技能実習制度の見直しに関する報告69職種127作業 69職種127作業に加え...

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1 2015年5月1日発行 No.42 2015年 春号 東京:03-3354-4841 仙台:022-796-8724 名古屋:052-218-9251 大阪:06-6365-5692 広島:082-568-7444 福岡:092-741-3138 六甲山研修センター:078-891-1041 TOPIC 発行:公益財団法人国際労務管理財団(I.P.M.) http://www.ipm.or.jp/ 東京本部 〒160-0022東京都新宿区新宿1-26-6新宿加藤ビルディング7F 130日に、「技能実習制度の見直しに関する法務省・厚生労働省合同 有識者懇談会」報告書が公表されました。主な内容をご紹介いたします。 現行 見直しの検討方向性 外国人技能実習制度の見直し検討方向性(抜粋) 1号 1年間 2号 2年間 合計 3年間 1号 1年間 2号 2年間 一旦帰国 3号 2年間 合計 5年間 ※2号から3号に移行するまでの間には、一旦帰国(例えば原則1ヶ月以上)する。 ※2号から3号に移行する際、実習生本人が希望し、計画的・段階的な技能等の修得が担保 される場合には、他の技能実習機関での実習を認める※2号は1号、3号は2号の実習生の賃金を上回ること。 ※監理団体及び受入れ企業が優良であると認められる場合、3号移行を認める。 2号及び3号修了時の受検 の義務化 支援・助言・指導機関 (現行制度においては JITCO法令に根拠のある制度管理運 用機関を新設し、政府が一貫 して厳正な指導・監督を行う 監理団体や実習実施機関に対 する支援(対象職種拡大に係 る相談支援、技能実習指導員 の養成など)を引き続き行う 認定された送出し機関 と、認定されていない送 出し機関が混在している 認定された送出し機関以外が送 り出す実習生の受入を認めない 2号修了時の技能評価 試験の受検の義務なし 現行職種 69職種127作業 69職種127作業に加え ・自動車整備業 ・林業 ・惣菜製造業 ・介護等のサービス業 ・店舗運営管理等 の分野を含めた職種の拡充 1 技能実習制度の見直しに関す る報告 2 実習生受入れ職種の追加につ 外国人介護人材受入れの在り 方に関する検討会まとめにつ いて 3 I.P.M.日本語作文コンクール締 日本語能力試験 合格者喜び の声 4 日越交流宮城県議会議員連盟 編集後記 担当職員から 技能実習制度の見直しに関する報告 ※なお、36日に以下内容が盛り込まれた法案が閣議決定され、通常国会に提出されています。 ・外国人技能実習機構の設置 ・実習実施者を届出制にする ・監理団体を許可制にする ・技能実習生に対する人権侵害行為等に禁止規定を設け、罰則を規定 ・出入国管理及び難民認定法の一部改正により在留資格「介護」の創設 介護福祉士資格取得者が在留できる

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Page 1: 技能実習制度の見直しに関する報告69職種127作業 69職種127作業に加え ・自動車整備業 ・林業 ・惣菜製造業 ・介護等のサービス業 ・店舗運営管理等

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2015年5月1日発行 No.42 2015年 春号

東京:03-3354-4841 仙台:022-796-8724

名古屋:052-218-9251 大阪:06-6365-5692

広島:082-568-7444 福岡:092-741-3138

六甲山研修センター:078-891-1041

TOPIC

発行:公益財団法人国際労務管理財団(I.P.M.) http://www.ipm.or.jp/

東京本部 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング7F

1月30日に、「技能実習制度の見直しに関する法務省・厚生労働省合同有識者懇談会」報告書が公表されました。主な内容をご紹介いたします。

現行 見直しの検討方向性

外国人技能実習制度の見直し検討方向性(抜粋)

1号 1年間 2号 2年間 合計 3年間

1号 1年間 2号 2年間

一旦帰国 3号 2年間

合計 5年間

※2号から3号に移行するまでの間には、一旦帰国(例えば原則1ヶ月以上)する。 ※2号から3号に移行する際、実習生本人が希望し、計画的・段階的な技能等の修得が担保

される場合には、他の技能実習機関での実習を認める。 ※2号は1号、3号は2号の実習生の賃金を上回ること。 ※監理団体及び受入れ企業が優良であると認められる場合、3号移行を認める。

2号及び3号修了時の受検

の義務化

支援・助言・指導機関

(現行制度においては

JITCO)

