 03 1 04 105

Molecular Weight

Fig. 2.1. Molecular weight distribution of PCL oligpmers based on

standard polystyrenes.

lO

/

~O

~; ~:;

O ~~ ~~

O .~'~

~5~

~;c~

>1

~ O p* ~C;

~::c~

~ O .eJ)_

~ O ~I

~ ;~l

c4~

O ~:*(D

~ ~ ~LI

rl C¥~

~ ~ c:I

H

~*O

F; ~:;o

hC~

$::o

'~~

~; ~;c~

_>1

~I

~ o .~P

~ o ~:I

~ PH

:~~:

~O

E~l

(~ ~

'~~ ¥;~~

~

/~¥

~ O ¥J

j~ *F~ b

,-l

~ X ¥J

'~ ~'~ eJ) ¥~

~:~~5 < ~ ,J

~ ・~ ~~ E~~J

~~

~

f~ ~:) ~:::

l~ c:$$:,

~

O ~ $~ ~ Cl)

l

I

~ (~I coloo c~ co cf) ~r, ~Flcf), ~: ~h

' 'l ' ' I

I

I

I

~: c: ~tl~t Q: oc! c~o~(~~t-¥rc~ ~ ~o Lrbl~ ~ ~D

l

I

l

l

l

o ~ olco co -c~ oo c~lco c~ o '-1 '-1 ~I_ ~ (~~ l

l

l

I

I

~r~ocf]-~oc~ o - cnl,-, (~ ~r . . .1 . . . - '~ -l- - -l

l

l

I

I

I

c~ ~c: oc!Ic:: oc: -¥c; ~r -l- ~ ~~

~o ool~ co I

l

l

c'~ (~ col~ o ,-t cf~ ~r ~rl~r Lr) Lrb ~ Z ZI ~ Z ? lr)co~t-~~O cf~ cn ~rl~r ~r ¥r

I

l

l

I

_ _ ~l~ (~i (~i l

i

I

I

I

oc! c: ~lQ: c: Lr~ ~r ¥o col~r ¥o oo

l

I

l

l

(¥1 o -1~r (~] -~o cn cr¥Ico cfb c~ ~: ~r,_1 c~_1~: ~F_ c~_

l

l

l

I

~: ec~ Gc~la~ i! c~ 11 -1 I~lT1 c~l cj oo ~:~ tQla); ~ ~r~

~r ¥o col~r ¥o Go ~ (b ~l~ ~ ~ ~I Fz:1 ~::lll~~ Fi~1 ~~

11

~i c~O::;

*: ~' ~; ~(DG~}:10

~~)C:~ Ooo $:: eJ)O O "-*-*'*f* '~t i~~

~O;5:~ ~I~)~; ~~c~ ~100~1 H(~O ':~ -~ ~L'

OI~ S~~h~ ~Oe~ Oc:$~~ ~:

~rl ~ O'~'~ ~IC~1Cl)f~ ~

c~Hl ~ ~~~eO O~;::i~ ~)~;O '~ ~ ~ F: ~:~:I eJ)~e~ S: Oc~l '~"*G~_~: ~

Q)~:' '-~ ~~ Oc'5 HOeJOI cH_F:s: -Oyl~; ~~l~ ~c'D$~~ ~_>~Q)H ~!Oc:H C::PIO OeLO~:;

ce~~ H1:;~~ ~~~~ ~:~~ d~~ ~S::0> c~0~ ~~:'~"*GeQ

T~5~hl ' ~:~- ~~O ~ ~c:$ '~c'D

~~~~E: c~Oc~l_ >clD~ ~ .~ ~b uDc:5 ~ ~~ ~;O

~~SH>~:S~lO~~'(L)S :~~

~~~ F~Ioo ~ (:)>b~

d~~O ~1~;cL) ~~(L)~)G~ ~~~'teH :) eLO ~.~ ~ c:$ (')'~'te

OFl~ *~: ~G ~

~

~:~

,~ s: ~E~

EG-4. 8- I . 4

(Mh=1 1 62)

EG-8.5-1.3

(Mh=1991)

I l'l l l I

! l J

,

l r

l t t I

l I

l

l I

l

,

l ll I 11 1 11 l I 11 ll l I l l 111

llll I- IIIlll

l l ~l 1 t

l

l

I

l

l

t I

l J , f I

l

l

I

l

l

l

l

JI

-40 -20 O

Tem p erature

20

(~C)

40 6 O

Fig. 2.2. DSC curves for PCL oligomers.

12

~

~ ~; ~o

~ ~ ~

/ Tg

A Hin=0

A Hini=0

AHin 6 5mJ/mg - - - - - - -

AHin 18 OmJ/mg - - - . . . - -

t= O min

t=60min

t= 1 20min

t= 1 8 Omin

-80 -60

Fig. 2.3.

-40 -20 O 20 40 Temperature ( 'C )

DSC curves for DPNR after holding at -25'C

60 80

l 3

の昇温測定であり、ガラス転移点はこの測定により求めることができる。また、

ガラス転移以外の熱的挙動が観測されなかった場合、所定温度で所定時間保持

するステップを組み込んだのちに観察される△丑mを測定することにより、結

晶化挙動を定量的に評価することが可能と考えられる。Fig.2.4は保持時間を

一定にして保持温度を変化させたときに観察される△πmをプロットしたもの

である。図中に点線で記載したのは、Woodらが報告した天然ゴムの結晶化速

度と温度との関係18であり、デラトメーターによる体積変化から求めた全体積

変化における半減期の逆数で表したものである。両者の傾向はよ・く一致してお

り、DSCによる測定が、エラストマーとして実用的な結晶化速度を示す高分

子においても有効であることを示している。また全融解熱以外に、ガラス転移

や融解温度に関する熱的情報が得られるため、分子設計に対し有用な知見を与

えると思われる。

2.3.3 PCLオリゴユニツト重付加体の性質

 PCLオリゴマーをMDIで連結したオリゴユニット重付加体はGPC測牢より、

M.はlO-15万、M誕、は約2であった。重付加体におけるオリゴマーの平均

連鎖数(m)は60-80程度と推定される(Table2.1)。これらの高結晶性オ

リゴマーをMDIで連結したオリゴユニット重付加体は弾性に富むゴム状物質

で、天然ゴムと同様ゴム用ロール機にて混練り可能であったが、室温(約230C)

に冷却することにより結晶化し、全体が固化するものもあった。

 オリゴユニット重付加体(EG-6.o-1.3)のDSC挙動をFig.2.5に示す。一100C

での保持時間Oおよび60minでは融解ピークは観察されず、保持時間が長く

なるにしたがい△丑mが増大することから、一100Cでの等温保持により結晶が

生成していることが示唆される。結晶は融点約230C付近で先に成長し、融

点50C付近があとから成長してくる様子が明瞭に観察される。これは、一般

的にみられる低融点側の結晶が昇温過程で融解し、再結晶化する現象と異なり

14

~ _~~o

~

~ ~ <I

25

20

15

10

5

O

l I ' l' l l

l I I I , l

I I I l l I

l I , , l l

I , I l l l l l

l I 'II-'~ I l ., .,., ,. l l l

l l ,

lO I , l l'll'llllll'llllllllllllllll'l'l'lIII"IlllllIIll'llIIllll'll' d' I"I'l"III"'11111111111'11111111'1111111"Illl'l"Illlllll l ,

l

l I , I I l

I I I l I 1' IL

l I I I l I I I I I l l I I I , . 1 1 l I I , l l I I I I l I I I , l

a ' If I l l , I I . l

l' I I I l

I I I I , l

, l l l

I ' I IL I l l'

f I Ibl I t

l I , f lllllllllllllllllllll'lllll'llllllllll'l"Illl'l'lll'lll 111'111 1'11111'111111'1 III~rll'lllll'l'lllllllll'lllllllllll'lllllllll'llllll

l I I I I I I I I I . I l l I , l l l ' ' I I ' l l l

l l l , ,

' I , , l

I Ib ' l I l l l l l l

l I 1' .

l

l I l l

l

l I I I l llllllllllllllllPll'llllllllllllll'l"'1'1"IIJlll'll 111' Il"Illl'lllll"Illll"'bll'lllll"II'lll

, I I I . lr pllllllllllllllllllll': Illl'llll

l' I I l l , I I I , l I I el. l l l l

, I I , l

l l

l I l l

, I , l l I

I , t l

l l l

l I I I l l

l I l l

l I I l l I

l , I l l l'

l t ' I I l :ll I I l l l' l I

f

, I l l

l I l

l'll'l'lll"'1 Il'llll'l'lll'lllll'lllll'l"I"Il'l'll'l'll lll'l'll' Illllll'lll'll'll'lll"I'l'llllllll l

lb l l I , l

l I I I l l I I , l

l I , l , ,

I I' l I I I , l l

l , I I . l

l , I I l ,

l l l

l I I l l

I , I l l

l , l ,

I I I l I

l t ' ' ,

-60 -50 40 30 20 10 O Hold temperature ( ~C )

Fig. 2.4. Relations between AHin and hold temprature

at a constant hold time for the DPNR.

10

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

O

f¥ ~E!

¥J (D ~' ~ ~:

O '~:ee

.~ '-1

~ ce ~'cl)

~l

~

l 5

~ ~.*o

~; ~ ~E:l

-80 -60 -40 -20 O ZO 40 60 80 Temperature ("C)

Fig. 2.5. DSC curves for PCL polyaddition product (EG-6.0- I .3)

after holding at - I OoC.

l 6

興味深い。低融点部分の増大は、結晶化度に伴って結晶厚さの分布が広くなる

ためとの報告がある19が、結晶化時間とともに低融点側のピーク位置が高温側

ヘシフトしていることから、異種の欠陥を含む結晶生成が行われていると考え

られる。

 Fig.2.6にnとろとの関係を示す・nが増大するに従いるは低下する・これ

は水素結合を形成し、分子鎖の運動性を妨げるウレタン基のモル分率が、るに

大きく影響していることを示唆している。種々のオリゴユニット重付加体.につ

いて、一100Cにおける保持時問と△丑mとの関係をFig.2.7に示す。保持時問

とともに△丑mが増大し、結晶化が進行していることが観察される。PCLをソ

フトセグメントとする相分離型ウレタンエラストマーでは、ハードセグメント

がPCLの末端を凍結してしまうため、非結晶領域が増大し、分子量2000-3000

まではPCLの結晶化は起こらないことが報告されている12。しかしながら、

相分離型ウレタンエラストマーの原料として、一般的に使用されるnが8.5一の

PCLオリゴマ(M、’2000)から得られたオリゴユニツト重付加体(EG-8.5-2.0

およびEG-8.5-1.4)は高結晶性を示し、常温以下では、弾性高分子鎖として

安定に使用できない。また、nが減少するに従い結晶性は低下し、さらにM四、

を狭くすることによっても、結晶性は低下することが明らかとなった。これは

オリゴマーの高分子量成分、すなわちモノマー連鎖数の大きいユニットがオリ

ゴユニット重付加体の結晶性に影響を与えていることを示唆している。比較と

して、DPNRの同一条件(一100C)および天然ゴムの最適結晶化温度とされ

る一250C19における測定結果を併記した。天然ゴムの有する微妙な結晶化挙

動を模した合成弾性高分子鎖が、高結晶性オリゴユニットのnと鉱w∠M.とに

よって設計可能であることを示唆している。

17

-20

-25

-3 O

,~ (J)

O~l eJ~ ~35

H -40

-45

-50 3 4 5 6 7

Repeating number of CL in PCL

8 9

Fig. 2.6. Dependance of Tg on the number of repeating unit of CL momomer

in PCL oligomer in PCL polyaddition products consisting of oligomers with

narrow molecular weight distribution.

18

50

40

_ 30 ~o _*~

~

~ ~ 20 ~

~ DPNR "~I ' DPNR (-25~O

-1- EG-6.0-2 l

{] EG-6 . O- I . 3

-lF EG-4. 9-2. 1

- I~- - EG-4.8-1.4

-O- EG-8. 5-2.0

- ~)- - EG-8.5-1 .4

10

o

d" ip

l

l l l

I

l~~ll

l l

-l I~ l l ' Ljr

df

.J] ll I I I I l~ l~Ifd'

ll l lll lllllllllll llll-lll l l l l

-lO

O 100 200 500 400 300

Hold time at -10*C (min)

Fig. 2.7. Relations between AHin and hold time at -10~C

for PCL polyaddition products.

600

19

2.3.4 X線回折

 PCLオリゴユニット重付加体およびPCLホモポリマーの広角X線回折パタ

ーンをFig.2.8に示す。ゴム状である重付加体(EG-4.8-1.4)は非晶質ポリマ

ー特有のブロードな回折パターンが観察された。一方、結晶化している重付加

体(EG-8.5-2.0)の回折パターンはPCLホモポリマーの回折パターンと一致

することから、PCLオリゴユニット重付加体で生ずる結晶はカプロラクトン

連鎖による結晶であり、MDIに由来するウレタン部分は結晶を形成していな

いことが明かとなった。

2.4 結 論

PCLオリゴユニツト重付加体で生ずる結晶はカプロラクトン連鎖による結晶

であり、この結晶成長は連鎖数の大きいユニツトが影響を与える。nを低下さ

せると結晶性は低下するがろの上昇を招く・これらの結果より、M諏、が狭

い高結晶性オリゴユニットを合成したのち、ユニットの両端を結晶化を緩和す

る分子で連結することによって、弾性高分子鎖として要求される微妙な結晶性

を制御することが可能となる。この高結晶性オリゴユニットを構成単位とする

分子設計は、弾性高分子鎖の新たな設計方法となりえるものである。

ノノ

20

EG-4.8-1.4

■圃■■■凸』■■圏■■■騨瞬』■■■『■■■』

1ノ“     羅』 亀

     ll A

     l呈脇

    ’ll、劃ノ、E一ら    ’3盛A贋一ノ:一’〉、》・』_岬ノ、_騒_

10 15 20     25

卑θ(degree)

30 35

Fig.2.8.WAXDpro五1esfbrthePCLandPCLpolyaddi亘onproducts.

21

第3章 ポリカプロラクトン系ポリウレタンの結晶性におよぼす

    開始剤グリコールの影響

3.1 序

 ポリカプロラクトン(:PCL)ポリオールはポリエステル系ポリウレタンにお

けるソフトセグメントとして一般的に使用される原料である。ほとんどのポリ

エステルポリオールが二塩基酸とグリコールとの重縮合により得られるのに対

し、PCLはモノマーとして環状エステルであるε一カプロラクトンを水酸基あ

るいはカルボキシル基などの活性水素化合物に開環重付加させることにより得

られる。開始剤の活性水素を有する官能基数を変化させることにより、多官能

のポリエステルがゲル化を起こすことなく製造できる。反応性が等しいとみな

しうる水酸基を2個有する低分子グリコールを開始剤とした場合、エステル交

換反応が起きなければ、開始剤グリコ・一ルを中心とし、両端に向かってラクト

ンが付加した構造を有するPCLオリゴマーが得られることになる。さらに開

始剤グリコールの分子量分布(M幽、)が狭くなるに従い、左右の重合度の差

は減少すると考えられる。

 ポリウレタンエラストマーの原料のポリエステルポリオ「ルは・分子量が

1000-2000のものを用いるケーXが多く、このような分子量を持つPC:Lオリ

ゴマーはカプロラクトンの重合度として10数個である。規則的なラクトン連

鎖は開始剤グリコールの存在により数個程度となる。開始剤の構造がPCLオリ

ゴマーおよびポリウレタンの結晶性に大きな影響を与えることが予想されるた

め、ここでは、その影響について考察した。

22

3.2 実 験

3.2.1 試 薬

 ネオペンチルグリコ・一ル(NPG)、パラキシレングリコール(PXG)および

ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BHEB)は、関東化学製特級試薬を市販品

のまま用いた。ジクミルパーオキサイドは日本油脂(株)製のパークミルPを

市販品のまま用いた。モノブチルスズオキシド(MTBO)は関東化学製特級試

薬を市販品のまま用いた。

3.2.2 PCLオリゴマーの合成

 それぞれのグリコールを開始剤としてε一カプロラクトンを開環付加させ、水

酸基末端PCLオリゴマーを得た。ラクトンユニットの平均連鎖数(n)は開始剤

とモノマ・一との仕込み比によって調整した。触媒としてMTBOを用い1300C

で反応させた。反応はすべて窒素雰囲気で行い、残存モノマーがガスクロマト

グラフィーの測定でO.5%以下になるまで継続した。得られたオリゴマーは、JIS

:Kl557に準じて水酸基価(KOHmg19)を測定し、その値から数平均分子量(M、)

を求め、nを算出した。ただし、オリゴマー1分子における末端水酸基数は2.O

としてある。

3.2.3 線状ポリウレタンの合成

 オリゴマ・一を10QOCに加温したのち、水酸基に対し等モルのイソシァネ・一

ト基に相当するMDIを添加混合し、1000Cで5時間反応させ線状ポリウレタ

ン(1inear polyurethane=LPU)を得た。サンプルの名称は開始剤種(R)一平均

連鎖数(n)一オリゴマ‘分子量分布(砿四.)の順に記した。

3.2.4 GPC測定

 オリゴマーおよび線状ポリウレタンの分子量分布(M四、)は東ソー製GPC

SC8010により、東ソー製TSKgel G5000HXLカラム1本およびGMHXLカラ

ム2本を直列につないで測定した。溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使

23

用し、流量1.Om1/min、カラム温度400Cで示差屈折計により測定を行った。

3.2.5 DSC測定

 2。2。4と同様の操作を行った。ただし、冷却途中の設定温度を一100Cとした。

3.2.6 WAXD測定

 2.2.4と同様の操作を行った。測定セルは、試料厚さ0.3mmのガラスセル

を用いた。試料を充填したセルを800Cに昇温し試料を溶解させた後、室温に

て冷却固化させたたのち、測定を行った。

3.3 結果および考察

3.3.1 種々の開始剤グリコールを用いたPCLの合成およびその性質

 開始剤として、直鎖脂肪族であるEG、メチル基を有するNPG、芳香環を有

するPXGおよびBHEBを用いてPCLオリゴマーを合成した(Scheme3.1)。

 ラクトンユニットのnが約6個で、種々の開始剤を有するPCLオリゴマー

のDsc曲線をFig。3.1示す。冷却過程では結晶化に起因する発熱が観察される

が、2箇所のピークが認められる。高温側のピーク温度はいずれの試料でも約

220Cに観察されるが、低温側のピークはEG系が160C付近に存在するのに対

し、立体障害となるNPG、PXGおよびB肥B系は100C付近に観察される。

これは、二次的な結晶化に際し、PCLオリゴマーの開始剤が結晶成長を阻害し

ているためと考えられる。昇温過程では、結晶の融解による吸熱が観察される。

融解ピークも2箇所観察され、立体的に嵩高いNPG、PXGおよびBHEBでは、

いずれもEGを開始剤とした場合より融点の低下が認められた。融解ピーク温

度および結晶化ピ・一ク温度はEG>NPG>B肥B>PXGの順に低下した。また

融解熱(△丑m)は融点が低下するに従って減少する傾向が観察された。得られ

たPCLオリゴマーの性質をまとめてTable3.1に示す。

Fig・3・2にnが約6個で・種々の開始剤を有するPCLオリゴマーのWAXDプ

24

Scheme3.1.Prepara』菰on fbrPCL OligomerswithVa嫉ous

       Glycols(HO-R・OH)aslnitiator

EG NPG

HO-CH2CH2-OH

     雫H3

HOH2C一(p-CH20H     CH3

PXG BHEB

HOH、Cグ 、CH20H

H・H2CH2G・グ、σCH2CH2・H

OllC\

  02n

                 O      O

Hモ・鴫C鴫C礒C一ど蓋・“・〈ど一C鴫C鴫C現・沖

25

c・・1血gpr・6ess

§書

8哉

mltlator

  :PXG

BHEB

EG

一20 一10 0   10   20   30

Temperature(oC)

heating process

40 50 60

:PXG

BHEB冒

8ぢづ遷

NPG

EG

0     10    20    30    40    50    60    70    80

               Temperature(OC)

Fig銑・・ラSC-es飾rPCL・1ig・m←rs舳v瓠・usini餓・L

                       26

mitlator

NPG

PXG

EG

25

lO , 15 30, 2 e (degree)

Frg. 3.2. WAXD profiles for PCL oligomers with various initiator.

27

~ ~l h:l

~ s: e~:

~ .eoJD

-O h:l

~, e~ e* e

.*,~L-

o~

~ ~LI

~ ri

~ ~ ~ ~I

k

~ ~l

c,D ~Q)

~ o ;=:

O ~I

~ p*

~ ,~ o~o ~ E~1 o~j

~:)E:

.¥:~

~:

~ ~~

~~: b '-,

~X ~' f~ eo "" ~

~:h ~-

< ~ ,~

~ '~ o ~ O E¥1 ¥J

~ '~ *~ oo ~ ~~h i¥

<l~

~ 1~ S~ E~ O ~l

~~: ~:~~

~

~:

'~ c:$

$::

~

~1

O ~b ce .'~ ~) .-1 F:

I~

~~

~ ~ ~; Cl)

LrbO~~rc~~r~O (~:o~(~;cc;c; ~rl ~rl c? c? c? ~F

c~~r c~oo (~~ c¥l -~O~ ・-Io ・~ o c~1・~ (~(~ (¥1 (~l

o~~ro¥o~ra¥ ~r~oLnoc~~r -~(¥i~:~

c~o~~r~Oc~ oooo~l ~l col oo

・~ '!) ~O O~~ C~ ~r (~ *~ '~ '-(

o~oc~oo ~ro~ c~c~o~- ~t~ o~cot~oooooo

Lf) (~~ O *~ cfb ~r ~rl ~rl ~rl ~:F ~:rl ~F

(~~ ~r cn ~r OO o ~:r cfb c~ c~ crb ~r

(~~ O OO t¥ ~O O C~ C~ (¥1 (¥~ (~] (~~ .~ ,-1 *-1 ,-1 ,-1 ,-,

OO(¥lO~OO ~0~0~0V)~OO

~r ¥O oo ~r ~r -~ (¥1 t¥ ~rLr~ oo ,-l ~r ~r LrbLf~ ~ O

(DOOP:I~p:I ~~~~~~~

eOeO(~i r)cO*~:~: rb.~*C~c~c~ *C~d~V;t:oi

~~;~;~~~ ~~~l~leel~:le:I

~:

O '~'~ c') ce ee ~'~ ~~' e~ ~~ ~~ '~:

~?~) ID ~IO (L) OO ~:'~"*ee~ c~3 ~i_ ~~~~ >~ceo ~! 0~ Oc4H,_ ~SO l ~: "*co(,)ce ~O

~ ~_- ・_H

~*~~ ~:~G/) O ~n c:~~~0 ~ ~'~)~O ~ ・~:(D_ ~;

:5 ~ ~

O ~ :$~ ce ~ce e)~:

~n4i 'A' /~ ,~, ce~~ O

C:

.~

..~ ~~ ~:~) ~,-, ~c')CHo

~I~3 O ce ~y ~E: ~o~1

ceL~~ ~$ ee ~:: O ~;~:

28

ロファイルを示す。開始剤の種類に関わらず、同一の回折パターンを示してお

り、結晶格子には開始剤ユニットは含まれないと考えられる。結晶を形成する

のはラクトン連鎖のみであることを示唆している。

3.3.2 種々の開始剤グリコールを用いたPCLから得られる

    線状ポリウレタンの性質

 開始剤としてEGおよびPXGを有するPCLからなるLPUを一100Cにて等                     ど温結晶化させた後に観察されるDSC曲線をFig.3.3示す。比較として、DPNR

を同一温度で結晶化させた時に観察される曲線を併記した20.融解ピークは

DPNRと同じく2箇所観察される。オリゴマーのDSC挙動と同様に嵩高い置換

基ともいえるPXGを含むLPUの融解温度は、EGを用いたものよりも低下す

ることがわかる。種々の開始剤を用いて得られるLPUの一100Cにおける保持

時間と△丑mとの関係をFig.3.4に示す。保持時間とともに△丑mが増大し結晶化

         キが進行していることが観察される。nがほぼ等しい約6のもので比較すると、

NPG、PXGおよびB肥BはEGを開始剤とした場合より、結晶化開始までの誘

導期間の延長および結晶化速度の低下が認められる。結晶化速度はEG>NPG

>PXG>B肥Bの順に低下した。結晶化速度を遅くするためにはメチル基側鎖

より芳香環のほうが効果が大きいことが明らかとなった。また、B肥BはPXG

に比べ結晶化遅延効果に優れるが、この理由として、PCL連鎖に対し不規則構

造となる開始剤の分子量が大きいことおよびガラス転移点が上昇し分子鎖の滑

り拡散がしにくくなったことが考えられる。比較としてDPNRの測定結果を併

記した・天然ゴムの微妙な結晶化挙動を模した合成弾性高分子鎖は、nが数個

と適切に設計されたPCLオリゴマーを用いることにより得られることを示唆し

ている。

Fig.3.5にB肥Bを開始剤としてnを変化させたLPUの100Cにおける保持

時間と△丑mとの関係を示す。第2章で検討した開始剤エチレングリコールと同

29

i…

2ぢ℃q国

■臨ロ髄■陰『』

噛へ

l         DPNR へ

}一嘱自圏賜嗣聞蘭自]聰・噂巴噛閣巴■一聰巴贈噛

ーロ馳■■麟聰剛-鞠馳

         日、

㌔    11一一■一-一闇ロ目■陶駒贈剛噛繭電一麟繭一

㌔魁 ’

  ヨ     》     PXG-6.2-1.3

『隔■圏■臼ロ■圃

      ロ臨ロ■■ロ閣■■ロ1           、・♂一、        ’8ロ隅目田・劇頃

EG-6.0-1。3      。、   ,層

                   ’、’

                    ほ   ほ                    、4

                    購 層                    ㌧

一80 一60 一40   -20    0

   Temperature(OC)

20 40 60

Fig.3.3.DSC curves fbrLPUs af㌃erholding at-100C consistofPCL

initiatedwithEGandPXG.

30

40

35

30

暴259)  20

拒<  15

10

5

0

÷EG-6.0-NPG-6.0

一←PXG-6.2一一ローBHEB-5.9

ロロ●一-D:PNR

   ,

   8   8   8

  ヨ  ’

,’γ

10 100

Holddme(min)

1000 104

Fig.3.4.Relationsbetween△Hmandholdtime at-100C fbr

LPUs consistofPCLwhhvadous initiators.

31

40

35

30

暴25iヨ

)  20

胡<  15

10

5

0

一圏◎’目EG-6.〇

一咽●一一一BHEB-5.9

一一←一BHEB-7.0

-BHEB-8.0 ’

8    響

    8   8   -   8   σ  @  響  ’  ∂

 ’ 8 躍

ノ’

 ノ

9

◎」の

σ

♂4 !

10 100

Hold豆me(min)

1000 104

Fig.3.5.,Relationsbetween△Hmandholdintime at-100C fbrLPUs

consist ofDI》CLs initiated with BHEB.

