はんだ接続部の検査回路 および方法 · 検査時の等価回路...
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複数のLEDをはんだ付けで直列接続した際の
接続状態が、正常・半断線故障・開放故障のいずれであるかを識別するための検査法
本技術は、
信号機などLEDを使用した
製品全般
液晶テレビのバックライト
(写真:AQUOS)大型ビジョン
(写真:千葉マリンスタジアム)
1.技術分野(その2)
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2.技術背景(その3)
短絡故障や開放故障が生じる可能性が大きい
開放故障の性質上、検出が難しい
・画像処理を用いた検査・電気的な検査
・機能検査
従来技術
テスター
R?,C?M
M I?
PCB
・抵抗
・キャパシタンス
・電流
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2.技術背景(その4)
VDD
C1
C2
ba
R
baH L
OPEN
modeling
開放故障の性質
開放端子の電位は?
・隣接配線の影響を受ける
10
1
1
10?
1
1
→1→0?→1・・・・・・→ 1 ・・・
→1→0→1・・・・・・→ 1 ・・・
Boundary Scan FF
Boundary Scan Test(IEEE 1149.1)
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3.従来技術の問題点
• 接続箇所の抵抗値は、テスターにより測定可能であるが、その値は、測定箇所から見た回路全体の抵抗値が現れる。
• 半断線故障の検出を目指すものではない。
• 開放故障の性質上、
・画像処理技術を用いた検査
・電気的な検査
・機能検査
で故障を見逃す恐れがある。
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4.用語説明
正常
リードと端子が接触抵抗ゼロで接続
リード
端子
半断線故障 開放故障はんだ
リードと端子が低抵抗の接触抵抗を伴って接続
リードと端子が完全にオープン
半断線故障は、
・クラック(はんだ割れ)
・気泡を含むはんだ
・不純物
・さび
経年進行で
発生・進行
開放故障をもたらす
・正常動作をしなくなる
・発熱、発火の恐れ
衝撃・振動
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5.LED半断線故障
表面実装基板
表面実装LED
3216 : 3.2mm*1.6mm 1608 : 1.6mm*0.8mm3216
3.2mm
1.6mm
超小型のLEDを表面実装する際に
半断線故障が生じる
(はんだ接合箇所で抵抗分)
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接続状態が、正常・半断線故障・開放故障のいずれであるかを識別する
金属1 金属2
はんだ
金属をはんだで接続した際
6.解決しようとする課題
ある値以上の抵抗成分で接続された半断線故障を検出する
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7.課題を解決するための手段(その1)
1.金属1をGNDに落とす
2.金属2に検査回路から検査
プローブで信号を印加する
3.検査回路の出力電圧を観測
する
金属1 金属2
GND
金属1と金属2の接続検査
はんだ
(検査法)
r:半断線故障
検査回路は、方形波信号源、微分回路で構成する
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正常 半断線故障 開放故障はんだ
半断線抵抗値rとしたときの等価回路
vTEST=vTexp(-t/τ)
τ=Cd・Rd+rRd・r
r=0 r→∞r
vTESTは、指数関数的に減少する
7.課題を解決するための手段(その2)
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8.測定事例(IC検査回路)(その1)
ICの接続検査回路
検査回路から、検査対象リードに直接信号を印加したときの、検査リードの電圧波形を観測する
vT:5V-1kHzの方形波信号Cd=0.1μF, Rd=10kΩ
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開放故障検出実験の測定結果
(a) 完全開放故障 (b) 1kΩの開放故障
上段:印加方形波信号 下段:検査リードの応答波形
(c) 100Ωの半断線故障 (b) 正常接続
8.測定事例(IC検査回路)(その2)
故障識別用パルスPT
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9.故障識別法(その1)
故障識別回路
GND
TQ
Q
VTの1周期間でカウンタ回路入力のトリガTのパルス数を計測することにより故障の程度を判定する
T
カウンタ回路
Q0 Q1 Q2
表示器
TQ
Q
Q
Q
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正常 半断線故障 開放故障
出力波形例
VTEST
PT
Q0
T
Q1
9.故障識別法(その2)
Q2
0 0 1 2 0 1 2 3 4 5 6 7
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
1
1
0
0
0
1
1
0
1
0
1
1
1
1
1
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ランド
はんだ
LED
+ -
r1 r2
rLED
明るさが低下する
正常回路
等価回路a b
a br1r2
半断線回路(100Ω挿入)
しかし、
(輝度が低下しても、LEDが点灯するので故障を見逃すことがある)
はんだ箇所に抵抗分を持つことによって、
・発熱
・電流の低下 LED輝度の低下
故障としては、検出できない
10.LED半断線故障識別(その2)
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ランド
LED
+ -
リード1
r1 r2
rLED
ランド1
LED
+ -
r1 r2
rLED
ランド1 ランド2
LEDの両端(ランド1とランド2)で、LEDの接続
状態が正常・半断線故障・開放故障のいずれであるか判定する
10.LED半断線故障識別(その3)
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ランド
はんだ
LED
+ -
GND
検査時の等価回路
rは、はんだ箇所の半断線故障の抵抗値の和とLED内部抵抗値の直列合成抵抗
r1 r2
rLED
r=r1+r2+rLED
上の例では
1個のLEDの接続検査回路
整流用ダイオード追加(LEDに負の電圧が印加されるのを防ぐため)
10.LED半断線故障識別(その4)
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LED n個直列接続された回路の検査では、
ランド1とランドnで、その中にあるLEDの接続状態を判定する
10.LED半断線故障識別(その5)
・・・ランド1 ランドn
GND
1.直列接続された最端LEDのマイナスリードをGNDに落とす
2.もう一方の端に検査回路から方形波信号を印加する
3.検査回路の出力電圧を観測する
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新技術の特徴・従来技術との比較
• 完全開放故障に至る前段階の半断線故障を検出できるテスター回路を提案した。
• 本技術は、製造時のはんだ付け箇所の接続状態を識別できるだけでなく、経年劣化による接続状態も識別できる。
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• 自動車に組み込まれる電子回路や医療機器など故障が生命に関わるような電子機器における半断線故障検出
• 電源コンセントやコネクタ部の接続検査
• 配電盤の接続検査
• LED信号機、液晶テレビなどLEDを用いた製品のLED接続箇所の接続検査
想定される用途
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実用化に向けた課題
• 現在、半断線故障検出のテスター開発において、基本機構を開発済み。しかし、検出すべき半断線故障の抵抗値が未解決である。
• 今後、用途に応じた電子回路基板の検出すべき半断線故障値を調べる。
• 実用化に向けて、数十Ωの半断線故障を検出できるよう技術を確立する必要もあり。
• 接触方式なので、電子回路基板などの検査では、プロービング技術が課題
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :はんだ接続部の検査回路
および方法
• 出願番号 :特願2013-155561• 出願人 :独立行政法人
国立高等専門学校機構
• 発明者 :小野安季良、高木正夫
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お問い合わせ先
香川高等専門学校
四国地区産学官連携コ-ディネータ
関 丈夫
TEL 087-869-3965
FAX 087-869-3967
e-mail [email protected]