法令に根拠のある制度管理運

用機関を新設し、政府が一貫

して厳正な指導・監督を行う

監理団体や実習実施機関に対

する支援(対象職種拡大に係

る相談支援、技能実習指導員

の養成など)を引き続き行う

認定された送出し機関

と、認定されていない送

出し機関が混在している

認定された送出し機関以外が送

り出す実習生の受入を認めない

2号修了時の技能評価

試験の受検の義務なし

現行職種

69職種127作業

69職種127作業に加え

・自動車整備業

・林業

・惣菜製造業

・介護等のサービス業

・店舗運営管理等

の分野を含めた職種の拡充

1 技能実習制度の見直しに関す

る報告

2

実習生受入れ職種の追加につ

外国人介護人材受入れの在り

方に関する検討会まとめにつ

いて

3

I.P.M.日本語作文コンクール締

日本語能力試験 合格者喜び

の声

4

日越交流宮城県議会議員連盟

編集後記

担当職員から

技能実習制度の見直しに関する報告

※なお、3月6日に以下内容が盛り込まれた法案が閣議決定され、通常国会に提出されています。 ・外国人技能実習機構の設置

・実習実施者を届出制にする

・監理団体を許可制にする

・技能実習生に対する人権侵害行為等に禁止規定を設け、罰則を規定

・出入国管理及び難民認定法の一部改正により在留資格「介護」の創設 介護福祉士資格取得者が在留できる

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技能実習制度のご紹介

実習生受入れ職種の追加について

外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会まとめについて

4月1日に外国人技能実習生の移行対象職種として以下の3職種・作業の追加が公示され

ました。今後、これらの職種でも3年間の技能実習を実施することが可能になります。

これにより、技能実習2号移行対象職種が71職種130作業となりました。

●「耕種農業」に「果樹」の追加

技能評価試験実施団体 全国農業会議所

温室やビニールハウスでなく露地栽培でも可能となった

●「惣菜製造」の追加

技能評価試験実施団体 一般社団法人日本惣菜協会

ダイジェスト版が出ていないので詳細はまだ不明。主な内容は以下のとおり。

揚げ、焼き、蒸し等生産物の加工方法については幅広い。カット野菜なども可。

大量調理施設(1回で300食以上又は1日750食以上を提供する調理施設)を有する

ことが条件。そのため、小規模企業は受入れ対象外となる。

惣菜の製造に加え、調理機械の取扱いや保全なども重要な要素となっている。

●「牛・豚食肉加工」の追加

技能評価試験実施団体 公益社団法人全国食肉学校

日本人向けの試験あり。「部分肉製造マイスター」「部分肉製造1級 及び 2級」。

ダイジェスト版が出ていないので詳細はまだ不明。主な内容は以下のとおり。

ブロック肉を扱う。

ブロック肉をさらにさばくなかで、骨やリンパの除去、脂肪の厚みの調整などを行う。

その他、自動車整備等の職種などにも移行対象職種が拡大されることが見込まれており

ます。

新しい職種については、今後もお知らせをして参ります。

2月4日に外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会の中間まとめが公表されました。

● 移転対象となる適切な業務内容、範囲について 必須作業 身体介護(入浴、食事、排泄などの介助など) 関連作業 身体介護以外の支援(掃除、洗濯、調理など)、間接業務 周辺作業 その他(掲示物の管理など) ● 必要なコミュニケーション能力について 日本語能力試験N3が基本。1年目はN4程度, 2号移行時にN3程度を要件とする。

● 適切な実習実施機関の対象範囲について 介護福祉士の国家試験の受験資格要件において「介護」の実務経験と認められる施設に

限定すべき。 設立後3年以上を経過した施設 ● 適切な実習体制 技能実習指導員の要件として介護福祉士の資格を要件とする。 ・小規模な受入機関の場合は、受入れ人数は常勤職員の10%までとする。 ・常勤職員の範囲は、主たる業務が介護などの業務である者に限定する。 ● 同等処遇について 日本人と同等処遇の確保。

上述のような条件で、技能実習対象職種・作業に介護職種の追加が検討されております。

検討中につき、新たに公表事項がございましたら、その都度お知らせいたします。

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日本語教育への取り組み

I.P.M.日本語作文コンクール 締切り迫る

I.P.M.の日本語作文コンクールには、毎年、たくさんの実習生から作品が送られます。 今年も、皆様からの、楽しい、辛い、幸せ、そしてやり遂げたといった感動の作品をお待ちして

おります。

締め切りは、5月11日となっております。是非、実習生に声をかけて下さるようお願い致しま

す。

1.応募先 :公益財団法人国際労務管理財団(I.P.M.)東京本部・作文係 2.応募期限 :2015年5月11日(月) I.P.M. 東京本部 必着 3.テーマ :技能実習・研修 生活を通して感じたこと

4.IPM表彰対象 :金賞(副賞:金券1万円分)

銀賞(副賞:金券7千円分) 銅賞(副賞:金券5千円分)

N2合格 児湯養鶏 ロアンさんへのインタビュー

日本語能力試験N2(2014年12月実施)に見事合格した児湯養鶏1次生VU THI LOAN(ロアン) さんにインタビューしました。2015年1月29日 N2合格おめでとうございます。ロアンさんの今のお気持ちは? ロアン:ありがとうございます。N2を収得出来たことは、今まだ信じられないことです。