32

様に、ラクトンモノマーのnが大きくなるほど速やかに結晶化することが明ら

かとなった。また、EG系と比較した場合、同等の連鎖数での結晶化速度およ

び結晶化開始までの誘導時間は遅くなることから、ラクトン連鎖を妨げる異分

子ユニットの構造により、ポリウレタン全体の結晶性を制御できると考えられ

る。

3.4結 論

PCLの開始剤は、PCLおよびMDIの重付加体であるポリウレタンの結晶性

に大きな影響を与えることが明らかとなった。結晶化速度はEG>NPG>PXG

>BHEBの順に低下した。PCL連鎖に対し、不規則構造となる開始剤の分子構

造により結晶化挙動が大きく変化することは、高結晶性オリゴユニットとみな

しうるラクトン連鎖を連結するユニットを適切に選定することによりポリウレ

タン全体の結晶性を制御できることを示唆している。

33

第4章 ε一カプロラクトンオリゴユニットから得られるエラストマー一

   の諸特性

4、1 序

 第2章および第3章で、PCLオリゴユニット重付加体においてPCLオリゴ

マーの平均連鎖数(n)および分子量分布(Mw∠M、)を調製することにより、

高分子鎖全体の結晶性が制御でき、天然ゴム類似の結晶化挙動が再現可能であ

ることを述べた。これは構造規則性をある程度保持したままnと連鎖分布とい

うパラメーターにより結晶性高分子をアモルファス化できることを示したもの

で、過度の変形下では天然ゴムと同様に伸長結晶性を発現することが予想され

る。そこで本章では、伸長結晶性と良好なエントロピー弾性とを合わせ持つ高

性能エラストマーの分子設計指針を得るため、高結晶性を示すPCLオリゴユニ

ットとMDIとの重付加体を架橋させて得られるエラストマーについて、オリ

ゴユニットのnおよび連鎖分布がエラストマーの結晶化挙動に与える影響を検

討した。

4。2 実 験

4.2.1. 架橋エラストマーの合成

 オリゴユニット重付加体の100重量部に対し2重量部のジクミルパーオキサ

イドをオープンロ・一ルを用いて練り込んだのち、1600Cに加温した金型で20

分問プレス成形を行い、架橋エラストマーを得た。架橋はパーオキサイドの解

離により生成する酸素ラジカルがMDIのメチレン水素を引き抜き、さらに生

成したメチンラジカル同士が再結合するものξされている21・模式図をFig・4・1

に示す。

34

RMR ~~ / R~_Mnf~R~~ M ~~MM ~~ ~ ~'~R

! R R ~ ~

M M~~R / R~rvM *~) 2t~ R ~ ~

~ M R ~~~ R ~ M

fl MR M ~ ~ M~~R M R M ~ ~ ~~ R~vM~~R M R R R~ M / n~~ R~ hR~u~M~URJ~~M M~~ ~ R ~ ~YM MM crosslinking point M ~~R ~ M M~r'R M urethanelinkage by MDI

R~ ~R R initiator ofPCL

~ ~~~ ~*~R~'M '~*A' PCL oligo-unit

Fig. 4.1. Model of crosslinked PCL oligo-unit elastomer

¥

35

4.2.2 引張り試験

 東洋精機(株)製の万能試験機(ストログラフR)を用いて、230Cにて引

張り速度500mm/minで行った。

4.2.3 動的粘弾性測定

 東洋精機(株)製レオバイブロンを用い、測定周波数10Hz、一600Cから220

0Cの範囲を昇温速度2.50C/minで測定した。

4.2.4 応力緩和測定

 セイコーインスツルメンツ(株)製熱分析システム(EXSTRA6000DMS6100)

          ヘヒを用いて測定した。測定は幅3mm、厚さ1mmに調製した試料を室温(約230C)

でとりつけ、所定の倍率に伸長させたのち、昇温速度20C/minで室温から500C

まで昇温さ量たのち、所定温度まで温度を下げ、等温保持を行い応力の経時変

化を測定した。所定温度に達した時の応力をf(O)、t時間後の応力をf(t)

≧し応力保持率f(t)/f(O)を求めた。

4.3 結果および考察

4.3.1 熱的特性

 Table4.1に重付加体および架橋体のガラス転移点を示す。架橋体が若干低い

ガラス転移点を示したが・これはMDIのメチレン鎖が架橋部位になるととも

に、ガラス転移点を上昇させるウレタン結合の分子間相互作用が弱まり、かつ

分子運動が活発なPCLオリゴユニットが架橋に関与しないためと思われる。Fig.

4.2に一100Cで240分間等温結晶化をおこなった重付加体および架橋体の昇温

時におけるDSC挙動を示す。△丑mは重付加体の20.1mJ/mgに対して架橋体は

10.4mJ/mgと減少している。見かけの融点は2ヶ所観察されるが、重付加体と

比較して架橋体の融点は、低温側は3.90Cから5.40Cに上昇し、高温側の融点

は23.gOCから18.80Cに低下した。天然ゴムの結晶では、低温側の融点はラメ

36

'~ ~J ~j Lo

~ e i* ~Qe~:

-~i~I ~; S e~:

f~ ~ ,J ~ 5 ~ ~ ~l

S o i. ;~

~ e~:

~ -e e~

~o

~ e ,eJD_

-O ~l ~, e~ e~ e ~::

O~

~ F~I

~ ~:

o -~ e~:

~

f~ ~ ,J ~ ~ O ~'c':I

ce

~ ~

l~'

O ~l ~' O !:

~$ ~ ~ ~:::

O '~~ ,5~ ~'c'D

>1

~ O p~I

~ ~ o ~P

~ O

~ e: /-¥ ~~~eO ~~ '~'

/~' Ce ~r~ ~ ~l

¥J'

~~ ・~ ~~~oo

~~~J

(~ 1~ "< :~・J

~ ,~ eO~ E~O '-/

1) ・~ eO~ E~o ¥J

"S~

~.~

~

~

~ ~:'

~

~~ ~b '* ~ X

~l

"G:

¥;~

~:

~

・~

~ ~:

f~c~$

$::

~

~~

~ ~~

CID

OOO vbooc~I Lf)Lr)~O

~r・*(¥I

(~o~r c~lc~c~l

~r¥o~ ~~~ OO~0~0 If)t!)t!b

OO~r~r C? ~rl ~F

t¥(~~cfl c? ~rl ~F

o(5~co o~coo~ ,~,~,~

~ro~Ln ~~o~

~~r~O¥O O・~(¥l ,~'~*-l

LnLrb c~(¥~'~t '~'-,Q~

oo oo.oo ~r~c;~c;

(~O(¥a ~Oc~c~ ,-I~r~r *-1.~.~

~rGo* ~~(~ 0~e~) ~:~;~;

af

~~ ~lO ~'._,-~1 '~~ .~ O~

~~$ (DC: ~:$ OO CO_~OQ)

~;~; e~

~~~~ ~p~ ~~;

;~:c~1,__ ,Q~l^_^

~:~;~: ~:I~::$(/:)

~I eO~lh

~~~c~ O~* ce~ ~:Q) ~~*C: ~:$~

~(D~ O~ ~~',~ ~cH ~~ ~O . c~I~F: O O '-~~O~¥'~ "*S::$ :1 ~

S:'O ~~)~: '~~O Q)c~(L) ~> ~' ~< ~ (L)~ eO S:~C~ +' ' -.~' CHC'Dce OC~O ~Oh~ ~~~ ~c'D ~Ge ~~~~ OcO~$ Oo

ce~-~・-,c~_ ~ .*

>:~ <~~'ce~・;(i

'~c'D0~O ~~~~'~:~:

~ I(1) -~~~; L~:~"~H~c~.~ ~ =~'{ce

ee .. ~~y~)~ ~~ ~ ~0~'ee

q)O~~: ~chl ~ O ce O ._ >clD~$(D~'ee

-'~c'D h eO ~c~3 :5 ~~ ~-C; ~~ ~$~: ~:~0 ~~* 41 ~~:,__(D~

:~~~ ~:~ C!-' - C~ ~O~:)(L)

~~~H c~~~D ~~'~ 10O~:$ ~:

~) G) O,~ e~3 ~~ '~ ~' _Ge~_1!) _O!)c:$~"*~c'D~$_~,+ce~

~~ ~IC'D '~~ce~~ O~~;

37

~ Sl ~ ~ ~:

~q

l_1.Ilb lb

~ - A Hin I O 4mJ/mg -. ---.--.

crosslinking

A

lli--- ---___Ip INb dP

~ f l' l - -N o lbl l . C 54 It l

It o . C 18 8 dl

Hhl 20 ImJ/mg - - - - - - - - - -

I 6 0-1.3-C l 1 11 1 111 l

6.0-1.3-G

l l

3 . 90C

23 . 90C

-60 -40 -20 40 60 O 20

Temperature ( 'C )

Fig. 4.2. DSC curves for PCL polyaddition product and crosslinked elastomer

after holding for 240min at - I OoC.

38

ラ構造と関連し、高温側の融点は配向結晶に関連すると報告されている19。架

橋構造の導入により、NRの融点の200C以上の低下が報告されている22のに

対して、今回得られたオリゴユニット型エラストマーでは融点の低下は少ない。

これはNRの架橋部位が結晶単位となるイソプレンユニットであるのに対し、

オリゴユニット型エラストマーでは結晶化を緩和するMDIユニットが架橋部

位になリ、結晶を構成するPCLオリゴユニットが架橋に関与しないためと思わ

れる。

 Fig.4.3に一100Cでの等温保持時間を変化させたときの△丑mの変化を示す・

架橋体は結晶化速度および結晶化度の偉下が認められるが・架橋前の重付加体

の結晶化挙動を反映しており、架橋構造が導入されることによる構造不規則性

の増加が、著しい結晶性の変化をもたらさない事を示している。.これはエラス

トマーの結晶性が重付加体の構成単位であるオリゴユニットの性状を正確に反

映することを示唆しており、オリゴユニットのnおよびM諏、を制御すること

により、エラストマーの結晶化挙動を比較的正確に制御できることも示唆して

いる。

4.3.2 機械的特性

 エヲストマ・一の一般性状は、エラストマーとしてバランスのとれた値を示し

ている(Table4.1)。Fig.4.4にPCLエラストマーの応カーひずみ曲線を示す。

300%付近より応力の立ち上がりが認められ、明確な伸長結晶化挙動が観察さ

れる。破断時の応力は補強充填剤を含まない純ゴム過酸化物架橋体としては、

高水準の値である20MPa以上を示した。NRとの比較からも、より高い強度を

容易に得られることが示唆される。Fig.4.5にPCLエラストマーの伸長時にお

けるWAXDプロファイルを示す。伸長率200%以下では非晶性を示すハロー

のみが観察されるのに対し、伸長率250%より回折ピークが観察され、伸長率

の増大とともに強度も増大する。また、このとき観察されるプロファイルはPCL

39

35

30

25

~ ~o~ 20 ~ h ~ 15 ~ ~ < 10

5

o

-5

1- 6.0-2. I -G - - [] - - 6.0-2. I -C

'-Jr 6.0-1.3-G - -~: - - 6.0-1.3-C

-e- 4. 8-1 .4-G

o 4. 8- I .4-C

'~- DPNR ~ DPNR- C

[7 l l

dP , l

[:l

l l l

cro s slinking

[]..{]

[]

l~:' l l ~

l l

/ l

,

~

l l

~ d-

d' ~

l

lb

IL

'b

o

10 l OO

Hold time ( min )

1 OOO

Fig. 4.3. Relations between A Hin and hold time at -100C for PCL polyadditron

products and crosslinked elastomers.

40

念皇甘

8おの

25

20

15

10

5

■■く⊃田■■4.8-1.4-C

■一炉6.O-1.3-C

一一{二}1一一6.O-2.1-C

一◇一DPNR-C

OO 100 200 300   400

Strain(%)

500 500 700

アig.4.4.Stress-strain curves fbrPCL oligounitelastomers.

41

.~~r'

~ (D ~~ C1

~~

lO

Fig. 4.5.

1 5 20 25 30 35 2 e ( degree )

WAXD profiles for PCL oligounit elastomer at various elongation.

42

ホモポリマーの回折プロファイルと一致することから、伸長により生成する結

晶はイソシアネートに由来するウレタンセグメントの結晶ではなく、PCLオリ

ゴユニットに由来する結晶であると考えられる。

4.3.3 動的粘弾性

 Fig.4.6にPCLエラストマ・一の動的粘弾性測定における貯蔵弾性率(Eうお

よび損失弾性率/貯蔵弾性率比(tanδ)の温度依存性を示す。PCLオリゴユニ

ットのM幽.の狭い6.O-1.3-Cはガラス転移が終了する一100Cくらいからプラ

トー域が観察され、軟化が始まる2000C付近までほぼフラットなE’を示すの

に対し、M幽、の広い6.O-2.1-Cでは50・Cまでプラトー域に到達しない。DSC

における結晶の融解挙動の評価と合わせて考えると、この差は結晶弾性による

ものと推察される。すなわち、・冷却および昇温時において結晶化温度領域で生

成する結晶成分が弾性率を増大させると考えられる。この現象はcold-hardening

と呼ばれ低温特性に悪影響をおよぼす。したがってエラストマーとして安定に

使用するためには、連鎖分布を狭くすることが有効である。連鎖分布の狭い

6.O-1.3-CはOoCから1000Cまでの温度領域において、E’は3.3-3.5MPaお

よびtanδはO.1-O.05であり、良好なゴム状弾性体としての挙動を示した。

4.3.4.応力緩和

 結晶化による応力緩和は天然ゴムにおいて研究されており23エントロピー弾

性の消失および自発伸長24によるものとされている。Fig.4.7に一50c、50%伸

長における応力緩和挙動を示す。Mw/M.の広いものは急激な応力緩和を示した

が、M説、を狭くすることにより応力を保持していることがわかる。Fig.4.8に

220C、100%伸長における応力緩和とWAXDによる回折強度との関係を示す。

応力が緩和するにしたがい回折強度が増大していることから、結晶化によるエ

ントロピー弾性の消失が応力の緩和に起因するものと考えらる。結晶化による

応力緩和は、伸長率および最適な結晶化温度によって加速されることが報告さ

43

6. O- I . 3-C

- - 6. 0-2. I -C l 1 09

.N

ce

~ - --__ _ _ __ ~ _ I08 -------- ~ ~ 'b MwfMh=2.l

l 07 <= 0.001

IL

Mwf Mh=1 . 3

1 06 O. OOO l -1 OO -50 O 50 1 OO 1 50 ZOO Z50 Temperature ( oC )

Frg 4 6 Temperature dependance ofE and tan 6 for PCL oligounit elastomers.

44

,A, ~~OO

'-/

.~ O ,J CH .¥ ,~, ~)

~l C~I

100

80

60

40

20

O

IIII._Itl.,blllbIII

・IIII

lb Itl

t llb ,Ib

l lll l-

llb

lbl

lb lb

6.0- I .3-C

6.0-2. I -C

'b lb

lb lb

lb ,b

lb lb

lb llb

O 20 40 60 80 Time ( min )

1 OO 120

Fig. 4.7. Stress relaxation of PCL oligounit elastomer at -50C under 500/0 elongation.

45

100

'~ 80 ~~OO

,~,

f~ o '_' 60 c4~

.¥'

'~ ~' ~' c~1 40

20

O

<=

I

I

l =>.

o

.~~rl

~ (D ~i!

~ ~~

50 100 150 Time ( min )

200 250 300

Fig. 4.8. Plots of stress relaxation and WAXD intensity for PCL

oligounit elastomer at 230C under I OOO/o elongation.

46

れている25。

4.4 結 論

得られた結果から、連鎖分布を狭くしたオリゴユニット型弾性高分子鎖は、

50%以下の実用的な伸長領域においては自発的結晶化を緩和し、エントロピ

ー弾性を維持する性質を有しているものと考えられる。すなわち、nおよび

M慨.を制御した高結晶性オリゴユニットをもちいる分子設計は、立体特異性

重合あるいは交互共重合などのモノマー連鎖を配列制御する従来の合成ゴムの

設計と異なる設計概念によるものであり、伸長時の結晶性と弛緩時の非晶安定

性とのバランスをとる新たなる有効な手法といえる。

 高結晶性オリゴユニットであるPCLオリゴマーをかさ高いMDIで連結する

ことにより、得られる重付加体を過酸化物で架橋したエラストマーは、優れた

伸長結晶性を示した。オリゴユニットのM四.を狭くすることにより、エント

ロピー弾性体として使用できる温度領域が広がることが明らかとなった。以上

より、M諏、を狭くした上でnを制御することにより、優れた伸長結晶性と良

好なエントロピー弾性とを両立させるエラストマーの設計が可能となった。得

られたエラストマーは補強剤を添加しない純ゴム過酸化物架橋系においても20

MPa以上の強度を示した。

47

第5章 ポリカプロラクトン系ポリウレタンの結晶性におよぼす

   連鎖分布の影響

5、1 序

 高分子量のポリカプロラクトン(PCL)は代表的な結晶性脂肪族ポリエステ

ルであり、溶融紡糸により実用性のある繊維26を形成することが可能である。

また、その融点は約60-640Cであり、特別な設備を必要としない熱可塑樹脂

として医療用ギブスなどに用いられている。一方、分子量数千以下のオリゴマ

ー領域のも6はポリウレタンに代表される相分離型エラストマーのゾフトセグ

メントとして用いられ、耐加水分解性、ゴム弾性、強度および耐摩耗性などに

優れる原料として工業的に重要な地位を占めている。これらの多くはPCLを非

晶体として活用している。カプロラクトン系ポリウレタンの分子構造と結晶性

に関する研究1卿がなされている中で、とりわけ、ソフトセグメントであるPCL

の分子量およびジイソシアネートと短鎖ジオール類とから構成されるハードセ

グメントの鎖長あるいは相対比率について論じられている例が多い。この微妙

な結晶性について、著者らはカプロラクトン連鎖における連鎖分布と平均連鎖

数(n〉とを調整することにより伸長結晶性を有し、かつ自発的な結晶化を

制御した天然ゴムを模倣した安定なエラストマーを調製できることを第4章で

述べた。これは、連鎖数で数個ないし十数個レベルの結晶性オリゴユニットを

構成単位として規則的に構造を乱すことにより、従来の立体特異性重合などの

製造技術を用いても非常に困難28とされる伸長結晶性と定常時の非晶安定性と

を両立させた合成ゴムの提供を可能とするものである。この分子設計ではオリ

ゴユニットを連結する連鎖の分布が重要な意昧を持つ。そこで本章では、連鎖

分布が結晶化挙動におよぼす影響についてさらに知見を得るため、ポリマーブ

レンドの観点から検討を行い、その結果につbて述べる。平均分子量がほぼ同

48

じで分子量分布(M幽、)の異なる2種類のPCLオリゴマーを用い、これらを

MDIで重付加させて得られる単独のポリウレタンと、混合ポリオール(重量比

=50/50)より得られるオリゴマーブレンドポリウレタン(N・W)および単独の

重付加体を混合(重量比=50/50)したポリマーブレンドポリウレタン(N+W)

の4種類のポリウレタンを調製した。N・WはPCLオリゴマーのM罵、に相応

した連鎖分布を持つのに対し、N+Wは分子鎖レベルで局在化した連鎖分布を

持つと考えられる。連鎖分布様式の異なるこれらのポリウレタンの結晶化挙動

を解析することによりエラストマー全体の結晶化挙動が物性に対しどのような

影響を及ぼすかについて検討した。                  .

5.2 実 験

5.2.1連鎖分布の異なるポリウレタンの合成

 N・Wは等重量比で混合したオリゴマーを用い2.2.2に従い調整した。N+W

はNおよびWから得られた単独のポリウレタンをオープンロールにて5分間

混練りすることにより得た。hble5.1に重付加体および架橋体の一般性状を示

す。ブレンドオリゴマーN・WPは単一ピーク形状のGPCクロマトグラムを示

したことから、今回調製した試料は連続的な分布を持つ試料(unimoda1)とみ

なすことができる。水酸基末端PCLオリゴマー・とMDIとの重付加体であるLPU

のM幽.は、オリゴマーのM幽、に関係なく約2を示す。これは重付加反応が

統計的に行われたことを支持している。また、同一のオリゴマー組成を有する

N・WLPUおよびN+WLPUは同程度の分子量を示した。従って、両者の違いは

カプロラクトン連鎖の分布様式にある・N・WはPCLオリゴマーのM調。に相

応した連鎖分布を持つのに対し、N+Wは分子鎖レベルで局在化した連鎖分布

を持つと考えられる。

49

.~,

~ ~l ~:I

~'G,~

~ e~:

~ i~o

~5

h - ,~ oh e~~ ~o~'

S¥j ._ uD h~~ ,-,e~: ~I~~* ('o~ e~5 uDh ~e -~~LI e~; OJ)o ;:~~: O .~

-~l l ~,GQuDO

~I~ e~e('

~ ~S '~_~L-e~:

o~

o ~ ~ t(i

~ ~Q e~:

~I

~ ~

~Dp.

~1

~ ~

Q .-. ~~:~oo

~~ ~l

/~~ (~~ Ce

~~ ~l

~ ,~ ~~~oo

Q(:~j

~$~ ~. "< ~::~/

~ /-' o~O(J O E¥1 'J

~ ,~, eo~ E~o ~'

~~ ~~~

~

~

~~ ~ ' $::O '-I

~ X ~l

~~ ~:~~

~

f, c~$

$~

~

~~

~ ~ ~~

OO OO(¥I Vb~O

・*(~ o~r (¥lc~

~o~ ~~

~0~O '!)'r~

~r~r ~F ~F

(¥lc~ ~F ~F

(¥I~r (?10~ ,-1 ,-l

Crb ・~ .~ C~ ,~ *-l

Ot¥ (¥IOO '-' '-I

oo ~o ~r-~o~o

O,-' '~0 (¥1(¥l

~o~o ~t~

~0~0 ,r~,!)

~:r~r ~rl ~rl

c~cfl ~F ~rl

¥OC~ O~O ,-lC~

o~~r oo '~ '~

¥O ~O l ,~

(~~OO (~~cn I ~r~r '~ '~

~1~~.~+ ~~;

C'DQ)

C~

(Dh ~i ~lu:1 '~

>1'¥

-~ Oo C~0 ~~:~:

c~O ~~O C:~' cec~ ~'h c'DCd) ~::~' ~

.~ ~' ~ceO d S::~: .O_ O ce ~' ~'~' Ge c~ee ~S ~ '~'-!)_~

-o ' ~: >1c~O ce

~ OO O Q)cH_ ,-' h ~ :S - O ~ uD ~* ~* ~ ・~ ~)

o ce ~ ~ ~ ~ O >1 - ;~ ・_ >< O ~~ e:3 O~ ~~~' '-ll CJ) ~: ~ S~ ~ O ~~IO-_ ~ .~l Q)~c~~

(L)~$ ~+'~~I~ O ~: OCl~ ~ ce ~O~~lO :~,,*~;:~)

.- >1 ~~$~O c'D ~$ ~-.A~ ~: Q) * ~~~~:$~ ~) '~ ~ OC:: c'D ee ~ :$~~:~: ~ ~ ~~ ~ h .. c'D ~ O Oce~:)_ ~:

fr~ce~~~~~(~~

50

5.3 結果および考察

5.3.1 熱的特性

 Fig・5・1に一100Cでの等温結晶化時間を変化させたLPU(卸)の昇温時に

観察されるDSC挙動を示す。保持時問60分以下では融解熱(△丑m)が観測さ

れないことから、ここで観察される△丑醒は等温保持された条件で生成した結晶

量に対応していると考えられる。

Fig.5.2に一100cでの等温保持時間を変化させたときの△鑑ゐ変化を示す。

すべての試料においてアブラミ型の結晶化が観察される.また飽和に達すると

想定される△丑mはほぼ等しく、40mJ/mg程度である。この△丑mをPCLの結晶

融解熱15.9kJ/mo1から結晶化度を算出すると、30%程度の値となる。この値は、

天然ゴムにおいて報告2930されている27-31%に近い。オリゴマー一ブレンドに

よって得られたN・Wは混合オリゴマーのMw∠既から想定される可とWの中間

的な挙動を示す。一方、ポリマーブレンドであるN+WはWとほぼ伺一の挙動

を示した。カプロラクトン連鎖のマクロ的な分布が等しいにも関わらず、N・W

およびN+Wの両者の挙動は大きく異なる。このことはカプロラクトン長連鎖

の存在そのものだけではなく、分子内における長連鎖ユニヅトの連子の存在が

ポリウレタン全体の結晶性に対し大きな影響を与えることを示しており、臨界

核以上の巨視的結晶に育つ確率に対して重要な役割を担っていると思われる。

また、WLPUおよび冊の分子量およびM四、から、この連子は分子量数万程

度の大きさと推定される。

5.3.2 機械的特性

 エラストマーの一一般性状をTable5.1に示す。反発弾性が高く、破断強度、破

断伸びが大きいといった架橋天然ゴムの特徴に類似するバランスのとれた値を

示している。Fig.5.3にN・WおよびN+Wの応カーひずみ曲線を示す。いずれ

の試料も300%付近より応力の立ち上がりが認められ・明確な伸長結晶化挙動

51

εお層名畠

o   Tg

/ 0・

H:01dtime

    ’0

0 60min

11.7mJ/mg

 陶陶- 一 陶一回一一 剛

180mi血

25.1mJ/mg

  噌噌’一贈剛贈_.一噌300血n

29.OmJ/mg  ■■噂  ■■瞬  馴■■  陶  日噛”  駒  口■■ 』一 420min

一80    -60    -40    -20     0     20    40     60

               Tempera伽re(OC)

  Fig.5.1.DSC curves fbrLPU(N)af㌃erholding at-100C.

                      ノ

80

52

暴ε

胡ぐ

50

40

30

20

10

 0

Mwl   ofPCL o五gomer(面=1400)

   W:1.87

N・W:1.66                  W    N・W

   N:1.20             □                       ’                      刀

                    4’

             ’  [ゴ

N+w   瀞  ’∂                 ノ

                P

               グ              戸

            □4

           ’       一一{:了

N

 10                           100                          1000

                Holdtime(min)

Eig.5.2.Rela五〇nsbetween△Hmandhold亘meat-100CfbrLPUs.

53

30

25

20

~ ~ 15

~ ~ cl) 10

5

O

Strain rate

20 nm/min

- - - 500 mm/min

N+W

N・W

, d~.

l l fl fl ll ll ll l' ll /

ll ,l ,l ,l ・l

l '

l

O l OO 200 3 OO 400 Strain ( '/. )

500 600 700

Fig. 5.3. Stress-strain curves for CPUs.

54

が観察される。破断時の応力は補強充填剤を含まない純ゴム過酸化物架橋体と

しては高水準の値である20MPa以上を示した。応力の立ち上がりはポリマー

ブレンドのほうが早いが、破断時の強度はオリゴマーブレンドのほうが優れて

いた。これは、ポリマーブレンド系のほうが伸長結晶化においても結晶化速度

が大きいことを支持している。伸長速度を遅くすると応力の立ち上がりが早く

なり、破断強度も増大する傾向が認められる。これは結晶化速度が遅ければ延

伸過程において、ーより欠陥が少ない再配列が形成されるためと思われる。

 Fig.5.4に250%伸長時におけるwAxDプロファイルを示す。N・wはNと

Wの中間的な回折強度を示すが、N+WはWとほぼ等しい。この結果はFig.5.2

から想定される結晶化速度の傾向と一致する。また、このとき観察されるプロ

ファイルはPCLホモポリマーの回折プロファイルと一致することから、伸長に

より生球する結晶はイソシアネートに由来するウレタンセグメントの結晶では

なく、PCLオリゴユニットに由来する結晶である。

5.3.3 動的粘弾性

 Fig.5.5に比較的遅い昇温速度(10C/min)における貯蔵弾性率(E”)の温度

依存性を示す。ガラス転移の裾が一200Cにかけて観察されるが、このグラフ

に記している温度領域は架橋エラストマーにおけるゴム状弾性域であり、本来、

丑の温度依存性は少ない温度領域である。オリゴマーのM誕.が広い試料で

は、一100Cから400CにおいてE’の上昇が観察される。これは結晶生成の最

適温度領域である一100C前後31を通過する際に生成した結晶がミクロ相分離

構造をとり、物理的架橋点として作用したためと考えられる。E’の上昇する度

合いはW>N・W>Nとなり、DSCによる結晶化傾向の序列と一致した。Fig.5.2

の等温結晶化挙動から想定される結晶化時間より、短い時間で結晶化の影響が

観察されるる△1監として検出が困難な結晶生成の初期過程を検出する手農とし

て有効である.また結晶化プロセスの違いも挙げられる。試料をガラス転移点

55

.~1_,

Cl)~:

a) ~, ~i

r

li

tt.

t!

it

tf

l! I1 ,1

i 'it

l

~ ,ib~ .. ti V ', '$ l}

. a

W

N+W

L¥,

~/';~;'~';:Ls~i'~~~: ~!'~:!~~'~~!

