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認知症サポーター養成講座 認知症を学び地域で支えよう GH2011..10

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認知症サポーター養成講座

認知症を学び地域で支えよう

GH協

2011.9.10

認知笑亭

難題

群馬大学

山口晴保

ヒトの目の特徴

白目がない

目が横長なサル類は

ヒト>地上生活のサル>樹上生活のサル

白目があるサル類は? ヒトだけ

左右方向によく動く

→左右の監視範囲が広い

白目があると

→遠方から視線がわかる

視線がばれると捕食に不利

→仲間とのコミュニケーションに有利

共同注意:他人の視線の方向を認知し、注意を向ける

(ヒトでは9M・チンパンジー)

認知症とは?

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

4ページ

いろいろな原因で→病気

脳の細胞がダウン→病変がある

さまざまな障害が起こり→認知障害

生活するうえで支障が出ている状態→生活障害

6か月以上継続→徐々に進行

アルツハイマー病 50%

レビー

15% その他 20%

脳血管性

15%

脳にゴミが蓄積→変性 脳虚血

2か月で治ったアルツハイマー病のAさん 85歳

ある認知症ケアの本より

ぼんやりしていて活気がなく、時に独語や大声があり、意思疎通が

困難。夜間に不穏になることもある(夜間せん妄)。ADL全介助、 お

むつ状態で、病院から介護施設に入所した。

この介護施設では、脱水状態にあると診断し、充分な水分補給と

食事ケアによる低栄養改善を行った。また、ポータブルトイレの使用

(おむつ外し)を試みた。するとAさんは数日で会話をするようになり、

まもなく排泄もトイレで行えるようになった。2か月でADLほぼ自立と

みるみる改善、興奮・不穏などの行動障害もすっかり影を潜めた。

スタッフと家族は認知症が治ったと喜んでいる。

認知症は治っていない、せん妄が治りBPSDが減った

せん妄:水、飯、糞、発熱、疼痛

認知症の

症状

中核症状 記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害

実行機能障害、その他

行動・心理症状(BPSD)周辺症状

不安・焦燥、うつ状態、幻覚・妄想

徘徊、興奮・暴力、不潔行為

神経細胞

ネットワーク

の崩壊

性格・履歴 環境・ケア

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

治せる

治りにくい

5ページ

記憶障害

記憶の分類 できごと記憶

(生活) 意味記憶

(辞書) 手続き記憶

(動作)

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

イソギンチャク=海馬と側頭葉

6ページ

メモリー

ハード

ディスク

アルツハイマー病 80代

歩行がややふらつく

→片足立ちが3秒くらいしかできない

医師 「転んで骨を折ったら大変ですよ」

看護師 「2か月前に転んで肋骨を折りましたよね」

本人 「私は骨なんか折っていないわよ」

医師 「骨を折っているのはご主人ですよね。」

本人 「この人は骨なんか折ってないわよ」

医師 「ご主人、奥さんの面倒で骨を折っているみたいですけど」

本人 「この人は何も面倒を見てくれないわよ。

私が面倒を見てあげてるの」

夫 不満そうに「あげてるつもり でしょ」

アリセプト 5mg

抑肝散 2包

見当識障害と

場当たり的な言い訳

●お年は?

1)軽度:3歳くらい間違える

「もう75かな」などと伴侶の方を振り向く

2)中度:「いい歳だいね」 と具体的な年齢を言えない

●今日は何曜日?

