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NPO法人AfriMedico年次報告書
20142014 年 4 月~ 2015 年 3 月
Medicine for the last mile~全てのアフリカの人々に健康を~
Photo by Taku Ichiyama
AfriMedico は医療を通じて、アフリカと日本をつなぎ、健康と笑顔を届けます。
私たちの mission私たちは、“Medicine for the last mile” をスローガンに掲げ、世界とのネットワークを通じて日々活動しています。日本で作られた高品質な医薬品をアフリカに届けることが、
①アフリカの人々の健康の向上②日本の製薬業界の更なる発展に繋がると考え、世界の医療環境の改善に貢献することを目指しています。
私たちの活動AfriMedico は、日本の伝統的な「富山の置き薬」(配置薬)の仕組みをアフリカに広めるべく活動しています。
「置き薬」とは、家庭や公共の場(学校や企業など)に基本的な薬剤のセットを置いておくサービスです。AfriMedico が支援する置き薬の普及活動では、薬箱の設置には費用がかからず、病気や怪我で置き薬を使ったときにだけ、使用した分の費用を患者さんが払います。
この仕組みによって、患者さんは遠い病院に行き、長い待ち時間を過ごす必要が無くなります。必要な時に必要な医薬品を使用できるので、置き薬は「ホームドクター」のようなものと言ってもよいでしょう。
すでに置き薬を取り入れている海外の事例では、病気の重症化を防いだり、人々の医療に関する知識を増やしたりするといった形で健康に寄与しています。
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NPO 法人 AfriMedico
2014 年 年次報告書2014 年 4 月~ 2015 年 3 月
Contents目次............................................................. 1
理事長挨拶................................................ 2
2014 年の活動の総括........................... 3
海外の活動実績...................................... 4
国内の活動実績...................................... 6
財務報告..................................................10
お知らせ..................................................11
本報告書の文中および図表中では企業・団体名の敬称を省略させていただきました。
AfriMedico 2014 年年次報告
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代表理事挨拶ご支援を頂いております皆様へ
1 年間に渡りご支援を賜り、誠に有難うございました。 この 1 年は、我々にとって「ゼロからのスタートの年」でした。 全てが初めての事ばかりで、この報告書も同様に記念すべき「初年次報告書」です。
1 年を通じて活動出来たのもこれを読んで頂いている皆様のおかげです。 ここに報告出来ることも嬉しく思っております。応援を有難うございました。
1 年を振り返ってみても毎月毎月様々な事がありました。
ほぼ毎月イベントを行いその準備に追われつつも、現地調査・視察の準備やアンケート作成から渡航まで、本当に 365 日フル稼働で動いて参りました。
個人的にはこの 1 年、誰よりも後悔なく頑張ったと言い切れるぐらいでしたが、もちろんその背景には私の力のみではなく、理事・プロボノの力がありました。夜中や休み・正月まで活動をしてくれているメンバーもおり、小さいと思われる1つひとつの活動・メールなどが結果に繋がることを身をもって経験しました。
一人で出来る事は限られます。これを読んで頂いている皆様の支援がなかったら活動も出来なかったですし、精神的にも活力が出なかったと感じてます。
また、来年はさらに活動が現地に重点を置いていきますので、ご支援を賜れば幸いです。 皆様に健康と笑顔を届けれるように活動をしてまいります。
どうぞ、本年もご支援・応援をお願い出来れば幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
AfriMedico
代表理事 町井恵理
ニジェールでの青年海外協力隊時代 タンザニア、コログウェ村での健康調査
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2014 年の AfriMedico