' ~~e::~

~'~:~~ ' ~h'~~~~~~~~~" ~'l~

N・W

N

15

l O 20 25 30 2 e ( degree )

Fig. 5.4. We~D profiles of CPUs under 2500/0 elongation.

35

56

lo8

皇    7) 10ち

                                 W

             N+w    〆

                   69一ロ膨■曜■圃旧■周馳                  づ                も                 ロリ                ヤ                    づ         鮎幽贈田-二二一一一一一一聞繭鞠閣㍉』馳、、

                             ヤ  も                              、』ミ.』・

                N.w  堅

                            N

hea血9「ate:10C/min.

 610  -40        -20         0         20

                Temperature(oC)

    Fig.5.5.Temperature dependance ofE’fbrCPUs.

40

57

以下の温度から昇温過程を経て行う結晶化すなわち冷結晶化(c・1d

crystallization)は、融体から結晶化させる熱結晶化,(hot clystallization)より早

く結晶化することが知られている。この弾性率の上昇はcold hardeningと本質

的に同じであり、低温で長時間保管されると結晶化を起こし、エラストマ》と

して機能しなくなることを示している。

5.4 結 論

 オリゴマーブレンドでは統計的連鎖分布から予想される結晶性を示すのに対

し、ポリマーブレンドでは高結晶性を示す連鎖分布の広いオリゴマーから得う

れるポリウレタンの結晶化挙動に全体が支配された。また架橋エラストマーの

伸長結晶化挙動において、オリゴマーブレンド系に比較しポリマーブレンド系

では、応力の立ち上がりが早く観察され、DSCおよびWAXDによる結晶性の

序列と一致した。架橋ポリウレタンの結晶化挙動は前駆体である線状ポリウレ

タンの結晶性を反映しており、オリゴユニットの平均分散度だけでなくユニッ

ト連鎖の分散度に強く影響を受けることが明らかとなった。この結果は結晶性

を決定する制御因子は分子量数千のラクトン連鎖単体だけではなく、連鎖数の

大きいラクトン連鎖ユニットが数個連結した分子量数万のマルチユニット構造

が寄与していることを示唆している。

58

第6章 テトラヒドロフランオリゴユニットから得られる

   エラストマーの諸特性

6.1 序

 ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)はガラス転移点が低く、ゴ

ム弾性に富み、強度が高いためポリウレタンを始め、ポリエーテルエステル、

ポリエーテルアミドなどの高性能相分離型エラストマーのソフトセグメントと

して用いられるオリゴマーである。PTMG系エラストマーが高強度を示すのは

PTM(}が適度の結晶性を有するためであるが、結晶性の高いポリオールを用い

る分子設計では低温硬化現象(cold hardening)に留意する必要がある。末端

架橋型PTMGネットワークの結晶化32が研究されているように、エラストマー

のソフトセグメントとしてPTMGを用いる場合には適切な分子設計が必要であ

る。coldhardeningに対する有効な解決策として、異種モノマーとの共重合に

よる結晶性の抑制33などがあるが、これは締晶性ポリオールの特性を活かした

分子設計に限界があることを示している。PTMGは、開始剤であるジオール類

などの活性水素化合物にモノマーを付加させて得られるPCLと異なり方向性が

ないため、分子量分布を連鎖分布とみなすことができる。すなわち、ポリウレ

タンを形成した後のウレタン結合間における連鎖分布はオリゴマーの分子量分

布(M幽.)に対応すると考えられる。そこで、連鎖分布の規制されたPTMG

から得られるポリウレタンの結晶性と諸特性との関連についてPTMGの連鎖

分布がおよぼす影響を検討し、その結果について報告する。

6.2 実 験

6.2.1 原料および試薬

 オリゴマーには、保土谷化学工業(株〉より提供を受けた分子量分布の異な

59

るポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)を用いた。

6.2.2 線状ポリウレタンの合成

 PTMGの水酸基に対し、等モルのイソシアナート基に相当するMDIを反応

させ、PTMG-MDI線状ポリウレタン(PTM(}MDI based linear polyurethane l

TMLPU)を得た。詳細は第2章に述べた方法に準じて行った。

6.2.3 架橋エラストマーの合成

 TMLPUの100重量部に対し2重量部のジクミルパーオキサイドをオ・一プン

ロールにて練り込んだのち、1600C・に加温した金型で20分間プレス成形を行

い、架橋エラストマー(PTMG-MDIbasedcross-1inkedpolyurethane:TMCPU)を

得た(Scheme6.1)。サンプルの名称は平均連鎖数(n)一PTMG分子童分

布(M誕、)一架橋有無(線状:L/架橋体:C)の順に記した.

6.2.4 引張り試験

 (株)オリエンテツク製の万能試験機(テンシロンRTC-1225A)を用いて、

230C、引張り速度500mm/minで行うた。試験片は厚さ1mm、幅3mm、内径

30mmのリング片を用い、外径3mmのプーリーに取り付けた。

6.2.5 動的粘弾性測定

 (株)オリエンテツク製レオバイブロン(DDV-01FP)を用い・測定周波黎10

Hz、一400Cから400Cの範囲を昇温速度O.50C、10Cおよび2.50C/minで測定

した。

6、3 結果および考察

6.3.1 線状ポリウレタンの性質          、

 Fig、6.1にnが約20(平均分子量1422)のPTMGのDSC曲線を示す。降温

過程では結晶化による発熱ピークが、昇温過程では融解による吸熱ピークが観

察される。このとき観察される融解熱(△硯)とPTMGの結晶融解熱(12.6k}・

60

Scheme6、.Prepar3樋。n。fTMLPU細“TMCPむ

nQ

              H奪CH2CH2CH2CH2去・H

                    :PTMG

                          ・CNグ_、CHへ一“

                                    MDI

辛・C恥・職・暁・一繍《「〃・恥《旨〃1-9玉

    P脚mlb㏄ed1’n polyme血㎝e(皿珊                      ↓DCPc田e

剛σmlb㏄elcloss-1inkedpoly皿e血㎝e(TMCPU)

NCO

61

i…

2ぢ℃自

。80    閣60    _40    _20     0     20    40    ・60

               Temperature(OC)

Fig.6.1.DSCculvesfbr:PTMG(Mn=1422,MwズMn=1.48).

80

62

mor1)34から結晶化度を算出すると、約40%であった。Table6.1に用いたPTMG

および合成したTMLPUの性状を示す。PTMGではnが増大すると融点は若干

の上昇を示す。nが同じで連鎖分布が異なっても、△丑mには大きな違いは観察

されない。TMLPUではPTMGのnが減少するにしたがい、ガラス転移点は上

昇する。これは運動性を妨げるMDI由来のウレタンセグメントが増加するた

めと考えられる。nが同じでも、連鎖分布が増大するに従い、ガラス転移点は

若干低下する傾向が観察された。

 Fig.6.2にTMLPUおよびDPNRのDSCによる一200Cにおける等温結晶化後

の融解挙動を示す。等温保持時間が増大するに従い、△丑mが増大し、結晶化が

進行していることがわかる。両者ともに高温側に主ピークがあり、結晶化度の

増大によって主ピーク温度はほとんど変化しないのに対し、低温側のピークは

総融解熱の増加すなわち結晶化度の増大とともに高温側にシフトする様子が観

察される。一方、結晶化の進行にともなうガラス転移域の変化は大きく異なっ

ている。DPNRは結晶化がほぼ飽和していてもガラス転移域の変化が少ないの

に対し、TMLPUでは転移終了温度が不明瞭になり、高温側にシフトしている。

このことからDPNRは相分離的な結晶化挙動をとり、TM:LPUは相混合的な結

晶化挙動をとるものと考えられる。

 Fig.6.3に△丑mと結晶化温度の関係を示す。TM:LPUの最適結晶化温度は約一

25℃に観測され、DPNRとほぽ同様の傾向を示した。この最適結晶化温度は今

回の範囲内では平均連鎖長およびM四.にはあまり依存しない。一方、nが20

から17に減少しただけで、結晶性は大幅に低下している様子が観察される。

それぞれの原料として用いたPTMGの融点および△πmの差からは予測し難い

現象である。

 覧ig.6.4にTMLPUの△篤と保持時間とg関係を示す。nが増大すると結晶

化速度は増加する。またnがほぼ同じ場合、連鎖分布が狭いほど結晶化速度は

63

;D ~~

~ ~ ~I

15 Se~:

O ~ Eri

e~ ~e

.*,~*-

oO~

~ ~: ~;

~ ~:~l

~

I~p.

~ H

c)

~ p*

O-O_eJ)

O~ (J)~ ~ ~

~ e '~' eO~ E~I~J

o ~'

¥:~

~

~ ~r~

oc: b I~

~ X ~'

~ ,~, ~ eo ~$~ ~ :¥ ~:h;

~ ~ '~

~ -~~ E~~ ~o

,::

¥:~~

~

f, ~ c:

'~ ,:t $::

~

~~

~ ~ ~~

,fbO Q~O~~0 C~C~ ・~・~O

O~~O~(¥l ~*-tC~Cfbt¥ 'f~¥OI ~OI ~OI ~Ol

t¥~o~ro~,-' o~OOooo~o -~ *-t .~ .~ (~

C~Cn '~C~Lr) (~~C~ Cfb~r¥O

~oQqoot~~ ・*ooo~~r ~~~~ot~

~~cr¥~ra¥ -(¥1(¥1(~cn (~(¥Ic~(~c~l

cf)oo~:rcrbCr~ 'f)~tO~cnLr) ・~ ・~ ,-( (¥1 ・~

ooLr)~r)~OOO ¥OC~a~OLc~l ・~・~,~,~(¥I

o(~1~0c~Io c~(~q(~~c~~o c~I~r~r~t~o *~'~,-1*-,・~

If)'fDe~efb¥e

tL~)~)eeO FIC~(~I(~C~

~ Q)~F; ~'>~ '~~

c')__ ~~~ Ooo ~'~ ~:$(:H

~O ~$(D S:~~ c~ce ~; ~' C'DCJ) ~l ~::~: ~'~ '~~~

~c:3 ~i ~:~:: O Oce ~: '~"*~** ~~~ ~~

~* *~ e) ee ee ~: ~:

~ y O ~S~I~0.,_,,*~ +' ~::

>1e~ c:;oo O O ~O:$~~O,~O I l~ ~::

~. .^ ~ ce ~ ・""・*i r~

O > - -. ,~~ O ceo ~~ eoJD O ~ ~~ .~:: (D O

~ ~'~'~ce~~' ~~ ~ ~$0~~:~ ~~^_* O -_ '~'

y H Q) OcH~(:~~ ~:

d::~*O~LI~ ce

~ ~eic/) i~ ~0~ ~C:I .~) ~~~ ~~~>10!$ c~ :1 ~' ~) '~~ ~$ ~~~~~;c~:$~}ee ~; O '-

ycH-~~eO ~ :$0:$ :$ce~ uD O ~:Q)~~~~te:S ce>:a) ~)<:n~:~~~c:$

f~ce~'~'O~~)O

64

髭ii…

09信q自q.自●自●目’召●自●轟

 いo》㌦oo℃一n寸℃くハも調

日述F一輔●

oN

oo一

oい

oqqq自ε●塁●目●自●自●o

 Oooo℃σ、c団◎oo一吋   一 一 ぐ∩o

髪∩

 9 0 ) oo一 暮 、お 身 昌o℃

o・〇一l

oo一

oい

 ( Q o ) ⑪o』i 壽 お 費 昌

oい1

oo一書

65

y8置お

oε●ご

℃ぱo調の⇒

o ぱ

時>

も沼,

ヒiii

Qの∩

 

N 

鴇 

6の ロく

30

25

~ 20 eJ)

~ ~h ~

~ ~ 15 <1

10

5

~~ DPN~ (1 80min)

H} 20-1 .5 -L (60min)

~ 17-1.5 -L (180min)

O -40 -3 5 -3 O -25 -20

Hold temperature ( oC)

-15 -lO -5

Fig. 6.3. Relations between A Hin and hold temperature for IMLPU

at a constant tune.

66

~ _~~

~

~ ~ <l

40

35

30

25

20

15

lO

5

O

23-1'6

~ 20-2,3 !

~

d l

l .[:i

.

l

~[]

20- I . 9

DPNR

20- I . 5

/ ~]

l

r I

[]

l

l

l

17-1'5

J]

lO 100 1000 Hold time ( min )

Fig. 6.4. kelations between A Hm and hold time at -20"C for TMLPU.

67

遅くなることが明らかとなった。DPNRと同様の結晶化挙動がnと連鎖分布と

を調整することにより、容易に得られることを示唆している。

6.3.2 架橋ポリウレタンの性質

1)機械的特性

 Fig。6.5にTMCPUの応カーひずみ曲線を示す。伸長率300%以下の低伸長領

域では架橋DPNRに比べ1.5-2倍の応力を示した・これは分子問凝集力の違

いと考えられる。伸び率400%以上ではDPNRと同等の応力の立ち上がりが観

察され、良好な伸長結晶性を示した。破断時の応力および伸びも・DPNRとほぼ

同等であった。                     1

2)X線回折

 Fig.6.6に20-1.5-C系試料について伸長率とWAXDプロファイルとの関係

を示す。伸長率306%までは非晶性を示すハローのみしか観察されないが、400%

以上では明確な回折を示すようになることから応力の立ち上がりは伸長結晶に

起因するものと考えられる。また、このプロファイルはPTMGホモポリマー結

晶のプロファイルとほぼ一致することから、、伸長により生成する結晶はPTMG

の結晶であると考えられる。

3)動的粘弾性

 Fig.6.7にnが約20で連鎖分布が異なるTMCPUにおいて、昇温速度を変化

させたときの貯蔵弾性率(Eうの温度依存性を示す。ガラス転移の裾が一300C

にかけて観察されるが、このグラフに記している温度領域は架橋エラストマー

におけるゴム状弾性域であり、本来、温度依存性は狭い温度領域にある。連鎖

分布の広いサンプルでは昇温速度が低下するに従い、一200Cから100Cにおけ

るE’の上昇が顕著に観察される。これは結晶生成の最適温度領域である一250C

前後を通過する時に生成した結晶が、弾性率を増大させるためと考えられる。

この現象はcold hardeningと本質的に同じ現象であり、低温で保管されると結

68

12

10

8

皇)  6

鴇①おの

4

2

一DPNR-C圏-一一田20-1.5-C

■圏■圏-20-1.9-C

■一一圏ロ17-1.5-C

                プ            ・’一一

   一r43詑  チコロ

∠’

      ’

      i置

     1躍

     聾     ’躍

     一量    ,8

    ”    ,’

    一’

   ノ’

   8’  /』

  の

/,

 ’ ””

0 0     100    200    300    400    500

              Strain(%)

  F養g.6.5.Stress-strain c㎜es ofTM:CPU.

600 700

69

掛●お

q8β

20-1.5-C

            ’            ず            藩            ネ            リ            ぐ

   、、ノ癬-

           躍

           .〆

          癬

、’

 かひ

㌔》5ロ                や

麹、

象蟻

 導

   . 響

慧墜

 触㌦竜

■      昌

   9

 0●  ●

   o

    ●

、。

elongation

   450%

400%

350%

300%

20Q%

PTMG10        15      、 20        25        30

                2θ (degree)

Fig.6.6.WAXDpro五1esfbrTMCPUatvahouselonga亘on.

35

70

1 08

~ ~ - 107 ~

lO 6

,

0.5 oC/nun

/-'¥

ll 11 II -I l

20- I . 9-C

20- I . 5-C

v ~b

d'2

1 . O OC/min

lll 111

ll N- !Ib

2.5 oC/min

¥

-40 -3 O -20 1 O 20 -lO O Temperature ( oC )

Fig. 6.7. Crystallization behavior of TMCPU from E' at

various heating rate.

30 40

71

晶化を起こしエラストマーとして、機能しなくなること。を示している。cold

hardeningに対する確認試験は定温で行われるケースが多いが、前述のように結

晶化には最適な温度領域が存在するため、温度を走査する動的測定法は評価方

法として有効である。

4)応力緩和

 天然ゴムにおける研究では、定伸長下において結晶化に起因する応力緩和が

起こること23、配向状態の結晶化が、引き続いて起こると試験片の長さが自発

的に伸長することが報告されている24。Fig.6.8に50%伸長させた20-1.5-Cに

おける応力緩和挙動の温度依存性を示す。一200Cから一250C付近に、もっと

も応力緩和が進行する温度域が存在する。この温度より低くても高くても応力

緩和は緩慢となり、この傾向はFig.6.3におけるDSCによるTMLPUの結晶化

特性とほぼ一致している。これより低温における応力の緩和は高温で一般的に

観察される化学緩和ではなく、結晶化によるエントロピー弾性の消失であるこ

とが明らかである。Fig.6.9にnがほぼ等しく、連鎖分布の異なるPTMGから

得られたTMCPUの応力緩和挙動を示す。連鎖分布の狭いオリゴマ・一から得ら

れたエラストマーは長時間にわたって応力を保持しているのに対し、連鎖分布

の広い系では速やかに応力は緩和した。

6.4 結 論

 TMCPUの結晶性はTM:LPUの結晶性と対応しており、PTMGのnと連鎖分

布とで制御できると考えられる。nを低下させると結晶性は低下することから、

連鎖分布の影響は高分子量成分の結晶性にあると考えられる。すなわち、ソフ

トセグメントとなる架橋点間を構成する分子の中で、結晶性を有する最大のモ

ノマー連鎖を一定の長さ以下に規制することによりエラストマー全体の結晶性

を抑制できることを示唆している。この最長連鎖を規制されたエラストマーは、

72

l OO

80

f~ ~~OO 60

~j '~ o ¥J CH ¥, '~, ~' 40 ,~' c~'

20

O

90C

-200C

-130C

_3 50C

_250C

_40C

O 50

Time 100

( min )

150 200

Fig. 6.8. Stress relaxation behaior of 500/0 extended TMCPU(20-1.5-C)

at vanous temperature. _

73

'A* ~:~oo

~l l~ O ~l C4H

,~ ,J CH

20-2.3-C

20- I . 5-C

20- I . 9-C

O

Fig. 6.9.

60 1 OO 20 40 80 Time ( min )

Stress relaxatlon behavror of 50'/, extended TMCPU at -20'C.

74

通常の負荷環境ではアモルファスなエントロピー弾性体として振る舞い、破断

にいたる過度な変形下では伸長結晶性を示すことにより自己補強体として作用

する性質を付与できるものと考えられる・

PTMGをMDIで重付加させたポリウレタンは天然ゴムに近い結晶化挙動を

とり、架橋エラストマーは架橋天然ゴムと同等の伸長結晶性を示した。連鎖分

布を狭くしnを調整することにより、ソフトセグメントを構成する弾性高分子

鎖の結晶性を高度に制御することが可能となり、伸長結晶性と弛緩時の非晶安

定性とのバランスを両立させることが可能となった。連鎖分布を規制したオリ

ゴマーはポリウレタンの可能性を広げる手段として極めて有効であると考えら

れる。

75

第7章 単分散のポリオキシテトラメチレングリコールから得られる

    セグメント化ポリウレタンウレアの諸特性

7、1 序

 ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)はガラス転移点が低く、ゴ

ム弾性に富み、強度が高いため、ポリウレタンを始め、ポリエーテルエステル

およびポリエーテルアミドなどの高性能マルチブロック型エラストマーのソフ

トセグメントとして、一般的に用いられるオリゴマーである。マルチブロツク

型エラストマーの構造と物性との関係において、組成比以外にもセグメント分

布は重要とされるパラメーターである。ハードセグメントの鎖長および分布が

与える影響に関しては、別途に合成、そして精製されたハードセグメントをポ

リウレタンに組み込む試みがMac㎞igt3飢36,Macosko37,Funlkawa38らによって

なされている.また、Musselman39らはPTNG-MDI一芳香族ジアミン系ポリウ

レタンウレアにおけるハードセグメントのドメイン構造について、遊離TDIが

もたらすハードセグメント分布の影響について報告している。一方、ソフトセ

グメント分布においては、M四.<1.1の単分散に近いPTMGを用いたエラス

トマーに関する報告例は非常に少ない。これは、エラストマーを合成するまで

の経路が複雑なためと、力学物性を評価するためのサンプル量の確保が困難な

為であろう。PTMGはTHFのカチオン開環重合により得られ、適切なリ・ビング

系を選択することにより、分子量分布(M誕、)の狭いものを得ることができ

る。しかしながら、ポリウレタンなどに用いられるPTMGは重合度にして10-40

と小さいものであり、開始反応と生長反応とを厳密に規制することは困難な領

域とされている。また、次ステップのため、分子末端は確実に水酸基に置換さ

れていなければならず、生長種の安定性にも微妙な制約が加わる。公開されて

いる特許の実施例4卿からみても、オリゴマー領域におけるM誕、は1.3程度

76

であり、直接合成による困難さが想像できる。そこで、市販の末端水酸基を含

有するPTMGを分子量分別することにより、砿四.<1.1を得ることを試みるこ

ととし、分別手法としてSc㎞1idtら42が報告したPTMG一尿素アダクトを経由

する方法を用いた。著者らはすでにハードセグメントを含まないエラストマー

においてTHFオリゴユニットのnおよび連鎖分布によって結晶性が制御でき

ることを報告している26。ここではさらにM團、の狭い(M幽、<1.1)のPTMG

を調製し、ソフトセグメント原料としての特性評価およびそれらから得られる

ポリウレタンウレアについてセグメント分布の影響を主体に検討し、その結果

について報告する。

7.2 実 験

7.2.1 試 薬

 分別に用いたPTMGは保土谷化学工業(株)製のPTGIOOOSNを市販品のま

ま使用した。メタノールは関東化学(株)製の特級試薬を、尿素は住友化学(株)

製、2,6一トリレンジイソシアナ・一ト(TDI)は三井化学(株)製のT-100を・

メチレンビスアニリン(MOCA)はイハラケミカル(株)製を市販品のまま用

いた。比較的M罵、が広いPTMG(M画、≒2)として、Dupon隻社製Terathane2000

を用いた。

7.2.2 分子量分布の狭いPTMGの調製

 PTMG.尿素アダクツをメタノール溶液中から再結晶させることにより、分別

を行った。尿素の添加量を調整することにより、分子量の高いフラクションか

ら析出させた(Scheme7.1)。分別されたアダクツは水一n一ヘキサン1シクロ

ヘキサンによりPTMGを抽出し、水分がO.05%以下になるまで、800Cアルゴ

ン雰囲気で減圧乾燥を行った。

77

::

~ C~:

Se

~5 cJ)C::

~ OO .S*

~ (, ~:

~I ~I c~e

Se

~S ~ e~:

~~O

~ ~ ~ ~

~ ~~

~S oo~t

Oo~

~;

,~, ~o

o o o .~ 'J ~;cl)O,fb ll

~~~~ '~' O-O ll

~~~: bO O O pH

r~ lr)

,~

'~* ~O

O O O ~~ c:$

~

l~ f~ 'fb

OO O~ r~ 'v'

O (~~

rl S~ (If' O ~O '~~'~ C"

~~ , N "~ "~O 1-~,_d 0'2 C~ ~; )~IY'~1

~ ._,>,~

_1 hO C~ HH ~(L) ~

:~ O '-1

~ O '~ (J

~J .-1~ O c:l 5$ ~) rC (D r~: ~)

~ C~

(L) O h' C') Fl c; ~ . hl c~l a:)

e~ ¥~Jh'

o o¥ C' ~: O~ ~::

(J

l~ ~O

O O O '-,

'~ c:$

h,cD

~ F$ '-,

O aQ

F$ .-t

O CQ

'~ ~O

O O O '-, .~'

~ hF$

. F; '-,

O OQ

o ~Lrb . '~ -~1 (~ ** Il' ll b; ~:~P: 8

<~ '-,

*~ Oo~~:~

O O cn c¥I (;~.

ll ~; ll

~:~P:~

OO

O '-, O(¥1 Il >:<00

~

(¥' (¥]

~~:~ o(~ ~ill Lr)

' c~ ~: ~r -oq)J

~

*F$

~:: ~0:;~ O ~ c~O ~:;-e* Q)*~: ~:O ~~ ~(' ~ ~ c~:~ ~~::

1~~ :D~ ~ '~ O-c~ >

~ ~ ~ e*

$:1

o .'1 ~-o ~ ~i (D

O ~ e~

~ ~~a:)

te Sl

O '~~ Oc~

~~

~ ~' ,~

s:

O 1~!~ i~~:$

,~ ~ ~ CH O c':ce

~ ~ i* $::

,O Oc'i p~o O~ >1~ _~1 ~~ ~$Q~b f' ~-ee~~ ~ ,~ ~' ~;~ F~l~$ " S: s:

~ :~ca

78

7.2.3 プレポリマーの合成

 PTMGの水酸基に対し6倍モルのTDIをアルゴン雰囲気、60・Cで3『時間反

応させた。さらに、過剰の未反応TDIをO.1mmHgおよび1500Cの条件下で除

去した。比較のため、水酸基に対し2倍モルのTDIをアルゴン雰囲気、600C

で3時間反応させたものをそのまま使用した(Scheme7.2)。

7忽4 ポリウレタンウレアエラストマーの合成

 800Cに温調したプレポリマーに、1200Cで溶融させたMOCAをNCO!NH2

比で1.05相当量添加、混合したのち、1200Cの金型に注入し、30分問硬化さ

せた。さらに、1000Cにて24時間追加熱を行ったのち、室温にて、1週問放置

したものを試験サンプルとして用いた。

7.2.5 G P C測定

 プレポリマーは、過剰のメタノール中でイソシアネートを反応させたのち、

メタノールを除去した試料で測定を行った

7.2。6 DSC測定

 2.2.4の装置を用い、測定は室温(約230C)から1000Cまで昇温させたの

ち、一1000Cまで温度を下げ、次いでポリオールは1000Cまで硬化物は2300C

まで昇温させた。71は1度目の降温時、るおよび鑑は2度目の昇温時の際に決

定した。

7.2.7 引っ張り試験

 6.2.4の装置を用い、測定条件は、室温(約230C〉にて引っ張り速度100

mm/minで行った。

7.2.8 動的粘弾性測定

 6.2.5の装置を用い、:測定周波数10Hz、一1000Cから2200Cの範囲を昇温速

度30C/minで測定した。

79

廿

9目響の唱慕国

目』

ε●目

旨⇔の

.目

さ国

お目ε鴇園帽

Po唱“

躍畑o』冨

hぢ角触o唱

o響尉』“

畠o』山

 

N 

o窪省お

米qぎf儀ぎ

fo)o=

ハoΣ鼠)ぱ

8卦⇔D

 0 2

,ゆ

oo o =“…ii

 o =Oo薯ゆ

 憂 8

沢 q ぎ 丑 黛 ぎ f o〉 o o o ≡

,ゆ

o傷 =

 お 9(卦

儀.9悪 乞←

触←⊃eqoo.田

霧章縄自費

o ㌧◎

qo  』

一  〇言奎do℃ II

蟹日桐  )←∂dOo量ヨーo輌o≧・o←

o自響

 fOo℃ ≡ 8

ぺ q ぎ f

 =  コ= z  O§々身 =  工:

  l  o  o  o  ≡

ゆ 工:o

 oの Oコ= 菱

℃ f o

尋略・身、

o  “  Oo

   お   9   卦o   o傷

o  Q輔

旨    oρ輔 一l h  o儀’8 』陽→一レ   ロ →一⊃ご    ¢自  寸 q鴛ゴ導一  〇 一H  娼 oOH  OE_4

QOちQ,  一乞寸軸艦孚触㎡o悪oOo  目qo  oo鵡  函唱包改  鰻誉

QOΣε

’馨

お目卦o儀o狛q℃oお

.日

……

OQ乞も

い〇一”

d男お星

・葦◎

 ≡ 8 ?

e8器で

09亭oq  ・邸

εo

溺→塁ヂ鐸→§→墓

80

7.3 結果およぴ考察

7.3.1 分子量分布の狭いPTMGの調製

 PTMGのGPC溶出曲線をFig.7,1.に示す・必要に応じて分別操作を繰り返す

ことにより、目的とする分子量で、M幽、が狭いPTMGを得ることができる。

 PTM(}一尿素アダクツを経由する分別精製法は、Sc㎞idtらの方法を参考に

した。この方法は、アダクツのメタノールに対する溶解度の差を利用したもの

で、500Cから室温にかけての数ポイントで、厳密に定温結晶化を行い、生成し

たアダクツ結晶を濾別するものである。この方法では、すべての操作を厳密に

温度管理された状況下で行う必要があるため、大量の試料を調整するには専用

の装置を必要とする。今回用いた方法は、温度を一定とし、PTMG一尿素一メ

タノール溶液中における尿素の過飽和度を調整することにより、高分子量PTMG

アダクツから順に析出させるものである。試料の調整は、空調管理されている

実験室の設定温度240Cでおこなったが、恒温であれば任意の温度で設定でき

る。分子量分布に関する予備実験では、M調、が1.03のPTMGが得られてい

る。原料として用いる粗PTMGの分子量分布と溶質濃度および尿素の過飽和度

により、任意の分子量を有する単分散PTMGを大量に効率よく調製することが

可能となった。

7.3.2 プレポリマーの性質

 ポリウレタン工業におけるプレポリマーとは、一般的に末端にイソシアナー

ト基を有するオリゴマーを意味し、水酸基末端オリゴマーに対し2倍モル

(NCO/OH)程度のポリイソシアナートを反応させたものである。TDIの両末

端にTDIを付加させたプレポリマーはアジプレンあるいはハイプレンなどの商

標名で工業的に用いられている。PTMGに対し2倍モルのTDIを反応させると

プレポリマーとなるが、2級のNCOも付加反応に関与するため、もとのPTMG

81

27- I . I -R

MWfMh = 1.13

28-2. O-C

MwfMh = 1.91

MwfMh = 1.08

Mh = 1990

-~8 8-~~ .. . . . . . . 8 % 8j ・・.