「もう仕事をしていないから」

「どっちだっていいやねー」アッハッハと笑ってごまかす

「あまりそういうことを考えていないのもですから」

Cf.100から7を引く計算ができないと

「最近は買い物に行かないから」などの言い訳

7ページ

見当識

記憶をベースに

時間経過や場所が

わかる

理解・判断力の障害

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

1.考えるスピードが遅くなる → 急かせない

2.二つのことが重なると処理不能 → 一つずつゆっくりと、感覚入力を制限

3.些細なに対応できず、混乱 → 変化には支援で対応

4.観念と現実の乖離 「倹約第一」が「セールスマンの口車」に

自動券売機や銀行のATMを使えない

ファックス・全自動洗濯機やIHクッカーも

8ページ

実行機能障害

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

計画立案、按配・遂行の困難 家事ができない、独り暮らしが困難

生活が困難に

前頭前野の統合機能の障害

料理一つとっても

企画→実行は

大変な作業

ちょっとした支援で

生活を維持

みそ汁の具にと、冷蔵庫にある油揚げを忘れて油揚げを買い、いざ作るときには目に入った別の食材でみそ汁を作り、冷蔵庫は油揚げだらけ

9ページ

周辺症状とその支援

認知症になると

日々、失敗の連続

褒められることもなく‥‥‥

自信を失い、全てが面倒に

11ぺージ

将来の沿いを失ってうつ状態に

さらに、

非難の声が

認知症の

急速な

進行

支持的態度、

理解、笑顔

認知症の

緩徐な

進行

身の回りのことに支障が

排泄の失敗例

①トイレの場所がわからなくなる

「便所」表示、夜の照明や通路

②衣類の着脱に手間取る

マジックテープやゴム

③尿意・便意を感じない

トイレ誘導やおむつ

いきなりおむつではない!

12ぺージ

原因を考えて

対応する

いつでも、

どこでも、

その人らしく

妄想の背景

7割が物盗られ妄想など被害妄想が多い

「現実にない出来事を信じ込んでしまい、訂正不能なこと」

記憶障害・見当識障害 → 喪失感 → 不安と寂しさ

自立して生きていきたいと気持ちの強い人では、自分が忘れるわけなどない(忘れた

ということが受け入れられない)と思うあまり、そばで世話をしてくれている人が盗んだ

という「もの盗られ妄想」がしばしばみられます。(認知症を学び地域で支えよう)

性格:積極的、仕事熱心、負けず嫌い、人の面倒見が良い人

記憶障害+病態失認 → 責任転嫁

説得無効

高価なもの(家)から

日用品(スリッパ)まで

「あなた、盗られたなんて言う前に、ちゃんと探しなさい。」 → 「職員が盗った。施設長がちゃんと指導しなさい。」

13ぺージ

「徘徊」といわず原因を考える

夕方「家に帰ります」といって出ていくCさんにどう対応?

①説得:「ここはあなたの家ですよ、

ほらあなたの手紙が届いているでしょう」 ②受容:「では一緒に行きましょう」と、出かける

③保留:「このお菓子食べて待っててね。

これを片づけたら一緒に出かけましょう」

居場所ができれば、徘徊は減る

14ぺージ

*目的地への道が判らなくなったA・Bさん→見当識障害

*夕方になると「故郷に帰る」と出ていくCさん

*はぐれたら遠く離れた町まで歩いていったDさん

*家の中でもじっとできずに歩き続けるEさん→徘徊

治療可能な認知症

Treatable dementia

図提供:北斗病院

佐土根 朗博士

脳腫瘍

髄膜腫

L

本当に認知症? 一度は検査を!

15ぺージ

相談できる

主治医をもつ

健常高齢者 85歳 アルツハイマー病 83歳 HDS-R 12点

15ぺージ 早期診断・早期治療が大切

アルツハイマー病のMR像 海馬や側頭葉前部が萎縮

脳内アセチルコリンを高める薬剤

ドネペジル(アリセプトTM)

朝1回投与

3mgで開始

5mgで維持

認知機能向上

稀に元気過ぎ

アセチルコリンのリサイクルを止めてシナプスでの濃度を高める

× アリセプト

16ぺージ

ドネペジル 5→2.5mg 減量のAD 4例

診断 AD AD AD AD

年齢/性 78/男 87/女 78/男 78/女

HDS-R/MMS 21 23 18 0

BPSD 易怒性 妄想、収集、徘徊、暴言

暴力、妄想、収集

徘徊、収集、外出、拒否

併用薬 なし 抑肝散7.5 なし 抑肝散2.5

減量理由 易怒性 易怒性 暴力 徘徊・外出

認知機能 不変 不変 不変 不変

BPSD経過 改善 改善 クエチアピン4→0錠

やや改善 改善

DBDスケール 13→8 39→8 29→25 60→22

*減量と同時に家族教育も大切 山口晴保:老年精神医学会2010

ドネペジル投与:FTD

*FTD3例にドネペジル5mgが投与されていた

*内1例は、FTDと診断されていた

*3例ともドネペジル5mgから投与を中止した

木村武実ほか:前頭側頭型認知症の心理行動症状に対する塩酸ドネペジルの影響 【第24回日本老年精神医学会(2009)】 *他医でADと診断されドネペジルを投与された18例を対象

*中止により

①BPSD(易怒・攻撃性、イライラ、逸脱行為)が改善<NPI>

②介護負担が軽減<Zarit>

Lampl Y et al: Efficacy of acetylcholinesterase inhibitors in

frontotemporal dementia. Ann Pharmacother 2004;38:1967-8.