4 月.★ 設立総会
.★ 設立イベント~アフリカ太鼓セッション~
5 月.★ 企業交流会の実施
6 月 .★ ソーシャルビジネス交流会に登壇
7 月 .★ AfriMedico 経営合宿の実施
8 月
9 月 .★ タンザニア視察報告会の開催
10 月 .★ 製薬企業勉強会の開催
11 月
12 月
.ㅥニーズ調査の実施
.ㅥ現地調査・視察
.ㅥFS(実行可能性調査)の実施
.★「ReadyFor?」主催のクラウドファンディングに参加、目標金額を達成
.★ NPO 法人「二枚目の名刺」によるイベントでポスター発表
.★ 国際保健医療学会の自由集会に登壇
.★ NPO 法人 ETIC 主催の「TOKYO.STARTUP.GATEWAY.2014」で最優秀賞を獲得
.★ ICnet(株)主催の「40億人のためのビジネスコンテスト」にノミネート。ファイナリストに選出される。
.★ グロービス経営大学院の講演会に登壇
★★ 国内のイベント★ㅥ 海外 ( タンザニア ) での活動
AfriMedico 2014 年年次報告
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海外の活動実績■■ Feasibility■Study(実行可能性調査)AfriMedico は、配置薬事業の実施に向けてタンザニアで Feasibility Study を実施しています。
2014 年に実施した Feasibility Study(継続中のものを含む)は以下の通りです。
調査概要■ 協力者 / 提携先■
医薬品のニーズや使用者の傾向を把握するため、10 世帯に薬箱のサンプルを渡し、使用状況や使用者の感想について調査を行った。
現地日本人
日本人が経営するタンザニアの企業に日本の配置薬のサンプルを設置し、薬剤のニーズと使用頻度を調査している。
株式会社広貫堂、布亀株式
会社、日本製薬株式会社、
現地企業
タンザニア農村部での疫学実態調査を実施中。 現地企業
現地の薬剤師が管理する配置薬が、どのように使用されるかを確認するため、タンザニア農村部の薬局 2 か所に、それぞれ薬箱 15 箱を配置した。
現地薬局(2 か所)
写真上:現地の薬局オーナーに薬箱のサンプルを手渡した。
写真右:日本で薬の箱詰めをする様子
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■■ タンザニア現地調査・視察2014 年 8 月にはメンバーが現地入りし、配置薬事業の本格的な実施に向けて、現地の住民
へのインタビューや聞き取り調査、現地協力者との話し合いを行いました。
日程 2014 年 8 月 8~18 日
目的
① 配置薬事業の提携先・設置場所の検討
② 配置薬事業に関連するタンザニアの制度や現地の商業システムに関する調査
③ 医薬品のニーズや健康意識に関する住民への聞き取り調査
④ 現地省庁へのコンタクト
活動内容
.● 2014 年 5 月に行った Feasibility.Study 対象者へのインタビュー
.● 現地協力者となるタンザニア薬剤師との協議
.● 薬局(都市部・農村部)での聞き取り調査
.● 農村部(タンガ州コログウェ村.)の住民の生活状況、医療施設の視察
.● 農村部の住民へのアンケート&インタビュー調査
.● TFDA(タンザニア食品医薬品局)職員への聞き取り
.● 開発パートナー(JICA、UNICEF など)への聞き取り
Feasibility.Study 対象者へのインタビュー タンザニア、コログウェ村の医療施設
農村部の病院の様子 タンザニアの薬剤師との協議
AfriMedico 2014 年年次報告
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国内の活動実績■■ 支援者拡大AfriMedico は、支援者の拡大や活動モデルの改善、資金調達などのために国内でも様々な
活動を行っています。
国内企業との提携AfriMedico の配置薬事業に賛同してくださる企業との提携を進めています。2014 年に
AfriMedico の活動に協力していただいた企業は以下の通りです。
株式会社 廣貫堂 様
布亀株式会社 様
クラウドファンディングへの参加2014 年 8 月に、「ReadyFor?」が主催するクラウドファンディングに参加しました。皆様
の温かいご支援により、目標金額の 120 万円を大きく上回る 187 万円を達成しました。
クラウドファンディング(Crowd.Funding)とは
企業からの寄付久光製薬株式会社 様より CSR 活動のひとつ、「久光ほっとハート倶楽部」の一環
として、ご寄付を頂きました。