~

8 ~ 8 8

S

t ~ l

-~, t f 8

l 8 8 8 , t 8 t 8 , l 8 l ,

S t

Pre polymer

MwfMh = 1.99

Mh = 2030

PTMG

Fig. 7.1.

ZZ Z4 Z8 30 1 8 ZO Z6 Elution time (min)

GPC chromatograms of prepolymers and their respective PTMGS.

/

82

の分布を損なわずに、両末端だけにイソシアナートを付加させることはかなり

          コパ し困難である36。すなわち、TDIによってTDIが連結された鎖長延長体および未

反応のTDIが混在したプレポリマーとなることが知られている。そのため、大

過剰(6倍モル)のTDI存在下で、プレポリマー化反応を行ったのち、未反応

のTDIを除去する方法によって、もとのPTMGの両末端だけにTDIの付加し

たプレポリマーの合成を試みた。Table7.1に得られたプレポリマーの性状を示

す。

 プレポリマーのGPC溶出曲線(Fig.7.1)より、若干、高分子両側に鎖長延

長成分が認められるものの、ほぼ前駆体であるPTMGの分布曲線をトレースし

ており、両末端にTDIが付加したプレポリマーが生成していると考えられる。

7.3.3 ポリウレタンウレアエラストマーの性質

 Table7.1に一般物性を示す。ほぼ等しいイソシアナート濃度の27-1.1-RM、

28-2.O-RMおよび28-2.O-CMを比較すると、硬度が大きく異なる。組成上

のハードセグメント濃度が等しいにも関わらず、これほどの差異が生じるのは

ハードドメインのモルフォロジーが大きく異なるためであると思われる。

 Fig.7.2に応カーひずみ曲線を示す。プレポリマ・一中に遊離のイソシアナート

が多量に存在する,28-2.O-CMは低伸長率において最もモジュラスが高く、ハ

ードセグメントの分布が最も均一になると想定される27-1.1-RMは最もモジ

ュラスが低く観察される。しかしながら、破断直前の応力の立ち上がりは27-

1.1-RMが最も著しく観察され、典型的な伸長結晶化挙動を示す。これは、ハ

ードセグメントの凝集状態がソフトセグメントに影響をおよぼしていることを

示唆している。28-2.O-CMはハードドメインの補強効果が強く発現し、27-

1.1-RMはソフトセグメントの伸長結晶性が強く発現したためと考えられる。

Fig73に動的粘弾1生の測定結果を示す・27-1.1-RMは最も室温付近の貯蔵

弾性率が低く、応カーひずみ測定の結果を支持している。高温側の見かけの軟化

83

~ ~

o ~Q c~:

-~~ ~ s e~:

~ ~ >~

-e ~o ~ ~fD

~ ~ ~ e~ c~ e GQO

~s

~ ~ O~

e~

~ ~:

o -~ e~:

H

~O

~ O ~J co ce

~ ~~

~O

~ ~ ~ O ~ ~ F~I

o ~

~::~ I~

~ E~ O 'J

~;~ -~~ E~~J

(~~o ~, ~)

~~ o,~

~ 1~ ~~~OO

~~¥J

'1' Ce E~I._.~

~ f~ "<: ~::~'

~ ~ ~4

n Hf' ~~OO

a)¥J Q)

~ q!

O'~ ~)~~oo

~'J

~ ~

l~ ,:$

C::

~

~:

~ ~ ~~

,-l

~O ,-l

O~O t¥O~ ,-1 ,-l

l C~OO Lr)tfb

Q~

O ¥OI

o ~o ~r

(~ (~

OO ~o

C~ ,-I

r~

~ o O

c~ ~o c~

OO

O

a¥ oo a~

O t~ ~OI

Lr~

,-l

oo o~・~ ~r,fb

OO

~ c~ ~ ~r ~i

(~1・~

~OO

O O~ *-l

OO

o o

oo ,r~

c~

~ (~

¥O

~ (¥l

,-I O¥L

,-l

IFI 1-I

1-l

OO 'f)

c~

cn

O (¥I

~o c~o

(~

;~ ~~ l ~II) ~Ie.e. ~:(~~1(~ll

tLOOOO (~C~C~I

a5 C:o

~'~c'Q>~

~ ~ O ~ ~)~

c~ ~:$

$:::

ce ~' ~ ~Cl) ~' '~ pl

~ ~ ~ ~ L~'-ee ~SO

:~ S ce '~ ~ o o <H ~' O 0~1~:5 c'Dce ~ '~c'D q) ~*$::

ce~:O JD1~ ~ OceCO ~::~'~:q)A ~・~q!i~~aQ~~

eeOO (L)COc'DC¥l ~~ ~cH ~ Cl:)~ O >1~q ~i ~ ~/~O'S ce

~> ~~j ~O~~~ '- ce ~ CH C:F~ ~~: O

O~Q)~:: ~'~)~: ce ~~ee ~: H Q)'~ I /~:~: eO O ' C: ~:) aQ~:o~ O

~HG') ~ .~~'*ee f~C:1 ~l

10 >~C') ~: ~ ~;~

'~' O~$ ~*Q)pl ~hQ) ~~ ~ ~ ~'- !) ~)OF!c:O~; :lh ~ce:$~*~: >~' (D '-_ 6~$ ~ ~~ ~h ~o~~ O '~ Q) ~~~:ee ~O ~'>1~~ ^ ~:~ _ O ~~; ・*C~~:i~ ~:h~ee

~'~Q)h c:!~~'Q) ~ceC::o~ c~y ~:~ ~3

~$ ~~ed) ~~c'DaDce~:: J~: O~ ~ '~ O:5~:$~q!i~~O

~~~~ O ~)HHOCl) '~'ce ~O~

84

50

40

~ ce 30 ~

~ ~ c':) 20

10

lll

27-1 . l-RM

2 8-2 . O-CM

l l' 1'11'

l-IIII

l

,

l

l

lo o

loO

~~

db

~ Q,

o~;

l ,

28-2.0-RM

Oo

Fig. 7.2.

lOO 200 300 500 400

Strain ( Olo )

Stress-strain curves of polyurethane urea elastomers.

600

85 f J

.A¥ C~

~ ~l ~r~

lOro

1 09

l 08

1 07

1 06

1 05

10 4

~ ,・.~ ~I ~I ~I .t ~I ~I .l

~

'l

31 :l .l ・l

'l 'l 'l 'l

~ t '~~'.

V

OOOOO

ll lllll

2 8 -2. O-CM

28-2.0-RM 27- I . I -RM:

~) fo~L

llbcb

~~)o

lc~ l ( '~

l'l l"I'l - " " 'II I ll- I 111 ', l

l

llb "b I o 'b lblo Il ~ t

~d:~ ' o oGo'b 11 o qbll' Ilo l ~~b r loo .t 'I

c!b I Ip 'Ib'l

~b ・ ~ o lltl .ll

69 cp Q~~ cs)I 0~:~Qb f ~~b 6p qb~) ooo o ocp

q)oo oebc90o

*o o

lOO

10

l

O. l

eo ~:d3

~'

0.01

-150 -100 - O 50 100 50

Temperature ( 'C )

150 200

Fig. 7.3. Temperature vs storage modulus (EO and tan 6

for polyurethane urea elastomers.

250 0.001

86

温度は、ハードセグメントの凝集が期待できる’28-2.O-CMが最も高く、低分

子プレポリマーから形成されるハ・一ドセグメントを多量に含む28-2.0-RMが

中問に位置し、ハードセグメントがソフトセグメントにより隔てられる27-1.1

-RMでは最も低く観察される。セグメント分布が狭くなるにしたがい、ガラ

ス翰移域は上昇していることから、相混合の挙動を示していると考えられる。

しかしながら、軟化温度までのプラトー域は明瞭に存在していることから、物

理的架橋点としてのハードセグメント相分離が、よりミクロ化したためと考え

られる。また低温側では、分子量分布の広いPTMGを用いた系ではo OC前後

に不連続なショルダーが観察される。             ・

 Fig.7.4にDSC曲線を示す。M幽、の広い試料ではo OC付近に融解ピークが

観察される。この融解ピークはソフトセグメン.トであるPTMGによるものであ

るが、連鎖分布の狭い2H.1-RMではほとんど観察されない。この事実は、粘

弾性におけるショルダーがソフトセグメントの結晶化に基づくことを支持して

いる。このショルダーはcold hardeningと密接に関係し、実用上、この温度以

下ではエラストマーとして安定に使用できないことを示唆している。一方、

M誕、の狭い27-1.1-RMでは非晶状態を保っており低温まで使用できると考

えられる。

 Fig.7.5に27-1.1-RMの伸長率とWAXDプロファイルとの関係を示す。伸

長率200%までは非晶性を示すハローのみしか観察されないが、300%以上で

は明確な回折を示すようになることから、応力の立ち上がりは伸長結晶に起因

するものと考えられる。また、このプロファイルはPTMGホモポリマー結晶の

プロファイルとほぼ一致することから、伸長により生成する結晶はPTMGの結

晶であると考えられる。

 結晶性のオリゴマーを用いたポリウレタンエラストマーの結晶性は、ハード

セグメントの鎖長を延ばすことによって緩和ざれることが、多くの研究者によ

87

~ ~:~:+*O

~, ~:

~ 28-2. O-CM

28-2.0-RM

27- I . 1-RM:

-lOO

Fig. 7.4.

-50 O 50 150 1 OO

Temperature ( oC )

DSC curves of polyurethane urea elastomers.

200

88

~l "~C')

~: (D ~' ~~:

el ongati on

400010

300010

2. OOOlo

l OOOlo

Oolo

PTMG

10 15 20

2e

25

( degree )

30 35

Fig. 7.5. WAXD profiles of polyurethane urea (27-1. I -RM)

at different elongation rate.

89

って報告されている。これは、自発的結晶性を低減させるためには一定量以上

のハードセグメントが必要であることを意味し、硬度あるいはモジュラスの上

昇につながる。天然ゴムのような、柔らかくゴム弾性に富むエラストマーであ

りながら、速やかな伸長結晶性を示すことによって強度を増大させる性質およ

び通常のストレス環境下では自発的結晶化を起こしがたい性質を兼ね備えるこ

とは困難であった。セグメント分布を規制したエラストマーは架橋天然ゴムの

ような性質を有する合成エラストマーの分子設計において有用であることを示

唆している。

7.4 結 論

 セグメント分布の極めて狭いポリウレタンウレアは従来の分布を有するエラ

ストマーとかなり異なった挙動を示すことが明らかとなった。PTMGのM羅、

を狭くすることにより、ガラス転移点の上昇部よび破断強鹿の低下が観察され

た。また、低温時の結晶化は観察されにくくなり、自発的結晶化を起こさず、

伸長結晶性を有するエラストマーを与えることが明らかとなった。ハードセグ

メントの分布を狭くすることにより、軟化点の低下、ガラス転移点の上昇およ

び破断強度の低下が観察された。以上のことから、相分離構造のミクロ化が進

行し、相混合状態に類似したモルフォロジーを与えると考えられる。さらにハ

ードセグメントの組成比が増大した場合は、相分離状態を形成することができ

ることが示唆された.天然ゴムのような柔らかくゴム弾性に富むエラストマー

でありながら、速やかな伸長結晶性を示すことによって強度を増大させる性質

および通常のストレス環境下では自発的結晶化を起こしがたい性質を兼ね備え

たエラストマーの分子設計の指針を示した。・とくに、ソフトセグメントを単分

散化させることが効果的であった。

90

第8章 総 括

 本研究は伸長結晶性を有する新規なポリウレタンゴムの分子設計について検

討したものである。末端水酸基を有する結晶性オ旦ゴマ}をジイソシアネート

で連結することにより得られるポリウレタンにおいて、オリゴマーを構成する

モノマーユニットの連鎖分布および平均連鎖数(n)を制御することにより、

高分子鎖全体の結晶性を制御することが可能であることを実証した。また、こ

のようにして得られる弾性高分子鎖を化学的もしくは物理的に架橋することに

より、伸長時には高結晶性を示し、機械的強度に優れたエラストマーとなるこ

とが明らかとなった。

 第1章では、エラストマーにおける伸長結晶性について概略を述べ、本研究

の目的を明確にした。

 第2章では、ポリε一カプロラクトン(PCL)をモデル化合物とし、連鎖の

両末端を比較的嵩高い分子(MDI)で連結することにより、高結晶性のオリゴ

ユニットから構成される規則的な線状高分子を合成した。この線状高分子は合

成ゴムの様態を示すものであり、オリゴユニットを構成するカプロラクトンモ

ノマーのnおよび連鎖分布(多分散度)を制御することにより、極めて正確

に分子全体の結晶性(結晶化速度)を制御できることを明らかにした。観察さ

れる結晶はウレタンユニットによるものではなく、PCLに由来することを明

らかにした。また、結晶性ゴムのモデル材質として脱タンパク天然ゴム

(DPNR)を用い、従来デラトメトリーに依存していた長時間を要する結晶化

挙動を」DSCを用いて等温結晶化後の融解挙動を測定することにより、詳細

に解明できることを明らかにした。

 第3章では、結晶性におよぼすPCLオリゴマーの開始剤の影響について検

討した。ポリウレタンエラストマーの原料として用いられるPCLは、分子量

91

にして1000-2000が一般的に用いられている1開始剤を対称中心としたモデ

ル化合物を考えると、nは数個ξなる。開始剤の構造により・PCL全体の結

晶性が大きく変化することを明らかにした。

 第4章は、PCL-MDIから得られる線状高分子を架橋させて得られるエラ

ストマーについて、構造と物性との関係を結晶性の観点から誰じたものである。

300%以上の過度の変形下においては伸長結晶性を示すが、通常の変形範囲で

は安定なゴム状非晶体として振る舞う領域が存在することを示唆した。このエ

ラストマーはカーボンブラックなどの補強充填剤を添加しない純ゴム過酸化物

架橋体においズ、天然ゴムを上回る20M:Pa以上の高強度を示すことを明らか

にした。

 第5章では、連鎖分布が結晶化挙動におよぼす影響について、ポリマーブレ

ンドの観点から検討を行った。平均分子量がほぽ同じで分子量分布(巫諏、)

の異なる2種類のPCLオリゴマーから得られる連鎖分布様式の異なるポリウ

レタンの結晶化挙動を解析した。結晶性を決定する制御因子は分子量数百から

数千のラクトン連鎖単体だけではなく、連鎖数の大きいラクトン連鎖ユニット

が、数個連結した分子量数万のマルチユ;ツト構造が寄与していることを明ら

かにした。

 第6章では、ポリエーテルオリゴマーであるPTMGとMDIとから構成され

る線状ミラブルウレタンおよびこれらを過酸化物架橋した架橋ポリウレタンに

ついて、PTMGのnおよび連鎖分布が物性におよぼす影響にづいて検討した。

PTMG-MDI系線状ポリウレタンはガラス転移点、最大結晶化速度を示す温

度、優れた伸長結晶性など、天然ゴムの結晶化挙動と極めて類似した特性を示

すことを明らかにした。また結晶化速度は連鎖分布を狭くしたうえで平均連鎖

数を調整することにより任意に制御できることを示し、伸長結晶性と弛緩時の

非晶安定性とのバランスを高度に両立させることが可能であることを明らかに

92

した。

 第7章では・M誕、の極めて狭いPTMGから得られるセグメント化ポリウ

レタンウレアについて、セグメント分布が物性におよぼす影響を検討した。尿

素濃度の異なるメタノール溶液中からPTMG一尿素アダクツを再結晶させる

ことにより、M調、が1.1未満の単分散ともいえる:PTMGを定量的に得る具体

的な処方を開発した。ソフトセグメントの分布を狭くすると、伸長結晶性を維

持しながら低温結晶化を防ぐことができ、ハードセグメントの分布を狭くする

と弾性率が低下することを明らかにした。

 以上を総括すると、オリゴユニットの結晶性を維持したまま連鎖末端に結晶

化を妨げる分子を配置するという従来の合成ゴムに対する分子設計方法とは異

なる分子設計概念を提案した。得られたエラストマーは結晶性オリゴユニット

を構成するモノマーの連鎖分布を狭くしたうえでnを制御することにより、

伸長結晶性を有しながら弛緩時には自聚的な結晶化を起こさないという相反す

る特性を兼ね備えることが可能であった。

93

~I~~~C~t~5 J~~;~lj~

(1)

(2)

(3 )

(4)

(5)

(6)

(7)

(8)

(9)

( I O)

(11)

( 1 2)

(13)

( 1 4)

(15)

( 1 6)

(17)

(18)

( 1 9)

K. W. Scott Rubber PlastlcsAge 42 175(1961)

~~~:~~J:~f~;~~~~~:"~ : ":IJ:~l~~(~~~ ~~~~l~~" ~~l~:II~f=~~'~~~(1994)

:~EEIA~I~i. ~F~~;~1~. ~~:~l¥f~~ . ~;~~~11E. ~:~;i-'_-. A*~d~ 66, 830(1993). ~: n'*'*

tSt)IIE~E~~p~ ,,l~~~=~~~~lJ ~~~~/O)~~~~~~ ~~l~~~:,1~~~~4~~~J~~~F~~;~1~:~~:"

Jj~~i'~T'fF~~~1~f~;~~, p34(1998)

M. J. Brock. and M. J. Hackhorn, Rubber Chem. Technol., 45, 1 3 03(1972).

H. L. Hsieh. and H. C. Yeh, Rubber Chem. Technol., 58, 1 17(1985).

~~l~~:~f~~~~~~i"~ : ~~~;~~~I~~~~li~'TO~~~~~. ~~~c~~l¥fi~~~~(1999).

W. L. Holt. and A. T. Mc Pherson, Rubber Chem. Technol., 10, 412(1937).

J. Furukawa, R. Hirai, and M. Nakaniwa, J Polym. Sci., B7, 671(1969).

J. Furukawa and E. Kobayashi, Rubber Chem. Technol., 51, 600(1978).

C-Hepbwvn : "polyurethane Elastomers", Applied Science Publishers, p50(1982).

L. Fengkui. H. Jianan, Z. Wei. Z. Xian, X. Mao, L. Xiaolie, M. Dezhu and K. K.

Kim, J Appl. Polym. Sci., 62, 63 1(1996).

O.Bayer, Angew. Chem., 62,(3),57(1950).

L. Morbitzer and H. Hespe, JAppl. Polym. Sci., 16, 2697(1972).

J.H. Saunders and K. C. Frisch, "Polyurethanes Chemistry and Technology",

John Wiley & Sons, Inc. (1962).

~;~~:IE~~, i~/~F:~~~t~. ~~;~F~;~~~. ~~/~~:¥.~F 3 56251

V. Crescenzi, G. Manzini, G. Calzolari and C. Borri, Euro. Polym. J, 8,

449(1972).

L. A. Wood, N. Bekkedahl, J Appl. Phys., 17, 362(1946).

K. Kamide and K. Yamaguchi, Makromol. Chem., 162, 205(1972).

94

(20)

(2 1 )

(22)

(23)

(24)

(2 5 )

(26)

(27)

(28)

(29)

(3 O)

(3 1)

(32)

(3 3 )

(3 4)

(3 5)

(3 6)

(37)

(3 8)

L. A. Wood, N. Bekkedahl, Rubber Chem. Technol., 19, 1 145(1946).

J.H. Saunders and K. C. Frisch, "Polyurethanes Chemistry and Technology",

John Wiley ~ Sons, Inc.part 2,Technology, p306 (1962).

DE. Robelt and L. Mandelkern, J Am. Chem. Soc., 82, 1091(1960).

A.V. Tobolsky and G.M. Brown, JPolym. Sci., 17, 547(1955).

W. H. Smith, and C. P. Saylor, Rubber Chem. Technol., 12, 18(1939).

J. F. M. Oth and P. J. Flory, J Am. Chem. Soc., 80, 1297(1958).

" " !~~A~~d~ ~~l~~"nn~~, ~~,,~~~~~~,L',, 49, 67(1993)

G. B. Guise and G. C. Smith, J Polym. Sci., 25, 149(1980).

~~i)Il~~~, 7~ I~ ~-~(r ~~~~~ h, 51(9), 101(1999).

D. E. Roberts and L. Mandelkern, J Am. Chem. Soc., 77, 781(1955).

D. E. Roberts and L. Mandelkern, Rubber Chem. Technol., 28, 718(1955).

~li;~4--_-, ~~;~i~~~, ~FJi~;-, ~~l~:~A, ~:)~/~~[~--・~~'~'~~~~~,1?=~~:~~~, 47,

2958(1998).

H. Takahashi, M. Shibayama, M. Hashimoto and S. Nomura, Macromolecules,

28, 5547(1995).

W. Chen, K. C. Frisch, J. K. Donald and S. Wang, J. M. S. Pure App/. Chem.,

A29, 567(1992).

K.Miki and R.Nakatsuka. Repts.Progr.Polym.Phys., 8, 1 1 5(1963).

B. Fu, C. Feger, W. J. Macknight and N. S. Schneider, Polymer, 26, 889(1985).

B. Fu, C. Feger and W. J. Macknight, Rubber Chem. Technol., 59, 896(1986).

Z. Y. Qin, C. W. Macosko and S. T. Wellinghoff, Macromolecules, 18,

553(1985).

M. Furukawa, M. Komiya and T . Yokoyama, Die Angewandte Macromolekulare

Chemie, 240, 205(1996).

95

(3 9)

(40)

(4 1 )

(42)

S. G. Musselman, T. M. Santosusso and L H Sperling Polym Mater Scl 79

352(1998).

USP 45 10333

USP 5053553

G. Schmidt, V. Enkelman, U. Westphal, M. Droscher and G. Wegner, Colloid

Polym. Sci., 263, 120(1985).

96

論文リスト

副論文

1)高結晶性オリゴユニットを構成単位とする弾性高分子鎖の合成と性質

 白坂 仁、橋目 淳生、遠藤 敏夫、尾之内 千夫、井上 眞一、岡本 弘

 高分子論文集、Vo1.55、No.1、pp.21-25(1998)

2)高結晶性オリゴユニットを構成単位とするエラストマーの合成と性質

 白坂 仁、橋目 淳生、遠藤 敏夫、井上 眞一、岡本 弘

 高分子論文集、Vo1.56、No.1、pp.18-23(1099)

3)連鎖分布の規制されたPTMGから得られるポリウレタンの諸特性

 白坂 仁、山下 恵美、稲垣 忠弘、遠藤 敏夫、井上 眞一、岡本 弘

 、日本ゴム協会誌、Vo1.72、No.3、pp.123-12g(1ggg)

4)Poly皿ethaneUreaEIastomerHavingMonodispersePoly(oxytetramethylene)as

 So丘SegmentwithUhimo(1al Distribution ofRa∫d Segment

 Hitoshi Shirasaka,Shin-ichi Inoue,Kiyotsugu Asai andHiroshi O:kamoto.

 ル表α070η20泥oπ1砥Vo133,No7,pp.2776-2778(2000)    .

5)ポリカプロラクトン系ポリウレタンの結晶性に及ぼす連鎖分布の影響

 白坂 仁、井上 眞一、岡本 弘

 高分子論文集、Vo1.57,No5,pp.277-281(2000)

97

謝 辞

 本研究を遂行するにあたり、』常に熱心で適切なご指導、ご鞭燵を賜りました

愛知工業大学教授岡本 弘先生に深く感謝致します。また、直接のご指導を賜

りました愛知工業大学助教授井上眞一先生に心から感謝いたします。本論文の

作成にあたり貴重な御助言を頂きました愛知工業大学教授稲垣慎二先生および

愛知工業大学教授酒井忠雄先生に深く盛謝致します・X線測牢装置をはじめと

する測定機器類の使用をこころよく許可してくださいました愛知工業大学助教

授小林雄一先生に深く感謝致します。さらに、実験の遂行にあたり、愛知工業

大学機能材料研究室の大学院生および学生のみなさんに多大の協力を頂きまし

たことを感謝いたします。また、本研究を遂行するにあたり、’貴重なディスカ

ツションをさせて頂いた愛知工業大学助教授尾之内千夫先生、浅井清次博士、

さらに、実験に御協力をいただいた北辰工業株式会社の橋目淳生、山下恵美お

よび稲垣忠弘諸氏およびダイセル化学工業株式会社の遠藤敏郎氏に心から感謝

致します。最後に、研究および公表の機会を与えて下さいました北辰工業株式

会社の市川捷美代表取締役社長に心から感謝いたします。

~lJ ~F~l ~: ~t ~' EEl

1-1

高分子論文集(Kobmshi Ronbunshu),Vo1.55,No.1,pp。21-25(Jan.,1gg8)

高結晶性才リゴユニットを構成単位とする弾性高分子鎖の合成之性質

白坂 仁*1・橋目淳生*』遠藤敏郎*2・尾之内千夫*3

      井上眞一*3・岡本 弘*3.