AChEで9例中の5例が症状改善、3例はSPECTも改善

レビー小体型認知症:70代前半、女性

抑肝散で

著しい改善効果

DLBの特徴

病歴:以前よりREM睡眠障害があり、夜中にムクッと起きあがり

「猫がジャガイモを持っていた」と大声を出した。

2か月前から幻視「首の長い鳥が出てきて赤い肉をくわえていた」

「白髪のおじいさんが出てきた」など、首から上だけ布団の上に出現

初診時:①症状の変動、②上肢の固縮、③転倒、④HDS-Rは19点

MRIで海馬と大脳萎縮、白質虚血、VSRAD Z score 2.47

治療:抑肝散5.0g/朝夕

経過:2週間で幻視消失

HDS-Rは27点に改善

アルツハイマー病治療薬

主な効果 一般名 薬品名 作用機序 特徴

元気系

意欲向上、 認知機能向上

ドネペジル アリセプト ACh分解阻害 易怒性に注意

ガタンタミン レミニール ACh分解阻害とACh受容体刺激

新規薬

リバスチグミン

イクセロンタッチ

ACh分解阻害 貼付剤

調節系

認知機能向上、BPSD低減

メマンチン メマリー glutamate(MNDA)受容体の阻害、神経細胞死の抑制

新規薬

BPSD低減 抑肝散 5-HT受容体の調節

グルタミン酸受容体の阻害

カリウム低下、利利尿剤併用注意

抑制系

BPSDの抑制、嚥下や運動機能の悪化

リスペリドン リスパダール DA受容体阻害だけでなく5-HT・NA・H受容体も阻害

長期投与しない、誤嚥や転倒注意

クエチアピン

セロクエル 同上+高血糖に注意、糖尿病には禁忌

易怒性の生じやすさ:アリセプト>レミニール>>メマリー

アルツハイマー病の病態

βタンパクが

神経細胞城を取り囲み、

しばらくすると

タウが反乱して

神経細胞はダウン!

βタンパク蓄積(外)

タウタンパク蓄積(内)

神経細胞ダウン

発症

発症まで二0~三〇年

山口晴保著:認知症予防~読めば納得!脳を守るライフスタイルの秘訣~ 協同医書 9月出版予定

20

30

46

67

84

94

100

60

60

49

32

16

6

0

20

10

5

1

0

0

0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

90代

80代

70代

60代

50代

40代

30代

Aβ -

Aβ +

AD

加齢と脳βアミロイド沈着・ アルツハイマー病の関係

アルツハイマー病

βアミロイド沈着無し

βアミロイド沈着あり

山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント.協同医書,2005

補足

アルツハイマー病の臨床経過予想図

連合野老人斑

βタンパク

連合野神経原線維変化

リン酸化タウ

認知機能障害

軽度認知障害(MCI)

認知症

0 -20 年

山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的的医療・ケアのポイント.協同医書,2005

-10 -30 +10

この間のライフスタイルが影響

死亡

病変出現

から死亡まで

30~40年

認知症を予防できるの?

発症・進行防止

19ぺージ

認知症の有病率:久山町研究 アルツハイマー病と脳血管性認知症

0

5

10

15

65~ 70~ 75~ 80~ 85~

脳血管性痴呆

アルツハイマー有病率

清原 裕:臨床と研究 962:393-397, 2005

どうして餅はカビるんですかねぇ

林家木久蔵→林家木久扇

予防とは

発症を遅らせること

ライフスタイルで認知症発症率が変わる 同じ遺伝的背景を持つアフリカのYoruba族と米国在住アフリカ人との比較研究

居住地 Ibadan

(Nigeria) Indianapolis

(米国)

対象 2,459人 2,212人

認知症有病率 2.29% 8.24%

AD有病率 1.41% 6.42%

高血圧症履歴 19% 61%

糖尿病履歴 2.5% 24%

脳卒中履歴 1.3% 11%

BMI(肥満度) 21.4(痩) 28.9(肥)