ある目的を達成したい個人 / 組織が、不特定多数の人々(crowd)に小額からの寄付を資金として募り、必要な金額が集まった時点で目的の活動を実行する資金調達の方法です。今回 AfriMedico は、クラウドファンディングサービス
「ReadyFor?」のホームページを通じて AfriMedico の活動内容や理念を紹介し、多くの方のご賛同とご支援をいただいて、必要な活動資金を集めることができました。
「ReadyFor?」のトップページに使用したニジェール時代の写真
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国内イベントの実施AfriMedico の活動をより多くの方に知ってもらうため、国内でセミナーやイベントを行っ
ています。また、NGO が参加する交流会や国際協力関連の学会にも参加し、積極的な情
報発信を行っています。
4月 設立イベント~アフリカ太鼓.ジャンベセッション~
5月 製薬企業交流会の実施
6月 ソーシャルビジネス交流会への登壇
7月 AfriMedico経営合宿の開催
8月 NPO法人「二枚目の名刺」によるNPOと社会人の交流イベントでポスター発表
9月 タンザニア視察報告会の開催
10月 製薬企業勉強会の開催
11月 国際保健医療学会の自由集会に登壇
12月 グロービス経営大学院の講演会に登壇
2015年2月 「グローバルヘルスにおける社会起業を考える会」開催
3月IC.netビジネスコンテスト最終プレゼン大会出場AfriMedico&Runtripコラボ企画.チャリティランニング
2014 年 4月~ 2015 年 3月に行った国内イベント
設立イベントで行ったジャンベセッション
観音崎でのチャリティランニング
JICA 国際協力専門員の杉下智彦先生を講師に迎えて行ったセミナー
AfriMedico 2014 年年次報告
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■■ 組織戦略のブラッシュアップ
TOKYO■STARTUP■GATEWAY■2014NPO 法人 ETIC が主催する次世代アントレプレナー育成プログラム「TOKYO STARTUP
GATEWAY 2014」にノミネートし、448 組の応募者のうち最優秀賞を獲得しました。
「東京における企業の機運を高める」というミッションに基づいて実施された同プログラム
の何段階もの審査を経る過程で、AfriMedico の事業計画を精緻化することができ、様々な
分野から参加した他の候補者らからは大きな刺激を受けました。
40 億人のためのビジネスアイデアコンテストアイ・シー・ネット株式会社が、世界の困難な状況で暮らす人々の生活をより良くするビ
ジネスアイデアの事業化支援のために行っている「40 億人のビジネスコンテスト」にノミ
ネートし、最終選考に残りました。残念ながら優勝はできませんでしたが、ファイナリス
トとして発表させて頂き、たくさんの有益なアドバイスと温かい支援の言葉をいただきま
した。
TOKYO.STARTUP.FATEWAY.2014 最終プレゼンテーション 最優秀賞受賞の瞬間
40 億人のためのビジネスアイデアコンテスト最終プレゼンテーション
審査員や他のファイナリストとの記念撮影
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■■ メディア掲載実績
WEBニュース「TOKYO STARTUP GATEWAY 2014」最優秀賞受賞に関する記事の掲載
■グロービス経営大学院大学 (2014 年 11 月 16 日 )
http://mba.globis.ac.jp/student/topics/detail-4575.html
■マイナビ ニュース (2014 年 11 月 17 日 ) http://news.mynavi.jp/news/2014/11/17/323/
■フトゥールス (2014 年 11 月 17 日 ) http://nge.jp/2014/11/17/post-88386
■ライブドア ニュース (2014 年 11 月 17 日 ) http://news.livedoor.com/lite/article_detail/9477608/
■アスキー (2014 年 11 月 17 日 )
http://ascii.jp/elem/000/000/952/952797/
■中村鉄太郎 .com (2014 年 11 月 18 日 ) http://www.tetsutaronakamura.com/2720
■ THE BRIDGE NEWS (2014 年 11 月 19 日 ) http://thebridge.jp/2014/11/startup-gateway-pitch
新聞共同通信による取材の掲載 茨城新聞、沖縄新聞、北日本新聞、京都新聞、神戸新聞、東京新聞、新潟新聞、 福井新聞、夕刊フジ、