(受付1997年7月18日・審査終了1997年9月9日)

 要 旨 モデル化合物にポリε一カプロラクトン(PCL)を用い,高結晶性オリゴユニットを保持し

たポリマー鎖のアモルファス化にっいて検討を行った.種々の平均連鎖数(π),および分子量分布(霞./砿)をもっ水酸基末端PCLオーリゴマー一を合成し,比較的かさ高い置換基を有す4,4一ジフェニル

メタンジイソシアネート(MDI).と反応させた.得られたオリゴユニット重付加体の結晶性は,万の減

少により低下し,また分子量分布を狭くすることによっても低下することが明らかとなった.これらの結果より,分子量分布が狭い高結晶性オリゴユニットを合成したのち,ユニット¢)両端を結晶化を

緩和する分子で連結することにより,弾性高分子鎖として要求される微妙な結晶性を制御できること

を見いだした.

1緒 頃

 エラストマーとは常温でゴム状弾性を示す高分子物質

と定義され,数百%の大変形を可逆的かっ速やかに行

うことができる特異的な性質を有している.その本質

は,『長い分子鎖の熱運動に基づくエントロピー弾性にあ

り,エントロピー弾性を担う弾性高分子鎖は分子運動が..

活発な非晶体であることが要求される.一方,実用上重

要である強度,耐磨耗性などの特性を高めるためには,

分子間莚働く相互作用が重要とされ,伸長時に結晶化で

きるものは補強材を添加しなくとも高物性を示すことが

知られている.この特性を備えた高分子鎖として天然ブ

ムが古くから知られており,ミクロ構造と物性とにっい

て多くの研究がなされている1).天然ゴムの生成反応は

植物の組織中で酵素の強力な作用により曾一工程ずっ段階

的に進み,その間副反応を伴わないことが特徴とさ

れ2),シス4,牛ポリィソプレンによる高度の立体規則性

がその高物性の鍵とされている.一方,合成ゴムでは触

媒化学の進歩によりイソプレン(シス),ブタジェン

(シス)などの立体規則性重合体あるいは,ブタジェンー

アクリロニトリル3)およびブタジエンープロ0ピレン4)の

交互共重合ゴムなどが知られている.これらはモノマー,

連鎖の配列・を規制することにより,高伸長時の結晶化を

*1北辰工業(株)(⑰230横浜市鶴見区尻手2-3-6)

*2ダイセル化学:工業(株)(⑰739-06大竹市東栄271」4)

*’愛知工業大学応用化学科(⑰470-03豊田市八草町八千草

 1247)

可能としたものである.

 この可逆的な結晶性は材料の選択および使用状況に

よっては硬化現象(Cold Hardening)を起こすことが知

られている.ごの現象は,結晶性エラストマーの低温特

性で問題になることがあり,天然ゴムでは温度5),圧

力,および架橋構造6)が与える影響について検討されて

いる.高分子鎖の可逆的な結晶転移は,形状記憶ポリ

マーに応用されている7)が,エラストマーにおける弾性

鎖としては不都合なため,メチル基などを含む異種モノ

マーとのランダム共重合により結晶性を低下させてい

る.しかし,分子鎖の結晶性そのものを低下させるた

め,伸長時における結晶化が妨げられ,物性的には劣る

とされている.

 著者らは,伸長結晶性を有する弾性高分子鎖を得るた

めの分子設計材料として高結晶性オリゴユニットに着目

した.本報告は,万が数個程度の高結晶性を有するオリ

ゴユニットを合成したのち,両端から結晶化を緩和する

分子で連結することにより得られる高分子鎖について,

オリゴユニットのガおよび連鎖分布が高分子鎖全体の

結晶性に及ぼす影響を検討したものである.

2 実 験

 2.1 試薬

ε.カプロラクトンはダイセル化学工業(株)製プラクセ

ルMをそのまま用いた.MDIは保土谷化学(株)製ミリ

オネートMTをそのまま用いた.エチレングリ,コール

(EG),テトラブチルチタネート(TBT),および塩化第

21

卜2

白坂免橋目・遠藤・尾之内・井上・岡本

2n

OllC-CH2CH2CH2CH2CH2-O

+  HOCH2CH20H

ε一cap『o璽aclone !EG

一櫓 一・毎  争一 癖

          PCしo“gomer

              ↓一・CNOC㌦《〉一NC・

                       MDl

枢一磯一幽一畔婚砺《レ叫          PCL poly8dd賢lqn produc置

               Scheme1.

一スズは,関東化学(株)製特級試薬をそのまま用いた.

PCLホモポリマーとしてダイセル化学工業(株)製プラ

クセルHP-4(分子量約40000)を用いた.天然ゴムは

市販の脱蛋白天然ゴム(DPNR)を用いた.

 2.2 オリゴマーの合成

 EGを開始剤としてε一カプロラ・クトンを開環付加さ

せ,水酸基末端PCLオリゴマーを得た(Scheme1).

 PCLオリゴマーの万はEGとモノマーとの仕込み比によって調整した.分子量分布は,重合触媒9》と反応温

度とによって調整した.分子量分布の広い系は触媒とし

てTBTを用い170℃で反応させ,狭い系は塩化第一ス

ズを用い150℃で反応させた.反応はすべて窒素雰囲

気で行い,残存モノマーがガスクロマトグラフィーで

0.5%以下になるまで継続した.得られたオリゴマー

は,JIS K1557に準じて水酸基価(:KOH mg/9)を測定

し,その値から数平均分子量(霞.)を求め,万を算出し

た.ただしオリゴマー1分子における末端水酸基数は

2.0としてある.

 2.3 オリゴユニット重付加体の合成

 オリゴマーを100℃に加温したのち,水酸基に対し

等モルのイソシアネート基に相当するMDIを添加混合

し,100℃で5時間反応させた.サンプルの名称は開始

剤種(EG)一平均連鎖数(π)一オリゴマー分子量分布(級。/

霞,)の順に記した.

 2.4 GPC測定

 オリゴマーの冴。/膚,は,(株)島津製作所製GPC LC-

3Aにより,昭和電工(株)製Shodex KF801,:KF8025,

およびKF804カラムの各々1本ずっを直列にっないで

測定した.オリゴユニット重付加体は東ソー(株)製

GPC SC8010により,東ソー(株)製TSKgel G5000HXL

(1本)およびGMHXL(2本)を直列にっないで測定

した.溶離液はTHFを使用し,流量LO ml/min,カラ

ム温度40℃で示差屈折計により測定を行った.

 2.5DSC測定 熱的特性(融点(Tm)および融解熱(Mm))はセイ

コーインスッルメンッ(株)製熱分析システム(EXSTRA

6000DSC6200),を用いて測定した.測定は試料重量10

mg,昇温速度10℃/min,窒素雰囲気で行い,室温から

100℃まで昇温させたのち一120℃まで温度を下げ,っ

いで100℃まで昇温させた.Tmおよび△amは2度目の昇温時の際に決定した.等温結晶化は,冷却途中に設

定温度(一10℃)で所定時間保持するステγプを挿入す

ることにより測定を行った.

 2.6・X線回折測定

 ゴニオメーターによるX線回折,装置(RIGAKURAD-B)を用い,Cu菰。線をX線源として出力40kV,

100mAで10~350の範囲を4q/mlnの速度で測定を行った.

3結果と考察

 3.1分子量および分子量分布

 PCLオリゴマーのGpc微分分子量分布曲線をFig.1に示す.触媒として塩化第一スズを用いた系は分子量分

布が狭く,特に高分子量成分が規制されていることが認

められる.一般に,スズ系触媒は分子内のエステル交換

が起きやすいのに対し,チタン系触媒は分子間でのエス

テル交換が起きやすいといわれている.これより分子間

エステル交換能の差が分子量分布に現れたものと推定さ

れる.一方,PCLオリゴマーをMDIで連結したオリゴ

ユニット重付加体はGPC測定より,霞.は100000~

22 高分子論文集,Vol.55,No.1(1998)

1-3

高結晶性オリゴユニットを構成単位とする弾性高分子鎖の合成と性質

       9 .       ロ       ’一一一一 caI.=SnCl   9

     2  1-  caし認TBT    ,

      」      ’

      ’      ’      ’      」

              ら         ●

   102    103  ・  104    105         Molecular Weゆt

  :Fig,1.Molecular weight dlstribution ofPCL

  oligomers based on standard polystyrenes.

                   1・150000,疲,./被.は約2であった.重付加体におけるオ

リゴマーの平均連鎖数廟は60~80程度と推定される

(Table1).

 3.2 熱的特性

 PCLオリゴマーのDSC挙動をFig.2に示す.降温過

程において結晶化による発熱ピークがみられ,また昇温

過程において結晶の融解による吸熱が観察される.この

ときに観察される融解熱と,PCLの結晶融解熱15.9kJ・

mo1聞1とから結晶化度を算出すると60%程度の値を示

し,結晶性の高いオリゴマーであることがわかる.今回

ゐ測定条件では2か所の隣接した融点が観察されたた

め,融点範囲としてTable1に示した.これらの高結晶

性オリゴマーをMDIで連結したオリゴユニット重付加

体は弾性に富むゴム状物質で,天然ゴムと同様ゴム用

ロール機にて混練り可能であったが,室温(約23℃)

に冷却することにより結晶化し全体が固化するものも

あった.オリゴユニット重付加体(EG.6.0.L3)のDSC

挙動をFig.3に示す.一10℃での保持時間oおよび60

おε

ooζu

  EG・4.8。1.4一{皿n躍1162,

  ∈…G●8。5・零.3一一””1研n謹書99η

一’

一陶噛9

、       9、      ’

  ,  ∂  9  『  1  『  9  9  9  ,  e  3 。 9  し

・40 ・20

賊g。2.

   o  ’20 -1”’年6’

   了emperalure《OCプ

DSC curves for PCL oligomers.

60

minでは融解ピ㌧クは観察されず,保持時間が長くなる

に従い△夏mが増大することから,一10℃での等温保持

により結晶が生成していることが示唆される.結晶の融

点約23℃付近が先に成長し,融点§℃付近があとから

成長してくる様子が明瞭に観察される.これは一般的に

みられる低融点側の結晶が昇温過程で融解し再結晶化す

る現象と異なり興味深い.低融点部分の増大は結晶化度

に伴って結晶厚さの分布が広くなるためとの報告があ

る9)が,結晶化時間とともに低融点側のピー.ク位置が高

温側ヘシフトしていることから,異種の欠陥を含む結晶

生成が行われていると考えている.

 Fig.4に万とTgとの関係を示す.πが増大するに従

いTgは低下する..これは水素結合を形成し分子鎖の運

動性を妨げるウレタン基のモル分率がT,に大きく影響

していることを示唆している.種々のオリゴユニット重

付加体にっいて一10℃における保持時間と△Hmとの

ひ関係をFig.5に示す,保持時間とともに△Hmが増大し

結晶化が進行していることが観察される.PCLをソフ

Tab夏e1. Properties of PCL olig6mers and polyaddition products

PCLoligomer Polyaddtion product

Sample被.a) 万b) 破w/疲,ごノ

Tmd)

(℃)

△θmd)・e)・ 液躍c)          厩w/霞.c)(mJ/mg) (×10-5)

痂f)Tgd)

(℃)

EG_4.8_1.4

EG-6.0.L3

EG-8.5。1.3

EG-4.9-1.9

EG-6.0-2.1

EG-8.5。2.0

1162

1430

1991

1184

1432

1991

4.8

6.0

8.5

4.9

6.0

8.5

1.35

1.25

1。27

1.94

2.10

2.00

35~39

38~42

44~48

41~47

47~50

46~51

.86.9

64.6

81.8

71.0

74.8

83.1

LO41.16

1.33

1.11

1.26

1.43

1.90

1.87

1.90

1.88

1.98

2.01

73.7

69.0

59.4

77.4

74.9

63.8

一37

-42

-48

,一38

-43

-48

 a》Calculated f丈om the hydroxyl value by titration.b)Avemgq number of repeating unit of caprolactone ln PCL

oligomer.c)Estimated by GPC on the basis of calibration with standard polys㌻yrenes.d)Measured by DSC from

-120℃to100℃at a heating rate of10℃/min.c)Heat of fusion.りAvefage number of repeating unit of PCL

oligomer in PCL polyaddition product・

高分子論文集,Vo1.55,No.1(1998) 23

1-4

白坂・橋目・遠藤・尾之内・井上・岡本

トセグメンドとする相分離型ウレタンエラストマーで

は,ハードセグメントがPCLの末端を凍結してしまう

ため非結晶領域が増大し分子量2000~3000まではPCL

の結晶化は起こらないことが報告されている10).しかし

ながら,相分離型ウレタンエラストマーの原料として一

般的に使用される万が・8.5のPCLオリゴマー(M.≒

2000)から得られたオリゴユニット重付加体(EG-8.5-

2.0およびEG-85-L4)は高結晶性を示し,常温以下で・

Eお∈

o口o田

 Tg  △Hm〆   o

Hold time

0

0 60min

8。7mJ/mg 180min

23.9mJ/mg300min

29。5mJ!mg420min

.80   。60   り40   ・20   0    20   40   60  』80

          Temp(OC)Fig.3. DSC curves for IPCL polyaddition product

(EG.6.〇一1.3)after holding at-100C.

は弾性高分子鎖として安定に使用できない.また,πが

減少するに従い結晶性は低下し,分子量分布を狭くする

ことによっても結晶性は低下することが明らかとなっ

た.これはオリゴマーの高分子量成分,すなわち連鎖数

の大きいユニットがオリゴユニット重付加体の結晶性に

影響を与えていることを示唆している.比較として

DPNRの同一条件(一10℃)および夫然ゴムの最適結晶

化温度とされる一25℃10)における測定結果を併記し

た.天然ゴムの有.する微妙な結晶化挙動を模した合成弾

性高分子鎖が,高結晶性オリゴユニットの万と醒。/ルf.

とによって設計可能であることを示唆している.

 3.3魑X線回折

 PCLオリゴユニット重付加体とPCLホモポリマーと

のX線回折パタ}ンをFig.6に示す.ゴム状である重

付加体(EG-4.8-L4)は非晶質ポリマー特有のブロード

な回折パターンが観察された1一方,結晶化している重

付加体(EG-85-2・0)の回折パターンはPCLホモポリ

40

30

0 20E鳶E…

レ∈工 10ぐ

0

   薦  ロ  ロ ロヨσ ,口貿    ♂

郎    ’躍    ♂

・20

・25

    o   ,・ゆ  ジの ’一瞬鱈一餌○望D仙賃ノ

。30

ハoロ》  一35

aト

・40

・45

  一50   3    4    5    6    7    8    9

         Repeating uni量(n)

:Fig.4. Dependence of Tg on the number of repeat-

ing unit of PCL oligomer in PCL polyaddition

products 60nsisting of oligomers w五th,narrow

molecular weight distribution。

↑き

■砺

cq,こ

 ・10  0      100     200     300     400     500     600

          Hold tlme(min》

Fig.5。 Relationsわetween△Em and hold time at

-100C for PCL polyaddition products. (●),EG-

8.5-2.0;(○),EG-85-1.41(日) EG-6.0-2.11(口),

EG-6.0-1.31 (▲), EG-4.9-2.1; (△), EG-4.8-1.4;

(◆),DPN尽1(◇),DPNR(一25℃)・

_._._PCし(漸w≒4。。。。》1

          ロう.一囎一__EG心.5.a。  ll

          ロ じ    EG4.8.1.4  11          じ も   コ          ll八

          l/川

         唱)!         ノハ’A、一一…一・一…ノボ〉又’一一一~一}一納}一劃             ㌔鞠一・噺。一噛一(㌔9__”

10             15             20             25             30             35

          20(degree》

 Fig.6,WAXD curves for the PCL and PCL

 polyaddition prod“cts・

24 高分子論文集,Vol.55,No。1(1998)

l-_5

[~"~~B~Bt~;~ l) :1 ~ - 'y h ~;~~~~~~~.~~~ ~ ;~~~{,'i~~:~~¥:~~~CDA~J~~~'i~~'

7 cD~Jt~:,~~-y~ ~~~~-~h>t9 PCL;~lJ :J :L = h ~:rf~jJD4~~~~~~ ~~~B~Bl~)~ 7'Is ~ ~ h y~~~~.}c

J; ~~~~BEsB~~~ ~, MDI eCE!3~:~;~ 1~ ~~ /~~~~f~~~Fs~B

~:~.'・~~ L C ~+ f~- V~ ~ ~ ~~B~ ~ h> ~ t~- . f,_-.

4 ,~~ 5ml = PCL ;~ 'J il = 'y h ~:4~jjDf~~~~~~f ;~~~:BE;E~l~ j7 7' c7

~ ~ h ;/~~~~' ecJ~ ~~~B~B~~~ ~, ~cD~~BE3E~i~~:I~~~~~~(

o))~~~= ~+~= 'y l' h~)~,~~u:+~/_'~'-~~;~. /~1 ~:f~;T~~~s~~ ~,'~~

BE~B'j~e~(~;T~~h> T cD~~L~:~~* < . CtL~cD~~~~J~ ~,

~~:~~:~~~~~>~:~~T~l~~~B~Bj~;;~ I) ~ri~ = v h ~:i~,~~ U/-~.q)

- ') h cD~~~~~~:~~B~B4~~:{i~~D~ ~~~¥:~~~;~~~ ~ ~~, :L-

* ~ e*J~ - ~ pJ~-t~:~:/71~_~~~~: U~~,~j~~:tL~~~・~/i't~L~~~

BB'i~~r~l]~l~ ~ ~ * ~ ~f7J~il!~ U ~ * ~)~~~~BBB,i~;;~ IJ ~f El

- 'y h ~;~~r~-~~.~Z~:~~~~¥-~~~"---~x;*~"~~'~+e~, ~~,j~~~~b~:~~~~) ~~ ~rT/-,_tA-'~:-'-~'"-'+~~~~ U~~~~: ~: tL~ ~ ~)~~~~ ~.

~1 ~E ~1~~7~5,~~~)~~BE~El4~7~11~~i*~~j7~:~+f*f*~~f*, ~4

:~ 4 ;/~ y )V)c y y(~l~) IC1~._.~.~~~lt*,- U~~.

~ ~~: 1) G. Nata, Rubber & P[astic Age, 38, 495 (1957).

2) P. Fournier and T. C. Cuong, Rubber Chem. Technol., 34,

1229 (1961).

3) J. Furukawa, E. Kobayashi, and Y. Iseda, Polym. J., 2,

155 (1970).

4) J. Furukawa, R. Hirai, and M. Nakaniwa, J. Polym. Sci.,

B7, 671 (1969).

5) N. Bekkedahl and L. A. Wood, J. Cllem. Phys., 9, 193

(1941).

6) N. Bekkedahl and L. A. Wood, Rubber Chem. Techno[.,

14, 347 (1941).

7) F. Li, J. Hou, W. Zhu, M. Xu, X. Luo, D. Ma, and B. K.

Kim, J. Appl. Po[ym. Sci.. 62, 631 (1996).

8) ~~,IEt~, ;C~~~i~t~, ~~~F~~~:, ~~/~:¥~~ 3-56251.

9) K. Kamide and K. Yamaguchi, Makromol. Chem., 162,

205 (1972). . 10) L. A. Wood and N. Bekkedahl, Rubber Chern. ' Technol..

19, I145 (1946).

Synthesis and Properties of Elastic Polymer-Chains Consisting of Highly Crystalline Oligo Units

Hitoshi SmRAsAKA*t, Atsuo HASHIME*1, Toshio ENDo*2, Yukio ONoUCm*3, Shin-ichi INouE*3

and Hiroshi OKAMOTO*3

*lHokushin Corporation (2-3~ Shitte, Tsururni-ku, Yokohdma, 230 Japan )

*2Daicel Chemical Industries, Ltd. (2-1-4 Higashisakae. Ohtake. Hiroshima, 739~)6 Japan)

*3Department ofApplied Chemistry, Aichi Institute of Technology (Yagusa-cho, Toyota. Aichi, 470~03 'Japan )

Poly(e-caprolactpne) (PCL) oligomers, prepared from PCL and ethyleneglycol (EG), were allowed to react with

4,4'-diphenylmethane diisocyanate (MDI) to give PCL-polyaddition products. The crystallinity of the products

decreased not only by decreasing the average unit number (ri), but also by narrowing the molecular weight distribution

(h~*/M~) of PCL o]igomers. The crystallinity required for elastic polymer chains was thus able to be controled by ri and

M*/M~ .

KEY WORDS Poly(e-caprolactone) / Oligomer / Oligo-Unit / Molecular Weight Distribution / Crystallinity /