Ogunniyi A et al: Eur J Neurol 2000; 7:485-490

AD4倍

高血圧

3倍

糖尿病

10倍

脳卒中

8倍

65歳以上

中年期の余暇運動が アルツハイマー病を防ぐ

Rovio S et al: Lancet Neurol 4:705-11, 2005

フィンランド

CAIDE研究

1,449名

20年後調査

0.35

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

運動群

不運動群

リスクが1/3に

中年期

余暇の運動

20-30分以上

息切れ・発汗

週2回以上

20 40 60 80 歳

運動 → 活性酸素消去増大

→ タンパクのゴミ焼却炉向上

海馬神経細胞新生 とライフスタイル

Rossi C: Eur J Neurosci 2006 24:1850-6

記憶力低下

*うつ状態

*恐れ

*ストレス

記憶力向上

*自発運動

*豊かな環境

*学習

は海馬歯状回で

新たに生まれた神経細胞

緑がBrdU陽性神経細胞 豊かな

飼育環境

高崎市の介護予防サポーター(上級) 自主グループ・いきいきサロンで活躍(予定)

群馬県の介護予防(地域リハ)の方針

認知症予防は 地域の筋トレで

運動で セロトニン↑ 抗うつ作用

老後の智慧

ハゲになったり、白髪になったりして嘆くことはありません。

ハゲたり、白くなったりするまで生きられたと思えばいいんです。

忘れ物をして、捜したり、取りに行ったり

Positive thinking (前向きに考える)

おかげで運動量が増える

山口晴保著

認知症予防 読めば納得!

脳を守るライフスタイルの秘訣

協同医書出版

1,890円(税込み)

平成20年9月3日発刊

中年肥えやすく

智慧保ち難し

こんな生活 いけませんね 運動で 認知症予防!

脳アルツハイマー病変に打ち勝った人々

Snowdon DA: Ann Int Med 139:450,2003

Sister Bernandette 85歳 心筋梗塞で死亡

修士の学位を持ち、21年間小学校教師と7年間高校教師

Nun study(修道女研究) 1991年に、当時75から102歳の6,780人を対照にスタート

病理所見

動脈硬化:程度が軽く、死周期にできた脳梗塞のみ

Alzheimer病変:多数の老人斑と神経原線維変化

Braak Stage Ⅵ

遺伝子:ApoE4/4

認知機能(81~84歳;毎年検査)

各種認知テストで高得点

エピソード:時計をみないで、時間を誤差4分以内で当てた

認知症 無し

Sister Agnes 104歳

「この写真きらい」 「老けて見えるから」 死の3か月前に

Braak St. Ⅳで正常 “The Nun Study allows me to keep teaching,

even after I die.”, one participant said.

脳活性化の手法

•回想法、作業回想法

•現実見当識訓練 リアリティー・オリエンテーション

•学習(認知刺激) •芸術療法 アートセラピー

•音楽

•ゲーム

•会話

•運動

快刺激、会話、役割

何をするかではなく、

どう刺激するかが大切

http://www.ojizosan.jp/gallery/chara.html

19ぺージ

代表的なメニュー 作業回想法

脳活性化リハビリテーションの実際

懐かしいなあ・・・(理解可能)

視覚・触覚刺激

手続き記憶

教えてください

昔はねえ・・・ (回想)

ありがとうございました

自発性 意欲

満足 自尊心 役割 認知症高齢者とスタッフの役

割の逆転!!→ 先生になる

実技でリアルに回想し、

価値ある人生だったと振り返る

(ライフレビュー)

人に教える役割を得て、

残存能力を発揮し → 元気に

役割

生きがい

会話

安心

おばあちゃんの

淹れるお茶は

いつも美味しいね

山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント.協同医書,2005

三世代交流共生住宅 ひかりの里

朝の体操 かまどでご飯炊き 昼の用意

宿題指導:子育ての特技

収集癖 → 廃品回収、清掃

徘徊癖 → 地域パトロール

健忘(繰り返し) → しつけ

三重県桑名市 ウェルネス医療クリニック

http://www.kuwana.ne.jp/wellness/index.html

学習による脳の活性化:決め手は「ほめ手」

ほめられて自信満々

音読と計算

川島隆太:脳を鍛える大人の計算ドリル.くもん出版, 2004

楽しく学習する

自発的に学習する

それには、進行例では困難 喜び合うことが大切!

<アルツハイマー病初期の医療・ケア>

褒める

教育の基本

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

仕事を持つ

金銭管理

身だしなみ

着替え

入浴

洗面

尿意

便意

複数の言葉

一語のみ

独立歩行

車椅子運転

座位保持

微笑

介護老人福祉施設(特養)入所者131名の調査

微笑は

新生児が身につけ

最後まで残る

微笑

社会的微笑(5か月)

母親の笑顔が伝染

新生児微笑(2週)

ADの病期を示すFASTで、

笑顔の喪失は最後のステージ

笑うのはヒトだけか?

