cmcと酸からつくるゲル - 新技術説明会1 cmcと酸からつくるゲル...

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1 CMCと酸からつくるゲル (財)群馬県産業支援機構 群馬県地域結集型研究開発プログラム コア研究室 瀧上眞知子 天田春代 (独)日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 長澤尚胤 八木敏明 玉田正男 廣木章博 笠井昇 吉井文男

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CMCと酸からつくるゲル

(財)群馬県産業支援機構

群馬県地域結集型研究開発プログラム

コア研究室

瀧上眞知子

天田春代

(独)日本原子力研究開発機構

量子ビーム応用研究部門

長澤尚胤

八木敏明

玉田正男

廣木章博

笠井昇

吉井文男

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研究背景

群馬県は科学技術振興機構(JST)の支援のも と、群馬県地域結集型研究開発プログラム地域 産業創出プロジェクトを平成18年1月に開始し

た。(財)群馬県産業支援機構と(独)日本原子 力研究開発機構は共同して豚尿汚水からリンを

回収できる素材をカルボキシメチルセルロース (CMC)から作製することを目的として研究を

行った。

その研究の途中で見出されたのが、本 日ご紹介する“CMC-酸混練ゲル”である。

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CMCとは?

Carboxymethyl

Cellulose

CMC

セルロース

カルボキシメチルセルロース

・天然のパルプが原料 安全、環境に優しい

・広い利用分野

水酸化ナトリウムクロロ酢酸

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カルボキシメチルセルロースの用途

食品工業

乳酸菌飲料、アイスクリーム、濃厚ソースインスタントラーメン、ジャム、ハム

化粧品/日用品

練り歯磨き、保冷剤ヘヤークリーム

ハンドクリームシャンプー

医薬品 軟膏、錠剤、パック剤X線造影剤配合飼料

繊維工業

仕上糊、捺染糊、経糸糊

建材工業

繊維壁材、合成接着剤

製紙工業保水剤紙力増強剤表面サイズ剤コーテイングカラー

生地付形剤釉薬 窯業

モイストペレット、ペレット飼料

その他

緑化工法土木・ボーリング

CMC

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ゲルとは?

水+溶質=溶液状態=流れる

ゲル化

ゲル=液相と固相の

共存状態=流れない

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ゲルの例

ゼリー、コンニャク、豆腐、チーズ、ソフトコンタクトレンズ、紙おむつ、芳香剤、保冷剤、保水剤

など

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CMCゲル

CMC水溶液

CMCゲル水に不溶ゲル化によりCMCの用途拡大

ゲル化(CMCの橋架け)

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CMCゲルの作製方法

多価金属イオンによる橋架け

・・・金属イオンがゲル中に残存

架橋剤を用いた橋架け

・・・一般的に架橋剤には毒性あり

凍結・解凍の繰り返しによる橋架け

・・・手間がかかる

放射線照射による橋架け

・・・特殊な設備が必要

従来技術とその問題点

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CMC

粉末

酸と混練

酸混練 CMCゲル

酸混練/浸漬CMC

ゲル=新規ゲル

CMC

ペースト

酸浸漬CMCゲル

新規CMCゲルの作製

酸に浸漬

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新規ゲルには柔軟性・伸び・強度

新規CMCゲルの特性

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従来ゲル

新規ゲル

50%圧縮 荷重除去

従来ゲルの数百倍

新規ゲルの圧縮強度

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初期試料長35.40 mm 試料長169.46 mm

初期長の4~5倍に伸びる

新規ゲルの伸長性

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・混練または浸漬する 酸のpHに依存

・酸の種類を問わない・~100%

ゲル分率

0

20

40

60

80

100

-1 1 3 5 7

pH

ゲル

分率

(%

ゲル分率

:不溶化したCMCの割合

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吸水特性

吸水量:乾燥ゲル1gに吸収された水の重量(g)

・混練または浸漬する酸のpHに依存・ゲル分率が高いほど吸水量は少ない・ゲル重量の~300倍吸水

元のゲル

40倍吸水 130倍吸水

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用途拡大に向けて

CMC + 酸 + α

ゲル

・非水溶性金属化合物破壊強度5倍(圧縮)

・有機化合物破壊強度2倍以上(圧縮、延伸)

CMC + 酸 + α

ゲル

・非水溶性金属化合物破壊強度5倍(圧縮)

・有機化合物破壊強度2倍以上(圧縮、延伸)

αの特性をゲルに反映できる

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新技術ではCMCと酸のみを使用

・・・毒性がない、酸もゲルから除去できる、

製造コストが安い

CMCと酸の組み合わせにより様々な特性を持つゲル を調製できる

・・・弾力性、強度、密着性のあるゲル

CMCと酸の他に各種物質をゲル中に組み入れること が可能

・・・広い用途に応用できる

新技術の特徴・従来技術との比較

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想定される用途

介護分野弾性

医療分野強度が高い

衝撃吸収材肌への密着性

・ パップ剤各種物質を含む

ことができる

フェイスマスク柔軟性

用途ゲルの特性

芳香剤・脱臭剤保水性

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想定される業界

• 想定されるユーザー

化粧品メーカー

医薬品メーカー

日用品メーカー

医療・介護用品メーカー

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実用化に向けた課題

用途に応じた物性の最適化

柔軟性、肌への密着性、強度、弾性、保水性など

用途に応じた添加物質の検討

化粧水、メントール、アルコール、芳香成分、

脱臭成分、酸化チタン、酸化アルミニウム、

炭酸カルシウム、微結晶セルロース、ペクチン、

アルギン酸など

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企業への期待

基本的なゲル作製条件は確立し、物性は測 定済みであるので、実用化に向けて企業との

共同研究を希望する

用途に応じて

・ゲル作製条件の最適化

・添加物質の検討

を行う

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本技術に関する知的財産権ー1

・発明の名称: カルボキシメチルセルロースゲルの

製造方法

・出願番号: 特開

2008-69315

・出願人: 1)

(独)日本原子力研究開発機構

2)

(財)群馬県産業支援機構

・発明者: 2)瀧上眞知子、天田春代

1)長澤尚胤、 八木敏明、玉田正男、

笠井昇、吉井文男

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本技術に関する知的財産権ー2

・発明の名称: カルボキシメチルセルロースを主成 分とするゲルの製造方法およびゲル

・出願番号: 特開

2008ー230996

・出願人: 1)

(独)日本原子力研究開発機構

2)

(財)群馬県産業支援機構

・発明者: 2)瀧上眞知子

1)長澤尚胤、 八木敏明、玉田正男

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本技術に関する知的財産権ー3

・発明の名称: カルボキシメチルセルロースアルカリ 塩のゲルの製造方法及びそれによっ て得られたカルボキシメチルセロース アルカリ塩のゲル

・出願番号: 特願

2007ー188845

・出願人: 1)

(財)群馬県産業支援機構

2)

(独)日本原子力研究開発機構

・発明者: 1)瀧上眞知子、天田春代

2)長澤尚胤、 廣木章博、玉田正男

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お問い合わせ先

(財)群馬県産業支援機構

産学連携グループ

宮城

布明

TEL 027-255-6601

FAX 027-255-6161

e-mail [email protected]

(独)日本原子力研究開発機構

産学連携推進部

技術移転課

笠井

TEL 027-346-9812

FAX 027-346-9381

e-mail [email protected]