Elastomer /

[Kobunshi Ronbunshu, 55(1), 21 25 (1998)] (Received July 18, 1997: Accepted September 9, 1997)

~~~-~~--"-nU^~~:, Vol. 55, No. I (1998) = r~l 25

2-1

高分子論文集(Kobunshi Ronbunshu),Vo1.56,:No.1,pp.18-23(Jan.,1999)

高結晶性才リゴユニ,ットを構成単位とする

    エラストマーの合成と性質

白坂 仁*』橋目淳生*!・遠藤敏郎*2・井上眞・一*3・岡本 弘*3

(受付1998年9月2日・審査終了1998年10月12日)

 要旨モデル化合物にポリ(ε一カプロラクトン)(PCL)を用い,高結晶性オリゴユニットを保持し

たポリマー鎖から構成される架橋エラストマーの結晶性について検討を行った.種々の平均連鎖数(ガ)および分子量分布(級./級,)をもっヒドロキシル基末端PCLオリゴマーを合成したのち・比較的

かさ高い置換基を有す4,4’一ジフェニルメタンジイソシァネート(MDI)と反応させた。っいで,得ら

れたオリゴユニット重付加体を過酸化物架橋させ,エラストマーを得た.このエラストマーの結晶性

は,涜の減少により低下し,また級./級.を狭くすることによっても低下した.これはエラストマーは

その構成成分であるオリゴユニットの性状に大きく影響されることを示唆しており,オリゴユニット

の結晶性を制御することにより,エラストマーの微妙な結晶性の制御が可能であることが明らかとなった.M./M,を狭くしたうえで万を制御することにより,優れた伸長結晶性と良好なエントロピー

弾性を両立させるエラストマーの設計が可能となった.得られたエラストマーは補強充てん剤を添加

しない純ゴム過酸化物架橋系においても20MPa以上の強度を示した.

1緒 目

 伸長時に結晶化できるエラストマーはカーボンブラッ

クあるいはシリカなどの補強充填剤を添加しなくとも高

.物性を示すことが知られている.この特性を備えたエラ

ストマーとして天然ゴム(NR)が古くから知うれてお

り、シス4,4。ポリイソプレンによる.高度の立体規則性が

その高物性の鍵とされている1).一方,合成ゴムではイ

ソプレン(シス),ブタジエン(シス)などの立体規則

性重合体あるいはブタジェンーアクリロニトリル2)およ

びプタジエンープロピレン3)の交互共重合ゴムなどが知

られている.これらはモノマー連鎖の配列を高度に規制

することによって,弛緩時にはゴム状非晶体でありなが

ら高伸長時には結晶性を発現し自己補強を可能としたも

のである.

 この微妙な結晶性は材料の選択および使用状況によっ

ては硬化現象(cold hardening)を起こすことが知られて

いる.この現象は自発的に結晶化が進行するりことによ

りひき起こされ,エント・ピー弾性を担っていた非晶相

が結晶相へ転移するためエラストマーとして機能上重大

な欠点となる.結晶化には最適な温度があり,伸長や加.

圧などのストレスによって促進されるヒとが報告されて

*!北辰工業(株)(◎230-0003横浜市鶴見区尻手2-3-6)

*:ダイセル化学工業(株)(◎739-0695大竹市東栄2-1-4)

*3愛知工業大学応用化学科(◎470一つ392豊田市八草町八千草

 1247)

いる.

 筆者らは既報にて,PCLオリゴユニット重付加体に

おいてオリゴユニットの宛および1広/霞,を調製するこ

とにより高分子鎖全体の結晶性が制御でき,NR類似の

結晶化挙動が再現可能であることを報告した5).これは

構造規則性をある程度保持したまま平均連鎖数と連鎖分

布というパラメーターにより結晶性高分子をアモルファ

ス化できるごとを示したもので,過度の変形下ではNR

同様結晶性を発現することが予想される.本研究では,

伸長結晶性と良好なエントロピー弾性を併せもっ高性能

エラストマーの分子設計指針を得るため,高結晶性を示

すPCLオリゴユニットとMDIとの重付加体を架橋さ

せて得られるエラストマーにっいて,オリゴユニγトの

平均連鎖数および連鎖分布がエラストマーの結晶化挙動

に与える影響を検討した結果を報告する.

2実 験

 2.1試薬 ε.カプロ、ラクトンはダイセル化学工業(株)製プラクセ

、,ルMを,MDIは保土谷化学(株)製ミリオネートMT

㌧を,エチ’レングリコrル(EG),テトラブチルチタネー

 ト(ITBT),および塩化第一スズは関東化学製特級試薬

 を,NRは市販の脱蛋白天然ゴム(DPNR)を,ジクミ

 ルパ_オキサイドは日本油脂(株)製パークミルDを市

 販品のまま用いた.

18

2-2

高結晶性オリゴユニッドを構成単位とするエラストマーの合成と性質

 2.2 オリゴマーおよびオリゴユニット重付加体の合

   成

 EGを開始剤としてε一カプロラクトンを開環付加さ

せ,ヒドロキシル基末端PCLオリゴマーを得た.分子

量分布の広い系は触媒としてTBTを用い,狭い系は塩

化第一スズを用い反応させた6).さらにヒドロキシル基

に対し等モルのイソシアネート基に相当するMDIを反

応させオリゴユニット重付加体を得た.詳細は既報5》に

準じて行った.

 2.3架橋エラストマーの合成

 オリゴユニット重付加体の100重量部に対し2重量部

のジクミルパーオキサイドをオープンロールにて練り込

んだのち,160℃に加温した金型で20分間プレス成形

を行い,架橋エラストマーを得た(Scheme1).サンプ

ルの名称はかM./膚.一架橋有無(重付加体二G/架橋体二

C)の順に記した.

 2.4 GPC測定

 オリゴマーの霞。/霞,は,(株)島津製作所製GPC

LC-3Aにより,昭和電工(株)製ShodexKF801,KF,

8025,およびKF804カラムを各々1本ずっ直列にっないで測定した.』オリゴユニット重付加体は東ソー(株)製

GPC SC8010により,東ソー(株)製TSKgel G5000

HXLカラム1本およびGMHXLカラム2本を直列に

っないで測定した.溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使用し,流量1.O mL/min,カラム温度40℃

で示差屈折計により測定を行った.

 2.5 DSC測定

 熱的特性(ガラス転移点(Tg),融点(Tm),および融

解熱(△Hm))はセイコーインスツルメンツ(株)製熱分

析システム(EXSTRA6000DSC6200)を用いて測定した.測定は試料重量10mg,昇温速度10℃/min,窒素

雰囲気で行い,室温から100℃まで昇温させたのち.

一100℃まで温度を下げ,ついで100℃まで昇温させ

た.Tg,Tm,および△∬.は2度目の昇温時の際に決定

した.等温結晶化は,冷却途中に設定温度(一10℃)で

所定時間保持するステップを挿入することにより測定を・

行った.

 2.6 引張試験

 東洋精機(株)製の万能試験機(ストログラフR)を用

いて,23℃,引張速度500mm/minで行った.

 2.7 X線回折測定

 ゴニオメーターによるX線回折装置(RIGAKURAD-B)を用い,Cu-K.をX線源と・して出力40kV,

100mAで10~35σの範囲を4。/minの速度で測定を行った.

   ?

   C-CH2CH2CH2CH2CH2-02n +  HOCH2CH20H

ε一caprolactone EG

           O         OHモ・CH2CH2C㌦C協CH2一己、・CH2C㌦・壬益一C馬C㌦C㌦C脚訥

PCL ollgomer

OCN\〃CH2敵〃NCOMDl

癌一一薦榊蝋』一一略1Ω砺Ω陰LPCL polyaddltlon product

DCPcure

PCL oligounit elastomer

Scheme1.

高分子論文集,Vol.56,No.1(1999) 19

2-3

白坂・橋目・遠藤・井上・岡本

 2.8 動的粘弾性測定

 (株)オリエンテック製レオバイブロン(DDV-OIFP)

を用い,測定周’波数10Hz,一60℃から220℃の範囲を

昇’温速度2.5℃/minで測定した.

 2.9 応力緩和試験

 セイコーインスッルメ.ンッ(株)製熱分析システム

(EXSTRA6000DMS6100)を用いて測定し、た.測定は

幅3mm,厚さ1mmに調製した試料を室温で取り付け,

所定の倍率に伸長させたのち,昇温速度2℃/minで室

温から50℃まで昇温させたのち,所定温度まで温度を

下げ,等温保持を行い応力の経時変化を測定した.初期

応力は所定温度に達したときの応力を∫(0),f時間後の

応力を∫(f)とし応力保持率∫(∫)4(0)を求めた.

3結果と考察

 3.1熱的特性

 Table1に重付加体および架橋体のガラス転移点を示

す.架橋体の方が若干低いガラス転移点を示したが,こ

れはMDIのメチレン鎖が架橋部位になるとともに,ガ

ラス転移点を上昇させるウレタン結合の分子間相互作用

が弱まり,かっ分子運動が活発なPCLオリゴユニット

が架橋に関与しないためと思われる(Fig.1).Fig.2に

一10℃で240分間等温結晶化を行った重付加体および

架橋体の昇温時におけるDSC挙動を示す.△Hmは重付

加体の20.1mJ/mgに対して架橋体は10.4mJ/mgと減

少している.見かけの融点は2か所観察されるが,重付

加体と比較して架橋体の融点は,低温側は3.9℃から

5,4℃に上昇し,高温側の融点は23.9℃から18.8℃に

丁曲le1. Properties of PCL oligomers,polyaddition products(G),and elastomers(C)

Oligomer Polyaddition product(G) Elastomer(C)

Sample     霞πa) 万b) 〃9ノルf,c》

 最,c)     廟d)(×10。。5)

一 一   Tge)ルん/ルで.c》

     (℃)

Tgc》  H、り   Rb9》

(℃)  (A)  (%)

Tb恥》  Ebh)

(MPa) (%)

4.8-1.4

6.0-L3

6.(ト2.1

1162

1430

1432

4.8

6.0

6.0

1.35

1.25

2.10

1.04

1.16

1.26

74

69

75

1.90

1,89

、1.98

一37

-42

-43

一38  58

-44  56

-44  56

74

76

77

2214  550

20。1  580

24.2  620

 3)Calculated from the hydroxyl value by titration.b)Average number of the repeating unit of caprolactone in PCL

oligomer.c)Estimated by GPC on the basis of calibration with standard polystyrenes.d)Average number of the

repeating unit of PCL oligomer in PCL polyaddition product. c)Measured by DSC from-100℃to100℃at a

heating rate of10℃/min.り一Hardness,JIS K:6253.9)Rebound resilience,JIS K6255.h)Tensil and Elongation at

break,JIS K6251.

      M-R漏Mご M戦M画M㌻Rノ~

R〆M%Rメ    R       M

l  ノ・ M〆》R           R   .   ’   M》㌔ 、     ξ      R    R

〉㌔㍗篇.! 、、一     ’     M   M〆R   ノ㌔  ’      RR

、   覧

  M》v》’R       M      、    -       MMg~へR       ’気     ♪ヂR  R_R∫ψM    、

        R・M_R測M’、M-R

MMMR岬岬

    M♂い    ’ R、        M、

          R          ミ

crosslinkingpoint

urethane linkage byMDI

initiator for PCL

PCL oligounit

Fig.1,Model of crosslinked PCL ollgounit elastomer.

20 高分子論文集,Vol.56,No.1(1ggg)

2,4

高結晶性オリゴユニ.ットを構成単位とするエラストマーの合成と性質

Eお5£品

病蜘△H即=10.4mJ/mg  6.0-1.3-C

514℃

    18.8℃ムHm贈~o.1mJ!mg   6.〇一1.3-G

3.9℃

Z3.9℃

35

30

( 25ハ∈\  20う

E) 15∈コニ 10ぐ

5

0。5

+6.0-2.1-G鱒ペコ働一6.0。Z.1-C

.r卸一6.O-1.3。G

。鱒6一一6.0。1.3-C

-4.8-1.4.GO  4.8。’1.4-C

一←DPNRO DPNR-C

o’

.げ

cross‘斎nking

  ,一〇 ρ,6,

ρ

一一る’

ダム

ρ

,ム

、、

 一60     -40     -20       0      20      40      60

        Temperature(℃)

Fig.2. DSC curves for PCL polyaddition product

and crosslinked elastomer after holding for240min

at-10℃.

低下した.低温側の融点はラメラ構造と関連し,高温側

の融点は配向結晶に関連するとの報告がある7)が詳細は

検討中である.NRの融点は架橋構造の導入により20℃以上も低下することが報告されている8)のに対し

て,今回得られたオリゴユニット型エラストマーでは融

点の低下は少ない.これはNRの架橋部位が結晶単位

となるイソプレンユニットであるのに対し,オリゴユ

ニット型エヲストマーでは結晶化を緩和するMDIユ

ニットが架橋部位になリ,結晶を構成するPCLオリゴ

ユニットが架橋に関与しないためと思われる.Fig。3に

一10℃での等温保持時間を変化させたときの△Hmの変

化を示す.、架橋体は結晶化速度および結晶化度の低下が

認められるが,架橋前の重付加体の結晶化挙動を反映し

ており,架橋構造が導入されることによる構造不規則性

の増加が劇的な結晶性の変化をもたらさないことを示し

ている.これはエラストマーの結晶性が重付加体の構成

単位であるオリゴユニットの性状を正確に反映すること

を示唆しており,オリゴユニットの万および諺w/M.を

制御することにより,エラストマーの結晶化挙動を比較

的正確に制御できることをも示唆している.

 3.2 機械的特性

 エラストマーの一般性状は,エラストマ』としてバラ

ンスのとれた値を示している(Table1).Fig.4に応カー

ひずみ曲線を示す.300%付近より応力の立ち上がりが鴨

認められ,明確な伸長結晶化挙動が観察される.破断時

の応力は補強充填剤を含まない純ゴム過酸化物架橋体と

しては高水準の値である20MPa以上を示した.NRと

の比較からも,より高い強度を容易に得ることができる

ことが明らかである.Fig.5に伸長時におけるWAXD

プロファィルを示す.伸長率200%以下では非晶性を

示すハローのみが観察されるのに対し,伸長率250%

より回折ピークが観察され,伸長率の増大とともに強度

                  ∫’ 高分子論文集,Vol.56,No.1(199g)

10

Fig.3.

一10℃

       100        ’    1000

     Holdtime(min)

.Relations between△Hm and hold time at

for PCL polyaddition products andcrosslinked elastomers.

25

20

盆cL15ε

910あ

5

0

一く>一4.8-1.4-C

一か6.0-1.3-C一唄〔⊃一・6.0-2.1-C

一◇一DPNR二C

.!/ノ

 ふ

0   100  200  300  400   500  600  700

        Strain(%)

Fig.4. Stress-strain curve言for PCL oligounit

elastomers.

も増大する.また,このとき観察されるプロファィルは

PCLホモポリマーの回折プロファィルと一致すること

から,伸長により生成する結晶はイソシアネートに由来

するウレタンセグメントの結晶ではなく,PCLオリゴ

ユニットに由来する結晶であると考えられる.

 3.3 動的粘弾性

 Fig.6に動的粘弾性測定における貯蔵弾性率(E’)お

よび損失弾性率/貯蔵弾性率比(tanδ)の温度依存性を

示す.PCLオリゴユニットの最。/膚,の狭い6.0-1.3-C

はガラス転移終了後の約一10℃からプラトー域が観察

され,軟化が始まる約200℃付近までほぼフラットな

E’を示すのに対し,霞。/M,の広い6.0-2.1-Cでは50℃

までプラトー域に到達しない.DSCにおける結晶の融

解挙動の評価と合わせて考えると,この差は結晶弾性に

よるものと推察される.すなわち,冷却および昇温時に

において結晶化温度領域で生成する結晶成分が弾性率を

増大させたと考えられる.この現象はcold hardenigと

呼ばれ低温特性に悪影響を及ぼす』したがってエラスト

マーとしセ安定に使用するためには,連鎖分布を狭くす

21

2-5

白坂・橋目・遠藤・井上・岡本

〉、

.七1

ω⊂Φ)⊆

6.0-1.3-CA9.

累)ノー

ハ・、

eiongation

   450%4009も

350%。¥

300%

Z50%

ZOO%1009も

0

100

( 80*

x960<つこゴ 40

~0

■瞳噛駒rgrり

 『瞳rD噸r  『彫r,   隔r鴨    、r』

一一一一6.0-1.3-C

鴨一蘭葡”6.0-2.1-C

Mw!Mn≒1.3

、、  Mw/Mn≒2.1

画も

 、、  、、   、、   、、    、、

 10      15      20      25      30      35

         2θ(degree)

Fig.5.WAXD pro且1es for PCL oligounit elastomer

atvariouselongations.

0 20 40    60    80

 Tl由e(min)

100   120

Fig.7. Stress relaxation of PCL oligounit

elastomers at-5℃under50%extension.

1010

109

パ邸氏ロ    お

 10山

107

106

     一  6.0-1.3-C

     一一一一一  6.O-2.1-C

→馬、

λ  閑軸、、、一輸働勒軸曽口.一9ρ

覧q

   、、Mw/Mn≒~,1←   、    、、     、、     、

Mw/Mn≒1.3

10

1

0.1

 殉 こo.019

0.001

0.0001

 ・100  の50   0    50   100  150  200  250

       Temperature(℃)

Fig。6. Temperature dependence of E/and tanδ

for PCL oligounit elastomers.

100

 80ハ*レ(600と 

つ40と

20

6.0-2.1-C

←・

→ ↑む

’あ

⊂Φ甜仁

ることが有効である.連鎖分布の狭い6.0-L3-Cは0℃

から100℃までの温度領域においてE’3.3~3.5MPa,

tanδ0.1~O.05であり,良好なゴム状弾性体としての挙

動を示した.

 3.4応力緩和

 結晶化による応力緩和は天然ゴムにおいて研究されて

おり9)エント・ピー弾性の消失および自発伸長4)による

ものとされている.Fig.7に一5℃,50%伸長における

応力緩和挙動を示す.1風/霞,の広いものは急激な応力

緩和を示したが,霞w/痘.を狭くすることにより応力を

保持していることがわかる.

 Fig.8に23℃,100%伸長における応力緩和と

WAXDによる回折強度との関係を示す.応力が緩和す

るに従い回折強度が増大していることから,結晶化によ

るエントロピー弾性の消失が応力の緩和に起因するもの,

と考えらる.結晶化による応力緩和は,伸長率および最

適な結晶化温度によって加速されることが報告されてい

る.

 得られた結果を総合すると,連鎖分布を狭くしたオリ

   0     50    100    150    ~00    250    300

         Time(min)

Fig.8.Plots of stress relaxation and WAXDintensity for PCL oligounit elastomer at23℃under

100%extension。        .         。

ゴユニット型弾性高分子鎖は,50%以下の実用的な伸

長領域においては自発的結晶化を緩和し,エントロピー

弾性を維持する性質を有しているものと考えられる.す

なわち,平均連鎖数および連鎖分布を制御した高結晶性

オリゴユニットを用いる分子設計は,立体特異性重合あ

るいは交互共重合などのモ:ノマー連鎖を配列制御する従

来の合成ゴムの設計と異なる設計概念によるものであ

り,伸長時の結晶性と弛緩時の非晶安定性とのバランス

をとる新たなる有効な手法といえる.

4結 論

 高結晶性オリゴユニットであるPCLオリゴマーをか

さ高いMDIで連結することにより得られる重付加体を

過酸化物で架橋してなるエラストマーは,優れた伸長結

晶性を示した.オリゴユニットの最。/膚.を狭くするこ

とにより,エント・ピー弾性体として使用できる温度領

域が広がることが明らかとなった.以上より,連鎖分布

を狭くした上で平均連鎖数を制御することにより,優れ

た伸長結晶性と良好なエント・ヒ㌧弾性とを両立させる

22 高分子論文集,Vo1.56,No.1(1999)

2-()

r~l~'~B~E3t~;t l) :7 J~- 'y h ~f~~~~~~Z~~- ~ :c 5 ;~ h ? -CD~~~~t~~:

~ 5 ;~ h 7-cD".""~~;(~~f/J~~J~~~ f~- . t-.... 3~~~~~t,*-~: ~ ;~ h

j,* ~: ? - I~~iPJ~,:~Ut~'~i~~ jJD U f~- L '~t :f A ~~~~4~~i~~~~~f~~~ ec ~3 L '

C ~ 20 MPa ~~Ji6D~~~'~f~~: U /*-.

*~1)I~~;fll=~~,1 ~ 7. h 7-~)~l~^・ ~~:~le*~~:~Uf

~:~'.~BE3Bf~;;~ l) i~ - 'y l' ~r~~~~:~L~ ~~ ~~:~--.~-;~~~f~:'~~

'" ~ f,_- ~5 ~~Lf ~cl)1~ ~~~~8~t~~;f~~~~:rL~;~ h7-~if ~ ~)~==~ /'._- /~~~:~.~.f~~ ~ U C)1~V~ I* ~~~ ~: ~~ 7;) ~ ~)~~~

7D.

~ ~~~

l ) G. Nata, Rubber & Plastic Age, 38, 495 (1957).

2) J. Furukawa, E. Kobayashi, and Y. Iseda, Polym:. J., 2,

155 (1970).

3) J. Furuka~~'a, R. Hirai, and M. Nakaniwa, J. Po[ym. Sci.,

B7, 671 (1969).

4) W. H. Smith and C. P. Saylor, Rubber Chem. Techno!., 12,

18 (1939).

5) ~3~~ 4~_, ~~[~?~'~~~~~, *~~~,~:~~~~~, ~~~l:F:~, ~~Jiy~[~~i*-,

~~~~i~ ~l~' ~:~:~:~-~~~C~~, 55, 21 (1998).

6) ~~~l~?~, ~{~:~:t~ ~~~:~~~ ~1~:¥~p 6 5625

7) K. Kamide and K. Yamaguchi, Makro'nol. Cltem., 162,

205 (1972).

8) D. E. Robelt and L. Mandelkern, J. Af71. Chern. Soc., 82,

l091 (1960).

9) A. V. Tobolsky and G. M. Brown, J. Polym. Sci., 17, 547

(1955).

Synthesis and Properties of Elastomer Containing Highly Crystalline Oligounits

Hitoshi SHIRASAKA*1, Atsuo HASHIME*1, Toshio ENDO*2, Shin-ichi l~oUE*3, and Hiroshi OKAMOTO*3

*lHokushin Corporafion (2-3'~ Shitte. Tsurumi-ku, Yokohama, 230~003 Japan)

*2Daice[ Chemical Industries. Ltd. (2-1-4 Higashisakae. Ohtake, Hiroshima, 739~l695 Japan)

*3Departrnent ofApplied Che'nistry. Aichi Institute of Technology (Yagusa-cho, Toyota. Aichi, 470~392 Japan)

Poiyaddition of wel]-defined poly(e-caprolactone) (PCL) oligomers, with 4,4'-diphenylmethane dirsocyanate

(MDI) gave oligounit e]astomers which was crosslinked with 'a peroxide. The efiiect of average number and destribution

of oligounits on crystallization behavior of oligounit elastomers was studied by DSC, WAXD, and stress relaxation at

a constant extension. The crystallinity of the oligounit elastomers decreased not only with decreasing average unit

number (ri) but also with narrowing a molecular weight distribution (h~~/M~~) of oligomers. The elastomer designed

here, showed good strain-induced crystallization behavior and less stress decay.

KEY WORDS Poly(8-caprolactone) / Oligomer / Oligounit / Molecular Weiglrt Distribution / Crystallinity /

Elastomer / [Kobun~hi Ronbunshu, 56(1), 18 23 (1999)] (Received September 2, 1998: Accepted October 12, 1998)

~1~~~F~~~~: Vol 56 No. I (1999) 23

3-l

~ ~ =jt~ ~~ ~ ;~~'~l):~~7 ;~i~)=~&fl~lJ ~ tLt.'- PTMG ~ =)..

,~ ~ ~) ~~ 1) ~ ~ =~~=--'f~i J/ ~/(7)~ ~

~> ~ rf='~~'*~7^ ~ ~L

~1~~~ (_- ' VJT~:~, ・ ~l"~~~~,Fh*,~L

~FJi~; ・ ~l;~~ ~L

ELASTonlIERIC PROPERTIES OF POLYURETHANE PREPAR-ED FROM PTMG REGULATED MOLECULAR WEIGHT DISTRI-B UTI O N

Hitoslli SHIRASAKA. Megumi YAMASHITA. and Tadahiro INAGAKI (Hokushin Corpo-ration, 2-3-6 Shitte, Tsurumi. Yokohama, 230-0003. Japan). Shin-ichi INOUE and Hiroshi OlCAMOTO (Department of Applied Chemistry, Aichi Institute of Technology (1247 Yachigusa. Yagusa, Toyota. Aichi. 470-0392. Japan) '

I_incar l)()lyul~eLhane w~.Is prcparccl froln a well-definec] poly (oxytetramet.hylene) ~']yco]

(1)'1'MG) , with oligomers having a various molecu]ar weight clistribution (MWD), ancl a rezlctccl

4,4'-diphenylmethane diisocyanate (MDI). These linear po]yurethanes were crosslinked with a

peroxide to produce polyurethane elastcuTlel~s. The effect of average nruTlber of repeating unit (1~1)

and MWD of PTMG on crystallizatlon behavior for polyurethane elastcuTler was studied by DSC,

WAXD, and stress relaxatlon. The crystallinity of the polyurethane elastomers was reduced not

only by clecreasing l~1 but also by narrowing MWD of the PTMG. The polyurethane elastomer designed here, showecl goocl strain-induced crystallization behavior and less stress decay.

(Receivc'd ol'z Octobc',' 1, 1998)

Key Word : Poly(oxytetramethylene)glycol, Oligomer, Molecular weight clistribution, Crysta]linity,

Elastomer, Stress relaxation, Strain-induced crystallization, Polyurethane

1.i~ ,:=

H' ~) ?11;'t / ' 67) ji*=---.'~~i ~ ' -_- 'l!'i: l) r~ l/ ~7 /f~ 4 y ~/~/ ~~ l ',+

~ i*ili /li i)~-'/~b)J 7t,~' I~t;'~ 1_li L t~ v + _~~..__- f'i')JII J~~c~ 1;L'~' ~) '~~~={~i IJ>

' flt __ _ ._.__ ' )'i'~=~'~T~~~-*;1- ~ (7) ;~~fAl=1 f ~i~) ~) v ' I~ ~f;.!rl'lyil~ ~ ~~~~ ~ 7t.r ~~)

jj[fi_-)'/'~_ ~ JtLJ- ~) /._'~)a)_:ll ~ ;~ l' ? Ti;L~i I f- ~3 v' C ~ ~{ *_""I*~. ' -

~iYs ~~ }~ ~'~)~. J1~;~ 1 7 ~ LC(7)'~'.]f'r)I~f~lT*J-~/~ ' -*..+4. =

l.1.I~~-~- ;~ ~ ~ ~) /J ~~L v~ ~~jJ~!Ilr]'Jt~ ~ v' f~f~'~ fl/J~N:~'1J"

f,rFi I'.,. ~l) ~ Uc~lli ~~' yL-C ~U ~U ~ L C ~)~~~~ ~ ~~/*-t/ ~

l ~// / / I ~J~/ I ~ t: "j]il'l/1 ;~.r~l~ ) y7 h

.~~ - i'{')L*~ "TfJ~fi~ ~~ ~ ~ ~{Tl-.' l) ~' ~) l

-~ //"/ ~ l- ~ l)'~~' ¥/ f

~~ //~'/ ~/ I "i~;;-'*1?f~~j)J 'V l/ ~ l/~)~~~)J ~ ~ v';c ~). ' ~ . =

l: ~ //" / ll 'lyl f- ~~e:' '-L=j- ;~ ~ ~ ~ l)(, 7~ ' -*'L" ~'yf

:i ;~ ~ ~ l' JL 'i"/ "'=*

' Ucy ~/ I' Jt~ //'/ / l' ~).Lx:=L~~c . ')~)flfl)f)~' c~'-~-l~:; ~

~ ~ ~ ~1 Il)'~J ~llf~fit=j)J~',J, ~ )J '~ 4~jJ IyLI~ ~ ~)[-~]f~^.~J' t) Il)] ~) IJ ~ . }~ /~C ~ C v¥ ;~ 1.2) ~ ~}~ ~ fL ~ -~~tl~J IJ:' ~ ~7 4 ~}~4-

- ' f~ l/>t:~',+'-~tr,Fl"I<]11:~]~) :1'1.

'. J ~'~~=~'~{1・~'~) / 7 1 ~z ~ / /

-[i :~'l. ~ ,'f!lLjJ~rl4J f~ f~ lifJ--" /J~J~-Tf~ "I~1 '--<1"I L /~>t!"~ r'r~FI i']ii~) /

- ~ ~. ~・ _. _._ ,

a) ~ ~) ~'~ ;~ . i'jli'i;~l~'jrli i~ i~),~-.,[~li iij'fit~~i~ ~ ~-]--~- ;~ ~ / ' 'b , ',,

l )~~ L~~)r)v~fc ~~i < f~~ l) ~ ? f~=J=!!1'Fl'l,~"*I~i ~l ~) iEi T~' - ='**' .

I~= ~ /J> tJL-/J~ ~ /J"_I~CF- Ilf lll 4*' r J ' )~J ~ d~~ ~ t*-3 s) L L , ~~t< t'*1 "" l"'

' 4'-"- > ~ 7~~: ~) ~~ii"'[It~,'i ~ flYj Jj~"t ;~ l)~J _Ir- ~ ljl' '~-~~ I) ~~ L Iji ~l_/J

Jj'~ fc'i=~~~11'J~~ ~:~)・ljfl4J7~~ iL 7 ;~ I ? ~ L~/+ 7 -~L - -・-_ ,

7.jJ ~ i~ ~) ~)f~ ~ d~~ ~~ ~) ,f.' l) T~ ~ ~7 ://J~'ijL/~~

( 25 ) 123

3-2

連鎖分布の規制されたPTMGから得られるポリウレタンの諸特性 日本ゴム協会誌

した機械特性を示す理由に,ミクロ凝集構造に起

因するハードセグメントの補強効果が挙げられ

る.この種のポリウレタンはハ』ドセグメントに

よりソフトセグメントの両末端が固定されるた

め,高結晶性を示すポリオールを使用することが

できる.しかし,ミクロ凝集構造を形成しない合

成ゴムではソフトセグメントの結晶性は,エラス

トマー自身の結晶性に大きく影響する.ポリ(オ

キシテトラメチレン)グリコール(PTMG)はガラ

ス転移点が低く,ゴム弾性に富み強度が高いた

め,ポリウレタンを始め,ポリエーテルエステル,ポリエーテルアミドなどの高性能相分離型エ

ラストマーのソフトセグメントとして,一般的に

用いられるオリゴマーである.PTMG系エラストマーが高強度を示すのはPTMGが適度の結晶性を有するためである.しかしながら,結晶性の

高いポリオールを用いる分子設計ではC61dhardening5)(低温硬化現象)に留意する必要があ

る.末端架橋型PTMGネットワークの結晶化6)が研究されているように,エラストマーのソフト

セグメントとしてPTMGを用いる場合には適切な分子設計が必要である.Cold hardeningに対

する有効な解決策として,異種モノマーとの共重

合による結晶性の抑制7)などがあるが,,これは結

晶性ポリオールの特性を生かした分子設計に限界

があることを示している.すなわち,破断や摩耗

などの過度の変形状態である高伸長時にのみ結晶

化し,通常の使用環境では安定なエントロピー弾

性体として振る舞う微妙な結晶性の制御は困難で

あった.著者らはオリゴマーを構成する連鎖に着

目し,すでに高結晶性を示すポリ(ε一カプロラク

トン)(PCL)と4,4㌧ジフ土ニルメタンジイソシ

アナート(MD工)とからなるポリウレタンにおい

て,ε一カプロラクトンの平均連鎖数およびPCL

の分子量分布によってポリウレタン分子鎖全体の

結晶性を制御できることを示した8・9).これは連

鎖分布の規制が高性能あるいは高機能ポリウレタ

ンの分子設計において有効であることを示唆した

ものである.本研究では,連鎖分布の規制された

PTMGから得られるポリウレタンの結晶性と諸特性との関連について,PTMGの連鎖分布が及ぼす影響を検討した結果を報告する.

2. 実 験

 2.1原料・試薬

 オリゴマーとして保土谷化学工業㈱より提供を

受けた分子量分布の異なるポリ(オキシテトラメ

チレン)グリコール(PTMG)を用いた。鎖長延長

On・

THF

Hく・C㌦C繊C味・H

    PTMG

OCNグ、CH2、〃NCOMDl

辛螂一終1Ωκ〃叫  P幽「MG-MDl based Iinear polyurethane(“「MLPU)

DCPcure

PTMG-MD董based closs-llnked polyurethane(TMCPU)

Scheme l

124 (26)

3-3

第72巻第3号(1999〉白坂仁・山下恵美・稲垣忠弘  井上 藁一・岡本 弘

剤としてMDI(日本ポリウレタン㈱製ミリオネー

トMT)を,架橋剤としてジクミルパーオキサイド(パークミルD:日本油脂㈱製)を市版品のまま

用いた.天然ゴムは市販の脱たんぱく天然.ゴム

(DPNR)を用いた.

 2.2線状ポリウレタンの合成

 PTMGの水酸基に対し等モルのイソシアナー

ト基に相当するMDIを反応させ,PTMG-MDI線状ポリウレタン(PTMG-MI)I based lin、

earpolyurethane:TMLPU)を得た.詳細は既報に準じて行った8).

 2.3架橋エラストマーの合成

 TMLPUの100重量部に対し2重量部のジクミルパーオキサイドをオープンロールにて練り込

んだのち,160℃に加温した金型で20分間プレス

成形を行い,架橋エラストマー(PTMG -MDIbased cross-linked polyurethane:TMCPU)を得

た(Scheme1).サンプルの名称は平均連鎖数(煮)

一PTMG分子量分布(Mw/M11)一架橋有無(線状:

L/架橋体:C)の順に記した.

 2.4’GPC測定

 東ソー製GPC SC8010により,東ソー鰻

TSKgel G5000HXLカラム1本およびGMH:XLカラム2本を直列につないで測定した。

溶離液にはTHFを使用し,流量1.Om1/lnin,

カラム温度40℃で示差屈折計により測定を行った.