米国在住の理学療法士より転送されたメールより

NOW PASS IT ON, AND MAKE SOMEONE ELSE SMILE!!!

他の人に送って

笑顔にしてね!

脳活性化リハビリテーションの原則

脳活性化リハビリテーション施行の原則

*快刺激 → 笑顔

*ほめる → やる気

*コミュニケーション → 安心

*役割を演じる → 生きがい

*誤らない課題 → 正しい方法

認知症でも楽しく過ごせる環境づくりを同時に行う

山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント.協同医書,2005

適度な快刺激による意欲・生きがいの創出

*認知症高齢者が役割を演じながら楽しく人と交わることで、

*生き甲斐を感じ、不安を解消して、

*前向きに生きるようになることをめざす

認知症の人と接するときの心がまえ

「認知症の本人には自覚がない」は大きな誤り

漠然とした気づき、不安→妄想(自己防衛)

「誰よりも苦しいのも悲しいのも本人」

「私は忘れていない!」に隠された悲しみ

病気の否認→自己防衛

隠された悲しみの表現

こころのバリアフリーを 人間杖が必要

かかわる人の心がまえ さりげなく、自然に

20

21

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

だれでも

いずれは認知症

バリデーションの基本的態度

*傾聴する

*共感する

*評価しない

*誘導しない

*うそをつかない

*ごまかさない

無条件に受容

無条件に共感

無条件に支持

無条件に信頼

行動障害の低減 ナオミ・フェイル著:バリデーション.

痴呆症の人との超コミュニケーション法.

筒井書房

<アルツハイマー病中期~末期のケア>

病期:4つのステージ

1.認知障害

2.日時,季節の混乱

3.繰り返し動作

4.植物状態

14のテクニック

相手の話を聴く

聴く:同じビジョンを共有すること

玄侑宗久:まわりみち極楽論.朝日新聞

女「この服可愛い?」 男「うん、可愛いね」

「○さんも同じこと言っていた」

「そんなこと、みんな知ってるよ」

「いつも同じこと言うね」

「つまり‥‥‥と言うことだね」

「君は○○な人だね」 はもう聴きませんという表明

女「この服可愛い?」 男「安っぽいね」

ケアの基本

共感

味方になる

家族が患者を褒めるとその効果は?

ほめられた患者は

→嬉しくなる → 家族に好感を持つ

→家族のいうことを聞くようになる

ほめた家族は

→嬉しくなる

(ほめた行為の効果、相手の笑顔の効果)

→患者の良いところを見つけ出す(合理化)

損をする人は? 効果が効果を生む 良循環

NHK クローズアップ現代

私を叱らないで ~脳科学で認知症ケアが変わる~

認知症の人は 生活で失敗が増え、過去の記憶が消えていく

→喪失感、寂しさ、不安 同時に自己洞察能力が低下

笑顔の認知は

認知症でも残存

日課・役割

叱る → 褒める

介護者のさりげない一言 → 「叱られた」と感じる

→ 積もると爆発:暴言・暴力

妄想などのBPSD

認知症を介護している

家族の気持ちを理解する

第1ステップ:とまどい・否定

*異常な言動にとまどい、否定

*他の家族にも打ち明けられない悩み

第2ステップ:混乱・怒り・拒絶-理解の不十分から

*疲労困憊・絶望 つらい時期

第3ステップ:割り切り

*徐々に理解し、支援を受け、怒ってもしょうがない

第4ステップ:受容

*理解できるようになる あるがままを受け入れる

22-23頁

認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会

2 認知症サポーターとは 認知症サポータのできること

なにか特別なことをやる人ではありません

*地域で

*職場で

*家庭で

認知症の人を地域支えよう

被介護者

本人 介護者

家族

認知症サポーター

親戚 近所

医療・福祉関係者

24-29頁

認知症の正しい理解と

包括的医療・ケアのポイント

快一徹! 脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう

山口 晴保 編著 / 佐土根 朗 + 松沼 記代 + 山上 徹也 著

協同医書出版よりH22年4月6日刊行、3,465円税込

本日の講演内容は、この本にびっしりと詰まってます。

Amazonで上位

はぁ~ こんだけでおしまいかい!という方へ

斉藤正彦著

親の「ぼけ」に気づいたら

文藝春秋、2005

杉山孝博著

家族が認知症になったら読む本:正しい知識と理解が介護の苦労を半減させる鍵

リヨン社、2008

忍野八海 H18.5.4 どんど晴れ