とてもうれしいです。

どんな方法で日本語が上達しましたか?勉強方法を教えて頂けませんか? ロアン:私の勉強方法は簡単です。方法は4つあります。 1つ目は、インターネットで日本語のEテキストを使って勉強しています。 インターネットには、色々なEブックがありますので、手軽に手に入れることができます。 2つ目は、日本語の漫画や映画を見ることです。それは、日本語能力だけではなく、日本の文化も 知ることができます。

3つ目は、インターネットや読んだ本で見た好きな日本語の文や言葉等を手書きでコピーしました。 言葉の使い方を学ぶことができます。

4つ目は、買った商品のラベルや案内書を読んで、新しい言葉を覚えました。 ありがとうございます。ロアンさんの夢を教えて下さいますか? ロアン:子供の頃からドイツが好きですので、帰国後、ドイツへ留学したいです。

日本へ留学ではなく、ドイツですね。素晴らしい夢です。頑張って下さい。 最後に、日本での思い出の写真を見せて下さいますか?

漫画、映画、買った商品のラベル等を活用し

た、ロアンさんのコツコツ勉強法、是非、見習

いたいです。

日常生活にあるツールを利用することが長続

きする秘訣のようですね。

美しい3名の浴衣姿の写真を提供頂きまし

た。

一番右がロアンさんです。

日本語能力試験 合格者喜びの声

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担当職員から

待ち遠しい春がやってきた。嬉しい。今年の春は早いと感じた。暖かい日々が何日も続いて

いた。ベランダで飼っている銭亀は春を察知し

小石に登って甲羅干しをしている。冬眠を終え

て餌も食べ始めた。一番寒い時期に水槽の水の

表面が凍っても平気だった。まだ5センチの大

きさだが、小さな頭と首を伸ばして日差しを浴

びる姿を見ていると元気が貰える。厳しい冬を

乗り越えたすごい生命力だと感心した。

私は春が大好き、「一年之計在于春」(一年

の計画は春に立てよう)という中国のことわざ

がある。だからこの春を機にして何かの目標を

立てようと思った。

去年の夏に面接でIPMと出会った。それから秋、冬、また春に。最初何も分からない私は皆

さんの応援で徐々に仕事ができるようになっ

た。戸惑いと失敗もあったが、これからの仕事

に経験として活かしたいと思う。

今年度の目標としては、自分の日本語能力を

上げること。企業と実習生の間に立ち、通訳す

る時、お互いの気持ちを完璧に伝えようと思い

ながら、なかなか伝わらない部分もあった。そ

れと言い方にも工夫することが大切だと感じ

た。同じ事を伝える場合でも言い方によって相

手がどう捉えるかも変わってくる。言語力の大

切さを改めて実感させられた。コミュニケー

ションがうまくできると良い人間関係を築くこ

とができる。これからも自分の言語力を磨こう

と思っている。

(広島事務所:方東)

編集後記————————

外国人技能実習制度が大きく変わりつつあ

ります。2010年に研修期間が実習1号に

改められ、監査制度も厳しくなったところで

すが、本年度に予定されている法律の改定

で、監理団体及び技能実習計画が許可制及び

認定制になることが盛り込まれそうです。

今回の外国人技能実習制度の改正は、かな

り大きな変更となる予定です。私たち職員

は、技能実習制度に関係する皆様に情報を正

しくお伝えするためにも、日々、勉強しなけ

ればと思っているところです。(前田)

I.P.M.からのお知らせ

日越交流宮城県議会議員連盟の来訪

4月14日 宮城県議会議員から構成される日越交流宮城県議会議員連盟一行をI.P.M.東京本

部にお迎えし、技能実習制度について説明を行いました。

冒頭に、小野隆宮城県議員から、「外国人技能実習制度の関心が高まっており、外国人技能実

習生の受入れについてしっかり勉強させていただきたい」と挨拶をいただききました。これを受

けて、I.P.M.からは、技能実習制度の現状や、今年度に施行される予定の技能実習新法の概要、

更に4月からスタートした外国人建設就労者受入事業について説明を行いました。

説明後の意見交換の場では、たくさんの質問があがり、議員連盟の皆様の技能実習制度に対す

る関心の高さをひしひしと感じました。その中には、制度における監理団体の重要性についての

指摘があるなど、I.P.M.も多くのことを学ばさせていただきました。

議員連盟の皆様は、その後ベトナム大使館にも訪問されるとのことで、精力的に活動されるお

姿に大変刺激を受けました。お忙しい中でのご来訪に感謝申し上げます。

左)右下より時計

回りに、小野隆議

員、理事長池田、

佐々木征治議員、

部長風間、事務局

長坂下、理事 稗

貫、理事 眞弓、

畠山和純議員、髙

橋伸二議員、理事

伊瀬

右)I.P.M.職 員 に

よる実習制度の説

明の様子。