 2.5 DSC測定

 セイコーインスツルメンツ㈱製熱分析システム                ノ

おε

名面

↓一一

   ’80 ・60 ・40 ・ZO O ZO 40・60 86

         Tgmperature (℃)

Fig.1 DSC curves for PTMG(Mnニ1422,薔w/薪n=   1.48).

(EXSTRA6000DSC6200)を用い,試料重量10mg,昇温速度10℃/min,窒素雰囲気下で熱的特

性(ガラス転移点(Tg),融点(Tm)および融解熱

(△Hm))を測定した.晶まず,室温かち100℃まで

昇温させたのち一100℃まで温度を下げ,次いで

100℃まで昇温させた.Tg,Tmおよぴ△Hmは2度目の昇温時のサーモグラムを用い決定した.

等温結晶化は,冷却途中に設定温度(一20℃)で所

定時間保持するステップを挿入することにより測

定を行った.

 2.6 引張試験

 ㈱オリエンテック製の万能試験機(テンシロン

RTC・1225A〉を用いて,23℃,引張速度500

mm/minで行った.試験片は厚さ1mm,幅3mm,内径30mmのリング片を用い,外径3mmのプーリーに取り付けた.

Table l Properties of PTMG and TMLPU

PTMG TMLPUSample ・而na》  δb》

    罵

巫w/薫lnC》 Tmd} △Hmd,・e,

     (℃) (mJ/mg)

薪nC》

(×10-5)

薔w/面nc》 Tgd》 NHCOOf}

    (℃)(mmo1/9)

17-1.5

20-1.5

20-1.9

20-2.3

23-1.6

1230

1422

1426

1432

1660

16.8

19.5

19.5.

.19.6

22.8

、1.53

1.48

1.94

2.33

1.59

2ユ.7

122.7

22.9

22.4

23.9

71.6

70.2

70.8

69.7

74.7

1.22

1.33

1.31

1.43

1.65

1.97

1.86

1.84

1。99

2.01

一57.9

-61.7

-63。0

-63.7

-67.2

1.35

1。20

1.191.19・

1.06

a)Calcuiated fromしhe hydrqxyl value by趾ration。

b)Average number of repea七ing unit in PTMG.

c)EstimatedbyGPC・ntbe.basis・fcalibratiQnwithstandardp・lystyrene.

d)Measured by DSC from-100℃tq100℃at a heating of10℃/mln..

e)Heatoffusion.f)Calculated urethane(一NHCOq一)cont今nt in TMLPU.

(27〉 125

,3-4

連鎖分布の規制されたPTMGから得られ,るポリウレタンの諸特性  EI本ゴム協会誌

〆TgDPNR

hold time

  90min 120min 180mln 300min

T9

20-1.5一し

TMLPU

hoid time

15mln30min45min60min90min

一100 一50    0    50

Temperature(℃)

100-100 一50    0    50

Temperature(℃)

100

Fig.2 DSC curves after various hold time at」20℃.

25

~0

aE\ 15つ

E)

E工10ぐ

5

0

一く⊃一一〇PNR  (180min》

一{=ト・~0の1.5。し (60min)

一つ一17・1?5・し(180mh}

40

35

 30a∈… Z5

εzo

島5ぐ

 10

5

0

~3-1.6

.P。海1.5

   !   0   99   gl    ZO-1.9

   ヨ   o   ’とひとロヨ ノ

  じ  一  DPNR  σ

.口

,η!

一40    ・35    Q30   g~5    -ZO    -15    。10    。5

     Temperature (℃)

/ノ

Fig.3 Relations between△Hm and hold temperature

   for TMLPU at a constallt time.

  口’  ノ ノ o , ’

’17-1.5’

●a

,o

10  100Hold time(mln)1000

F19.4 Relation菖between△Hmandholdtimeat-20℃   for TMLPU、

 2.7 X線回折測定

 ゴニオメーターによるX線回折装置(RIGAKURAD-B)を用い,Cu-K。をX線源として出力40

KV,100mAで10~350の範囲を4。/minの速度で測定を行った.

 2.8 動的粘弾性測定

 ㈱オリエンテック製レオバイブロン(DDV!01

FP)を用い・1則,定周波数10Hz・一40でから40℃の範囲を昇温速度0.5℃,1℃および2.5℃/

minで測定した.

 2.9 応力緩和試験

 セイコーインスツルメンツ㈱製熱分析システム

(EXSTRA6000DMS6100)を用いた』測定は幅

5mm,厚さlmmに調製した試料を初期長8mmでとりっけ,所定の倍率に伸長させたのち,

昇温速度2℃/minで室温から50℃まで昇温させ

た.その後,所定温度まで温度を下げ,その温度

に保持し応力の経時変化を測定した.所定温度に

達したときの応力を初期応力f(0),t時間後の応力をf(t)とし応力保持率f(t〉/f(0〉を求めた.

3.結果および考察

 3.1熱的性質 Fig.1に平均連、鎖数約20(Mn・=1422)の

PTMGにおけるDSC曲線を示す.降温過程では結晶化による発熱ピークが,昇温過程では融解

126 、 (28〉

3-5

第72巻第3号(tg99)白坂仁・山下恵美●稲垣、忠弘  ヂ1二」二  眞一一 ・1岡ノトこ  ワム

1z

10

ハ⑩ 8色Σ

V鴇巴6あ

4

Z

0

一DPNR-C。.一一一一 ZO-1.5-C

一一一 ZO-1.9-C

一一一一17-1.5・C

   〆咳1ら 〆タグ’〆

 ’ o『 ’8 01 ’2 ” ’,

 ,5 ’,

 ” ’, ,’ ’,

 。’ノ9

ノσ σ

/・

/,

0  100 ~00 300 400 500 600 700

    Strain (%)

Fig.5 Stress-strain curves of TMCPU.

10島

ハ徊Q噂   7

》10山

106

む ぢでメゆ 

 \

’ロ鴨、ノ    、

一 20-1.9。C

嚇’一~0-1.5-C

\T ~.S℃/min

1.0℃/mlη

・40・30・ZO・10 0 10 ZO コ0 40

   Temperature (℃)

Fig.7 Crystallizatlon behavlor of TMCPU from E。at

  various heating rate.

〉、

一の¢Φ

)⊂

20-1.5-C

 ノ  ヤぢ     ゴノー.0)・ ノ、   \.

! 、.           extension  ratio

一γ~

450%

400%

350%

300%

200%

PTMG10 15 と      と 

2θ(degree)30 35

Fig.6WAXD profiles for TMCPU at various exten.

  S霊011 rat10.

による吸熱ピークが観察される.このとき観察さ

れる融解熱とPTMGの結晶融解熱(12.6kJ・mo1曙1)10》とから結晶化度を算出すると,約40%

であった.Table1に用いたPTMGおよび合成したTMLPUの性状を示す.PTMGでは平均連鎖数が増大すると融点は若干の上昇を示す.平均

連鎖数が同じで分子量分布が異なっても,融解熱

には大きな違いは観察されない.TMLPUでは

PTMGの平均連鎖数が減少するにしたがい,ガラス転移点は上昇する.これは運動性を妨げる

斑DI由来のウレタンセグメントが増加する・ため

と考えられる.平均連鎖数が同じでも,分子量分

布が増大するにしたがv~,ガラス転移点は若干低

下する傾向が観察された.

 Fig.2にTMLPUおよびDPNRのDSCによる一20℃における等温結晶化後の融解挙動を示

す.等温保持時間が増大するにしたがい,融解熱

が増大し,結晶化が進行していることがわかる.

両者ともに高温側に主ピータがあり,結晶化度の

増大によって主ピーク温度はほとんど変化しない

のに対し,低温側のピークは総融解熱の増加すな

わち結晶化度の増大とともに高温側にシフトする

様子が観察される.一方,結晶化の進行にともな

うガラス転移域の変化は大きく異なっている.

DPNRは結晶化がほぼ飽和していてもガラス転

移域の変化が少ないのに対し,TMLPUでは転移終了温度が不明瞭になり,高温側にシフトして

いる.このことからDPNRは相分離的な結晶化挙動をと}),,TMLPUは相混合的な結晶化挙動

をとるものと考えられる.Fig.3に融解熱と結晶

化温度との関係を示す.TMLPUの結晶化速度

が最大になる温度は約一25℃に観測され,DPNRとほぼ同様の傾向を示した。この温度は今回の範囲内では平均連鎖数および分子量分布に

はあまり依存しない.一方,平均連鎖数が20か

ら17に減少しただけで,結晶性は大幅に低下し

ている様子が観察される.それぞれの原料として

用いたPTMGの融点およぴ融解熱の差からは予測し難い現象である.Fig.4にTMLPUの融解熱と保持時間との関係を示す.平均連鎖数が増大

すると結晶化速度は増加する.また平均連鎖数が

ほぼ同じ場合,分子量分布が狭いほど結晶化速度

(29)’12 7

3-6

連鎖分布の規制され,たPTMGから得られるポリウレタンの諸特性  日本ゴム協会誌

,00

 80

ハ*

)60ハoごぺ( 40呂嚇

ZO

0

9℃

・20℃

一13℃

一~5℃

一35℃

・4℃

0 50      100      15、0

  ηme(min)

ZOO

Fig.8 Stress relaxation behavior of50%extended20一・

   1.5-C at various temperature。

は遅くなることが明らかとなった.DPNRと同様の結晶化挙動が平均連鎖数と分子量分布とを調

整することにより,容易に得られることを示唆し

ている.

 3.2 機械的性質

 Fl9.5にTMCPUのS-S曲線を示す.伸長率300%以下の低伸長領域では,架橋DPNRに比べ1.5~2倍の応力を示した.これは分子間凝集

力の違いと考えられる.伸び率400%以上ではDPNRと同等の応力の立ち上がりが観察され,良好な伸長結晶性を示した.破断時の応力および

伸びもDPNRとほぼ同等であった. 3.3 X線回折

 Fig.6に20-L5-C系試料について伸長率とWAスDプロファイルとの関係を示す.伸長率300%までは非晶性を示すハローのみしか観察さ

れないが,400%以上では明確な回折を示すよう

になることから応力の立ち上がりは伸長結晶に起

因するものと考えられる.また,このプロファイ

ルはPTMGホモポリマー結晶のプロファイルとほぼ一致することから,伸長により生成する結晶

はPTMGの結晶であると考えられる. 3.4 動的粘弾性

 Fig.7に平均連鎖数が約20で分子量分布が異

なるTMCPUにおいて,昇温速度を変化させたときの貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を示す.ガラ

ス転移の裾が〔30℃にかけて観察されるが,この

グラフに記している温度領域は架橋エラストマー

におけるゴム状弾性域であり,本来温度依存性は

少ない温度領域である.分子量分布の広いサンプ

ルでは昇温速度が低下するにしたがい,一20℃か

ら10℃におけるE’の上昇が顕著に観察される.

これは結晶生成の最適温度領域である一25℃前後

ハ承)

ハoご、』’

)㎏

100

80

60

40

~0

0

ZO-Z.3-C

ZO-1。9-C

ZO嶋1.5-C

0 ~0   40   60   80   100  Time (min)

Fl9.9 Stress re量axation behavior of 50% extended

   Tで〉ICPU at-20℃.

を通過するときに生成した結晶が,弾性率を増大

させるためと考えられる.この現象はcold har-

deningと本質的に同じ現象であり,低温で保管

されると結晶化を起こしエラストマーとして,機

能しなくなることを示している.cold hardening

に対する確認試験は定温で行われるケースが多い

が,前述のように結晶化には最適な温度領域が存

在するため,温度を走査する動的測定法は評価方法として有効である.一

 3.5応力緩和

 天然ゴムにおける研究では,定伸長下において

結晶化に起因する応力緩和が起こることm,配向

状態の結晶化が引き続いて起こると試験片の長さ

が自発的に伸長することが報告されている12).

Fig.8に50%伸長させた20-L5-Cにおける応力

緩和挙動の温度依存性を示す.一20℃から一25℃

付近に,もっとも応力緩和が進行する温度域が存

在する.この温度より低くても高くても応力緩和

は緩慢となり,この傾向はFig.3におけるDSCによるTMLPUの結晶化特性とほぼ一致している。これより低温における応力の緩和は高温で一

般的に観察される化学緩和ではなく,結晶化によ

るエントワピー弾性の消失であることが明らかで

ある.Fig.9に平均連鎖数がほぽ等しく,分子量

分布の異なるPTMGから得られたTMCPUの応力緩和挙動を示す.分子量分布の狭いオリゴマ

ーから得られたエラストマーは長時間にわたって

応力を保持しているのに対し,分子量分布の広い

系では速やかに応力は緩和した.

 以上をまどめると,.丁皿CPUの結晶性は

TMLPUの結晶性と対応しており,PTMGの平均連鎖数および分子量分布,すなわち連鎖分布に

より制御できると考えられる.平均連鎖数を低下

128 (30)

3-7

第72巻 第3号(1999)白坂 仁・山下 恵美・稲垣 忠弘  井上 眞一・岡本 弘

させると結晶性は低下することから,連鎖分布の

影響は高分子量成分の結晶性にあると考えられ

る.すなわち,ソアトセグメントとなる架橋点間

を構成する分子の中で,結晶性を有する最大のモ

ノマー連鎖を一定の長さ以下に規制することによ

り,エラストマー全体の結晶性を抑制できること

を示唆している.平均連鎖数が低下した場合はガ

ラス転移点が上昇するため,最小連鎖数の規制も

望ましいと思われる.この連鎖分布を規制したエ

ラストマー設計により,通常の負荷環境では安定

なエントロピー弾性体として振る舞い,破断にい

たる過度な変形下では伸長結晶性を示すことによ

り,自己補強体として作用する性質を付与できるものと考えられる.,一

      41. 結    論

 PTMGをMDIで重付加させたポリウレタンは天然ゴムに近い結ま饗,化挙動をとり,架橋エラス

トマーは架橋天然ゴムと同等の伸長結晶性を示し

た.分子量分布を狭くしたうえで平均連鎖数を調.

整することにより,ソフトセグメントを構成する

弾性高分子鎖の結晶性を高度に制御することが可

能となり,伸長結品性と弛緩時の非晶安定性との

バランスを両立さぜることが可能となった.連鎖

分布を規制したオリゴマーは.ポリウレタンの可能

性を広げる手段として極めて有効であると考えら

れる.

臼文・ 献

1)Fu,B.,FegOr,C.,Macknight,W・J・,and Schneider,

 N.S.:Po卿砿26,889(1985)

2〉Furuka鴨M・:」・ApPli♀dP・1ym・ミcl∵鋤乙P・ひ2η・

 εv〃ψ.,50,199(1992)

3)Mark・J・E即Sumvan,J・L・・:∫Ch67/zl.砺霊・66・

 1006(1977)4)」。ng,Land、Stein,R.S.:惚朋∂♂εど略24,

 2323(1991)

5)Hepbum,C.:、Polyurethane Elastomers,ApPlied

 Science Publishers,(1982).P.50

6)Takahashi,H.,Shibayama,M.,Hashimoto,M..and

 Nomura,S.:ル毎σo御o々α‘1εs,28,5547(1995)

7)Chen,W.,Frisch,K.C.,Donald,J.K.,andWong,S.:

 /〃.5い.P耀勘ρ乙’Ch佛.,A29,567(1992)

8〉白坂仁,橋目淳生,遠藤敏郎,犀之内千夫,井上眞 一,岡本弘:高分子論文集,、55,21(1998〉

9)白坂仁,橋目淳生,遠葎敏郎,井上眞一,岡本弘:高

 分子論文集,56,18(1ggg)10)Miki,K.and Nakatsuka,Rl:Rのな」Pフηgフ=」Poな77zθ乳

 ・Phy3.,8,115(1963)

11)Tobolsky,A.V、and Brown,G.M.:/1⊃ol遡.S6云,

 17,547(1955〉

12)Smith,W.H.・and Saylor,C.P.:1~zめδεプCh佛.

 T¢ch犯o乙,12,18(1939〉

* *

* * *

ぐ311) 129

4-I

2776 Macromolecules 2000, 33, 2776-2778

Polyurethane Urea Elastomer Having Monodisperse poly(oxytetramethylene) as a Soft Segment with a Uniform Hard Segrnent

Hitoshi Shirasaka*

Hokushin Corp., R & D Center, 2-3-6 Shitte, Tsurumi-ku, Yokohama 230-0003, Japan

Shin-ichi Inoue,* Kiyotsugu Asai, and Hiroshi Okamoto

Departlnent ofApplied Chemistry, Aichi Institute of TechrLology, 1247 Yachigusa. Yakusa-cho, Toyota, Aichi 470-0392. Japart

Received October 26, 1999

Revised Mahuscript Received January 27, 2000

Introduction Poly(oxytetramethylene) glycol (PTMG) in the mblec-

ular-weight range from 500 to 4000 is often used as the soft segrnent of high-performance multiblock-ty~)e elas-

tomers such as polyurethanes, polyether-esters, and polyether-amides because of its low glass transition point (Tg), good rubbery elasticity, and high strength.

The crystallinity of PTMG provides the high strength of the PTMG elastomers. However, studies on the isothermal crystallization of PTMG network polymersl show that a cold crystallization phenomenon (cold hardening) is sometimes observed, which restricts their applications.

In the case of multiblock-type elastomers, segTCLent distribution and composition ratios of monomers are important parameters for control ofphysical properties. Effects of the chain length and distribution of hard segments on the physical properties of elasto~lers have been examined by using well-characterized hard seg-ments.2~5.There have been reports6 on the effect of unreacted tolylene diisocyanate (TDD on the domain structure of a polyurethane urea elastomer consisting of PTMG, TDI, and aromatic diamines. On the other hand, there have been few reports7 on physical proper-

ties of elastomers having a monodisperse soft se~pent (M*/M* < 1.1). In usmg polydisperse PTMG with its index from 1.5 to 3.8, the effect of the molecul~r weight

distribution of the soft segrnent on the polyurethane properties has been examined.8

In the present paper, synthesis and properties of an

elastomer having monodisperse PTMG unit with uni-form hard segrnent are described. The resulting data clearly showed that the elastomer properties could be controlled by changing the molecular weight distribution of the soft segrnent and the hard segment distribution.

Experimental Section Materials. Monodisperse PTMG was prepared by fraction-

ation of commercial PTMG (PTG 1000SN, Hodogaya Chemical Co. Ltd.) according to the literature,9 polydisperse PTMG (Terathane 2000) was obtained from DuPont Chemical Co. Other reagents are commercially available and used as received.

Synthesis of Polyurethane Urea with Unimodal Hard Segrnent Distribution. PTMG was reacted with an excess of2,4-TDI (6-fold for PTMG) at 60 'C under argon. After 8 h,

unreacted TDI was removed under reduced pressure (0.l mmHg) at 150 'C. The adduct was kept at 80 'C and added to

10.l02JJma9917904 CCC: $19.00

4,4'-methylenebis(2-chloroaniline) (MOCA) at 120 'C (iso-cyanate/amine = 1.05). The mixture was injected to the mold held at 120 'C for 30 min, followed by heating at 100 'C for 24 h. The sample was stood at room temperature for 7 days for measurelnent of properties.

Measurements. Size exclusion chromatographic (SEO analysis was carried out using a Tosoh SC8010, apparatus with a refractive index detector using the following conditions:

TSKgel G5000axL and aMHXL (x2) columns and tetrahy-drofuran eluent at a now rate of 1.0 mUrDin. The calibration

curves for SEC analysis were obtained using polystyrene standards. As to the l:2 adduct ofPTMG and TDI, the capping with methanol was performed before the measurement. Hard-ness was measured using a Kobunshi keiki microdurometer with model MD-1. Tensile tests were calvied out using a Orientec RTC-1225A with model U-4310 at 23 'C in tension speed of 100 mm/min. Wide-angle X-ray diffraction (WAXD) profiles were recorded at room temperature on a Rigaku RAD-B diffractometer. A sealed X-ray tube generator with a Cu target operated at 40 kV and 100 mA provided the source of X-rays. Intensities were counted in the Bragg angle (26) from 10 to 30' at scan, rate of 4'/nlin. Dynamic viscoelasticity

was measured using a thennal mechanical analysis system of Seiko EXSTRA 6000/DMS 6300 in a range fronl - 100 to +220 'C at 3 'C/rDjn heating rate. DSC analysis was' preformed

under nitrogen using a Seiko EXSTRA 6000/DSC 6200 ap-paratus calibrated with an indium reference standard. The measurement was made at a heating rate qf 10 'C/min from -lOO to 230 'C using 10 mg of the sample.

Results and Discussion

PTMG is synthesized by cationic ring-opening polym-erization of tetrahydrofuran. Under appropriate reaction

conditions, the polymerization 'proceeds in a living fashion to give monodisperse polymers. However for synthesizing oligomers with degree of polymerization from 10 to 40, strict control of molecular weight distri-bution is difficult; several patents show that the lowest value ofM~/Mn with oligomers was about 1.3.ro,11 The quantitative introduction of a hydroxyl group at both polymer ends is also required for use as soft segments.

In this study, therefore, monodisperse PTMG was prepared by fractionation of commercially available PTMG with Mn and M~/Mn Of 1000 and 1.5, respectively, using methanol solutions containing different concen-tration of ~urea 8 M~ and M~/M* of the fractionated PTMG sample, determined by hydroxyl value and SEC, were 2000 and 1.1, respectively.

In the synthesi's of polyurethane urea by the conven-tional method, the addition reaction offree diisocyanate

and the chain extender resulted in the formation ofthe polydisperse hard segment. In this study, the polyure-thane urea with uniform hard segment was synthesized according to Scheme l. The obtained sample (1) had monodisperse soft segment with unimodal hard seg-mental distribution. For comparison, two samples were synthesized: one (2) having polydisperse PTMG unit (M* = 2000, M*/Mn' = 2.0) with unimodal hard segmental distribution and the other (3) having the polydisperse PTMG unit with polydisperse distribution of the hard segment. The latter was obtained by the conventional method (reaction of PTMG and TDI (1:2 feed molar ratio) and subsequent polymerization of the resulting prepolymer with MOCA. Composition (content of soft and hard segments) of I was almost the same as that of 2 or 3. The analytical value and physical properties

of 1-3 are summarized in Table l.

C 2000 American Chemical Society Published on Web 03/16/2000

4-2

Macrolnolecules, Vol. 33, No. 7, 2000 Notes 2777

Scheme 1

H~-¥O(CH2)~~mOH

OCN

H3C V・ ~ co OCN NCO V~ C~( ~~ OCONH ~ ~ CH H3C O(CH2)4 NHC

Cl Cl H N ~ ~ CH2 ~ ~ NH2 Cl Cl OCHN NHCONH V ~ CH ~ / H3C V ~ NHCO~~O(CH2)4~T"OCONH ~ ~ CH

n

Table l. Properties of PTIYIGS, Prepolymers and Elastomers

PTMG prepolymer elastomer

sample Mna M~lM*b NCO (%) free TDI (%) M~ / Mnb H*' (A) Tbd (MPa) Eb' (%) T! ('O T~g ('O T*h ('O

l 32.2 460 -60.9 161 1989 '

l.08 0.07 l. 13 68 3.63

2 37.8 490 -67.0 179 5.3

2086 1.90 72 0.08 2.03 3.58

3 44.7 510 -71.5 190 5.8

2036 1.91 81 l.ll 2.08 3.58

" Calculated from the hydroxyl value by titration. b Determined by SEC on the basis ofcalibration with standard polystyrene. ' Hardness,

measured by a microdurometer, d Tensile strength at break. ' Elongation at break. f Glass transition temperature, determined by DSC. g Melting point of soft segment, determined by DSC. k Softening temperature, determined by DMS (as half of the E' value at 20 'O.

50

40

~ ca c:L 30 ;~

~ u,cn

L 20 ~ U)

10

O

O ' 400 600 500 1 OO 200 300 .

Strain ('/・)

Figure 1. Stress-strain curves of elastomers 1-3.

>, '~ 'cn

c:

o dJ c

elongation

400'/-

300'/-

200010

1 OO'/o

' Oolo

PTMG

Hardness strongly depended on the microstructure; the hardness of l, w;here the hard segment was sepa-rated by th~ sof:t segTnent, was the smallest. Figure l

shows stress-strain curves of elastomers 1-3. For 3, the initial stress rose sharply, whereas for I the initial

stress increased the most slowly. In all the samples, a great increase of the stress is" observed above 300%, indicating a rubberlike elasticity due to strain-induced

crystallization of the soft segment. The order of the ultimate elongation was on the order o~l < 2 < 3. These data imply that the microstructure of the polyurethane urea affected the static mechanical properties.

Figure 2 shows WAXD spectra of I with different elongation rates. There were no peaks at less than 200%

of the elongation rate, and two peaks were clearly observed at more than 300%, which agrees with those ofPTM:G. These data indicate that the crystallite formed

by elongation was that ofPTMG segnlent.

Storage modulus E' and dissipation factor tan ~, as a function of temperature, are shown in Figure 3. As to the storage modulus, I had no shoulder around O 'C, whereas there was a shoulder in 2 and 3. In the DSC charts of the p,resent elastomers (Figure. 4), an endo-

10

Figllre 2.

1 O'q

25 35 30 1 5 20

2e (degree)

WAXD profiles of I at different elongation rate.

1 09.

1 08

~ ~ 107 ~u

1 05

1 05

1 04

~:-

'b

~~,

'a

., :f ., ~l .,

/ It

~c V'

t

ll・・l

OOOOO

1

Z 3

1 ' ll~

..,b

l' 'b ¥"f

'_ l" ,,

1 y' ,,11 1'

.~ lp .,,. .tl'l ¥ 't' / ~:~t¥, /

'4fP ...

-~

1 oo

10

1

~:'

c::

O. I ~

0.0 1

0.001 -Iso '-1'd'o -so o 50 Ioo Iso zoo zso

Temperature ('c)

Figure 3. Temperature vs storage modulus (E') aJnd tan 5 for elastomers 1-3.

thermic peak was observed at ca. 5 'C in 2 and 3. These data indicate that PTMG of 2 and 3 became crystallized at the low temperature (cold hardening), and hence, 2 and 3 cannot act as elastomers below the melting point.

On the other hand I had no melting point at such a

2778 Notes

** ~

o r:

-o ~ c UJ

3

2

1

50 O 1 50 200 - I OO - 50 1 OO Temperature ('C)

Figure 4. DSC curves of elastomers 1-3. .

temperature, maintaining good elasticity at a wide range of temperatures. From these data, it was found that elastic ~roperties at low temperature were im-proved by introduction of the monodisp.erse soft seg-

ment. ' The storage modulus of I at room temperature was the lowest, the tendency of which agrees with that of the hardness and initial stress of S-S measurement. The apparent softening temperature at the high-tem-perature region was on the order of I < 2 < 3. This is probably due to the strong aggregation of the polydis-

perse hard segrnent in 3. In the case of polyurethanes and polyurethane ureas

having crystalline soft segTDents, their crystallinity is-

reduced by extending the chain length of the hard segments. This means that a large amount of the hard segments is required, resulting in the increase of hardness and modulus. Natural rubbers show excellent properties stich as high extensibility and mech,anical

4-3

Macrorrtolecules, Vol. 33, No. 7, 2000

strength, despite the elastomer having low hardness. In the polyurethane derivatives, especially with low hardness, it is often difficult to provide both properties

with elasticity at low temperature and good mechanical strength. On the other hand, the present polyurethane

urea (1) having a monodisperse PTMG unit with a uniform hard segment has both functions, suggesting that the control of soft and hard segmental dispersity is very important for physical and mechanical proper-ties.