m3 .com ニュースなど ( 五十音順)
テレビ・ラジオ■ J-WAVE TOKYO MORNING RADIO (2015 年 3 月 19 日 )
■カンブリア宮殿 *(2015 年 3 月 19 日)
*日本ポリグル会長 小田 兼利氏出演回の一部としてJ-WAVE.TOKYO.MORNING.RADIO.パーソナリティの別所哲也さんと
AfriMedico 2014 年年次報告
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財務報告書 (2014 年 4月 8日~ 2015 年 3月 31 日)( 単位:円)
I.■経常収益1.受取会費 正会員受取会費 355,000
賛助会員受取会費 100,000
受取会費 計 455,000
2.受取寄付金 受取寄付金 1,851,754
受取寄付金 計 1,851,754
経常収益.計 2,306,754.II.■経常費用1. 事業費 イベント費用 85,534
HP 作成料 83,544 市場調査費 227,175
支払手数料 72,200 交際費 33,580 出張旅費 470,157 事業費 計 972,190
2. 管理費 通信費 30,054 地代家賃 16,200
コンピューター費 27,000
帳簿文具費 24,376
雑費 16,484
管理費 計 114,114
経常費用計 1,086,304当期正味財産増減額 1,220,450前期繰越正味財産額 0次期繰越正味財産額 1,220,450
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お知らせAfriMedico は組織の理念に賛同し、活動を支援してくださる方を随時募集しています。
参加の方法
①会員になるAfriMedico は私たちの理念・活動内容にご賛同いただける個人・企業の方々を広く募集しています。定期的な活動状況の報告、シンポジウム・講演会・イベントなどの優待、アフリカへのスタディツアーの優待など会員特典が多数あります。
■ 正会員(個人) 入会金 5 千円 年会費 1 万円
■ 正会員(団体) 入会金 1 万円 年会費 1 口 5 万円
■ 寄付会員 年会費 1 口 1 万円
②寄付をするAfriMedico は任意の額のご寄附を随時受け付けています。ご寄付は、下記の口座にお振込みください。
銀行名: ゆうちょ銀行
店番号: 028
口座番号: 3432492
口座名: アフリメディコ
③ボランティアとして活動するAfriMedico の理念に賛同し、ともに活動してくれる方を募集しています。ボランティアとしての活動に興味のある方は、[email protected] までご連絡ください。
ボランティアの声
時間のある時に手伝うというボランティアの立場で、海外戦略の策定や広報資料の作成などのやりがいのある業務に携わることができています。本業でも途上国支援の仕事をしていますが、AfriMedico の活動を通じて新たな視点が得られ、仕事にも役立っていることを実感しています。組織の運営もオープンで、毎週のミーティングでメンバーと議論することで、活動に主体的に関わっていくことができます。そして何よりも、アフリカの医療の向上に貢献したいという真摯な気持ちを持ち、パワフルで魅力的な人達と出会えることが AfriMedico の魅力です。
水流 晶子
「 優 勝 は、、、 町 井 恵 理さ ん で す 」 と ア ナ ウ ンス さ れ た 瞬 間、TOKYO S TA R T U P G AT E W AY 2014 の応援要員として客席に座っていた私は感動で足が震えていました。町井さんの最優秀賞受賞
により、ボランティアメンバーの私も何かアフリカの医療向上に役立つことができるのだと感じることができたのです。 昨今、アフリカは著しい経済成長率が注目されていますが、同時に貧富の差は拡大しており農村部での医療へのアクセスにはまだ多くの課題が残っています。私自身は薬剤師というバックグラウンドを活かし、時間のあるときに自分のできる範囲でできることをお手伝いさせて頂いている立場ですが、非営利組織として一つの事業を動かしていくには医薬品の専門知識に限らず、組織運営や IT マネジメント、資金管理等様々な人の力が必要です。AfriMedico を通じていろんなバックグラウンドを持つ方と情報交換できることも私にとって一つの楽しみです。アフリカの役に立ちたい、アフリカと関わりたいという方と一緒にこれからも AfriMedico を支えていきたいと考えています。
木村 有希
AfriMedicoE-mail : [email protected] site : http://afrimedico.orgFacebook:www.facebook.com/afrimedico
発行:2015 年 4 月