In conclusion, polyurethane urea having the mono-disperse sofb segment with a uniform hard segment was synthesized and characterized. Elastic properties, es-pecially at low temperature, can be controlled by chang-

ing the dispersity of soft and hard segments. The present data are expected to provide a new concept for synthetic design of high-performance elastomers.

' References and Notes

(1) Takahashi, H.; Shibayama, M.; Hashimoto, M.; Nomura, S. Macromolecules 1995, 28, 5547.

(2) Fu, B.; Feger, C.; Macknight, W. J.; Schneider, N: S. Polymer

1985, 26, 889. (3) Fu, B.; Feger, C.; Macknight, W. J. Rubber Chem. Technol.

1986, 59, 896. -(4) Qin. Z. Y.; Macosko, C. W.; Wellinghoff, S. T. Macromolecules

1985, 18, 553.

(5) Furukawa, M.; Komiya, M.; Yokoyama, T. Angew. Macro-mol. Chem. 1996, 240, 205.

(6) Musselman, S. G.; Santosusso, T. M.; Sperling, L. H. Polym. Mater. Sci. Eng. 1998, 79, 352.

(7) Eisenbach, C. D. Polym. Prepr. (Am. Chem. Soc.. Diu. Polym.

Chem.) 1985, 26 (2), 7.

(8) Pechhold, E.; Pruckmayr, G. Rubber Chern. Technol. 1982, 54, 76.

(9) Schmidt, G.; Enkelman, V.; Westphal, U.; Droscher, M.; Wegner, G. Colloid Polyrn. Sci, 1985, 263, 120.

(10) USP 4510333. (11) USP 5053553.

MA9917904

5-1

lf紛ltl激1飽K・bunshiR・nbunshu)・V・L571N《)・5・PP・277一ユ8HMζ!y・2000〉

ポリカプロラクトン系ポリウレタンの結晶性に及ぼす連鎖分布の影響

白坂 仁*1・井上眞一*ユ・岡本 弘*2

(受付1999年l l月15日・審査終了2000年1月、25日)

 要旨ポリε一カプロラクトン(PCL)を4,4㌧ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)で重付加させるこ.とにより得られるポリウレタンの結晶性について,カプロラクトンの連鎖分布

の影響を検討した.平均分子量がほぼ同じで分子量分布の異なる2種類のPCLオリゴマーを合成し,それぞれをMDIで重付加させて得られる単独のポリウレタンと,両者の混合PCL(50/50)

を重付加させることによ翫)得られるPCLブレンドポリウレタン,およびそれぞれの単独のポリウレ,タンを混合(50/50)した重付加体ブレンドポリウレタンの4種類のポリウレタンを調製し

た.これらのポリウレタンの結晶性は連鎖分布が統計的確率をとる場合,オリゴマrの分子量分布(〃./該,)の序列と一致した.連鎖分布が局在化している重付加体ブレンド系はM.,!M.の広

いPCL単独のポリウレタンとほぼ等しい高結晶性を示した.この結果は1結晶性を決定する制御因子は分子量数千のラクトン連鎖単体だけではなく,連鎖数の大きいラグトン連鎖ユニットが数個連結した分子量数万のマルチユニット構造が寄与していることを示唆している』

1緒 口

 高分子量のポリカプロラクトン(PCL)は代表的な結

晶性脂肪族ポリエステルであり,溶融紡糸により実用性

のある繊維Pを形成することが可能である.またその融

点は約60~64℃ぞあり,特別な設備を必要としない熱

可塑樹脂として医療用ギブスなどに屠いられている.一方,分子量数千以下のオリゴマー領域のものはポリウレ

タンに代表される相分離型エラストマーのソフトセグメ

ントとして用いられ,耐加水分解性,ゴム弾性,強度,

耐摩耗性などに優れる原料として工業的に重要な地位を

占めている.これらの多くはPCLを非晶体として活用

している.カプロラクトン系ポリウレ「タンの分子構造と

結晶性との関係については多くの報告2尉があり,ソフ

トセグメントであるPCLの分子量と,ジイソシアナー

トと短鎖ジオール類とから構成されるハードセグメント

の鎖長あるいは相対比率との観点から検討されている.

 この微妙な結晶性について筆者らはカプロラクトン連

鎖における連鎖分布と平均連鎖数とを調整することによ

り伸長結晶性を有し,かつ自発的な結晶化を制御した天

然ゴムを模倣した安定なエラストマーを調製できること

絹北辰工業(株)(鰯23σ一〇〇〇3横浜市鶴見区尻手2-3」6)

索2愛知“〔:業ソく学:応用化学」科 (癒470-3092 』豊圧1了行ノ父1草:1町ノ又千草

 i247)

を報告した4》.

 また,このような特性は結晶性ポリエーテルであるポ

リオキシテトテメチレングリコール(PTMG)系ポリウ

レタンにおいても認められることも報告した51.これは

連鎖数で数個ないし十数個レベルの結晶性オリゴユニッ

トを構成単位として規則的に構造を乱すことにより,従

来の立体特異性重合などの製造技術を用いても非常に困

難・・とされる伸長結晶性と定常時の非晶安定性を両立さ

せた合成ゴムの提供を可能とするものである71.この分

子設計ではオリゴユニットを連結する連鎖の分布が重要

な意味をもつ.

 本研究では,連鎖分布が結晶化挙動に及ぼす影響につ

いてさらに知見を得るため,ポリマーブレンドの観点か

ら検討を行った結果を述,べる.平均分子量がほぼ同じで

分子量分布(M.,/M.)の異なる2種類のPCLオリゴマー

を用い,これらをMD1で重付加させて得られる単独の

ポリウレタンと,両者の混合オリゴマー(50/50)をMDI

ぞ重付加させて得られるPCLブレンドポリウレタンお

よび単独の重付加体を混合(50/50)した重付加体ブレ

ンドポリウレタンの4種類のポリウレタンを調製した.

 PCLブレンドポリウレタンはPCLオリゴマーのル1w/

A4,に相応した連鎖分布をもつのに対し,重付加体ブレ

ンドポリウレタンは分子鎖レベルで局在化した連鎖分布

をもつと考えられる.連鎖分布様式の異なるこれらのポ

リウレタンの結晶化挙動を解析することにより,エラス

277

5。2

 デャぐび

・樹」反・ノト上・岡本

トマー全体の結品化挙動が物性に対し,どのような影響

を及ぼすかについて検討した.

2 実 験

 2.1試薬 ε一カプロラクトンはダイセル化学工業(株)製プラク

セルMを,MDIは保土谷化学(株)製ミリオネートMTを,エチレングリコール(EG),テトラブチルチ穿ネー

ト(TBT)および塩化第1スズは関東化学(株〉製特級試

薬を,ジクミルパーオキサイドは日本油脂(株〉製パーク

ミルDをそれぞれ市販品のまま用いた.

 2.2 才リゴマーおよびオリゴユニット重付加体の合成

 EGを開始剤としてε一カプロラクトンを開環付加さ

せ,ヒドロキシル基末端PCLオリゴマーを得た.ハ4。/ハ4,

の狭い系PCL(N)は塩化第1スズを触媒として用い,

広い系PCL(W)はTBTを用い反応させた.さらにヒドロキシル基に対し等モルのイソシアナート基に相当す

る.MDIを反応させオリゴユニット重●付加体(Linear

Polyurethane;LPU)・を得た』詳細は既報7)に準じて行

った.PCLブレンド重付加体であるLPU(N・W)は,

PCL(N)とPCL(W)とを等重量比で混合したオリゴマーPCL(N・W〉に対し,等モルのイソシアナート基

に相当するMDIを反応させることにより調製した.LPU

ブレンド重付加体であるLPU(N+W)は,LPU(N)と

LPU(W〉とを等重量比でロール混練りしたものを用いた.

 2.3 架橋エラストマーの合成

 LPU lOO重量部に対し2重量部のジクミルペルオキサ

イドをオープンロールにて練り込んだのち,160℃に加

温した金型で20分間プレス成形を行い,架橋エラスト

マー(Crosslinked Polyurethane;CPU)を得た(Scheme.1).

 2.4 ゲル浸透ク[コマトグラフィー(GPC〉測定

 東ソー(株)製GPC SC8010により,東ソー(株)製

TSKgel G5000HXLカラム1本およびGMHXLカラム2本を直列につないで測定した.溶離液はTHFを使用し,

流量LO mL/min,カラム温度40℃で示差屈折計により

測定を行った.

 2.5 示差走査熱量(DSC〉測定

 熱的特性(ガラス転移点(為),融点(篇)および融

解熱(△H。))はセイコーインスツルメンツ(株〉製熱分

析システム(EXSTRA6000DSC6200)を用いて測定した.測定は試料重量10mg,昇温速度10℃/min,窒素

雰囲気で行い,室温から100℃まで昇温させたのち,

一loO℃まで温度を下げ,次いで100℃まで昇温させた.

測定は2度目の昇温過程の際行った.等温結晶化は,冷

却途中に設定温度(一10℃)で所定時間保持するステッ

プを挿入することにより行った.

 2.6 引張試験

 (株〉オリエンテック製の万能試験機(テンシロンRTC-

1225A)を用いて,23℃,引張速度500mm/minおよび

20mm/minで行った.試験片は厚さ1mm,幅3mm,

内径30mmのリング片を用い,外径3mmのプーリー

O”

C-CH2CH2CH2CH2CH2-0+  HOCH2CH20H

    脚   !EG  幽 繊 選知岬華繊 ・紐サ

          PCL・“gqmerlPCし》

             ↓’一…一《}徽◎一…

絶縄一駆 侮一曝1一《〉砺《〉腿玉

          しinear Polyurethane(L,PUl

              ↓                 ロ               _   DCP cure

          ¢ross.疑nked Polyurethane(CPU)

Scheme1.

278高分子論文集,Vol.57,N《).5(20(X))!

5-3

PCL系ポリウレダンの結晶性に及ぼす連鎖分布の影響

Table1. Properties《)f PCL監)ligく)mers(PCL),llnear pdyurcthanes(LPU) and cross-iinked polyurethanes(CPU)

PCL LPU CPUSampie          ル1、1bl

,レ1nポ ル1w/ル1nbl

        (×10一穫,     Tゼル1、v/1、411旧   ’

     (℃、

聡cl

(℃)

絃藍P

(A)

RbC,   7㌔『》   εbゴ

(%)  (MPa)  (%1

 N

 W

N・WN十W

1422

1438

1.20

1.87

1.66

1.13

1.21

1.09

1.04

1.92

1.94

1.96

2.03

一4ユ

ー43

-43

-43

一44

-44

-44

-44

56

56

56

56

76

77

76

76

20.1

24.2

21.0

20.1

580

6ユ0

660

640

“g Caiculated from the hydroxyl value byしitratlon. bl Determined by GPC oηthe basis of calibratlon with standard polysty-

 renes.cl Measured by,DSC from-100℃to100℃at a heatl㎎rate oHO℃/min.d》Hardness.e》Rebound resiiience.

『ITensllestrengthandelongationatbreak・

50で話

  丁9

△Hm O

凹old time

    O

0 60min

11.7mJ!mg 悔 180mino . 齢 一 爾 一 〇一 一 鞠 .

Z5.1mJ1mg   一..一。.一■働爾り・.

300min

29.OmJ/mg

  ..・.・曽・・..。一。。 420min

一80     -60    。40    ?ZO     O     ZO     40     60     80

        Temperature(℃)

Fig.1. DSC cun/es for LPU(N)after holding at-10℃。

40

30

6∈ 「 ~O

Eレ∈工ぐ

 1σ

0

Mw1Mn of PCし・oligomer(Mn≒1400)

  W:1.87     W   N・W   N             ゴつ.N・Wl1.66    いノー 、、ノ            ロ              ご               」,ノ  N:1.20             、’              ’ρ        Z            g              9        ノ            ク    N+Wノ産        ,・二       ,             ,             9             ,             ρ             ’         テ          ク

       /            9            ρ            ’            ρ           ρ           ρ           9           ρ           ρ           」    ア /u ノ    _/り

10   ぼロHold time(min)

1000

Fig.2. Relation$between∠l Hm and hold time at-10℃

for LPUs.

に取り付けた.

 2.7 X線回折測定

 ゴニオメーターによるX線回折装置(RIGAKU RAD-

B)を用い,Cu-KαをX線源として出力40kV,100mAで10~350の範囲を40/minの速度で測定を行った.

 2.8 動的粘弾性測定

 セイコーインスツルメンツ(株〉製熱分析システム

(EXSTRA6000DMS6300)を用い,測定周波数10Hz,

一60℃から60℃の範囲を昇温速度1℃/minで測定した.

3結果と考察

 3.1 ポリ,ウレタンの合成

 Table1にオリゴマー(PCL),重付加体(LPU)およ

び架橋体,(CPU)の・一般性状を示す.PCL1(N・W)は

単一ピーク形状のGPCクロマトグラムを示したことか

ら,今回調製した試料は連続約な分布を右つ試料(unト

modal)とみなすことができる.ヒ’ドロキシル基末端PCL

オリゴマーとMblとの重付加体であるLPUのA4./M。

は,オリゴマーのMw/M。に関係なく約2を示す.これ

は重付加反応が統計的に行われたことを支持している,

また,同一のオリゴマー組成を有するLPU(N・W)お

よびLPU(N+W)は同程度の分子量を示した.したが

って,両者の違いはカプロラクトン連鎖の分布様式にあ

る.LPU(N・W)はPCLオリゴマーのMw/A4,に相応

した連鎖分布をもつのに対し,LPU(N+W)は分子鎖レベルで高在化した連鎖分布をもつと考えられる.

 3.2熱的特性

 Fig.1に一10℃での等温結晶化時間を変化させた

LPU(N)の昇温時に観察されるDSC挙動を示す.保持時間60分以下では△1塩が観測されないことから,こ

こで観察される亙1mは等温保持された条件で生成した

結晶量に対応していると考えられる.

 Fig.2に一10℃での等温保持時間を変化させたときの

△Almの変化を示す.すべての試料においてアブラミ型

の結晶化が観察される.また飽和に達すると想定される

△H,,,はほぼ等しく,40mJ/mg程度である.この△Hmを

PCLの結晶融解熱15.9kJ/molから結晶化度を算出する

高分子論文集,Voi.57,IN

o5(2000)(

279

5-4

白坂・井上・岡本

30

Z5

ハ邸20αΣ

)のの 75巴

’あ

 10

5

strainrate  、

一 ZOmm/min一一一 500mm1mi『1

  N・W     3!       ノ,θ       ∂ ,       ’, ,       σ 9       ρ ρ      ’ 9      ご のN+w\.盈     ρ’!     ρ㌘    ρ,    ’    ノ,   びグ   σ∫’  94一

00  100  ~00 300 400 SOO 600  700

         Strain(%)

>、

,髪

の⊂ωヲζ

尾聾弓ヨロ

す 

糖ハ

,!

  ん訊鯉』.

 一の,漕・一{~∵.}

一〆          鴫〔旧のr

     ’、、{’

W

N+W

N・W

N

Fig。3.Stress-StmincurvesofCPUs・

10 15 ~0     25

2θ(degree)

30 35

Flg.4.WAXD pro田es of CPUs under250%elongation.

と30%程度の値となる.この値は天然ゴムにおいて報

告81・9,されてい為27~31%に近い・,

 LPU(N・W〉は混合オリゴマーの〃。/M.から想定さ

れるLPU(N〉・とLPU(W)の中間的な挙動を示す.一.

方,LPU(N+W〉はLPU(W〉とほぼ同一の挙動を示した。カプロラクトン連鎖のマクロ的な分布が等しいに

もかかわらず,LPU(N・W)およびLPU(N+W)の両者の挙動は大き,く異なる・このことはカプロラクトン

長連鎖の存在そのものだけではなぐ,分子内における長

連鎖ユニットの連子の存在がポリウレタン全体の結晶性

に対し大きな影響を与えることを示しており,臨界核以

上の巨視的結晶仁育つ確率に対して重要な役割を担って

いると,思われる.

 また,、LPU(W)とPCL(W)と,の分子量およーびA4w/

艦、から,ごの連子嫉分子量数万程度の大きさと推定さ

れる.

 3.3 機械的特性

 エラストマーの一般性状をTable Iに示す.反発弾性が高く,破断強度および破断伸びが大きいといった架橋

天然ゴムの特徴に類似するバランスのとれた値を示して

いる.    l

 Fig.3にCPU(N・w〉およびCPU(N+w)の応カーひずみ曲線を示す.いずれ⑳試料も300%.付近より応力

の立ち上がりが認められ,明確な伸長結晶化挙動が観察

される.破断時の応力は補強充てん剤を含まない純ゴム

過酸化物架橋体としては,高水準の値である20MPa以

上を示した.応力の立ち上がりはCPU(N+脚)のほう

が早いが,、破断時の強度はCPU1(Nl・W)のほうが優れ

ていた,これは,(N+W)系のほうが架橋エラストマ’

一の伸長結晶化においても結晶化速度が大きいことを支

持している.伸長速度を遅くすると応力の立ち上がりが

早くなり,破断強度も増大する傾向が認めちれる,これ

108

パσ氏)   7。 10山

610 -40

N+W

●                             一■D 一 口 働■鴫 q隔

リ                  ドデのゴのロ                     ロの 

                 りゆ

 ●●。’…一…・・…◎ノ・・

    N・W

heatlngrate:1℃/min

/w

  ペ  ヘ….9.。...ミ緊、

  \

  N

Fig.5.

一20       0       ZO

   Temperature(℃)

40

           ノTemperaしure dependence ofε for CPUs.

は結晶化速度が遅ければ延伸過程において,より欠陥が

少ない再配列が形成されるためと思われる.

 Fl9.4に250%伸長時におけるWAXDプロファイル

を.示す.CPU(N・W)はCPU(N)とCPU(W)の中

間的な回折強度を示すが,CPU(N+W)はCPU(W)とほぼ等しい.この結果は,Fig.2から想定される結晶

化速度の傾向と一致する.また,このとき観察されるプ

ロファイルは,PCレホモポリマーの回折プロファイル

と一致することから,、伸長によ.り生成する結晶はイソシ

アナートに由来するウレタンセグメントの結晶ではな

く,PCLオリゴユニットに由来する結晶である71. 3.4  重力白勺*占弓単・奪生

 Flg.5に比較的遅い昇温速度(1℃/min)における貯

蔵弾性率(Eノ)の温度依存性を示す.ガラス転移の裾

が一20℃にかけて観察されるが,このグラフに記して

いる温度領域は,架橋エラストヤーにおけるゴム状弾性

域であり,本来,E!の温度依存性は少ない温度領域で

280 高分子論文集.Vd.57,No.5(2000)

5-5

~ 4! 'j rl~l;~Lfr M " "- !a;~{!g ; ii. ~/'}fj l)7~~f a)

f ~ ~ PCL /~f'.',~ t . . . I_~・_ ;~/"?~;f 'T'4 t ~ 'i )r~11~ ')C ' dL :s / v / :t:'N" MB ' ' t~

* ~ a) /V/w"' /VI,~ /J*~rj-'. L + ~i~:~'==1' ~~:' I~ I O C ~ ~~~). 7fl) ~'-',~ ~ 4O~C e~t.'u+C E'6r)J-_.~~~~~~*"t~* ~t~. ~ dL!~, ~**

rdt31Et fti~-'(7) l=~~)~i tJE3nLr~)~ ~~t~'~~' ~~ ~ - IO~C ~MU 'f~~'~~~Llo) ~:*Y ~!.~It ~)

I~;..c~~~i~ L f._-~~Bl3El~~ ~ i7 c~ ~~ 77 ~~~~1~~~~b ~ ~ r) ~~~~~8~~t<~~*

~~f.~.~LCf~F~Lf,_-f._-~~~/L"' ~~~L~) E a)i~~~) ~~~V'I~ CPU (W) >CPU (N: ' ~/1) >CPU (N) ~ td*. k) ,

DSC f~ ~ ~ ~'.~BEIE!'f~f~~~Ja)F7'~'~lj ~ =~'~ L /~.

Fig 2 a) ~'J*7i~L~* BEI f~~~~=}-.--I~,~~> ~ ~*~~i~ ~ ~t ~ ~"~MBFI f ~n~f ~~ ~ . _^'~**. s~~E3 =__. ,.. . . * * ~) ~p~+v 'M~r=~ ~:'~** BBf~a) ;~~~1~;=r=:~~~~~・'~~~~-* ~ d'L ~ ~JJ,,, ~ L -~ , * . ~~*B .. = .~~ . ~~~^.t~f ~~~~l,~*=~ fdL・7;~~ETE18L~ f~~~)~~~]i~~~' ~f f~~~t ~ ~~~-;x~ ~ L ~C

;~:~..~-~ ~5~ ~f,_-, ~*BB(~7'~Jt:~~)~;v'~~~~~b~L~~t~) "~ Is

~~:~'L:f' ~* 7~' ~ ;~ i~~~,~.~~T a) imE31~~ ~・ ~ ~f~)~~:~' ~f "~'~~~~C ('T ~

1"r,* ~ , 4~ (cold crystallization) I~, ~~ ~".* E3 ~~RB'f~ ttd~.~,~?'i~-~*BB

f~~~・C~"* E~ f~~Ht~)~;"~~'l~BE3Bf~ (hot crystallization) ~ ~ ~'* BB

~ < ~~El~E]f~t~) ~ ~ ~J~~D C:)~LCV>~. ~a)~i~l/~~*fa)Ji~fL

(~ cold hnrdening ~~(n~~i~'8~c~~J ~~~:'~5 ~) , ,f~:_ iiuL~~'~;~:D~f~~

f~'=*~~~~1J~) ~f~Q*BE38(~~~*~:~ L, i~~;~, h7 ~ L~C~:~*~~

L7~d. < fJ~~~ ~ ~*~~:LCv*~).

iE* 4 T~FI ~~ 5~B

PCL 7' I/ :/ ~/J> ~ f'~~~ ~ ~1L;~ LpU ~l~,'f.~'~"=-・*f8~~~~~'./77¥~n~

~> ~ ~~*~. ~ ~'t~ f~.*.BE3El'l~~~ ~~:t67) c~~=f L , ~;4+~~Df~7' ~ ~l

~~c't~, ~;~~BE:Ell~~:~7T~t ~~~/7J¥;n~:a)~:v' pCL ~ ~('~~)

tL~) 7~i-.' l) r~ ~ ~ /a)~~BE3El(~~~~!~.fhl /:L+f~~ ~~~E~ tLt_ ~

f_~-~t~"~~fJ: 7 ;~ h 7 - a)(~~:,~"* B (~~~~hl- ~~~ v* ~c pCL

,.*BR . ~ , ' ~.~~='~=".~c'l~Ft:jj.a)~~Ji 7' 1/ :/ ~.~~*.1:i~~=*~(~ L LPU 7 l' /

~ ) ~ ~~L< I~~~~~-~~~* ~L DSC ~~~ ~¥' WAXD ' i~ ' - * ~ 'k~E~, *- "D ?cl BE~

a)F~-.f ylJ~ :i:';*'~I Lf,_-, ~~~tl~~~f;f~'1) r~ I/ ~ ;/a)~~BfE3Bf~~~__~~h(~,

~f~~f,~-C ~)7~ LPU a)t'i~D~:BE3EI'l~~~)* ~n~~LC~S }') , .irj l) ~~l

- y h ~)IF~;~/77¥i~tX/, ~~7~et~~fd.' < ~~ y h ~~;~:~~~'.a)/77~~~Cf~~;~('~

5'~-'. < ~~~'~~~'r_>.~ -(r* '~~')~c~ ~ ~ ~ ~~B~ ~ ~> ~ fd;' (:) 7_-.

- ~) ~~ ~: I~ ~~ EIE1:'1~~ ~* i~~~I~ ~ {~lif~] ~~I i~ I~ 77l~_~~'~ ~ ~~:~iF

, "nirB ' . ~ __ ~)~ ~ h :/;!_~jA~~:-~~L・fl~7~~et~l~fdL・ < , ;Ii~~~;~':~a)j~~' L17 ~

h :/ ;~~~'.iL~ 'y h ~~~~:/~{~~~f~cl* L f 77 -f~~:~:~7~'~)- )~ ~~ -/~- ~ . . ~ 'y h f~f'~~/J~-_~i_~_ L-~ V¥;~ _ ~ I~~ 7T~~~~/e L-L ~ ~ ;~

._ *r

~C ~~: l') ~~~~i~~~ f'~~;rf"~;~~i;~~__ ~~~ 49 67 (1993)

_. ' ' r:~~*e' ' ' 2) G. B. Guise and G. C_ Smith. J. Polvm. Sci., 25, 149 ( 1980).

3) L. Fengkui. H. Jjanan. Z. Wei, Z. Xian, X. Mao, L. Xiaolie. ~/1.

Dezhu. and K. 'K. Kim, J. Appl. Poly'n. Sci., 62, 63 [ L 1996) .

4) ~3~~ (-_ t~~i-~L~ ;~:~;~~~~~: #Jit~:- ~l7j~ ~*/ ~;55~':~~~

. , _ _'. , _ , ' ' *'m' ~C~~, 56. 18 (1999).

5) ~3i:~ 'I~, LLIT'*~:.;~, fi"d~~8*FP.~l~, #J:~:-, ~]2l~ ~!~r. ~-'-~~'A

rb~--*・~_"'-・-"**~, 72, 123 (1999).

61 E~iill ~ 7}~]) ?-~4 )i:;~ h, S1 (9), 101 (1999).

7) ~l};~ {~, t~f~i~~t. ;~h"~~~~~C~~, i~~P~l-1::~, #_Li~;-. ~~l~1~

~._/,. ~~:'7~J i'-'_,-,_,*mT~*~C_i~, 55, 21 (1998).

8) D. E. Roberts and L. lvtandelkern. J. Am. Chem. Soc.. 77, 781 ( 1 955) .

9) D. E. Roberts and L. Mnnclelkem, Rubber Chem. Tecltno!.. 28. 718

( 1 955) .

IO) ~l*r~~ f~, ~~~i~~~_, =#Ji~~-, ~]~c ~L, ~;/77*f~(~~ff~~:'

47. 2958 ( 1998).

Effect of Crystallization Behavior on Chain Distribution for Poly (e -caprolactone) -based Polyurethanes

Hitoshi SHIRASAK/~* l, Shin-ichi INouE*2, and Hiroshi OKAlvfoTO*2

* fHokLtsllin C0'7;oration (S/1itte, Tsuntmi-ku. Yokohalna, 230・-O003 Jal'an )

* 2Depart,nent of Apl;liecl Che'nistry, Aiclti !,Istifufe of Tecllnc;[ogy ( Yakusa. Toyofa, Aiclli. 470-3092 Japan)

Four types polyurethanes were synthesized using PCL o]igomers with similar molecular weight and different molecular weight distri-

butions and 4,4'-diphenylmethane diisocyanate (ivIDI) as chain extender : Poly(narrow), Poly(wide), Poly(narrow+wide), and Poly

(narrow) +poly(wide). The crystalli7_ation bchavior of the polyurethanes was studied by DSC, tensile test, and WAXD. The crysta]lini-

ties of the polyurethanes were in the following order : Poly(wide) >poly (narrow) +poly (wide) >poly (narrow+wide) >poly (narrow) .

The present study shows the irnportance of the distribution of caprolactone chains and their combination in the polyurethane.

KEY WORDS Poly(G-caprolactone) / Polyurethane / Crystallization / Blend / Distribution / Oligomer /

. [Kobunslli Ronbtmshu, 57 (5), 277 28 1 (2000)] (Received November 15, 1999 : Accepted January 25, 2000)

l"])~i:.}j'llli'l y~~!~, VOI 57 NO 5 (2OOO) ' r/ ~ 28 l